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しおりを挟む侯爵令息であったハンクは王太子より2歳下だけど、子供の頃に遊び相手に認められた。
学園の入学前に爵位に合った侯爵令嬢ニナと婚約した。
入学後は、王太子やみんなと共に行動できることが誇らしかった。
同級生に可愛いと噂の令嬢がいることは聞いていた。
だけど、婚約者がいるし、男爵令嬢と聞いたので興味がなかった。
泣いているところに出会ったけれど、嫌がらせされるのは本人に原因があると思っていた。
ケイトリンを教室まで送ることになり、二人で歩いても特に会話はなかった。
教室前で別れようとしたら、手に触れられ『送ってくれてありがとう』と言う彼女を見た。
目を見て『ああ、そばにいてやらないと』と思った。
それからだ。彼女が気になって仕方がなかった。
嫌がらせを避けるために、僕たちと一緒にいることになった。
リオネルが急に僕たちのそばから離れると言い出したけど、ライバルが減ったと思った。
父が、僕に魔法がかかっていないか調べさせた。魅了?そんなんじゃない。
婚約者?ニナ嬢か。最近はケイトリンとの接し方に文句を言われる。
王太子がケイトリンを愛妾にするかもしれない?
もしそうなっても僕が王太子のそばに居れば、いつかケイトリンは僕のところに来るはず。
婚約は解消され、これで何の障害もない。
ある日、空教室で相談があるので話がしたいとケイトリンに誘われた。
二人きりで話なんて嬉しかった。
内容は僕たちといることで令嬢たちの目が怖いと言うことだった。
守るから心配しないでと言うと、抱き着いてきた。
彼女はそのまま顔を上げるとまるでキスを待っているようだった。
ゆっくりと顔を近づけても逃げないので口づけた。柔らかかった。
やっぱりケイトリンは僕が好きなんだ。
それからは教室に送り届ける途中で隠れてキスをした。
みんなを出し抜いて気分も良かったけど、王太子がどういう気かはわからない。
婚約者の王女とは婚約解消できないだろうから、学園を卒業したらケイトリンとは会えないだろう?
本当に愛妾にするのか?結婚前に?
そんな暴挙はできないだろう?僕が守るよ。
ランドールがいきなりケイトリンにプロポーズした。
は?何で?
負けてられない。僕も!
すると、王太子もディックもプロポーズ。
ケイトリンは誰を選ぶ?僕だよね?
いきなり現れた男がケイトリンを刺した。
え?何で?
ケイトリンは血まみれだ。刺した男に微笑んで死んだ。
嘘だろう?あ、僕を待ってるのか。すぐ行くからね。
え?ケイトリン?ああ、えーっと。うん。もう何とも思わない。
亡くなったのは気の毒だったけど、仕方ないよね。
僕はもう大丈夫だ。
侯爵家に戻ってニナ嬢とやり直さないと。
え?侯爵家の籍を抜かれてる?
ニナ嬢は別の男ととっくに婚約した?
え?
あれから2年?
……………え?誰か僕を待ってくれてるよね?……いない?
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