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太陽SIDE
しおりを挟むコンコンコン
「はい」
あー、もうお昼か
瑠璃はあの後からずっと眠ったままだ
瑠璃が毎日、魘されている事は知っていた
だけど、俺が声を掛ける前に起きて、また気を失うように眠る瑠璃に何も言えなかった。
一度、声を掛けたが笑って流す姿に、魘された原因について触れられたくないんだと、そう思った
瑠璃が魘される原因については分かっている、あいつらだ、絶対に
あいつらにどんな仕打ちを受けたのか、俺には全く分からない
だけど、瑠璃がっ!
っ、、瑠璃の夢にまで出てきて瑠璃を苦しめるあいつらが物凄く憎い!
そして、何も出来ない事が物凄く悔しい
もし、神様がいるなら、一日でも早く瑠璃の記憶からあいつらを消して欲しい!
「失礼いたしますー
お食事をお持ちしましたー
朝食を食べておられないと聞いたので、多めにお持ちしたのですが
ルリ様は・・・」
クオーラがご飯を持って部屋に入って来た。
心配そうに俺を見て、隣に瑠璃がいない事が疑問に思ったのかキョロキョロと辺りを見渡していた。
「瑠璃は、まだ寝てる」
俺は瑠璃が眠っているベッドの方を見て、そう言った。
「、そうですかー
食事は下げた方が良いですねー」
クオーラも瑠璃が眠るベッドの方を見て、そう言った。
「うん、多分まだ起きないと思う」
「ルリ様は、どこか体調が悪いのですかー?
もしご病気でしたら大変ですので、クラル様にお伝えしましょうかー?」
心配そうに瑠璃の方を見て、俺に言うクオーラ
クオーラの言葉に、その方がいいのかもと思ったが、勝手にクラルを呼んでいいのか迷う。
クラルは何度か会っているから瑠璃も大丈夫だと思うけど、今は精神的に物凄く不安定だ
俺を見て怯えるくらい
もし、起きた時にいつもと違う状況だったら、パニックになるかもしれないと思った。
「瑠璃が起きたら、もしかしたらお願いするかも
今は寝てるし、寝てる間に何かされたら、瑠璃も驚くと思う」
「そうですねー
わかりましたー
では、ルリ様が起きて体調が悪いのであれば、クラル様にお伝えしますねー
あ、それとー
これ、使用人の間で流行している物なんですけどー
是非、着けてみてくださいー」
クオーラはポケットから輪っかの何かを出してきた。
アクセサリー?
あ、ブレスレットか?
キラキラした石が何個か付いているブレスレットを俺に渡してきた。
「え、ありがと
貰っていいのか?」
なんか、結構高そうに見える
「はいー
他の使用人から貰った物なんですけど、僕の趣味に合わなくてー
ヒナタ様に似合うと思って、渡しましたー」
ニコニコと笑ってそう言うクオーラに、悪い気はせず貰ったブレスレットを着けてみた。
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