魔王の番

にーにゃ

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「ええー・・・
んー、多分許可は下りないと思いますけど、聞いてきますねー
あ、許可が下りない限り、窓の方には近づいたらダメですよー」




俺らの必死の訴えにクオーラは困った顔をしていたが、折れてくれたのか許可を貰いに行くために部屋から出て行った。
しっかりと忠告をしてからだが




「これで、許可が出たらいいけどな」




はあーっとため息を吐きながら太陽に言う。




「だよね
って、あ、ルリの近くにあるのってさ、クオーラのじゃない?」



太陽が何かに気づいたのか、俺の近くを指さして言った。
見ると、テーブルの上に、クオーラが大切にしていたペンが落ちていた。



「うわ、確かに!
ちょっと行ってくる!
まだ近くだろう」



クオーラが帰ってきてから渡せばいいが、このペンは親の形見らしい
それをクオーラが無くしたと少しでも思ったら、俺らもクオーラも辛くて悲しい
俺も、太陽も、もう両親には会えないから気持ちは少しでも分かるからだ



「うん!
あ、でも、慎重に」



太陽も返事をしつつ、俺の後ろについて来た。
初めて自分から開ける扉に少しドキドキしつつも、扉を少し開いた。



途端に話し声が聞こえ、扉を開くことを途中で止めた。




「・・、それとスマラグドス王の遣いの方たちはいつ頃お帰りになるかご存じでしょうかー」




あ、この声はクオーラか




「その事についてはまだハッキリとはわかりません
何故ですか?」




この声はアメシストか



クオーラは途中でアメシストと会った事が分かった。




「、そうなのですねー
ルリ様とヒナタ様が寂しそうなお顔をされることが日に日に増していますので・・・
魔王様とローゼ殿下の関係は解決されたのでしょうかー
アベン様の事も、」



「止めなさい、その件については軽々しく口に出してはいけません
魔王様自らルリ様に報告なされるはずです
アベンもご自分でヒナタ様に報告されるでしょう
あなたが1番近くで世話をしている事が多いのでルリ様とヒナタ様の心配をする気持ちもわかりますが、お2人の事は魔王様とアベンに任せましょう
他人が口を出していい事はありませんから
分かりましたね」




え、何、どういう事だ・・・
ローゼって誰だ?
ラスとどういう関係なんだ?
もしかして、恋人だった?
今、ラスは俺と付き合ってる、ローゼは元カノだよな
じゃあ、何で元カノが会いに来てるんだ?



俺がクオーラとアメシストの会話に、衝撃で固まっていると後ろから




「瑠璃、瑠璃!」



太陽が小さい声で必死に俺の肩を揺らして呼ぶ声が聞こえた。




「ちょっ、ヤバいって」




太陽が焦っている事は分かる
けど、体が動かなかった。






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