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胸中の白い花
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翌日、新九郎は久しぶりに登城した。
郡方の執務部屋に入ると、
「おう、黒須、大変だったそうだな」
「戻って来られてよかったな」
などと、安心したような言葉をかけてくる者がいれば、遠くから見てひそひそと話すような者たちもいた。
そんな中で、奉行の松山帯刀がにこにことしながら声をかけてきた。
「黒須、嫌疑が晴れたようで何よりじゃったの」
改竄された帳簿を出して新九郎が不正をしたと主張したのは松山帯刀である。
ーー何を白々しい。
新九郎は思いながらも、
「はっ、ありがとうございまする」
と、頭を下げた。
「うむ、お主は真面目だ。そのようなことをするはずがないと信じておったぞ。だが、何者かがお主を陥れようとしているのかも知れん。今後は気を付けるようにな」
その言葉に、新九郎は呆れてぽかんとしたが、一応「はっ、承知仕りました」と、再び頭を下げた。
仕事が終わり、下城の太鼓が鳴ると、新九郎は人でごった返す廊下を抜けて、普請組の部屋に向かった。
部屋の中を覗いてみたが、今井一馬の姿は無かった。
新九郎は、部屋を出て行こうとする一人の藩士に声をかけて尋ねてみた。
藩士は顔を険しくして答えた。
「今井なら来ておらぬ。家の者からの連絡によると、昨晩から家に戻っておらぬようじゃが、けしからん奴よ」
と、怒りながら立ち去った。
新九郎は下城すると、家には戻らず、今井一馬の家に向かった。
途中、小間物屋があり、ちょっと覗いてみると偶然にも風車があったので一つ買い、また今井家へと急いだ。
一馬は元々今井家の人間ではない。
黒須家と同じく、開藩前より藩主家に仕えてきた小柴家の者である。
しかし三男であった。次男であるすぐ上の兄は幸運にも婿入り先がすんなり決まったが、三男ともなれば難しい。周りも本人も一生部屋住みかと思い、一馬本人は、いっそのこと江戸にでも出てみようかと考えていた。
しかし、そこを以前から一馬の剣の腕と人柄を買っていた家老大鳥順三郎が口利きして、今井家に婿入りが決まった。それが昨年の晩冬で、すぐに子宝にも恵まれ、つい先々月に女児も生まれたばかりである。
訪いを入れると、赤子を背負った一馬の妻女が出てきた。
佐奈と言う名のほっそりとした女性であったが、更に痩せたように見えるのは子を生んだからではないからであろう。
憔悴した顔で、佐奈は言った。
「夫は昨日より戻っておりません。このようなことは初めてです」
「どこへ行くとは言っておりましたか?」
「桃川村の辺りとしか」
「なるほど、やはり」
新九郎は腕を組んだ。
佐奈はすがるように新九郎に訴えた。
「夫はあまり教えてくれないのですが、近頃は色々と調べものをしておりまして……どうやら昔の笹川組のことらしいのですが、近頃、町では笹川組のような者たちが人を殺めていると聞きます。夫は何か恐ろしいことに巻き込まれているのでしょうか?」
新九郎は一瞬黙って考えた後に、微笑を見せた。
「ご新造、心配はご無用。一馬は小柄ながら剣は天下一品。何かあっても必ず切り抜けて戻って来られるはず。今回は何か事情があって帰りが遅れているのでしょう」
「であれば良いのですが、一晩も帰らないなど不安で不安で……」
佐奈が泣きそうになった時、その気持ちが移ったのか、背中の赤子が泣き出した。
「おお、よしよし。お父上はすぐに戻りますからね……」
佐奈は、ゆっくり揺らしてあやした。
新九郎は軽く深呼吸をすると、
「これから、桃川村の辺りまで行ってみようと思います」
「え?」
「先日は私が一馬に救われました。今度は私の番です。必ず一馬を連れて戻って参りますので、どうかご安心を」
と、新九郎は言うと、先ほど買った風車を背の赤子の前に差し出した。ふうっと吹いて回して見せると、赤子が泣き止んで笑顔になった。
新九郎は今井家を出ると自宅への道を急いだが、途中の青物町で人だかりができて騒いでいるのを見かけた。
「祐筆の長井さまだとよ」
と、町人が言う声を聞きつけ、新九郎は顔色を変えてそちらへ走った。
「すまぬ、少し通してくれ」
新九郎は人だかりを掻き分けて前へ出た。
すると、祐筆役の長井久兵衛が首と胸の二か所から血を流して倒れていた。
それを、すでにやって来ていた徒目付二人が調べている。
たまたま、すぐ近くに同じ郡方の同僚で先輩に当たる村田甚五郎がいた。
新九郎は甚五郎に声をかけ、何があったのか訊いてみると、
「わしも直接見てはいないのでよくは知らんのだが、長井どのが歩いていて突然倒れたと思ったらこれだったそうだ」
と、村田甚五郎は眉間に皺を寄せて答えた。
新九郎は小声で訊いた。
「近頃騒がせている頭巾覆面の連中の仕業ではないのでしょうか?」
「いや、そういった連中がいればすぐわかるだろう」
すると、後ろにいた中年の町民が恐る恐る声をかけてきた。
「あのう、お武家さま」
「うん?」
新九郎が振り返ると、
「あっしはちょうどそこの茶屋の軒先で団子を食べていたのでたまたま見かけたのですが」
「ほう」
「あのお方が歩いていると、見すぼらしい女の乞食とすれ違いましてな。どうも肩がぶつかったらしく、あのお方が少し注意してからまた歩き始めたら、その後すぐです。突然ばたっと倒れたのです」
町民の男は震える声で答えた。
――奴らだ。あの濃紺装束の連中の仕業に違いない。
新九郎は直感した。
――奴ら、とうとう昼間も変装してやるようになったか。
新九郎は厳しい顔をして、その場を立ち去った。
春木町の家に帰ると、奈美もりよもいなかった。
奈美は今日は茶の稽古の日であったので、今ごろは帰りに友人とどこかに寄っているのであろう。
しかし、りよがこの時刻にいないのは珍しい。
と思っていると、ちょうどりよが戻ってきて玄関でぶつかった。
「あ、旦那さま」
りよは、髪がやや乱れており、息も切らしていた。
「おりよ、どこかへ行っていたのか?」
新九郎が訊くと、りよは慌てて頭を下げた。
「あ、も、申し訳ございませぬ。実は、青物町で青菜と蕪を買った帰りに、ちょうど人が斬られて騒ぎになっているところを見かけまして」
りよは青い顔をしていた。
「おお、それなら私も見たぞ。おりよも見かけたのか」
「ええ、遠くから見て、お話を聞いただけですが。ですが、そのうち段々と怖くなって来まして、急いで帰って来たのです」
りよの肩が小刻みに震えていた。
それを見ると、新九郎は一瞬躊躇した後に、りよの様子を窺いながら、そっと左肩に手を置いた。
「大丈夫だ」
「…………」
りよは、やや上がり気味の目を潤ませて新九郎を見た。
「ここの家には私がいる。何も危険はない。安心してくれ」
新九郎は、ぽんぽんと、優しくりよの肩を叩いた。
すると、りよは新九郎を見つめたまま一歩寄って来た。
新九郎はたまらなくなって、思わず右手でりよの肩を引き寄せた。
りよは抵抗せず、声も上げなかった。
「大丈夫だ」
新九郎はもう一度言うと。りよの肩を優しく撫でた。
すると、りよの震えが段々と止まってきた。
同時に、新九郎は、はっと正気に戻った。新九郎はりよを抱き締めるような体勢になっているのだ。
「あっ、すまぬ……」
新九郎は慌てて離そうとしたが、逆にりよの方からぶつかるように新九郎に身体を預けて来た。
「申し訳ございませぬ、旦那様。ご無礼は承知です。ですが、もう少しだけこのままに……」
りよはそう言って、横顔を新九郎の胸に乗せて目を閉じた。
「おりよ……」
りよの柔らかい身体から、甘い香りがした。
新九郎の中で何かが外れた。
新九郎は、右手をりよの腰に回し、更に引き寄せた。
「あっ、旦那さま」
「構わない」
「…………」
郡方の執務部屋に入ると、
「おう、黒須、大変だったそうだな」
「戻って来られてよかったな」
などと、安心したような言葉をかけてくる者がいれば、遠くから見てひそひそと話すような者たちもいた。
そんな中で、奉行の松山帯刀がにこにことしながら声をかけてきた。
「黒須、嫌疑が晴れたようで何よりじゃったの」
改竄された帳簿を出して新九郎が不正をしたと主張したのは松山帯刀である。
ーー何を白々しい。
新九郎は思いながらも、
「はっ、ありがとうございまする」
と、頭を下げた。
「うむ、お主は真面目だ。そのようなことをするはずがないと信じておったぞ。だが、何者かがお主を陥れようとしているのかも知れん。今後は気を付けるようにな」
その言葉に、新九郎は呆れてぽかんとしたが、一応「はっ、承知仕りました」と、再び頭を下げた。
仕事が終わり、下城の太鼓が鳴ると、新九郎は人でごった返す廊下を抜けて、普請組の部屋に向かった。
部屋の中を覗いてみたが、今井一馬の姿は無かった。
新九郎は、部屋を出て行こうとする一人の藩士に声をかけて尋ねてみた。
藩士は顔を険しくして答えた。
「今井なら来ておらぬ。家の者からの連絡によると、昨晩から家に戻っておらぬようじゃが、けしからん奴よ」
と、怒りながら立ち去った。
新九郎は下城すると、家には戻らず、今井一馬の家に向かった。
途中、小間物屋があり、ちょっと覗いてみると偶然にも風車があったので一つ買い、また今井家へと急いだ。
一馬は元々今井家の人間ではない。
黒須家と同じく、開藩前より藩主家に仕えてきた小柴家の者である。
しかし三男であった。次男であるすぐ上の兄は幸運にも婿入り先がすんなり決まったが、三男ともなれば難しい。周りも本人も一生部屋住みかと思い、一馬本人は、いっそのこと江戸にでも出てみようかと考えていた。
しかし、そこを以前から一馬の剣の腕と人柄を買っていた家老大鳥順三郎が口利きして、今井家に婿入りが決まった。それが昨年の晩冬で、すぐに子宝にも恵まれ、つい先々月に女児も生まれたばかりである。
訪いを入れると、赤子を背負った一馬の妻女が出てきた。
佐奈と言う名のほっそりとした女性であったが、更に痩せたように見えるのは子を生んだからではないからであろう。
憔悴した顔で、佐奈は言った。
「夫は昨日より戻っておりません。このようなことは初めてです」
「どこへ行くとは言っておりましたか?」
「桃川村の辺りとしか」
「なるほど、やはり」
新九郎は腕を組んだ。
佐奈はすがるように新九郎に訴えた。
「夫はあまり教えてくれないのですが、近頃は色々と調べものをしておりまして……どうやら昔の笹川組のことらしいのですが、近頃、町では笹川組のような者たちが人を殺めていると聞きます。夫は何か恐ろしいことに巻き込まれているのでしょうか?」
新九郎は一瞬黙って考えた後に、微笑を見せた。
「ご新造、心配はご無用。一馬は小柄ながら剣は天下一品。何かあっても必ず切り抜けて戻って来られるはず。今回は何か事情があって帰りが遅れているのでしょう」
「であれば良いのですが、一晩も帰らないなど不安で不安で……」
佐奈が泣きそうになった時、その気持ちが移ったのか、背中の赤子が泣き出した。
「おお、よしよし。お父上はすぐに戻りますからね……」
佐奈は、ゆっくり揺らしてあやした。
新九郎は軽く深呼吸をすると、
「これから、桃川村の辺りまで行ってみようと思います」
「え?」
「先日は私が一馬に救われました。今度は私の番です。必ず一馬を連れて戻って参りますので、どうかご安心を」
と、新九郎は言うと、先ほど買った風車を背の赤子の前に差し出した。ふうっと吹いて回して見せると、赤子が泣き止んで笑顔になった。
新九郎は今井家を出ると自宅への道を急いだが、途中の青物町で人だかりができて騒いでいるのを見かけた。
「祐筆の長井さまだとよ」
と、町人が言う声を聞きつけ、新九郎は顔色を変えてそちらへ走った。
「すまぬ、少し通してくれ」
新九郎は人だかりを掻き分けて前へ出た。
すると、祐筆役の長井久兵衛が首と胸の二か所から血を流して倒れていた。
それを、すでにやって来ていた徒目付二人が調べている。
たまたま、すぐ近くに同じ郡方の同僚で先輩に当たる村田甚五郎がいた。
新九郎は甚五郎に声をかけ、何があったのか訊いてみると、
「わしも直接見てはいないのでよくは知らんのだが、長井どのが歩いていて突然倒れたと思ったらこれだったそうだ」
と、村田甚五郎は眉間に皺を寄せて答えた。
新九郎は小声で訊いた。
「近頃騒がせている頭巾覆面の連中の仕業ではないのでしょうか?」
「いや、そういった連中がいればすぐわかるだろう」
すると、後ろにいた中年の町民が恐る恐る声をかけてきた。
「あのう、お武家さま」
「うん?」
新九郎が振り返ると、
「あっしはちょうどそこの茶屋の軒先で団子を食べていたのでたまたま見かけたのですが」
「ほう」
「あのお方が歩いていると、見すぼらしい女の乞食とすれ違いましてな。どうも肩がぶつかったらしく、あのお方が少し注意してからまた歩き始めたら、その後すぐです。突然ばたっと倒れたのです」
町民の男は震える声で答えた。
――奴らだ。あの濃紺装束の連中の仕業に違いない。
新九郎は直感した。
――奴ら、とうとう昼間も変装してやるようになったか。
新九郎は厳しい顔をして、その場を立ち去った。
春木町の家に帰ると、奈美もりよもいなかった。
奈美は今日は茶の稽古の日であったので、今ごろは帰りに友人とどこかに寄っているのであろう。
しかし、りよがこの時刻にいないのは珍しい。
と思っていると、ちょうどりよが戻ってきて玄関でぶつかった。
「あ、旦那さま」
りよは、髪がやや乱れており、息も切らしていた。
「おりよ、どこかへ行っていたのか?」
新九郎が訊くと、りよは慌てて頭を下げた。
「あ、も、申し訳ございませぬ。実は、青物町で青菜と蕪を買った帰りに、ちょうど人が斬られて騒ぎになっているところを見かけまして」
りよは青い顔をしていた。
「おお、それなら私も見たぞ。おりよも見かけたのか」
「ええ、遠くから見て、お話を聞いただけですが。ですが、そのうち段々と怖くなって来まして、急いで帰って来たのです」
りよの肩が小刻みに震えていた。
それを見ると、新九郎は一瞬躊躇した後に、りよの様子を窺いながら、そっと左肩に手を置いた。
「大丈夫だ」
「…………」
りよは、やや上がり気味の目を潤ませて新九郎を見た。
「ここの家には私がいる。何も危険はない。安心してくれ」
新九郎は、ぽんぽんと、優しくりよの肩を叩いた。
すると、りよは新九郎を見つめたまま一歩寄って来た。
新九郎はたまらなくなって、思わず右手でりよの肩を引き寄せた。
りよは抵抗せず、声も上げなかった。
「大丈夫だ」
新九郎はもう一度言うと。りよの肩を優しく撫でた。
すると、りよの震えが段々と止まってきた。
同時に、新九郎は、はっと正気に戻った。新九郎はりよを抱き締めるような体勢になっているのだ。
「あっ、すまぬ……」
新九郎は慌てて離そうとしたが、逆にりよの方からぶつかるように新九郎に身体を預けて来た。
「申し訳ございませぬ、旦那様。ご無礼は承知です。ですが、もう少しだけこのままに……」
りよはそう言って、横顔を新九郎の胸に乗せて目を閉じた。
「おりよ……」
りよの柔らかい身体から、甘い香りがした。
新九郎の中で何かが外れた。
新九郎は、右手をりよの腰に回し、更に引き寄せた。
「あっ、旦那さま」
「構わない」
「…………」
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