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血の覚醒

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 ――そう言えば宇佐美さまは……。

 新九郎は頭の片隅に思い出した。
 甲法山の麓で韮沢万次たちも駆けつけて、敵方と乱戦になりかけた時、宇佐美三之丞が現れて一喝し、その斬り合いを止めた。敵方は宇佐美の姿と言葉で走り去った。
 その時、宇佐美は、藩主政龍の使いで流斎邸に行くと言っていた。

 政龍は、困ったような顔で新九郎を見ながらも、厳しい声を出した。

「宇佐美が、黒須の刀だと言われ、叔父上より預かったそうじゃ。黒須、これはお主の刀で間違いないか?」

 ーーはい。

 と、言おうとして、新九郎は躊躇した。

 もちろん藩主の前で嘘などつけない。
 それにやましいことは無い。むしろ、その刀が城戸流斎から渡されたと言うことは、新九郎が流斎に捕らえられた証拠になる。
 だが、何故城戸流斎はわざわざその刀を宇佐美に託したのか? 新九郎を捕らえた証拠となれば、流斎が新九郎にその秘めた野心の一端を漏らしたことも正しいと証明されるだろう。そうなれば、流斎と小田一派は一気に窮地に追い込まれるではないか。

 ーー何故だ?

 新九郎が、藩主が握っている自分の刀を見つめていると、大鳥順三郎がちらと振り返った。

「黒須、殿が訊いておられるのだ。早う答えぬか」

 ―ー正直に答えるしかない。

 新九郎は慌てて平伏し、

「はい。間違いなくそれがしの刀でございます。それが流斎さまより渡されたと言うのが、今それがしが申し上げましたことの何よりの証拠。それがしが流斎さまのお屋敷に囚われた際、奪われたのでござります」
「ふむ、そうか」

 と、政龍は深く頷くと、刀を脇に置き、一つ吐息をついてから、

「実は、儂が国に帰って来たので、共に鷹狩りをしようと叔父上が言って来てな。それに対して日時などの相談をするべく、宇佐美を甲法山に向かわせたのだが……宇佐美」

 政龍は、そこから先を宇佐美三之丞に促した。
 宇佐美三之丞は頭を下げると、大鳥と新九郎の方を向いて、表情も変えずに冷静な声で述べた。

「打合せの最後に、流斎さまがその刀を持って来てな。郡方の黒須新九郎と言う者が流斎さまのお命を狙って屋敷に侵入し、暴れたと仰られたのだ。流斎さまの家士たちが奮戦し、何とか刀を奪って撃退したが、黒須新九郎は家士や下男らを殺した上に逃走した、と」

 新九郎は頭を下げたまま目を瞠った。

 ーーそういうことか! 逆にでっち上げの為に……。

 新九郎は愕然とした後、心底に怒りが沸いたのを感じながらも、落ち着いて顔を上げ、

「それは違います。先ほど申し上げました通り、私は流斎さまの手の者に拐われた後、流斎さまの手先となるように迫られ、断ったら殺されそうになったのです」
「ふむ。だが、流斎さまはこれが証拠だと私に渡された。そして、当然であるが大層ご立腹でな。黒須新九郎を捕らえて腹を切らせろと仰せだ」
「なんと……宇佐美さまも見たではありませぬか。私や韮沢さまたちがあの紺装束の連中に襲われていたのを」

 新九郎が宇佐美の方を見ると、宇佐美は首を振り、

「確かに見た。だが、あの連中は流斎さまの家中の者なのか? その証拠はあるか? それに、仮に流斎さまの家中の者だとしても、お主が流斎さまのお命を狙った故にお主を追っていたのかも知れんではないか」

 宇佐美は、いちいち鋭く説破して来た。
 新九郎は、思わず唇を引き結んで宇佐美を睨んでしまった。その後、その非礼に気付いて表情を戻した後、

「しかし、その刀だけでは私が流斎さまを襲ったと言う証拠にもなりますまい」

 宇佐美は切れ長の目を光らせ、

「その通りである。それ故に、今、ご家老とお主の報告を聞いて、殿も私も判断に困っている。どちらの言い分が正しいのか、これだけではわからぬ」

 そこで、藩主政龍が言った。

「大鳥と叔父上、小田を呼び出し、同じ場で共に話を訊いてみるかの」
「いえ、恐れながら殿」

 すぐに宇佐美は政龍に向き直って両手をつき、

「現状、両者ともに確実な証拠がございませぬ。お三方をお呼びしても、お互いの主張をぶつけ合うだけの堂々巡りで終わりましょう」
「確かにその通りじゃ。ではいかがする」
「まずはやはり目付衆に調べさせましょう」
「ううむ……やはりそれが筋であるか」
「お待ち下りませ」

 大鳥順三郎が割って入った。

「あってはならぬことなのですが、目付衆の中には小田内膳どのに買収されている者たちがいる様子。目付衆の調べはあてになりませぬ」
「誠か」

 政龍は驚いて身を乗り出した。

「ええ。確たる証拠はないのですが、横目付の佐久間どのを始めとして数名が小田どのに取り込まれているようでございます」
「それは捨て置けぬ。断じてあってはならぬことじゃ」

 政龍は頬に怒気の色を現した。

「ふむ。しかしそれもやはり証拠。全ては証拠が無いが故にはっきりと断じることができませぬ」

 宇佐美三之丞が小首を振って軽くため息をついた。

 ーーうん? なんだ?

 その宇佐美の仕草に、新九郎は違和感を感じ取った。
 側用人宇佐美三之丞の今の言葉、何かがおかしい気がした。

 考えているところで、大鳥順三郎が宇佐美をじろりと睨んだ。

「では、証拠を持ってくればようございますかな。流斎様が殿に取って代わると言う野心を持ち、小田内膳どのを使って様々な企みを働いていると言う、動かぬ証拠を持って来れば全ては解決いたしましょう」

 宇佐美は大鳥の鋭い視線を真っ向から受け止めて、

「そうでございますな。異論はござりませぬ。殿、如何でござりましょうか」

 と、政龍の顔をうかがった。

「うむ。それならば良いが」
「承知つかまつりました。では、五日以内のうちにその証拠を持って参りましょう」

 大鳥順三郎がきっぱりと言うと、政龍は驚いて、

「五日のうちに? できるのか?」
「ええ。全てを暴き立てる証拠をお持ちいたしまする。しかし殿、そして宇佐美殿、このことは決して他言せぬようお願い申し上げまする。小田どのらの耳に入ればどのような妨害があるかわかりませぬ故」
「うむ。それは約束しよう。事が誠ならば一大事だからの」
「私めも、決して誰にも言わぬと誓いましょう」

 宇佐美も同調した。

「ありがとうございまする。それと、五日以内に確たる証拠を持って来られた暁には、小田どの上意討ちのお許しをいただきとうございます」

 順三郎が言うと、これには流石に政龍、宇佐美も驚いて言葉を失った。背後の新九郎も啞然とした。

「ご家老、流石にそれは……お控えなされよ」

 宇佐美が注意したが、順三郎はむしろ退かずに膝行し、政龍を仰ぎ見て、

「これは謀反でございます。城戸家と殿の危機にして、藩に巣食った病にござりまする。証拠が出たならばすぐにでも処断し、全ての病巣を取り除かねばなりませぬ。殿、何卒」

 政龍は、やや青い顔で順三郎を見つめていたが、やがてそのまま、

「そこまで言ったならば、証拠を持って来られなかった場合には詰め腹を切ることになるぞ」
「覚悟の上でござります。藩祖頼龍公以来代々城戸家に忠義を尽くして来た家臣筆頭大鳥家の当主として、殿と藩の為にはいつでもこの命を捨てる覚悟はできております」

 順三郎は流石であった。堂々たる口調、態度で言い切った。
 政龍は首を縦に振った。

「あいわかった。許そう」
「はっ」

 大鳥順三郎は、畳に額を擦りつけた。
 後ろの新九郎は、順三郎のその広い背から、並々ならぬ気魄と覚悟を感じた。

 こうして話は終わり、順三郎と新九郎は広間を退出しようとしたのだが、藩主政龍が新九郎を呼び止めた。

「黒須、少し二人だけで話をしたいのだが、良いか?」
「え、それがしでございますか?」

 新九郎が驚いて振り返ると、大鳥順三郎と宇佐美三之丞も驚き、宇佐美が即座に政龍に言った。

「殿、黒須新九郎は御目見の資格がございませぬ。本来であればこの場にいられることも許されぬのでござりますぞ」
「そのようなつまらぬことはもう良いではないか。幕府ではあるまいし、このような小さな藩じゃ。皆、儂の家臣であることには変わりはない。儂は、いずれ御目見だ何だと言うものは撤廃しようと思うておる」

 これには、宇佐美も大鳥も何も言おうとせず、政龍の望みに任せた。

 こうして大鳥と宇佐美が退出し、広間には藩主政龍と新九郎の二人だけとなった。
 障子は開け放たれているが、二人だけである。
 新九郎は緊張しながらも下段の間で平伏していた。それへ、政龍が気さくに声をかけた。

「もっと近う」
「はっ」

 新九郎は二、三歩ほど膝行したが、政龍は困ったような顔をして、

「まだ遠い。遠慮はいらぬ。話をしたいのじゃから、もっと近くへ」
「はっ……では、ご無礼仕ります」

 新九郎は更に膝行し、上段のすぐ下まで行った。

「うむ、これで良い」

 政龍は満足げに少年らしい笑みをを浮かべると、新九郎を見て、

「黒須は、いくつだったかの」
「二十一になります」
「そうか……では儂の兄が生きておればほぼ同じだな」

 政龍がため息をつきながら言うと、新九郎は胸を突かれた思いをした。
 実は政龍には、かつて六歳年上の兄がいた。その兄が、本来嫡子で城戸家の藩主となるはずだったのだが、十四歳の時に病で急逝した。
 その後、政龍が世子となり、江戸藩邸に入ったのだ。

「実は、お主と釣りをした時に感じていた。儂の代わりに餌の川虫を取ってくれたこと、魚のいる場所を教えてくれたこと、針の外し方を教えてくれたこと……もし兄上が生きていたら、きっと同じようにしてくれたのであろうな、と。不思議なことじゃが、兄上と一緒にいるような心地がしておった」

 政龍は、少年らしからぬしみじみとした口調で言った。

「そのような、恐れ多いことでござります」

 新九郎はびっくりして額を畳につけた。
 政龍は「構わぬ、何の問題があろうか」と笑い、

「兄上はずっと江戸におり、儂は国にいた故に、兄上の記憶はあまり無い。だが、優しかった。会えば儂を可愛がってくれた。そして、強かった。儂はこの通り身体には恵まれなかったが、兄上は年少の頃より身体も大きく、武芸が得意であった。しかも学問まで得意であった」
「お噂には聞いておりました。しかし、殿も負けずに優れたお方と存じます」
「はっはっ、おだてはいらぬぞ。まあその兄上だが、江戸でも有名であったらしい。城戸家の世子は少年ながらに傑物じゃと。それ故に、殺されたのであろうな」
「えっ?」

 新九郎は、思わず驚愕に色を失って顔を上げた。

「これもまた確たる証拠はないがな」

 政龍は寂しそうに苦笑して、

「だが、あれほど元気であった兄上がだ。幸運にも一時的に国に帰ることを許され、国にいるその間に急死したのだ。当時は悲しむだけで何も思わなかったが、今にして思えばこれほど不自然なことはあるまい」
「…………」
「儂の父上も同じじゃ」
「…………」

 新九郎は、何か見てはならない悪魔の間を覗き見てしまった心地であった。
 青い顔で、静かに語る政龍の顔を見つめていた。

「実はな……父上は、息を引き取る前に儂だけを部屋に呼び、こう言われた」

 ――誰がやったのかはわからぬが、儂は恐らく毒を盛られたに違いない。気付かないように少しずつな。そなたも充分に注意せよ。

 先代藩主は、瀕死の枕元で、涙を流す幼年の政龍に注意したのだった。

「父上の死……一体何者が、と思っていたが、先ほどの大鳥の話を聞いてはっきりとわかった。手を下したのは甲法山の叔父上であろう」
「…………」
「兄上もきっと叔父上が密かに手を回したに違いあるまい。全ては、自分がこの藩の藩主になる為。自分こそが真の藩主である、そう思っているのであろう。」

 政龍が言った時、燭台の灯が揺れ、政龍の幼さの残る顔に悲哀を帯びた陰影が揺らめいた。

「そして、次の狙いは儂じゃ。儂を幕府に睨まれぬような手で殺せば、次の藩主は叔父上、或いはその家の者となり、叔父上の野心は遂げられる」

 新九郎は、息を呑んでぶるっと震えた後、恐る恐る言った。

「殿……それがしは御目見の資格もない若年の平藩士でござります。しかも、父は詰め腹を切っている家の者。私のような者にそのような大事なお話をしてよろしいのでございますか?」
「ふっ……お主だからじゃ」

 政龍は一転、穏やかな笑顔を見せた。

「黒須……お主は、伝説の真円流剣術を使った初代藩主頼龍公より、直接秘剣の伝授を受けた者の子孫じゃ。そのお主の祖先は秘剣を伝授された際、子々孫々にそれを伝え、城戸家に危機があれば必ずその秘剣で城戸家を救わせる、と言ったそうではないか。勝手な話ではあるが、今こそその時ではないかと思っている。儂とお主に巡って来た天の時じゃ」
「天の時……」
「黒須、誤解しないで欲しい。儂自身はどうなっても構わぬのだ。だが、常に幕府に睨まれてきた我が藩じゃ。今の家中の争いを幕府に知られてしまえば、即座に改易されてしまうであろう。そうなれば、我が家臣たち、藩士たちは皆路頭に迷う。それだけが恐ろしいのじゃ」
「はっ……」

 新九郎は平伏し、目を閉じた。
 幼少の時に何度も聞かされた、祖先黒須作十郎が藩祖城戸頼龍より秘剣を伝授された際の逸話を思い出していた。

 ――作十郎、何かあればその業で城戸家を助けてくれよ。

 ――はっ、この黒須作十郎、殿にお教えいただいたこの秘剣を子孫に伝えて行き、お家に危機がある時には必ずこの秘剣で救わせまする。

 その逸話は新九郎の胸の奥に深く刻まれ、その秘剣は新九郎の腕に確かに受け継がれている。
 そして今、新九郎の魂に何かが甦った気がした。ずっと眠っていた熱い何かが、確かに目を覚まして燃え始めたような心地を覚えた。

「この黒須新九郎、殿と城戸家、そして領民の為に秘剣を使いまする」

 新九郎は背を震わせた。そこから、まだ寒い春の夜気を焦がす闘気が上っていた。
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