女神様、もっと早く祝福が欲しかった。

しゃーりん

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夕食後、家族に集まってもらい調査をしてみた。

国王である私と長男クリストファー、長女シェイアは次女クレアと同じく金色が渦巻いた。
王妃であるアリッサと長男・長女も同じだった。
だが、クレアは王妃と判定するのを嫌がった。

「クレア?どうしたの?」

手を後ろに隠して首を横に振っている。
泣きそうなクレアを抱き上げてソファに座り、膝に乗せた。

「どうしたんだ?」

「…お母様とはキラキラしないから。」

「ん?なぜだ?」

「私はお母様の子じゃないって。お母様もお姉様も綺麗なのに私は違うって。」

「…そう誰かに言われたのか?クレア、お前は間違いなくお母様の子だよ。
 お前は、私の子供の頃に似たんだ。
 昔、お父様は今のお前のように『天使のようにかわいい』と言われた時期があった…」

嫌な昔を思い出して遠い目をしていると、周りが笑いだした。

「クレア、間違いないよ。母上のお腹にいた時も生まれてからもずっと一緒だった。」

「いらっしゃい、クレア。キラキラを確かめてみましょう?」

クレアを膝から下ろしてやり、水晶の前まで連れて行った。
微笑む母親と一緒に水晶に手を置くと、キラキラと輝いた。
嬉しそうに母親に抱きつくクレアを見て、なぜ神託がクレアだったのかがわかった。

神託はその時々で相応しい人に下ると思われる。
自分の母ではないかもしれないと不安に思っていたクレアが選ばれたというわけだ。
ついでに国の乱れも何とかしろってことか?それが難しい。



クレアの話を聞くと、自分の母親じゃないかもしれないと思ったのは昨日のことだった。
…よかった。長い間、こんな小さな子を悩ませ続けていたのかと思ったよ。

偶然、侍女たちの話を聞いたようだ。
クレア付の侍女に、どんな会話をクレアが聞いたのかを確かめた。
まとめると、こんな感じだ。
『王妃とシェイアはよく似ていて綺麗だ。だが、天使のようにかわいいクレアは王妃に似ていない。
 では誰に似た?国王の子供の頃だ。』
長年勤めている侍女と新しい侍女が、そんな感じの会話をしていたのが耳に入ったそうだ。
侍女も、まさかクレアが王妃の子ではないと誤解したとも気づいていなかったのだ。

クレアには、疑問に思ったことは悩まないで確認するように伝えた。
天使の笑顔は曇らせてはいけない。家族みんなの思いは一致していた。
 

ちなみに、国王と王妃が水晶に手を当てるとキラキラの量は少ないが渦巻いた。
二人は又従兄妹である。繋がりは薄いが血縁圏内ってところか?
兄妹で試してみると、親子ほどではないがほとんどのキラキラが渦巻く。
なるほど。親や祖父母が亡くなっていても、ある程度の判定はできるということだ。



水晶は、銀のキラキラの時は属性判定で、並べて置いて金のキラキラの時は血縁判定ができるようだ。
血縁が少し遠ざかるとキラキラ渦巻く量も少なくなる。


だが、この水晶はまだ大っぴらに周知させてはいけないだろう。
どうやって調査すべきか。おそらく、貴族に問題が起きているのだろう。


「ねえ、クレア。あなたの瞳の色、濃くなってない?」


そうだ。それも不思議だったんだった。









 

 
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