怪奇短編集

木村 忠司

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ニューヨーク州の洋館〜前編

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 ある夏の夜、私は友人数人と一緒にニューヨーク州アルビオンの片田舎にある古い洋館にいきました。

 その洋館は100年前から廃墟になっていて、屋根裏の窓に女性の幽霊が見えるという噂がありました。洋館近くを通った通行人がどこからともなく敷地内の方から、うめき声が聞いたという君の悪い話もあります。

 私たちは近くの路上に車を止めて夜中を待って、大きなその敷地へと入りました。

 洋館は痛んでいるもの、立派なつくりで西側にダンスホールを完備している19世紀のイギリス方式の豪邸でまるで貴族が済むようなマンションでした。

 エントランスの広間から二階へ上がる階段があり、その二階から女の声が聞こえてきました。
何を言っているのかよく聞こえませんでしたが、確かにそれは女性の声でした。


 私は「誰かいますか?」と誰かいるらしい人に向かって声を掛けました。

 私たちは全員恐怖に震えながら階段を上がっていきました。すると二階の寝室の部屋の前に白いドレスを着た女性が立っていました。彼女は私たちに微笑みかけて言いました。

「ようこそ、わが家へ」

 私達は廃墟だと思っていたのですが、どうやら人が住んでいたようです。私たちは断りもなく入ったことを詫びました。

 その後は、私たちは女性に案内されてゲストようの部屋に入りました。

 部屋には古い家具や絵画がありました。女性は私たちにお茶を出してくれました。彼女は自分の名前をエリザベスと言いました。彼女はこの洋館の主人だと言って過去を話し出しました。彼女は昔、夫と一緒に暮らしていたそうです。

 ある日、夫が事故で亡くなってしまって、それ以来彼女はこの洋館にずっと閉じこもっていると言いました。彼女は私たちに寂しそうな目で見つめて言いました。

 「私はずっと一人でした。でも、今日はあなたたちが来てくれて嬉しいです。あなたたちはもう帰らなくていいのよ。私と一緒にここに住んでくださって」

 私たちはエリザベスの言葉に驚きました。その目になにか異常なものを感じたからです。私たちはすぐにここから逃げ出したいと思いました。しかし、エリザベスは私たちの手を握って離しませんでした。

 彼女は私たちに優しく微笑みながら言いました。
「あなたたちは私のお客様、大切なゲストです。あなたたちは私の家族になってください。私もあなたの恋人になりますから」

 彼女の言葉は一貫性がないこと気づき始めて、疑いを持ち始めました。さらに話しているうちに彼女のその目に光る物は狂気だと確信しました。彼女は私たちを洋館から出さないつもりだと分かりました。

 

 しかし時すでに遅し、彼女はゲストルームを出ると、かちゃりと扉に鍵をかけていいました。

閉ざされた扉の外から声が聞こえてきました。

「心配しないでください。私はすぐに戻ってきますから。あなたたちのために素敵なものを用意してきますので」

 私たちは部屋の中で恐怖に震えました。部屋には窓もなく、携帯電話も通じませんでした。私たちはこの洋館から出られるのかと不安に思いました。

 その後、しばらくしてドアが開きました。彼女が入って来てその手には大きな肉切り包丁が握られていました。

 私たち全員に緊張が走りました。

「あなたたちに素敵なプレゼントがありますわ。私たちは永遠の命を持つ恋人同士になれるのなのですから。これ以上の素晴らしい贈り物などありませんよ。私はあなたたちの心臓を取り出して、夫と恋人たちの墓石にお供えするのです。そうすれば宿願がかないます」
エリザベスはそう言いながら笑顔を浮かべていました。


 ゴメスが適当にう作り笑いを浮かべて、「その前にすみませんが、トイレいって出すべきものを出したいのですが」とか、適当なことを言いながら時間稼ぎをしようとしました。

 エリザベスは、少し考えて「それもそうね」てという感じで、ゴメスをトイレに連れて行きました。ゴメスは得屋を去る際に、振り返ってウィンクして部屋から出て行きました。ドアは閉められて鍵がきっかりかけられたような音がしました。

 私はその間に、部屋の中で何に脱出の手段がないか探しました。 すると 壁にかかっていた絵画の裏に小さな穴があるのを見つけました。 穴の中には鍵が入っていました。 私たちはその鍵でドアを開けようとしましたが、鍵は合いませんでした。 しかし、 鍵には「Basement」という文字が刻まれていました。 私たちは地下室に行けば何かヒントがあるのではないかと思いました。

私たちはワインセラーのような床着いた両扉の鍵穴にそのカギを差し込むと、回すことが出来ました。

 そこには地下への階段が伸びていて、その階段を降りていきました。

すると、エリザベスが戻って来て私たちを見つけて叫びまたした。
「どこに行くつもり!?戻ってきなさい!!」 

「逃げろ!」ゴメスの叫び声も聞こえてきました。。

私たちにエリザベスを振り切ろうと地下室へと走りました。 



 地下室には暗くて湿っぱい空気が漂っていました。 私たちは中電灯で周りを照らしました。 すると、そこには恐ろしい光景が広がっていたのです。 地下室には心臓の抜かれた人間の死体や骨が山積みになっていました。死体や骨には切り傷や焼け跡がありました。焼こうとして途中でやめたような死体でした。腐敗臭とネズミなどの排泄物の匂いがまじりあい、 私たちは吐き気を催しました。

 
 私たちは地下室にある扉を開けてその先へと逃げ出そうとしましたが、ドアは鍵がかかっていて開きませんでした。 私たちはさっきの鍵を使ってドアを開けようとしましたが、鍵穴は壊れていて使えませんでした。 私たちは絶望しました。
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