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その頃、ルカリオは昨夜の女性を側妃にすることばかり考えていた。 
 
酔っていてしっかりと覚えていないことは残念だが、彼女を間違ってリンダと呼んでも、怒らずに『リンダでいいですよ』と笑顔で言ってくれた。
リンダと同じ髪色で同じ目の色。リンダといるようで幸せだった。

侍従に調べさせたところ、昨日の女性はメイドになったばかりのダリアという名前だった。
先輩メイドに指示されてお酒の追加と氷を持ってきたところ、ルカリオが引き留めたらしい。

(酒と氷なんて頼んだっけ?その時にはもう酔っ払ってたのか。)



どこまで思い出せるかな。

え~と、リンダだと思って抱きついて、リンダじゃないけどリンダでいいと言ってくれて。
お酒を注いでくれて、リンダの話をして。
泣いてしまって、リンダが胸を貸してくれて。(ダリアだけど)
胸が柔らかくて顔を擦りつけたら、色っぽい声が聞こえて。
その声で僕のモノが大きくなっちゃって。
股間を押えたら、解放したらいいと言ってくれて。
いいのかぁと出してしまって。(酔ってたからなぁ)
ベッドに一緒に行って、リンダが僕のモノをつついたらもっと大きくなっちゃって。
胸が見たいと言ったら服を脱いでくれて。
乳首に吸い寄せられて吸ったら、かわいい声が聞こえて。
リンダが僕のモノに触れて扱いてくれて、あっというまに出しちゃって。
リンダの胸にいっぱいかかっちゃって。
リンダの脚を開いてアソコに入れたいと思ったことまでは覚えている。

つまり、肝心な僕の初体験は無意識に終わってしまっていたということだ。




侍従に、ダリアは妊娠した可能性があるので身の安全を確保するように伝えたところ、ダリアからの返事を教えてくれた。

『避妊薬飲んでるから大丈夫です。純潔じゃありませんし。
 私は特定の人はつくらないんです。お互いに気持ち良ければいいので。
 王太子様は挿入したけど中に入れたまま出さずに寝ちゃいました。』

なにそれ。リンダは側妃になる気はないってこと?(だからダリアだって)

追加の返事も教えてくれた。

『王太子様のモノは私好みの大きさじゃなかったから最後までしても満足しなかっただろうし。
 なんだか面倒ごとに巻き込まれるのは嫌だから、メイド辞めます。
 やっぱり騎士様がアレも立派で体力もあって満足させてくれるから私の理想。』

頭が真っ白になり、しばらく放心していたらしい。
侍従が気の毒そうに声をかけてくれた。


そうか。俺のコレは小さいのか………





ちなみにダリアが言った、挿入したけど中に入れたまま出さずに寝たというのは嘘である。
ルカリオの記憶にある、ダリアの胸にかけたことまでは事実で、実際はそのまま寝ただけ。  
誤解されるように、ダリアはそのまま裸でルカリオの隣で朝まで寝た。が正解である。 


そして、ダリアはユリアナの手の者。ルカリオは見事に引っ掛かってくれた。
 


 
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