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9.
しおりを挟む息子の名前はフォード。国王陛下が名付けてくれた。
陛下にとっては5人目の子供。
だけど、我がアグリード伯爵家の跡継ぎになる子なの。
びっくりするほど綺麗な顔立ちで、陛下に似ている。
将来はモテモテだろうなぁ……
王子様も王女様も久しぶりの兄弟にすごく喜んでくれた。
4人とも、年が近いから兄弟が産まれた時のことを覚えていないから余計にね。
王宮では特にすることもないので、自分でフォードを育てることにした。
普通の貴族だと乳母に頼む。
だけど、閨の相手を必要とする夫もいなければ女主人としての仕事もなく、何もすることがないから。
幸い、母乳がたっぷり出るから問題もなかった。
夜中に起こされるくらい、慣れれば平気。
もちろん、王子様方のお世話をしたことがある侍女にも手伝ってもらって。
ここは人手も経験者も相談相手もたくさんいるから、困ることもなかった。
お妃様方には夜中の授乳に驚かれたけど。
フォード出産から8か月後、私が公妾になって約1年半が経とうという頃に再び私の妊娠計画がお妃様方によって進められていた。
「そろそろ二人目を妊娠したらいいと思うわ。今度は男の子?女の子?どっちがいい?」
「どっちって……どちらでもいいですよ?狙って産めるわけでもないですし。」
「あら。陛下は多分、産み分け方法をご存知よ?王妃には男、側妃には女って分けたもの。」
「不要な争いを避ける必要があるからね。」
「フォードも男の子を望んだから産まれたでしょ?」
「え?産み分けってできるんですか?」
「具体的な方法は知らないわ。王家には何か秘儀でもあるのかしらね。」
「どっちがいいの?女の子も可愛いわよ。嫁に行ってしまうけど。」
「選べるのなら悩みますね。……陛下に任せようかしら。」
「それもいいわね。産まれるまで誰も知らないのが普通だし。」
「じゃあ、また予定を決めちゃいましょう!」
そうして、二人目を妊娠するために予定が組まれて陛下がやってきた。
「ルクレツィアを抱くのはフォードを妊娠させた時以来だね。
妃たちに言ってくれれば、ルクレツィアのところに来る予定も組んでくれるのに。
彼女たちに遠慮しなくていいんだよ。ルクレツィアは私の公妾なんだから。」
「子作り以外でですか?」
「もちろん。性欲は誰にでもあるし、ルクレツィアの相手は私しかいない。
ここにいる間はね。
だから、子作りに拘らなくても抱くよ。
まぁ、今回はまた子作りなんだけどね。男の子でも女の子でもいいって?」
「はい。……本当に産み分けができるのですか?」
「もちろん、完璧にってわけじゃないけどね。じゃあ、産まれるまで楽しみにしてて。」
それからはまた前と同じく、ただ翻弄されるかのように執拗に抱かれた。
陛下曰く、前より敏感になってて面白かったから、ということだった。
確かに、気持ちよくて乱れた数日間だった。
そして当然のように妊娠した。
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