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ケイトリンが目の前で殺されたのを見ていた4人は衝動的に後を追おうとした。

そのため、4人は別々に監視付きの部屋で様子を見ることになった。 
 
古代魔術の魅了だと判明しても、解く方法がない。

洗脳を解くように、徐々に回復を待つしかなかった。

4人は専門の施設に入ることになり、正常だと判断されるまでは出てこれなくなった。






国王陛下は王太子が病気療養のため地位を返上することになり、新たな王太子を第二王子ガブリアスにすると発表。
婚約者は隣国の王女がそのままガブリアスの婚約者となった。
隣国には経緯を報告し、王女より一歳年下のガブリアスが相手でも構わないと返答があった。
 
魅了の疑いがあった時に詳しく調べるべきであった。
男爵令嬢とは学園内での戯れなどと軽く考えるべきではなかった。
 
国王陛下がいくら後悔しても、王太子の所業は知れ渡っている。
正常になって戻ってきたとしても、王太子に戻せるわけはないのだ。





侯爵令息ディックの父は、後悔していた。

婚約破棄となった時点で学園を辞めさせて騎士としてやり直しさせるべきであった。
忠告を受けていたのに、また学園に通わせてケイトリンという女に深く魅了される羽目になった。

長男に迷惑をかけるわけにはいかない。
私が今のうちにディックの籍を侯爵家から抜く。それが親としての責任である。





侯爵令息ハンクの父は、後悔していた。

どうして王太子のそばに息子を置き続けたのだろう。
忠告を受けていたのに、何の対処もしなかった。
また別の婚約者を探すなど、男爵令嬢に夢中になっていた姿を知られているのに誰が来る?
苦情を言ってくる婚約者に誠実に向き合うべきであった。
あの時点では、まだ間に合った可能性はあったのに。

侯爵家の跡継ぎは娘になる。ハンクは侯爵家から籍を抜くしかない。
兄の所業のお陰でつらい立場になるだろうが、まだ13歳だ。
学園に入るまでに理解ある貴族と縁を結べると良いが。
まぁ、婿入りとなれば希望する貴族もいるだろう。





公爵令息ランドールの父は、婚約解消とランドールの婚約者であったアンジュを跡継ぎにすることを決めた。

援助金の返還はとてもじゃないが無理だった。
他貴族家にも息子の所業は知れ渡っている。弟からの援助で公爵家が保てるのも知られている。
乗っ取られるのは当然だろう。いや、姪に譲ったと思おう。

ランドールが戻ってきたとしても、居場所はもうない。公爵家から籍も抜く。
せめて、娘だけは嫁がせてやりたい。弟に頭を下げて持参金をお願いするしかなかった。





 
そして、ケイトリンとパーシーの男爵家はそれぞれ爵位返上となった。
家族は何も関係なかったことから処罰は免れたが、国外へと逃げるように去った。
   

  
 
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