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真実と悲劇
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「もう一度訊く。黒須は貴様の正体を知っているのか?」
「…………」
燕ーーりよの息遣いは、やや乱れていた。
「まさかと思うが……黒須は貴様らの仲間か?」
「それはありえませぬ」
りよは、すっと立ち上がった。燕の顔になっていた。
「ほう」
「旦那様は何も知りませぬ」
強調するように、きっぱりと言った。
「そうか……黒須はあれほどの剣を遣うくせに、性格はどこまでも間抜けなほどにお人好しだな。奴は何も知らずにあんたに惚れていると言うわけだ」
「…………」
りよの瞳に哀切の光がにじんだ。
辰之助は一瞬目を細めたが、すぐに武士の表情に戻り、
「あいつと我々、そして我が藩の為でもある。すまぬがあんたの命は俺がここでもらうぞ。あいつが惚れた女を斬るなど……」
辰之助は切っ先をゆっくり落とすと、
「不仲の俺にしか許されぬだろうからな!」
咆哮一閃、病身とは思えぬ速さで囲炉裏を飛び越えてりよに右薙ぎを放った。
りよは紙一重で屈んでかわすと、右へ飛んだ。三木はそれを追って左下からの摺り上げの剣、りよは再び寸前で身を仰け反らせてかわしたが、三木が即座に手首を返して下げた右袈裟の一閃を真正面から食らってしまったーー
と見えた時であった。突然天井から落ちて来た黒い影が、寸前で辰之助の一撃を撥ね返した上に蹴り飛ばし、りよを救ったのだった。
土間の手前近くまで飛ばされた三木辰之助、咄嗟に受け身を取って立ち上がった目に映った黒い影は、行商人に化けていた大男、虎であった。
「ふ、ふふふ……はは、これで決まったな。りよどの、やはりあんたが燕であり、流斎さまの歪んだ野心に加担する反逆者だ!」
辰之助は剣を平正眼に構えながらすり足で近寄る。
「燕、動け。こいつを始末するぞ」
虎は低い声で言うと、辰之助との距離を測るかのように忍び刀を前方に突き出して構えた。
だが、りよは無言のまま顔を固まらせていた。
「ちょうど良い。二人まとめて始末してやる」
辰之助はにやりと笑った。その口端から一筋、血が流れ落ちた。
虎は、辰之助から目を離さぬまま、
「燕、覚悟を決めろ。もうこいつに知られてしまったのだ。ここでこいつを殺しても殺さなくても、どのみち黒須はおまえの正体を知ることになる。ならば、やるのみだ」
「…………」
りよは唇を結ぶと、囲炉裏に刺さっていた火箸を取って構えた。
だが、その時であった。
外の門の方で足音が聞こえたかと思うと、
「おりよ、こっちにいるか? 珍しい鶏肉を手に入れたぞ。しゃも、と言って普通の鳥より肉が締まってて美味いそうだ」
と、新九郎の弾んだ声と共に、土間の勝手口が開いた。
土間と居間は続いており、土間からは居間が隅々まで見渡せる。
「え……」
土間に入った新九郎、目に入った居間の光景に言葉を失って固まった。
刃の切っ先を向け合う、三木辰之助と虎、そしてりよの三人。
「三木……お前は虎か……? それにおりよ……おりよ、一体なにをしている……」
唇を震わせる新九郎の視線を受けて、りよは顔に絶望の色を浮かべ、持っていた火箸を落とした。
それを見た虎は、正面の三木辰之助がちらりと新九郎を見たその一瞬、煙玉を出して床に叩きつけた。
「燕、来い」
湧き上がる白い煙の中で、虎はおりよの手を引っ張って庭へ飛び降りた。
「逃がさんぞ」
辰之助は白煙の中を追って行こうとしたが、煙のせいで急激に咳き込んで片膝をついた。
新九郎は我に返り、「三木!」と、辰之助に駆け寄って背をさすったが、
「触るな!」
辰之助はその手をぴしっと跳ね除けると振り返り、血走った目で新九郎を睨んだ。
「おい、貴様のところの女中はあの連中の仲間だったぞ。知っていたのか?」
「いや……まさか、知っていたわけがない。三木……」
辰之助の鬼気に満ちた眼光を、新九郎は正面から受け止めていた。が、心底に沈んでいた暗く重い何かが、新九郎の目を落とさせた。
いつだろうか、ふと湧いた、りよへの疑い。彼女が城戸流斎、小田内膳たち一派の密偵で、しかもあの濃紺装束の連中の者の一人なのではないかと言う疑惑。
黒須家の納屋にいつの間にか縮があったり、その無実を晴らすべく密かに鉢窪村に行ったが、すでに濃紺装束の連中に待ち構えられていたこと。りよが大鳥派の情報を探る為に黒須家に潜り込んで来た間者で、全てりよが裏で動いていたとしたら、説明がつく。
だが、りよが間者であるとしたら、到底ありえない不可解な行動もあった。虎たちが密かに黒須家に侵入して奈美をさらおうとした時、りよは自ら武器を取って戦い、奈美を守ったのだ。他にもいくつかある。
それらの疑念を肯定しては否定し、また肯定しては否定する。新九郎はりよに魅かれていることもあり、心の中では様々な想いが幾重にも絡み合いながら、そんな複雑な自問自答が繰り返されてきた。
つい数日前、とうとう想いを堪えきれずにりよを抱いた時にも、りよの脚にとても普通の女性とは思えぬ、しなやかで身の詰まった筋肉がついているのに気づいて、新九郎は思わず躊躇してしまった。
だが、りよの濡れた瞳の奥に見えた、新九郎への正直な想いと、新九郎自身のりよへの想い。そして新九郎の身体の下で艶やかに火照る、りよの肉体の魅力に抗えず、新九郎は脳裏で絡まっていた全てを、ほどくことなく吹き飛ばしてしまった。
庭の隅の葉桜が小雨で濃緑に潤んでいたあの夜、新九郎とりよは互いの想いを確かめるように身体を求め合った。
そして全てが終わり、新九郎の腕の中で夢心地のように顔を蕩けさせているりよを見ながら、新九郎はりよを信じぬくと決めた。
だが――
「あの虎と言う男……確かに貴様の女中を燕、と呼んだぞ……! 何度か斬り合いの場で聞いた名だ」
三木が膝を進め、今にも斬りかかって来そうな勢いで迫って来た。
そう、新九郎もそれを見てしまった。
信じた想いは一瞬で崩れ去り、逆に疑惑が真実であった衝撃が新九郎の胸を激しく貫いた。
新九郎は呆然としかけていたが、痩せこけたせいか更に凄みを増した三木の眼光の前に呆けるわけにもいかず、
「俺も驚いた……」
と、絞り出すように返事をするのがやっとであった。
辰之助は息を吐いた。
「なんとなく怪しいと思っていたが……あの女中が貴様の家で様々な情報を探り、時には工作もしていたわけだ」
「まさかそんなこととは……」
「貴様も実は流斎様、小田派で、奴らの仲間か?」
辰之助は、落ちくぼんだ目を更にぎらつかせた。
「ありえん。であればあの場で奴らと共にお前を斬っているわ」
新九郎は真顔に戻り、きっぱりと言い切った。
三木辰之助はふうっとため息をつくと、新九郎から視線を外して薄くなった白煙の向こうの庭を見た。
「だが……同じ家にいながらあの女中の正体に気付かなかったとは……やはり貴様はその程度の男だったか。買いかぶっていたようだ」
「買いかぶって……?」
新九郎が訝しむと、そこで三木は激しく咳き込み始めた。
「おい、大丈夫か?」
新九郎が三木の背をさすったが、三木の咳は止まらず、やがて倒れ込んでしまった。
「三木……三木! いかん……待ってろ、すぐに医者を呼ぶ」
新九郎は外へ飛び出した。
その夜ーー
甲法山の城戸流斎邸から密かに不正物資が運ばれる現場を押えると言う作戦を実行する晩である。
「おい、新九郎、聞いているのか?」
と、再三自分を呼ぶ今井一馬の声に、新九郎は我に返った。
「何を呆けている、大事な時だぞ」
一馬は叱咤するように新九郎の背を叩いた。
「ああ、すまん」
新九郎は頭を軽く振り、右頬を軽く叩いた。
ここは坂下の関所に繋がる街道で、関所まではおよそ十町と言う地点である。
新九郎と一馬は、この街道の脇の木陰に身を潜めて往来する者がいないか見張っていた。他の山中や街道沿いのいくつかの地点にも、別の大鳥派の藩士たちが同様に潜伏している。
城戸流斎の家来らしき荷駄隊や、不審な者らを見つけたら有無を言わさず拘束し、坂下の関所へすぐに連絡することになっている。
坂下の関所の方にはすでに兼木作左衛門らが直行しており、大鳥家老の書状を突き付けた上で有無を言わさず役人たち全てを拘束し、代わりに監視をしていた。
何かあれば、すぐに双方で連絡し合う手はずとなっている。
「辰之助が来られなくなってここは俺たち二人だけなんだ、しっかりしてくれ」
「ああ、わかってる」
新九郎は答えたが、言葉にはどことなく力がない。
一馬はそんな新九郎を見てため息をついた。
「気持ちはわかる……とはとても言えんが、お前が気持ちの整理ができないのは理解できる。当然だろうよ。だけど、今晩はひとまず忘れてくれ」
「……そうだな。すまん」
「さあ、次は俺が見張るからお前は今のうちに仮眠を取れ」
「ああ、頼む」
新九郎は、少し後ろに敷いてある筵に横たわった。
「…………」
燕ーーりよの息遣いは、やや乱れていた。
「まさかと思うが……黒須は貴様らの仲間か?」
「それはありえませぬ」
りよは、すっと立ち上がった。燕の顔になっていた。
「ほう」
「旦那様は何も知りませぬ」
強調するように、きっぱりと言った。
「そうか……黒須はあれほどの剣を遣うくせに、性格はどこまでも間抜けなほどにお人好しだな。奴は何も知らずにあんたに惚れていると言うわけだ」
「…………」
りよの瞳に哀切の光がにじんだ。
辰之助は一瞬目を細めたが、すぐに武士の表情に戻り、
「あいつと我々、そして我が藩の為でもある。すまぬがあんたの命は俺がここでもらうぞ。あいつが惚れた女を斬るなど……」
辰之助は切っ先をゆっくり落とすと、
「不仲の俺にしか許されぬだろうからな!」
咆哮一閃、病身とは思えぬ速さで囲炉裏を飛び越えてりよに右薙ぎを放った。
りよは紙一重で屈んでかわすと、右へ飛んだ。三木はそれを追って左下からの摺り上げの剣、りよは再び寸前で身を仰け反らせてかわしたが、三木が即座に手首を返して下げた右袈裟の一閃を真正面から食らってしまったーー
と見えた時であった。突然天井から落ちて来た黒い影が、寸前で辰之助の一撃を撥ね返した上に蹴り飛ばし、りよを救ったのだった。
土間の手前近くまで飛ばされた三木辰之助、咄嗟に受け身を取って立ち上がった目に映った黒い影は、行商人に化けていた大男、虎であった。
「ふ、ふふふ……はは、これで決まったな。りよどの、やはりあんたが燕であり、流斎さまの歪んだ野心に加担する反逆者だ!」
辰之助は剣を平正眼に構えながらすり足で近寄る。
「燕、動け。こいつを始末するぞ」
虎は低い声で言うと、辰之助との距離を測るかのように忍び刀を前方に突き出して構えた。
だが、りよは無言のまま顔を固まらせていた。
「ちょうど良い。二人まとめて始末してやる」
辰之助はにやりと笑った。その口端から一筋、血が流れ落ちた。
虎は、辰之助から目を離さぬまま、
「燕、覚悟を決めろ。もうこいつに知られてしまったのだ。ここでこいつを殺しても殺さなくても、どのみち黒須はおまえの正体を知ることになる。ならば、やるのみだ」
「…………」
りよは唇を結ぶと、囲炉裏に刺さっていた火箸を取って構えた。
だが、その時であった。
外の門の方で足音が聞こえたかと思うと、
「おりよ、こっちにいるか? 珍しい鶏肉を手に入れたぞ。しゃも、と言って普通の鳥より肉が締まってて美味いそうだ」
と、新九郎の弾んだ声と共に、土間の勝手口が開いた。
土間と居間は続いており、土間からは居間が隅々まで見渡せる。
「え……」
土間に入った新九郎、目に入った居間の光景に言葉を失って固まった。
刃の切っ先を向け合う、三木辰之助と虎、そしてりよの三人。
「三木……お前は虎か……? それにおりよ……おりよ、一体なにをしている……」
唇を震わせる新九郎の視線を受けて、りよは顔に絶望の色を浮かべ、持っていた火箸を落とした。
それを見た虎は、正面の三木辰之助がちらりと新九郎を見たその一瞬、煙玉を出して床に叩きつけた。
「燕、来い」
湧き上がる白い煙の中で、虎はおりよの手を引っ張って庭へ飛び降りた。
「逃がさんぞ」
辰之助は白煙の中を追って行こうとしたが、煙のせいで急激に咳き込んで片膝をついた。
新九郎は我に返り、「三木!」と、辰之助に駆け寄って背をさすったが、
「触るな!」
辰之助はその手をぴしっと跳ね除けると振り返り、血走った目で新九郎を睨んだ。
「おい、貴様のところの女中はあの連中の仲間だったぞ。知っていたのか?」
「いや……まさか、知っていたわけがない。三木……」
辰之助の鬼気に満ちた眼光を、新九郎は正面から受け止めていた。が、心底に沈んでいた暗く重い何かが、新九郎の目を落とさせた。
いつだろうか、ふと湧いた、りよへの疑い。彼女が城戸流斎、小田内膳たち一派の密偵で、しかもあの濃紺装束の連中の者の一人なのではないかと言う疑惑。
黒須家の納屋にいつの間にか縮があったり、その無実を晴らすべく密かに鉢窪村に行ったが、すでに濃紺装束の連中に待ち構えられていたこと。りよが大鳥派の情報を探る為に黒須家に潜り込んで来た間者で、全てりよが裏で動いていたとしたら、説明がつく。
だが、りよが間者であるとしたら、到底ありえない不可解な行動もあった。虎たちが密かに黒須家に侵入して奈美をさらおうとした時、りよは自ら武器を取って戦い、奈美を守ったのだ。他にもいくつかある。
それらの疑念を肯定しては否定し、また肯定しては否定する。新九郎はりよに魅かれていることもあり、心の中では様々な想いが幾重にも絡み合いながら、そんな複雑な自問自答が繰り返されてきた。
つい数日前、とうとう想いを堪えきれずにりよを抱いた時にも、りよの脚にとても普通の女性とは思えぬ、しなやかで身の詰まった筋肉がついているのに気づいて、新九郎は思わず躊躇してしまった。
だが、りよの濡れた瞳の奥に見えた、新九郎への正直な想いと、新九郎自身のりよへの想い。そして新九郎の身体の下で艶やかに火照る、りよの肉体の魅力に抗えず、新九郎は脳裏で絡まっていた全てを、ほどくことなく吹き飛ばしてしまった。
庭の隅の葉桜が小雨で濃緑に潤んでいたあの夜、新九郎とりよは互いの想いを確かめるように身体を求め合った。
そして全てが終わり、新九郎の腕の中で夢心地のように顔を蕩けさせているりよを見ながら、新九郎はりよを信じぬくと決めた。
だが――
「あの虎と言う男……確かに貴様の女中を燕、と呼んだぞ……! 何度か斬り合いの場で聞いた名だ」
三木が膝を進め、今にも斬りかかって来そうな勢いで迫って来た。
そう、新九郎もそれを見てしまった。
信じた想いは一瞬で崩れ去り、逆に疑惑が真実であった衝撃が新九郎の胸を激しく貫いた。
新九郎は呆然としかけていたが、痩せこけたせいか更に凄みを増した三木の眼光の前に呆けるわけにもいかず、
「俺も驚いた……」
と、絞り出すように返事をするのがやっとであった。
辰之助は息を吐いた。
「なんとなく怪しいと思っていたが……あの女中が貴様の家で様々な情報を探り、時には工作もしていたわけだ」
「まさかそんなこととは……」
「貴様も実は流斎様、小田派で、奴らの仲間か?」
辰之助は、落ちくぼんだ目を更にぎらつかせた。
「ありえん。であればあの場で奴らと共にお前を斬っているわ」
新九郎は真顔に戻り、きっぱりと言い切った。
三木辰之助はふうっとため息をつくと、新九郎から視線を外して薄くなった白煙の向こうの庭を見た。
「だが……同じ家にいながらあの女中の正体に気付かなかったとは……やはり貴様はその程度の男だったか。買いかぶっていたようだ」
「買いかぶって……?」
新九郎が訝しむと、そこで三木は激しく咳き込み始めた。
「おい、大丈夫か?」
新九郎が三木の背をさすったが、三木の咳は止まらず、やがて倒れ込んでしまった。
「三木……三木! いかん……待ってろ、すぐに医者を呼ぶ」
新九郎は外へ飛び出した。
その夜ーー
甲法山の城戸流斎邸から密かに不正物資が運ばれる現場を押えると言う作戦を実行する晩である。
「おい、新九郎、聞いているのか?」
と、再三自分を呼ぶ今井一馬の声に、新九郎は我に返った。
「何を呆けている、大事な時だぞ」
一馬は叱咤するように新九郎の背を叩いた。
「ああ、すまん」
新九郎は頭を軽く振り、右頬を軽く叩いた。
ここは坂下の関所に繋がる街道で、関所まではおよそ十町と言う地点である。
新九郎と一馬は、この街道の脇の木陰に身を潜めて往来する者がいないか見張っていた。他の山中や街道沿いのいくつかの地点にも、別の大鳥派の藩士たちが同様に潜伏している。
城戸流斎の家来らしき荷駄隊や、不審な者らを見つけたら有無を言わさず拘束し、坂下の関所へすぐに連絡することになっている。
坂下の関所の方にはすでに兼木作左衛門らが直行しており、大鳥家老の書状を突き付けた上で有無を言わさず役人たち全てを拘束し、代わりに監視をしていた。
何かあれば、すぐに双方で連絡し合う手はずとなっている。
「辰之助が来られなくなってここは俺たち二人だけなんだ、しっかりしてくれ」
「ああ、わかってる」
新九郎は答えたが、言葉にはどことなく力がない。
一馬はそんな新九郎を見てため息をついた。
「気持ちはわかる……とはとても言えんが、お前が気持ちの整理ができないのは理解できる。当然だろうよ。だけど、今晩はひとまず忘れてくれ」
「……そうだな。すまん」
「さあ、次は俺が見張るからお前は今のうちに仮眠を取れ」
「ああ、頼む」
新九郎は、少し後ろに敷いてある筵に横たわった。
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