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しおりを挟む侯爵令息であったディックは王太子より1歳年下だけど、子供の頃に遊び相手に認められた。
次男だから侯爵家は兄が継ぐ。自分は剣が好きだから騎士になろう。そう思った。
父は俺の婿入り先をちゃんと考えてくれていた。
婚約者ローレルはしっかりとした美人で、結婚しても仕事は自分がするので騎士として働いてくれても構わないと言ってくれていた。
貞操観念は固く、キスまでしか許してくれなかった。
ある日、泣いている令嬢がいた。下の学年の噂の男爵令嬢のようだ。
確かに可愛い。だけど、体つきはローレルの方が好みだ。
騎士として手を差し出して立ち上がらせた。
『ありがとうございます。』
そういう彼女の目を見たら、『守ってやりたい』と思った。
ケイトリンが倒れているところに出会った。
犯人が逃げたという方向へ向かったが見つけられなかった。
しまった。リオネルが彼女を助けているじゃないか。
このまま彼女を放ってはおけない。
自分たちと一緒にいれば、嫌がらせはされないと思い、王太子がいるところに連れて行った。
しかし、これが失敗だった。
王太子もランドールもハンクも。結局はみんながケイトリンに興味を持ったじゃないか。
でも彼女といると楽しかった。今はこれで満足だと思った。
リオネルが急に僕たちのそばから離れると言い出したけど、ライバルが減ったと思った。
父が、僕に魔法がかかっていないか調べさせた。魅了?そんなんじゃない。
婚約者のローレルが最近うるさい。
ケイトリンとの距離感がおかしい?当たり前だ。周りを牽制してるんだから。
不貞?ふざけるな。ローレルの手を振り払ったら突き飛ばしたように倒れた。
ハッ!無様だな。なんでケイトリンみたいな可愛さがお前にはない?そう言ったら泣いた。
俺の有責で婚約破棄?向こうがうるさいからだろ。まぁ、突き飛ばしたのは悪かった。
部屋で謹慎?わかったよ。
でも退屈だ。そうだ。ケイトリンを家まで送って行こう。
ケイトリンを迎えに行くと会えなくて寂しかったと言ってくれた。
馬車の中で婚約破棄したことを告げると自分のせいだと謝った。
思わず抱きしめると、上を向いたケイトリンの唇がそこにあったんだ。
夢中で貪った。甘い声が聞こえた。身を任せてくれてる。
たまに使ってる宿でケイトリンを抱いた。
初めてではないけど、慣れてもいないようだ。
俺は気にしない。時間が許す限り、何度も抱いた。
週に2度ほど、宿で抱くようになった。慣れてきたのか、気持ちよさそうだ。
ランドールがいきなりケイトリンにプロポーズした。
は?お前、なに勝手なことを!
もちろん、俺もプロポーズ。他の奴も。
早く俺を選べ。俺に夢中だろ?
いきなり現れた男がケイトリンを刺した。
は?何で?
ケイトリンは血まみれだ。刺した男に微笑んで死んだ。
嘘だろう?あ、俺を待ってるのか。すぐ行くから待ってろ。
あ?ケイトリン?あぁ、胸の小さい女な。顔は可愛かったけどなぁ。
やっぱりローレルくらいの胸がなきゃな。
さて、戻ったらローレルを優しく抱いてやるか。
え?侯爵家の籍を抜かれてる?
ローレルは別の男と結婚した?子供もいる?
は?
あれから5年?
………………俺はどこに行けばいいんだ?俺を待ってる人は?……いない?
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