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しおりを挟むフランクはディアンヌが言ったことをもう一度確認した。
「ディアンヌの婚約者は俺だよな?男女の関係にならない結婚をする約束だった。」
「うん。」
「俺がテッドのヤキモチの話をしたからだよな?結婚式をしないというのは。」
「うん。」
「でも結婚式をしなかったら訳あり結婚になったと思われる。親も納得しない。」
「うん。」
「だが、なぜ訳あり結婚にするために俺の父と結婚して父の子供を産む話に飛んだんだ?」
「う~ん。いかにも訳あり結婚だと思ったんだけど?
だって、息子と婚約していたのに息子の父親と結婚するのよ?
自分の親とも大して変わらない歳の。いかにも訳ありだと思わない?」
「思うけど。父がそんなことで納得するか?」
「だから、ちょっとだけ興奮剤を使うのよ。お酒に混ぜて、ね。」
「え……?ひょっとして、結婚前に体の関係になって父と結婚するってことか?」
「そう!責任を取ってもらうの。いかにも訳あり結婚の出来上がりよ!」
「ディアンヌと父との間に子供ができれば、うちの跡継ぎになるってことか。」
「うん。いいと思わない?」
「そりゃ……思うけど、お前はいいのか?20歳近くも上の男だぞ?」
「フランクのお父様ってまだまだカッコイイわ。見た目も若いし。全然問題ないわ。」
恋愛的に好きになるかどうかはわからないけれど、バレックと体を繋げることを想像しても嫌悪感はない。
子供は養子でもいいかと思っていたが、せっかく女に生まれたからには自分も生んでみたいという気持ちが急に沸いてきたのだ。
フランクの子供を生めないのであれば、バレックがいるではないか。
そんな単純な思考で思いついただけのこと。
そしてフランクとの結婚の具体的な日にちをいつまでも決めないまま私たちは卒業した。
フランクとディアンヌ、そしてバレックの3人で卒業祝いの食事会という名目で振る舞った酒の中にバレックのものだけ興奮剤を入れた。
2杯と少し口にしたところで体に異変を感じたらしい。
酔ったので部屋に引き上げるとバレックは出て行き、ディアンヌはバレックが残した酒を自分も飲んだ。
「ディアンヌ!君までそれを飲んだら……」
「バレック様が助けてくれるかな?って。」
「……はぁ。本気でやるんだな。わかった。
俺はディアンヌをうちに泊まらせることを言伝てから、テッドと外泊するよ。
俺がいないとなるとディアンヌを助けるのは父しかいなくなるからな。」
「ありがとう。」
「こちらこそ。」
ディアンヌは自身の体が熱くなってきたのを感じながら、バレックの部屋へと向かった。
その後は…………ほとんどディアンヌが襲ったようなものだった。
何とか踏みとどまろうとするバレックの前で裸になり、バレックに口づけをし、バレックの手を掴んでディアンヌに触れさせ、ディアンヌもバレックの体に触れた。
そして、バレックの子供が欲しいと強請り、純潔を奪わせた。
翌朝、目が覚めたバレックは意外と冷静に事情を聞いてきた。
無事に事を終えることができればフランクのことを話してもよいと言われていたので、ディアンヌは予定していたフランクとの結婚生活のことも話した。
長く深いため息をついたバレックは項垂れた後、ディアンヌに責任を取ると言ってプロポーズをしてくれたのだ。
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