魔王の番

にーにゃ

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瑠璃はどこ!?

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「あ、うん
多分、多分だからな!」


ち、近いって!


「うんうん!
今はそれでいいよお
これからも全力で落としにいくから覚悟してねえ」


「うっ」


間近で満面の笑みを見せられて、言葉に詰まった。

顔が熱い
何か話を逸らさないと、色々とマズイ気がする


「あ、黒を持ってるって言ってたけどそれって何?
それに俺にも魔力があるのか?」


アベンは少し表情を曇らせ、俺の頭を撫でてきた。


「、そうだねえ
黒持ちっていうのは、体のどこかに黒色を持っている事を言うんだあ
シュバルツ国では黒持ちは何色にも染まらない、多くの色を持っている者として少し崇められているけど、バアル国みたいに差別主義国じゃないから、色んな人種がこの国にいるよお」


「そうなんだ
じゃあ、俺が牢屋に入れられていたのはなんでだ?」

「あー、それはあそこの国が人種差別国だからなんだあ
特に黒持ちは不吉の象徴とされているらしくて、生まれてもすぐに殺されるか、捨てられるかどっちかなんだよお?
だから、牢屋にいるって報告を受けた時は、もうすでに殺されているのかなって思ってたんだあ
本当にヒナちゃん、生きててよかった」


アベンは嬉しそうに俺に告げた。

いまだに俺の頭や頬を撫でている手にすり寄りながら、


「俺が殺されなかったのは、瑠璃もだけどあいつの親友認定されているからだ
俺らがいた世界でもそうだったが、顔のいい連中を引き連れて自慢することに快楽を得ている
俺と瑠璃はあいつの引き立て役、そしてあいつは偽善者だ
なあ、瑠璃はどうしたんだ?
今、瑠璃は生きているのか?
どうなってるんだ?」


神子である灰石と俺を攫ったってことは、あそこに瑠璃は一人だ
灰石に執着しているあいつらが瑠璃に何もしないはずがない


「それが・・・
落ち着いて、聞いてね
バアル国にルリって人族はいないって報告が昨日きたんだあ」


「は!?
そんははずはない!」


また、お腹の辺りから何かわからないものが溢れてくる感覚がした。


「お、落ち着いて、ヒナちゃん!」


強くアベンに手を握られ、頬を軽く叩かれて気が付いた。
途端に、お腹の辺りで何かわからないものが消えた気がした。


「、ケホッ、はあ、」


「大丈夫?」


叩かれた頬を優しく撫でられて、少し落ち着いてきた。


「お水、飲めるう?」


そう言ってアベンは魔法で引き寄せたコップに水を入れ、俺に口元に持ってきた。

んくっ


「ふー、ありがとう」


「うん、落ち着いたね」


「ああ、でも本当に瑠璃はあそこにいる
瑠璃がいないってどういうことだ」


俺もこっちの世界の来てから、一度だけ会ったきりだ
もしかしたら、元の世界に戻れたのか?
いや、それはあの灰石が許さないだろうな



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