2 / 15
2.
しおりを挟む夫となったタイラーとの初めてのキスは、結婚式での誓いのキスだった。
本当に、チュッと触れ合わせただけ。
それでも間違いなくキスだった。
そして、初夜。
初夜ももちろん、あった。
あったけど………おそらく、絶対、タイラーは初めてだった。
タイラーは、キスは唇を触れ合わせることしか知らないみたいで、未経験ながら私でも知っている舌を絡ませるようなキスはしてこなかった。
多分、本当に、そういったキスを知らないから。
愛撫も、まず驚いたのが横たわった私の隣に座って胸を触っていたこと。
思わず、『どうして座ってるの?』と聞いてしまった。
タイラーは慌てて私の隣に寝転がって、今度は横から愛撫してきて……
普通、上から覆いかぶさる形じゃないの?私の体を跨ぐって発想がないのかしら。
それからも手と、後から加わった口での愛撫はぎこちなく……
手が秘部に触れた時も、恐る恐るといった感じで、ドコが穴かが分かっていなかった。
だから、思わず腰を動かして自分からタイラーの指が穴に触れるように誘導したくらいで……
あまり潤っていない中に指を入れてきた。
実は、私は自分で指を入れたことがあった。
ココに入れるんだなぁって。
だから、自分の指よりもタイラーの指の方が長いから、触れたことのないところまで届いているなぁなんて、そんなことを考えている余裕があるほど、閨事に没頭してもいなかった。
やがて、指が2本入って出し入れしているけれど、全く気持ちよくもなんともなかった。
ちょっと広げられたなぁとか、音がするなぁとか。
その間、タイラーは私の股の間に座ってじっと私のアソコを見ながら触っているだけで、ルチルの上半身はとても寒かった。
「もう入れても大丈夫かな?」
「……どうでしょう?多分大丈夫では?」
ちょっと投げやりになっていたのは間違いない。
そして、無事に中に入れることはできた。途中まで。
そう。なぜか途中までだった。半分くらいまでな気がした。タイラーの指が入っていたくらいまで?
何度か腰を揺らして出し入れして、タイラーが出そうになった時にグッと奥まで入ってきて中に放った。
……ちょっと待って、最後に押し込んだので処女膜を破ったんじゃない?
と思ったくらい、最後が一番痛かった。
すぐにタイラーはルチルの中から出ていき、体を拭ってくれた。
少し出血があったのか、タイラーが聞いてきた。
「痛かったかな。ごめんね。」
「……いえ、大丈夫です。寝ましょうか。」
「ああ。じゃあまた明日。おやすみ。」
そう言って、タイラーは夫婦の寝室から出て行った。
………………は?
あ、別々に寝るのね。
政略結婚や、仲の良くない夫婦では閨事をする時以外は別々の部屋で寝ると聞いたことはあった。
だけど、両親も兄夫婦も一緒に寝ているから、ルチルはそれが当然だと思っていた。
タイラーは…………一緒には寝てくれないのね。
そして、初夜以降、この夫婦の寝室で閨事をするのは月に一度、妊娠しやすい日だけだったのだ。
84
お気に入りに追加
558
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる
奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。
両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。
それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。
夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。
悪役令嬢はオッサンフェチ。
来栖もよもよ&来栖もよりーぬ
恋愛
侯爵令嬢であるクラリッサは、よく読んでいた小説で悪役令嬢であった前世を突然思い出す。
何故自分がクラリッサになったかどうかは今はどうでも良い。
ただ婚約者であるキース王子は、いわゆる細身の優男系美男子であり、万人受けするかも知れないが正直自分の好みではない。
ヒロイン的立場である伯爵令嬢アンナリリーが王子と結ばれるため、私がいじめて婚約破棄されるのは全く問題もないのだが、意地悪するのも気分が悪いし、家から追い出されるのは困るのだ。
だって私が好きなのは執事のヒューバートなのだから。
それならさっさと婚約破棄して貰おう、どうせ二人が結ばれるなら、揉め事もなく王子がバカを晒すこともなく、早い方が良いものね。私はヒューバートを落とすことに全力を尽くせるし。
……というところから始まるラブコメです。
悪役令嬢といいつつも小説の設定だけで、計算高いですが悪さもしませんしざまあもありません。単にオッサン好きな令嬢が、防御力高めなマッチョ系執事を落とすためにあれこれ頑張るというシンプルなお話です。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】体目的でもいいですか?
ユユ
恋愛
王太子殿下の婚約者候補だったルーナは
冤罪をかけられて断罪された。
顔に火傷を負った狂乱の戦士に
嫁がされることになった。
ルーナは内向的な令嬢だった。
冤罪という声も届かず罪人のように嫁ぎ先へ。
だが、護送中に巨大な熊に襲われ 馬車が暴走。
ルーナは瀕死の重症を負った。
というか一度死んだ。
神の悪戯か、日本で死んだ私がルーナとなって蘇った。
* 作り話です
* 完結保証付きです
* R18
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる