魔王の番

にーにゃ

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ラスの思い

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「はあ、はあ、ちがっ、」


「だが、丁度いい
俺の血を飲め」


「はあっ、だからっ、話をっ」


「飲め」


激しいキスで上手く息を整えることが出来ず、だけど必死にラスに話を聞いてくれるように訴えた。
だが冷たく命令をされ、その事にズクズクと再び胸が痛み、泣きそうになったが、これ以上ラスに嫌われないために大人しく口を開き、再びラスのキスを受け入れた。


「んんっ」


血の味がする

俺が飲み込んだのが分かったのかすぐにラスは離れ、何か呟いた。


『soiugn bogoaj』


何を言っているんだ?

ラスの言葉が終わった瞬間、心臓辺りが突然淡く光りだした。


「な、にっ」


いまだにラスに両手を固定されているため、頭を持ち上げることしか出来ず、はっきりと何が起きているのかわからなかった。


「これでお前は俺のものだ
例えお前が誰を思おうとしてもだ」


ラスが俺の心臓辺りの淡く光っていたところをそっと指でなぞり、そう言った。

それって・・・


「ラスは俺が好きなのか?」


思わず声に出していて、慌てて口を閉じたが遅かった。

俺の心臓辺りを見ていたラスがすっと俺の方を見、じっと俺の目を見つめた。


「ルリを愛してる」


・・・ボンッ

と、音がなっているだろうくらいに顔が熱くなった。

こ、れは、卑怯だっ
こんな真剣な眼差しでそんな事言われたら、なんで話を聞いてくれないんだとか、さっきの魔法?はなんだとか、言いたいことがたくさんあったのに何も言えなくなってしまう

それにラスも俺と同じ気持ちだとわかり、涙腺が緩んでも仕方がないと思う


「らす、おれも、す、きだ」


ラスの目を見て、真剣に答えた。
泣くまいと必死に涙を抑えているけど、声は震え、涙声だ。


「っ!
それは、本当か」


ラスは俺の言葉に驚き、目を見開いてそう言った。


「ああっ」


本当だと、信じてほしいと、伝わるようにひと時も目を離さずに答えた。


「・・そうか」


そう言って、俺の目元を優しく拭った。
心なしか穏やかな声になったような気がする。


「んっ
それに太陽に言ってたのは、あの時ラスの事を好きだって自覚したからだ」


これを本人に言うのは恥ずかしいが、まだ誤解されたままだと困るので太陽と話していた時の事を話した。


「そうか
だが、今後俺以外にそのような言葉を言う事は禁ずる
例えルリの友であるヒナタであってもだ」


鼻が付きそうなくらいに顔を近づけてそう言ったラスに、目を逸らすことが出来ず、そのまま頷いた。


「わ、わかった」


だからちょっと離れてくれ

さっきまで、ラスとキスしていたことを自覚して、今更ながら恥ずかしくなった。






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