葉桜よ、もう一度 【完結】

五月雨輝

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重職会議

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 翌日ーー

 藤之津から組織的な抜け荷が行われており、しかもそれを主導していたのは筆頭家老の小田内膳であった。
 発覚したこの事件は、城戸家家中を震撼させただけでなく、城下や領内の民までをも驚かせた。

「ご家老の一人が抜け荷だってよ」
「俺たちが必死で納めた物を勝手に売ってその銭をふところに入れていたとは許せねえな」

 と、町民や周辺集落の百姓たちはいきどおり、

「小田様はやっぱりなんかやってたわけだ」
「あんな速さで出世できて、派閥も急拡大できたのもこれで納得だ」

 城中の小田派でない藩士たちはひそひそと囁き合った。

 小田派とそれに近い藩士たちは、病と称して休んだり、登城しても青い顔をして言葉少なめに執務をしていた。

 だが、渦中の中心である筆頭家老小田内膳は、平然とした顔で御用部屋に詰めて執務をしていた。

「おや、小田どの、来ておられましたか」

 次席家老の大鳥順三郎は、部屋に入って来て自分の位置に座ると、

「小田どの、藤之津を使い抜け荷をしていたこと、聞きましたぞ。とんでもないことをしておられましたな」

 と、悠然とした笑みで内膳を見た。

「ええ、私にはどう言うことなのかさっぱりわかりませぬが、城中はそのことで騒がしいようですなぁ」

 小田内膳もまた、筆を止めるとつやつやと肥えた丸顔を上げて笑って見せた。

「この期に及んでとぼけなさるとは、追い詰められて気がおかしくなったご様子」
「はて、とぼけるなどととんでもない」
「まあ、良いでしょう」

 大鳥が冷笑した時、側用人の宇佐美三之丞が入って来て膝をついた。

「大鳥様、殿の前での重職会議が認められました」

 それを聞くと、大鳥順三郎はにやりとして小田を見た。

「この抜け荷は我が藩始まって以来の大事、殿の前で裁いていただく必要があると思うた故、殿に願い出ましてな」
「なるほど……」
「して、宇佐美どの、いつに?」

 大鳥は宇佐美を見た。

「明日の昼七つ(16時頃)に広間で、と決められました」
「承知つかまつった」

 大鳥は答えると、再び小田を見て笑った。

「お聞きの通りでござる、小田どの、ご覚悟めされよ」
「何とも合点がてんの行かぬ話ではあるが、殿が決められたのなら従いましょう」

 小田は垂れ気味の目を更に垂れさせて頷くと、

「宇佐美どの、明日の昼七つでございますな?」

 と、宇佐美に確認をした。

「ええ」
「承知仕った」

 小田内膳は不自然なまでの笑みを見せると、机の上に広げていた書類をゆっくりと片付け始めた。
 

 そして翌日の昼七つ。
 予定通り、城内の広間で重職会議が始まった。

 上段の間には藩主政龍が座り、その右手の下に側用人の宇佐美三之丞が正座して、普段と変わらぬ冷静で鋭い目を広間に配っている。
 下段には、筆頭家老の小田内膳と、それを糾弾する次席家老の大鳥順三郎が向かい合って座り、その下には主だった重役一同と、各組のそれに次ぐ地位の者たち数名が緊張の面持ちで座っている。
 その中には、大鳥派の韮沢万治、兼木作左衛門、谷原喜兵衛の三人もいたが、中級格の藩士でまだ若い黒須新九郎と今井一馬、その他の大鳥派の藩士たちはいない。それは小田派の藩士たちも同様である。

 だが、その場にいないその両派の藩士たちは執務が終わっても下城せず、それぞれの組の部屋に残って雑務をしたり、書庫で書物を読んだり道場で竹刀を振ったりしながら会議の結果を待っていた。

 新九郎も郡方の部屋に残って過去の帳簿をめくったりしていたのだが、何となく気分が落ち着かないので道場へと向かった。
 
 道場には、大鳥派、小田派の藩士たちがそれぞれ集っており、素振りをする者や竹刀で撃ち合ったりする者、隅でひそひそと話す者たちがいて、やはり皆落ち着かない様子であった。

「おう新九郎、お前もここへ来たのか」

 今井一馬が井戸端にいて、道場に上がろうとする新九郎を見つけると後ろから声をかけて来た。

「一馬、いたのか」

 新九郎は振り返ると、目を見張った。
 一馬の横に、三木辰之助もいたからである。
 辰之助は、あの日黒須家で倒れて以来、ずっと登城せずに自宅で療養していた。
 新九郎は脱ぎかけた履物を履き直すと、井戸端へ歩いた。

「おいおい三木……出て来て大丈夫なのか?」

 辰之助の顔色は相変わらず悪い上に、身体全体もまた細くなったようである。

「どうってことはねえ。こんな大事な時に寝てられるかよ」

 辰之助は強気に笑って見せたが、顔に頬骨が浮いたのが痛ましかった。

「そうは言っても治ったわけじゃないだろうに」
「俺の身体なんかどうでもいい。藩の事の方が重要だろう?」

 辰之助は言うと、撃ち合いの音が響く薄暗い道場の中へ目をやった。

「今日でやっと藩のごみ掃除ができるわけだからな」
「…………」

 新九郎と一馬も道場の中をちらりと見た。
 小田派として知られている馬廻組の米山兵部ひょうぶ、寺社方の酒井一蔵、産物方の川野などが、光の届かない隅に固まって何やらひそひそ話し合っていた。

 重職会議は、大鳥順三郎が小田内膳に関する以前からの疑惑を挙げる形から始まった。

「……以上のことで、小田どのに関して色々と調べさせていただいたところ、次から次へと小田どのが不正をしていると思わせる不審な点が出て来るではないか。同時に、以前より城下を中心にあちこちに出没して民を怖がらせているあの濃紺装束の連中の動きも活発化し、私の調べの先々で邪魔をしてくる」
「……ふむ」

 大鳥順三郎の雄弁を小田内膳は深刻そうに聞いてはいるものの、表情には焦りは無く、どこか余裕さえ見えた。

「これは、小田どのがあの濃紺装束の連中を手先として使い、数々の不正を行っていると言うことではないのか? と考えて更に探って行くうちに、私はより恐ろしい事実を突き止めたのだ」

 広間は静まり返り、皆、固唾かたずを飲んで大鳥の言葉の続きを待っている。

「今申し上げた通り、小田どのは自派の人間や濃紺装束の連中を使い、青苧や縮、紅花や銅などを横領してそれの抜け荷を行うなど、様々な不正を行って莫大な銭を得ていた。だが、それは小田どのの意思で行ったのではなかったのだ。小田どのは、別の人間の指示を受けてそれを行い、それらの不正で得た金はその人間に流れるようにしていた」
「…………」
「その人間こそは、甲法山の城戸流斎さまである」

 広間に衝撃が走った。
 その名のあまりの大きさと重さに、広間が圧し潰されるかのようであった。

 小田派の藩士、大鳥派の藩士、どちらもざわついた。
 藩主の前での重職会議と言うこの場で、なんと藩主の叔父である城戸流斎を不正の黒幕の名として挙げた。
 内膳と周辺の数人以外、小田派の藩士たちも、自分たちの本当の盟主が城戸流斎であると知っていた者はおらず、驚きを隠せなかった。
 
 藩主の備後守政龍は、青白い顔で大鳥順三郎を見つめていた。
 側用人の宇佐美三之丞は、そんな政龍をちらと仰ぎ見てから大鳥に向かって、

「大鳥さま。甲法山の流斎さまは、ご存知の通り殿の叔父君であらせられる。その流斎さまを巨大な不正を行っている者として挙げる……もしも間違っていたら、詰め腹どころではすみませぬぞ。永代家老四家の筆頭の大鳥家とは言え、その家格もどうなるやわかりませぬ」
「元より承知! 城戸家初代、礼次郎頼龍公より代々、家臣筆頭として城戸家に仕えて来た大鳥家の当主であるからこそ、でござる。我が家よりも城戸家の方が大事、これは大鳥家の者ならば赤子の頃より教えられて来たこと。家格を失うことなどどうして恐れようか」

 大鳥順三郎は背筋を正し、堂々とした声を張って言い切った。

 すると、外の廊下より足音が聞こえて来て、

「そうか、では間違っていたならば即刻この場で斬り捨てるぞ」

 と、言って入って来た者がある。
 その姿を見て、広間の誰もが息を飲んだ。大鳥順三郎も思わず無言で瞠目した。
 それは城戸流斎本人であった。

「大鳥よ、わかっておるのか? 儂は殿の叔父でありその後見人でもある。その儂が藩の小物成の横領や不正をしているだと? いくら大鳥家とは言え家臣。家臣の分際でようもぬかしおったな!」

 流斎は大喝して大鳥順三郎を睨んだ後、宇佐美三之丞を見て顎をしゃくった。

「…………」

 宇佐美は、少し躊躇いの表情を見せたが、すぐに立ち上がって廊下の方へ移った。入れ替わるようにして、流斎が宇佐美のいたところに座り、再び大鳥順三郎を睨みつけた。

「鷹狩りのことについて殿と直接話をしたいと思い、わざわざ城まで来てみたら、まさかこのように無礼な会議をしておるとはの」

 だが、大鳥順三郎は退かなかった。
 体内に脈々と流れている猛将の血が燃えていた。
 大鳥は目に力を入れて流斎を見返し、

「無礼? 礼をわきまえぬはどちらであろうか。殿の叔父君と言う追及されにくい立場、甲法山と言う目の行き届きにくい外れた土地にいることを利用し、藩の貴重な財源である小物成を横領して抜け売りを行い、莫大な財を不正に得た」
「ははっ、馬鹿なことを……そもそも、隠居同然で金銭も充分、暮らしには何一つ困っていないこの儂に、それほどの財を必要とする理由が無いわ」

 流斎が嘲笑するように言うと、大鳥は得たり、とばかりににやりとし、

「理由はござる。それは流斎さまが殿に代わって藩主になる為。その為の様々な工作に莫大な金銭がいるからでござる」

 この言葉は、広間を凍り付かせた。
 衝撃どころではない事の巨大さに、どよめきすら起きなかった。
 大鳥順三郎は続けた。

「流斎さまは、ご自身の方が先にお生まれになったのに藩主になれなかっただけでなく、分家立藩などもできなかったことを、ずっと密かに恨んでおられた。そして、いつかは自分が城戸の藩主となる……との野心をも抱かれていたのだ。その為の工作資金として、流斎さまは小田どのや濃紺装束の連中を使い、それがしが先程申し上げた手口で不正に金銭を集めていた、と言う次第」

 大鳥順三郎は、そこで立ち上がると、下座で息を飲んで座っている藩士たちを見回して、こう言った。

「そして遂に先年、流斎さまは行動に出た。ご先代さまのご病死だが、あれは実は病ではなかった。流斎さまが小田どのに指示して毒殺させたのだ」

 これには、両派の藩士たち全員が顔色を変えた。
 その事を聞いている兼木、韮沢、谷原たちも、ここでそれを言うとは、と目を大きくしていた。
 痛みを覚えるような息苦しい静寂が流れた。
 やがて、扇子がぱちりと閉じる音が響いて、流斎が「大鳥よ」と、静かに言い、

「貴様、よくもそれだけの妄言を吐けるものよ。この儂が先の殿の毒殺を指示しただと? 馬鹿ぬかせ、ありえぬわ。家臣の分際でそれほどの無礼極まる発言、今すぐここで斬り捨てられても文句は言えぬぞ」

 だが大鳥はやはりひるまず、

「今それがしが申し上げたことが嘘であったならば、どうぞお斬りください」
「では証明できるのか?」
「ええ。宇佐美どの」

 と、大鳥順三郎は、廊下側にいた側用人宇佐美三之丞に声をかけた。
 宇佐美は頷くと立ち上がり、廊下に控えていた別の者に何か指示をした。
 程なくして、中庭に荷車が二台引かれて来た。その上には、木箱がいくつも積まれている。藤之津のあの船倉で新九郎が見つけた、流斎、内膳らの不正の証拠となる青苧や縮が詰められていた木箱である。

「あれは、藤之津の怪しい船問屋の船の倉にあった物でござる。密かに敦賀に向かって出航しようとしていたところを我々が抑えた。あの木箱の中には、藩の専売品である縮や青苧などが大量に入っている。そして同梱されている明細には、小田内膳どのの署名があったのだ。これこそ動かぬ不正の証拠!」

 大鳥順三郎は、より声を張り上げて中庭を指差した。
 すると、それまで沈黙を続けていた小田内膳が立ち上がった。

「はて、私の署名が入っていると? それはおかしいですな。ちと中を検めさせていただいてもよろしいか?」
「当然でござる。どうぞ検められよ」
「では」

 内膳は大鳥順三郎の前を通り過ぎて中庭に降りると、荷車に積まれている木箱の一つを開けて中をまさぐった。
 その場の藩士一同、皆、固唾を飲んで内膳の動きを見ていた。藩主備後守政龍は緊張の面持ち、宇佐美三之丞は細面にいつもの冷静な表情、城戸流斎は不敵な薄笑いを浮かべている。

「ふむ、確かに、どの箱にも藩の専売であるはずの縮や青苧、銅などが入っている……ですが大鳥どのが言われるこの明細の署名」

 と言って、小田内膳は振り返った。

「これらはどれも大鳥どのの署名ではござらぬか。どういうことですかな?」
「なに?」
「ですからほれ、大鳥どのが言われるこれら明細に入っている署名は、どれも大鳥どのの署名でござるぞ」

 内膳が言うと、大鳥順三郎は噴き出し、大声で笑った。

「ははは、馬鹿なことを。そのようなこと、あるはずがござるまい。小田どの、ここまで来てそのような嘘はお見苦しいですぞ」
「しかし、現にどれも大鳥どのの署名なのですから仕方ありますまい」

 内膳が明細の紙を取って両手で広げて見せると、大鳥順三郎は真顔になった。
 大鳥は、そのまま無言で中庭に降りると、

「失礼つかまつる」

 と、内膳が持っていた明細の紙を見た。
 大鳥順三郎は愕然とした。そこには、確かに内膳が言うように大鳥順三郎の署名が入っていたのだ。
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