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しおりを挟む僕、エルネストは12歳の時、隣の領地の2歳下のオリビアと婚約した。
オリビアは読書や刺繍が好きな大人しい女の子で、優しく微笑む姿がとても可愛かった。
いつもニコニコと僕の話を聞いて相槌をうってくれて、話している僕も聞いてもらうのが楽しかった。
そんな穏やかな時間は、僕の学園入学と共になくなってしまった。
学園1年目は、王都と学園の雰囲気、上級生たちに圧倒されていた。
王都で暮らしている貴族も多く、流行や話題に敏感なのだ。取り残されないように努力した。
そのため長期休暇は少ししか領地に帰らなかったので、オリビアと時間が合わなかった。
手紙が届いても、疲れて返信する回数が減っていった。
しかし勉強は頑張り、5クラスあるうちの上位クラスは無理だが次のクラスで進級できた。
学園2年目は、後輩も出来た余裕か少し周りを見る余裕もできた。
仲の良い友人キースとは1年から一緒で課題をしたり遊んだりした。
ある時、令嬢にぶつかってしまい手首に怪我をさせてしまった。それがイザベルだった。
ノートを代わりに書いたり、食べやすく切ってやったりと世話を焼いてると仲良くなる。
それをキースは注意してきた。『そこまで君が面倒を見るべきではない』と。
距離が近すぎることも批判された。婚約者がいるのだから節度を保てと。
僕はそんな無責任なことはできないと言ったが、実際はイザベルといると楽しかったのだ。
ひと月後、包帯が取れた時には友人というには触れ合いが多かった。
キースは、イザベルにはよくない噂があると言ってきた。
僕は『噂なんて人の悪意でいくらでも捏造できる。自分が見ているイザベルを信じる』と言った。
何度もイザベルとの付き合いを考えるように言うキースが鬱陶しく感じた。
領地にも帰らず、オリビアの手紙を読みもしなくなっていた。
成績は下がり、最低クラス一つ上で進級した。…貴族では最低クラスだった。
学園3年目は、イザベルと同じクラスでキースとは別だった。
オリビアが入学してきた。
オリビアはたまに遠くから僕を見ていた。僕はイザベルと一緒だった。
一度、声をかけられたが、軽くあしらった。イザベルがいたから…
この頃の僕は、オリビアが陰気な令嬢に思えたのだ。明るいイザベルと比較して。
キースがオリビアに話しかけていた。僕の婚約者だと気づいたか?
イザベルのことを悪く言うんだろうなと思ったが、いい機会では?とも思った。
オリビアとの婚約を解消してイザベルと婚約する。いいと思った。
イザベルにそれとなく現在の婚約を解消するかもしれないと言ってみた。
イザベルは『私のためかしら?』と顔を赤くして期待していた。
よし。婚約解消をオリビアに言おう。
オリビアとオリビアの両親は婚約解消を了承してくれた。
しかし、両親には反対された。
しばらく意見が平行線で悩んでいた時にイザベルに婚約解消はどうなったか聞かれた。
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柔らかい胸を当てられて、口づけ出来そうな距離で言われると我慢出来ずに口づけてしまった。
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ソファで最後まで…なんてあり得ないよな、普通の令嬢だと。
でも、これがきっかけで両親を説得できたんだよな。
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