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5.
しおりを挟む君は魅了されなかったの?
「僕は元々ケイトリンが好きでしたから、効いたかどうかがわからないじゃないですか。」
ケイトリンが好きなのに魅了の魔道具をあげたの?
「何度も婚約を申し込んでいました。
その度に、『魅力的な物をプレゼントして。それが気に入ったら婚約する』と言いました。
いろんな物の中から、彼女が気に入ったのがそれでした。」
でも、婚約してないよね?
「ええ。少し遊んで満足したら婚約するとの約束でした。婚約者がいるとチヤホヤされないから。」
少し遊んで満足したら婚約。少し遊んだ騒ぎじゃないね?
「ええ。だから何度も止めました。」
ケイトリンは君の言うことを聞かなかった?
「もう少しだけって。
でも、次に聞いた時には3人が手遅れになっていたので逃げられないと思いました。」
手遅れ。どういうこと?3年寿命を減らした3人?
「そうです。ケイトリンはすでに3人と体の関係をもっていました。
そうすると、魅了が深まり相手はケイトリンに執着してしまいます。」
なるほど。ケイトリンが純潔を捧げた最初って3人の誰か知ってる?
「ケイトリンの初めての相手は僕です。」
あ、そうなの?
「はい。魔道具を選んだケイトリンが、僕と必ず婚約する証として純潔を差し出しました。
学園で少しチヤホヤされたら僕と婚約するつもりで。
でも、魅了しなくてもチヤホヤされて、拍子抜けしたそうです。
そんな時、王太子とその友人たちを見て、チヤホヤされるならこの人たちがいいと言って。
順に5人全員を魅了しました。
5人が自分のそばにいるのを周りが羨ましそうに見てるって喜んでいました。
しかし、ひと月経たずに1人が抜けて。
そこで終わりにすればよかったのに、もう誰も逃がさないようにと4人とキスしたそうです。
もちろん、4人はお互いの状況を知りません。
自分が一番好かれていると思っていたでしょう。
実際はそのうちの3人と体の関係までもったと聞いて、それは不貞だと言いました。
彼女は、まだ僕と婚約していないから不貞ではないと。
必ず僕のもとに戻ると。
でも、もう無理だと思いました。相手が悪すぎました。
どうせ処罰されるなら、最高に満足している瞬間に僕の手で終わらせてあげたかった。」
で、刺したということか。ケイトリンは微笑んでたね。
「ええ。昔の彼女に戻ったみたいな微笑みでした。」
アンクレットはひょっとすると、装着者の思考にも異常をきたすのかもしれないね。
多くの人を魅了して装着者の寿命を早めるように。
「そうかもしれません。アンクレットに出会ってしまったことを心から悔やんでいます。」
ちなみに、なんで3回刺したの?
「僕を裏切って体を許した男の数です。」
結局、裏切りが許せなかったってことだね。
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