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生じた疑惑
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「良謙はああ見えて女好きでな。江戸でも若い女を見つけ、本所で共に暮らしていた。その女が言うには、買い物から帰って来ると、良謙は書斎で仰向けに倒れたまま胸から血を流して死んでいたらしい」
「口封じの為に小田家老が討手を放ったか」
辰之助が言うと、
「ああ。そして、やったのはさっきのあの連中だろう。通常、刺客が放たれる時は、その前後に誰かが怪しい奴を見たりしているものだ。ところが、良謙が殺されているのを発見した前後、付近の町民らで怪しい人間を見かけた者はいなかったらしい。白昼堂々、その影も見せずに暗殺をしてのけるなんて、あいつらしかありえん」
と、宗之進は言ってから一呼吸置き、
「ただ、その時は俺もあいつらの存在は知らなかった。良謙が何者かに暗殺されたのを知り、これはもう国に戻って徹底的に調べるしかないと思ってな。覚悟を決めて戻って来たのよ。それがちょうど一月前だ」
「流石南条さんです」
三人が称賛すると、南条は気まずそうに手を横に振った。
「やめてくれ。そんなに立派じゃない。さっきも言ったように一度は持ち崩した身だ。……で、藩に戻って来て密かに色々と探っていたら、さっきのあの笹川組のような連中の存在を知ってな。どうやら小田内膳と繋がり、しかも先の殿の暗殺に関わっているらしいことも掴んだ。そこで更に色々と探っていたら、ちょうどお前たちがあの家に向かうのを見かけた、と言うわけよ」
「なるほど」
三人は、感心したような納得したような頷き方をした後、
「でもやっぱり南条さんは役者だぜ。あそこで来てくれるんだもんなあ」
辰之助は冗談めかして笑った。
「だからやめろって。たまたまだ」
南条は辰之助を殴る素振りをして笑った。
新九郎も釣られて笑ったが、すぐに真面目な顔に戻って、
「しかし、南条さんは先ほどあの家に入って来た時に、奴らの目的は殿の暗殺と藩の乗っ取りだと言いましたね。あれは?」
「ああ」
南条宗之進もまた表情を引き締め、
「これは俺の憶測だがな。奴らは先の殿を毒殺しただけでなく、今の殿も毒殺するつもりだと見ている」
「…………」
三人は衝撃に無言となった。
「だが、今の殿は若年ながら聡明であられるので、どうやら先の殿が毒殺されたらしいと感付いているようだ。それで、自分も毒殺されることを恐れてか、江戸藩邸では食膳はもちろんだが、茶や白湯に至るまで徹底的に毒見をされてからでないと口をつけないらしい。しかもほとんど外出せず、藩邸でも極一部の人間以外、滅多に他人と会わないとか」
「それでは毒殺はまず無理でしょうね」
「ああ。だが、そこで出て来るのが、良謙と小田内膳が話していた三中散と言う毒薬だ。さっきの笹川組のうな伊賀者のような連中、どうやら三中散の製法についても調べているらしい」
「三中散とは何なのでしょうか?」
「俺もそこまでは詳しく掴めていないのだが……どうやら毒見役も役に立たず、痕跡も一切残さずに誰でも確実に暗殺できる毒だとか」
宗之進が声を潜めて言うと、
「そのような物があったのですか……」
新九郎ら三人も息を呑んだ。
その時、少し離れたところから騒がしい声が聞こえた。
それを聞きつけた瞬間、南条宗之進は顔色を変えた。
「目付だろう」
すっと立ち上がった。
「え?」
新九郎らはその方向を見たが、人声らしきものは聞こえるものの、樹林の向こう側で姿は見えない。
だが、南条宗之進は一年を超える逃亡生活で危機察知能力が鋭くなっているようであった。眼光をぎらつかせながらじっと耳を澄ますと、
「間違いない。すまんが今日はここまでだ。また会おう。お前たちを信じて明かす。俺に用があれば鴻巣山か、その近くの吉川村の道全寺に来てくれ」
と、素早く言い残して、さっと樹林の奥へ走り去った。
新九郎たち三人も、あらぬ疑いをかけられては面倒なので、目付たちがいると言う方を避けて、別方向から迂回して城下への道を進んだ。
「今井、城下まで歩けるのか?」
三木辰之助が、今井一馬を気遣った。何せ一晩拘束されていたのだ。顔にも疲労の色が濃い。
だが、一馬は気丈に笑い、
「大丈夫だ。奴ら、最初は俺を気絶させる為にいたぶったが、骨が折れたりするほどじゃなかったからな。その後は寝かされていただけだ。辰之助こそ大丈夫か? 背を刺されただろう」
と、逆に辰之助を心配すると、
「何、大したことはない。まだ痛いが、もう血は止まっている」
と、辰之助も野太い声で笑った。
「ならば良かった。三人とも無事だ。ただ……流石に腹が減ったなあ。ほぼ丸一日食べてないからな。どこかに茶屋でもあれば良いが」
一馬が腹をさすりながら辺りを見回したが、道の左右は未墾の原野で、集落らしきものも無い。
すると、新九郎が、
「ああ、そうだ」
と、手を叩いて腰から提げていた革袋の口を開け、中から笹の葉に包んだ握り飯を差し出した。
「忙しくて昼に食べられなかった残りを、何かの時の為に持って来ておいた。どうだ?」
「いいのか?」
一馬はよだれを垂らしそうな顔で笹の葉包みを見た。
「ああ、まだ腐ってはいないはずだ。食えるなら食ってくれ」
「すまぬな。では遠慮なく」
一馬が頬を緩ませて受け取り、笹の葉を開くと、中には卵型の菜飯の握り飯があった。
「ただの菜飯のむすびだが、うちの女中が作るのは絶品だぞ」
新九郎が言うと、一馬は歩きながら一口かじりついた。
「おお、これは確かに美味い」
一馬は口をもぐもぐさせながら感心した。
「おりよさんか?」
「うむ」
「女中だが、飯も美味いし美人だ。お前、手を出したりしておらぬだろうな?」
一馬がにやにやしながら冗談を言うと、新九郎は昼間にりよを抱き寄せたことを思い出して、一瞬どきりとしたが、
「ぬかせ。そのようなことをするか」
と、ごまかすように笑った。
だが、その瞬間であった。
新九郎の脳裏に、電撃的に閃いたものがあった。
――おりよ……?
新九郎は立ち止まった。
「うん? どうした黒須」
辰之助が不審に思って新九郎の顔を見たが、新九郎の耳には入らなかった。
新九郎の頭に、一つの恐ろしい疑念が浮かんだ。
先ほどの、あの小屋とも家とも言えない建物の中で、猫のような目をした大男が言った言葉が、ずっと新九郎の頭の中に引っかかっていた。
――お前の屋敷を隅から隅まで調べたのだ。
と、あの男は言っていた。
あのような連中がそこまで言うならば、本当に徹底的に黒須家の屋敷のあらゆる場所を調べたのであろう。
しかし、新九郎はずっと屋敷にこもっていたのだ。新九郎とて何度も実戦経験のある剣の名手である。不審な者が侵入すれば、一度はその気配のようなものを感じ取っていてもおかしくない。だが、一切そのようなことはなかった。
にも関わらず、あの男は屋敷の全てを調べたと言う。
一体どうやって? と、思った時、
――おりよならばできる……。
この考えが浮かんで、新九郎は愕然とした。
ーーいや、しかし……おりよが奴らの仲間? そんなまさか……。
新九郎は、右手で額を押えた。
「新九郎、おい、どうした?」
一馬も、そんな新九郎を怪訝に思って声をかけたが、新九郎の思考は止まらず、却って悪い方へと落ちて行く。
――考えてみればあの鉢窪村の時もだ……俺と大鳥家老の他に、鉢窪村に行くことは誰も知らなかったはずなのに、あの連中はまるで俺が来ることを知っていたかのように待ち構えていた。
新九郎の顔がみるみる青ざめて行った。
――だが、鉢窪村に行くと言うことを知っていた人物がもう一人だけいる。おりよだ。
評定所から解放され、大鳥家老の屋敷から帰ったあの晩、りよだけには、仮眠を取った後に鉢窪村に行く、と伝えていた。
――いや、ありえん、おりよに限って……だが……。
新九郎の頭の中で、否定と肯定が目まぐるしく攻め合った。
そんな、蒼白となった新九郎の顔色を心配し、一馬と辰之助が再び声をかけた。
「おい、新九郎、どうした? さっき、どこかに傷でも受けたのか?」
そこで、新九郎は、はっと正気に戻って二人の顔を見ると、ひきつった笑顔を見せた。
「いや、なんでもない。思わず、これからどうするべきかと考え込んでしまったんだ」
「なんだ、そうか。俺はてっきりこの握り飯が惜しかったのかと思ったぜ。やっぱり食べたいなら返すぞ?」
一馬が食べかけの握り飯を差し出すと、
「食いかけなんぞいらん。全部食えよ」
新九郎は笑いながら手で押し返す動作をし、「すまん、さあ行こう」と、再び歩き始めた。
「だが、これからどう動くべきかは本当に考えねばならんな。さっきの南条さんの話が本当なら、藩の一大危機だ」
三木辰之助が腕を組むと、残りの握り飯を一気に口に入れた一馬が、口をもごもごさせながら、
「とりあえず、密かにご家老に報告しよう。小田一派の連中に見つからんようにな」
「うむ」
城下に帰り着いた時には、すでに日は落ちて城の影が夜闇に黒く浮かび上がっていた。
その様が、なんとなく今の藩が闇の中に呑み込まれている暗示のように見えた。
三人は、今日のところはひとまず解散し、翌日の夜に大鳥家老を訪ねることを約束して別れた。
「口封じの為に小田家老が討手を放ったか」
辰之助が言うと、
「ああ。そして、やったのはさっきのあの連中だろう。通常、刺客が放たれる時は、その前後に誰かが怪しい奴を見たりしているものだ。ところが、良謙が殺されているのを発見した前後、付近の町民らで怪しい人間を見かけた者はいなかったらしい。白昼堂々、その影も見せずに暗殺をしてのけるなんて、あいつらしかありえん」
と、宗之進は言ってから一呼吸置き、
「ただ、その時は俺もあいつらの存在は知らなかった。良謙が何者かに暗殺されたのを知り、これはもう国に戻って徹底的に調べるしかないと思ってな。覚悟を決めて戻って来たのよ。それがちょうど一月前だ」
「流石南条さんです」
三人が称賛すると、南条は気まずそうに手を横に振った。
「やめてくれ。そんなに立派じゃない。さっきも言ったように一度は持ち崩した身だ。……で、藩に戻って来て密かに色々と探っていたら、さっきのあの笹川組のような連中の存在を知ってな。どうやら小田内膳と繋がり、しかも先の殿の暗殺に関わっているらしいことも掴んだ。そこで更に色々と探っていたら、ちょうどお前たちがあの家に向かうのを見かけた、と言うわけよ」
「なるほど」
三人は、感心したような納得したような頷き方をした後、
「でもやっぱり南条さんは役者だぜ。あそこで来てくれるんだもんなあ」
辰之助は冗談めかして笑った。
「だからやめろって。たまたまだ」
南条は辰之助を殴る素振りをして笑った。
新九郎も釣られて笑ったが、すぐに真面目な顔に戻って、
「しかし、南条さんは先ほどあの家に入って来た時に、奴らの目的は殿の暗殺と藩の乗っ取りだと言いましたね。あれは?」
「ああ」
南条宗之進もまた表情を引き締め、
「これは俺の憶測だがな。奴らは先の殿を毒殺しただけでなく、今の殿も毒殺するつもりだと見ている」
「…………」
三人は衝撃に無言となった。
「だが、今の殿は若年ながら聡明であられるので、どうやら先の殿が毒殺されたらしいと感付いているようだ。それで、自分も毒殺されることを恐れてか、江戸藩邸では食膳はもちろんだが、茶や白湯に至るまで徹底的に毒見をされてからでないと口をつけないらしい。しかもほとんど外出せず、藩邸でも極一部の人間以外、滅多に他人と会わないとか」
「それでは毒殺はまず無理でしょうね」
「ああ。だが、そこで出て来るのが、良謙と小田内膳が話していた三中散と言う毒薬だ。さっきの笹川組のうな伊賀者のような連中、どうやら三中散の製法についても調べているらしい」
「三中散とは何なのでしょうか?」
「俺もそこまでは詳しく掴めていないのだが……どうやら毒見役も役に立たず、痕跡も一切残さずに誰でも確実に暗殺できる毒だとか」
宗之進が声を潜めて言うと、
「そのような物があったのですか……」
新九郎ら三人も息を呑んだ。
その時、少し離れたところから騒がしい声が聞こえた。
それを聞きつけた瞬間、南条宗之進は顔色を変えた。
「目付だろう」
すっと立ち上がった。
「え?」
新九郎らはその方向を見たが、人声らしきものは聞こえるものの、樹林の向こう側で姿は見えない。
だが、南条宗之進は一年を超える逃亡生活で危機察知能力が鋭くなっているようであった。眼光をぎらつかせながらじっと耳を澄ますと、
「間違いない。すまんが今日はここまでだ。また会おう。お前たちを信じて明かす。俺に用があれば鴻巣山か、その近くの吉川村の道全寺に来てくれ」
と、素早く言い残して、さっと樹林の奥へ走り去った。
新九郎たち三人も、あらぬ疑いをかけられては面倒なので、目付たちがいると言う方を避けて、別方向から迂回して城下への道を進んだ。
「今井、城下まで歩けるのか?」
三木辰之助が、今井一馬を気遣った。何せ一晩拘束されていたのだ。顔にも疲労の色が濃い。
だが、一馬は気丈に笑い、
「大丈夫だ。奴ら、最初は俺を気絶させる為にいたぶったが、骨が折れたりするほどじゃなかったからな。その後は寝かされていただけだ。辰之助こそ大丈夫か? 背を刺されただろう」
と、逆に辰之助を心配すると、
「何、大したことはない。まだ痛いが、もう血は止まっている」
と、辰之助も野太い声で笑った。
「ならば良かった。三人とも無事だ。ただ……流石に腹が減ったなあ。ほぼ丸一日食べてないからな。どこかに茶屋でもあれば良いが」
一馬が腹をさすりながら辺りを見回したが、道の左右は未墾の原野で、集落らしきものも無い。
すると、新九郎が、
「ああ、そうだ」
と、手を叩いて腰から提げていた革袋の口を開け、中から笹の葉に包んだ握り飯を差し出した。
「忙しくて昼に食べられなかった残りを、何かの時の為に持って来ておいた。どうだ?」
「いいのか?」
一馬はよだれを垂らしそうな顔で笹の葉包みを見た。
「ああ、まだ腐ってはいないはずだ。食えるなら食ってくれ」
「すまぬな。では遠慮なく」
一馬が頬を緩ませて受け取り、笹の葉を開くと、中には卵型の菜飯の握り飯があった。
「ただの菜飯のむすびだが、うちの女中が作るのは絶品だぞ」
新九郎が言うと、一馬は歩きながら一口かじりついた。
「おお、これは確かに美味い」
一馬は口をもぐもぐさせながら感心した。
「おりよさんか?」
「うむ」
「女中だが、飯も美味いし美人だ。お前、手を出したりしておらぬだろうな?」
一馬がにやにやしながら冗談を言うと、新九郎は昼間にりよを抱き寄せたことを思い出して、一瞬どきりとしたが、
「ぬかせ。そのようなことをするか」
と、ごまかすように笑った。
だが、その瞬間であった。
新九郎の脳裏に、電撃的に閃いたものがあった。
――おりよ……?
新九郎は立ち止まった。
「うん? どうした黒須」
辰之助が不審に思って新九郎の顔を見たが、新九郎の耳には入らなかった。
新九郎の頭に、一つの恐ろしい疑念が浮かんだ。
先ほどの、あの小屋とも家とも言えない建物の中で、猫のような目をした大男が言った言葉が、ずっと新九郎の頭の中に引っかかっていた。
――お前の屋敷を隅から隅まで調べたのだ。
と、あの男は言っていた。
あのような連中がそこまで言うならば、本当に徹底的に黒須家の屋敷のあらゆる場所を調べたのであろう。
しかし、新九郎はずっと屋敷にこもっていたのだ。新九郎とて何度も実戦経験のある剣の名手である。不審な者が侵入すれば、一度はその気配のようなものを感じ取っていてもおかしくない。だが、一切そのようなことはなかった。
にも関わらず、あの男は屋敷の全てを調べたと言う。
一体どうやって? と、思った時、
――おりよならばできる……。
この考えが浮かんで、新九郎は愕然とした。
ーーいや、しかし……おりよが奴らの仲間? そんなまさか……。
新九郎は、右手で額を押えた。
「新九郎、おい、どうした?」
一馬も、そんな新九郎を怪訝に思って声をかけたが、新九郎の思考は止まらず、却って悪い方へと落ちて行く。
――考えてみればあの鉢窪村の時もだ……俺と大鳥家老の他に、鉢窪村に行くことは誰も知らなかったはずなのに、あの連中はまるで俺が来ることを知っていたかのように待ち構えていた。
新九郎の顔がみるみる青ざめて行った。
――だが、鉢窪村に行くと言うことを知っていた人物がもう一人だけいる。おりよだ。
評定所から解放され、大鳥家老の屋敷から帰ったあの晩、りよだけには、仮眠を取った後に鉢窪村に行く、と伝えていた。
――いや、ありえん、おりよに限って……だが……。
新九郎の頭の中で、否定と肯定が目まぐるしく攻め合った。
そんな、蒼白となった新九郎の顔色を心配し、一馬と辰之助が再び声をかけた。
「おい、新九郎、どうした? さっき、どこかに傷でも受けたのか?」
そこで、新九郎は、はっと正気に戻って二人の顔を見ると、ひきつった笑顔を見せた。
「いや、なんでもない。思わず、これからどうするべきかと考え込んでしまったんだ」
「なんだ、そうか。俺はてっきりこの握り飯が惜しかったのかと思ったぜ。やっぱり食べたいなら返すぞ?」
一馬が食べかけの握り飯を差し出すと、
「食いかけなんぞいらん。全部食えよ」
新九郎は笑いながら手で押し返す動作をし、「すまん、さあ行こう」と、再び歩き始めた。
「だが、これからどう動くべきかは本当に考えねばならんな。さっきの南条さんの話が本当なら、藩の一大危機だ」
三木辰之助が腕を組むと、残りの握り飯を一気に口に入れた一馬が、口をもごもごさせながら、
「とりあえず、密かにご家老に報告しよう。小田一派の連中に見つからんようにな」
「うむ」
城下に帰り着いた時には、すでに日は落ちて城の影が夜闇に黒く浮かび上がっていた。
その様が、なんとなく今の藩が闇の中に呑み込まれている暗示のように見えた。
三人は、今日のところはひとまず解散し、翌日の夜に大鳥家老を訪ねることを約束して別れた。
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