魔王の番

にーにゃ

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やっと・・・

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もう当たり前のようになっていた犯され、暴力を振るわれ、刺されるという毎日にとうとう終わりが来た。

久しぶりに外に出された俺は、暗闇から急に明るいところに出されたからか目は強い光に視力を失い、筋肉が落ち、変な方向に曲がっている足は歩くことさえ出来なくなり、引きずられるようにして外まで運ばれ何かの台に乗せられた。

多分これから魔王のところに行くんだろう
俺をおとりにするって言っていたが、どうするつもりなんだ?
まともに見ることも歩くことさえ出来ないのに

魔王のところに行くには何日かかかるらしく、魔王の所に着くまでの間も暴力が止む事はなかった。


台の上でうとうととしていると突然誰かに引きずり落とされた。


「おい、寝てんじゃねーぞ」


「ええ、本当に
あなたにはこれからやってもらうことがありますからね」


近くから王子とインウィの声が聞こえた。


「まったくだ
おい、これをそいつに着けてくれ」


「はいっ」


近衛隊長に言われた騎士が俺に服と多分ネックレスを着せた。


「あとはこれでまともに歩いてくれればいいのですけど」


「おい、魔法使い
どうにか出来ないのか」


「はい
少しの間でしたら足を動かすことぐらいは出来るかと思います」


「なら、それをしろ」


「ええ、今は魔王城の前ですから中に入ったときに合図しますのでそこでお願いします」


「かしこまりました」


俺は王子とインウィ、魔法使いの会話をぼんやりと聞いていた。

服はまだまともに見せるためだと思うが、ネックレスはいらないだろう?
なぜ、着けたんだ?

まともに働かない頭を使って考えていたが何も思いつかず、ただただ嫌な予感がし、気持ちが落ち着かなかった。


「おい、まだ門を開けられないのか!!」


「申し訳ございません!」


王子達がどうやって城の中に入るのか模索していると、門が独りでに開いたらしい
周りの連中が驚いた声を上げていた。


「こんな所までわざわざご苦労なやつらだな」


「だねえ
まあそれだけ神子様に夢中なんでしょ」


「っ魔王!!
リン!!」


「リンを返してください!」


「ビア!インウィ!みんな!!」


「ったく、まじでうるせえなあ」


「だよねえ
いいよお、早く引き取りなよ」


「瑠璃!!」


どこからか、太陽の声が聞こえた気がする。



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