あなたに最後の贈り物を

しゃーりん

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「ブレイズ、最近、遊びすぎなんじゃないのか?」


ブレイズがどういうつもりなのか、イーサンが聞いてきた。
同じ隊の騎士も近くにいる。
みんな、アイリーンとうまくいっていないのかと心配しているらしい。


「元から俺は遊んでいた男だ。そんな男だからメルリーと結婚してからもアンタたちは罪悪感なくアイリーンを押しつけていたんだろう?」


結婚したのにいいのか?と聞かれたが、自分が変わるとは誰も言わなかった。
そのことは悪いと思っているらしい。


「だけど、子供も生まれたのに。」

「あぁ、あの子は俺の子じゃない。俺がアイリーンと関係を持ったのは離婚後、一度だけだ。」

「え?!噂になった時、部屋で抱いたんじゃないのか?あの時の子だと思ってたが。」


孕んだ時期がちゃんとわかる男もいるんだな。


「抱いてない。俺の子でもないしアイリーンを好きでもない。騙されて結婚してそれでも養ってやっているんだ。遊びに文句を言うなら喜んで離婚するさ。」


自分が俺の立場ならどうする?

そう問いかけると、誰もブレイズの遊びを否定できなくなった。




 
ブレイズの遊びを耳にしたアイリーンが怒りながら問い詰めてきた。

 
「ちょっと、ブレイズ。浮気してるってどういうこと?」

「どうって?」

「あなた、結婚してるのよ?私がいるじゃないっ!」 

「それがどうした。俺がこういう男だとお前が一番知っていただろう?」


アイリーンは目を見開いた。


「俺がメルリーと結婚していた時、お前は俺が既婚者と知りながら誘ってきたじゃないか。」

「でも、だって、それでも最後まではしなかったじゃない!」

「メルリーと約束していたからな。浮気しないって。メルリーが好きだったからそれだけは約束を破らないでいるつもりだった。まぁ、俺の浮気の基準は他人とズレていたみたいだが。」


キスを受け入れる時点で、浮気だと思う者が多いと知った。
二人きりでの食事も、相手がデートだと思えば浮気になるらしい。


「それなら、私とも約束してよっ!!抱きたいなら私がいるじゃない!」

「お前を抱きたいという気にならない。」

「え……?」

「そもそも、俺はお前のことは好みじゃない。好きだと思ったこともない。」

「え……なら、どうして?」

「どうしてって、キスしてきたのはお前だろう?俺に跨って腰を振ったのはお前だろう?子供ができたと言ったのはお前だろう?結婚しろと言ったのはお前だろう?俺は喜んだか?結婚しようと言ったか?」

「そんな……」

「そんなお前を養ってやっているだろう?俺の子でもないマーカスも養ってやっているだろう?」

「……知って、」


俺の子じゃないと認めたな。


「お前を抱きたいと思わないんだから、外で発散するのは当然だろう?好みの女とな。」


誘われたら応えないとな。
そう言って、呆然とするアイリーンを放って女を抱きに行った。
 
離婚を選びたくなるようにしてやる。
 

メルリーの苦しみを味わえ。





 
 
アイリーンは呆然としたまま、出て行くブレイズを見ていた。

今、帰って来たばかりなのに出て行った。
今日、早く帰ったのは女を抱いてこなかったからなのに、出て行ったということは抱きに行くのだろう。
 
妊娠中、誘ってもブレイズは触れてこなかった。
ブレイズは激しい行為を望むから、子供によくないと我慢してくれているのだと思っていた。
手と口で慰めてあげようと思っても断られたのは、家事をしたくなくて悪阻がひどいのだと言ったために遠慮しているのだと思っていた。

出産後、悪露が無くなってそろそろ体を繋げたいと思っていたのに、ブレイズの帰りが遅くなった。
マーカスが泣くたびに起きる羽目になるので、アイリーンの機嫌も悪くなる。
そのせいで、外で食事をしてくるようになったからだと思っていた。

しかし、それが浮気しているせいだと知った。


マーカスがブレイズの子でないことも、知っていた。

どうして?

ひと月くらい、ブレイズなら誤魔化せると思っていたのに。
いつ、孕んだのかなんて、気にするような男とは思っていなかったのに。


子供なんか、産むんじゃなかった。




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