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再びマスクをつけた男が言った。 


「いかがでしたか?ご満足いただけましたでしょうか。
 挿入はなしということでしたが、ご希望でしたら挿入も可能ですが。」


男のモノ自体は下着の中のままだけど、あからさまに大きくなって濡れているモノに触れながら聞いてきた。

ルチルも思わずソコから目が離せなかった。
そんなルチルを見ている男の視線も感じていた。


「挿入すれば、中の快感も教えられるかもしれません。
 相性が良ければ奥でも感じることができます。
 一度では無理でも何度か呼んで頂ければ必ず。」


わざと挿入を強請らそうとしているような言葉だった。


「中の快感にも興味はあるけれど……ごめんなさい。
 あなたとはできないわ。」

「……そうですか。ではこれで……」

「でも、マスクを取ったあなたとなら最後までしたいわ、タイラー様。」


男は目を見開いた後、目元と口元のマスク、そしてカツラを取った。


「話は後よ。……来て。」


ルチルは脚を広げて濡れた秘部を見せて誘惑した。

素顔に戻ったタイラーが、固くなったモノを取り出してルチルの中に沈めていった。

今までになく固く大きくなっていたが、ルチルの中は柔らかく蠢いて奥まで受け入れた。


「ルチル………」


タイラーが覆いかぶさり、ルチルにキスをする。
始めは触れ合うようなキスだったが、やがて舌がルチルの口内に入り、舐めて舌を絡ませる。
初めてのその行為はたどたどしさはあるが、2人共が初めてなので関係ない。

繋がっている下の部分もルチルの中が収縮して刺激を与え、キスをしたままタイラーは腰を動かし始めた。

いつもみたいに浅いところばかりではない。
一番奥まで何度も突き、ルチルは気持ちよくて喘いでばかりいた。

やがて、激しく腰を振った後、奥で子種を放ったタイラーが、そのままの体勢で言った。


「いろいろ悩ませてしまって悪かった。ちゃんと説明する。」

「ええ。知りたいわ。……だけど、まだ固くない?」

 
中に入ったままのモノは、また固さを取り戻しているように感じる。


「……ごめん。すごく気持ちが良かったから。もう一回いい?」

「もちろんよ。」


そのまま二回目、三回目と続き、落ち着いた時に思い出した。


「下に二コラを待たせたままだったわ。」


ルチルは妊婦を何時間も待たせたままだと思い、青くなった。


「大丈夫だよ。彼女は帰っている。ルチルは私が連れて帰ることになってたから。
 ルチルが気づかなくても、終わったらマスクを外して正体を見せるつもりだった。」

「なら良かった。やっぱり二コラが仕組んだのよね。」

「仕組んだっていうか、まぁ、彼女と彼女の旦那さんも関係あるかな。」


ひとまず服を着て宿を出ることにして、家で落ち着いて話すことになった。
詳しい話は夫婦の寝室で。
8回目となる夫婦の寝室の利用は内緒話となった。 




家に帰る途中、ルチルはあることに気づいて悲しくなった。

それは、夫が他の女性を抱いて愛撫を学んだのではないか、ということ。

自分は他の男に愛撫をしてもらって『快感』を教えてもらおうとしていたのに……… 

そんな身勝手なことを考えた自分に落ち込んだ。


 
私がそんなことを考えているとは気づいていないタイラーは、馬車の中で一つだけ聞いてきた。


「……あの姿でよく私だって気づいたね。いつわかった?」

「あなたが目の前に来て、あなたの目を見た時。」

「そっか。声でバレないようにマスクをしてたんだけど、目でバレてたんだな。」


なんとなく嬉しそうなタイラーとは反対に、ルチルの心は沈んだままだった。

 


 
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