37 / 123
3
しおりを挟むいや、だってアンバーが大きすぎて距離感が全然掴めなかったんだって
軽く走る程度だと思ってたのに
それと髪の毛が邪魔過ぎる
俺は顔にかかっている髪の毛を持ち上げて眺めていたら、アンバーに早く立てと促された。
「喉渇いた」
そういえば、ベルがいないから水も飲めない・・・
「ウォン(それならまずは水魔法を修得する必要があるな)」
「おう
っていうかアンバーは水魔法を使えないのか?」
「ウォン
(ああ、俺は風の精霊獣だからな)」
「それって風魔法しか使えないってこと?」
「ワウウォンウォン
(ああ、そういえば俺の事について教えてなかったな
俺は風の精霊王によって生み出された風の上位精霊獣ヴァンウルフだ
だから俺は風魔法しか使えない)」
「そうなんだ
上位精霊獣って事は凄く強いって事だよな?」
「ワウウォンウォン
(あー、そうなるか?
上位っていうのは分かりやすくするためのものでしかないが、まあ何百年と生きているからな、それなりに強いと思うぞ)」
「分かりやすくするため?
何を?
っていうかアンバーって何歳なんだ?」
「ウォン
(俺は生まれてから500年は過ぎたと思うが、細かい数字は数えてねーな)」
「え!?500歳!?」
すげー長生きなんだな
おじいちゃんどころじゃないじゃん
寿命とかってあるのかな?
「ワウ
(お、おお
それほど驚く事か?)」
「え、そりゃそうでしょ
こっちの世界じゃ当たり前なの?」
「ウォンウォン
(まあ、そうだな
俺ら精霊は寿命っていうものはないからな
下位・中位・上位というのは精霊王から生み出された順みたいなものだ
あまり気にしなくていい)」
「なるほど・・・
ん?500歳?」
上位って事はこの世界が出来て少ししてから生み出されたって事になると思ったけど、違うのか?
中位や下位の精霊っていったい何歳なんだ?
そういうものなのか?
「ワフウォンウォン
(ふっ、気がついたか
俺が生み出された時はもう何千年前かも忘れた
だから500という年は適当につけた
まあ、それほど長く生きているということだ
気にするな)」
「わ、わかった」
やっぱりそうだったんだ
それにしても何千年か
果てしないな
それに死ぬことがないって辛くないのかな
話してる限りじゃそんな事感じないけど
「ワウ(もう、落ち着いたか?)」
「ああ、ありがとう」
俺が息を整えるまで待っていてくれたのか
ベルも優しすぎるぐらいなのにアンバーも優しいよな
年齢が全く違うけど、年の離れた兄貴って感じがする
俺長男だから兄貴ってどういう存在なのかそれほどわかんねーけど
0
お気に入りに追加
256
あなたにおすすめの小説
帝国皇子のお婿さんになりました
クリム
BL
帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。
そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。
「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」
「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」
「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」
「うん、クーちゃん」
「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」
これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる