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しおりを挟む夫となったタイラーとの初めてのキスは、結婚式での誓いのキスだった。
本当に、チュッと触れ合わせただけ。
それでも間違いなくキスだった。
そして、初夜。
初夜ももちろん、あった。
あったけど………おそらく、絶対、タイラーは初めてだった。
タイラーは、キスは唇を触れ合わせることしか知らないみたいで、未経験ながら私でも知っている舌を絡ませるようなキスはしてこなかった。
多分、本当に、そういったキスを知らないから。
愛撫も、まず驚いたのが横たわった私の隣に座って胸を触っていたこと。
思わず、『どうして座ってるの?』と聞いてしまった。
タイラーは慌てて私の隣に寝転がって、今度は横から愛撫してきて……
普通、上から覆いかぶさる形じゃないの?私の体を跨ぐって発想がないのかしら。
それからも手と、後から加わった口での愛撫はぎこちなく……
手が秘部に触れた時も、恐る恐るといった感じで、ドコが穴かが分かっていなかった。
だから、思わず腰を動かして自分からタイラーの指が穴に触れるように誘導したくらいで……
あまり潤っていない中に指を入れてきた。
実は、私は自分で指を入れたことがあった。
ココに入れるんだなぁって。
だから、自分の指よりもタイラーの指の方が長いから、触れたことのないところまで届いているなぁなんて、そんなことを考えている余裕があるほど、閨事に没頭してもいなかった。
やがて、指が2本入って出し入れしているけれど、全く気持ちよくもなんともなかった。
ちょっと広げられたなぁとか、音がするなぁとか。
その間、タイラーは私の股の間に座ってじっと私のアソコを見ながら触っているだけで、ルチルの上半身はとても寒かった。
「もう入れても大丈夫かな?」
「……どうでしょう?多分大丈夫では?」
ちょっと投げやりになっていたのは間違いない。
そして、無事に中に入れることはできた。途中まで。
そう。なぜか途中までだった。半分くらいまでな気がした。タイラーの指が入っていたくらいまで?
何度か腰を揺らして出し入れして、タイラーが出そうになった時にグッと奥まで入ってきて中に放った。
……ちょっと待って、最後に押し込んだので処女膜を破ったんじゃない?
と思ったくらい、最後が一番痛かった。
すぐにタイラーはルチルの中から出ていき、体を拭ってくれた。
少し出血があったのか、タイラーが聞いてきた。
「痛かったかな。ごめんね。」
「……いえ、大丈夫です。寝ましょうか。」
「ああ。じゃあまた明日。おやすみ。」
そう言って、タイラーは夫婦の寝室から出て行った。
………………は?
あ、別々に寝るのね。
政略結婚や、仲の良くない夫婦では閨事をする時以外は別々の部屋で寝ると聞いたことはあった。
だけど、両親も兄夫婦も一緒に寝ているから、ルチルはそれが当然だと思っていた。
タイラーは…………一緒には寝てくれないのね。
そして、初夜以降、この夫婦の寝室で閨事をするのは月に一度、妊娠しやすい日だけだったのだ。
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