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第17話 えらくないよ・後編
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暁と一緒にいた女の子は、彼の妹だった。
「あかりちゃんって言うんだ。何年生?」
「四年生!」
兄がああなので、妹と聞くと身構えてしまいそうになるが、はきはきとした小柄で明るい女の子だった。
今時のおしゃれな小学生女子、という印象で、ひらひらのスカートの下はちゃんと素肌が隠れるようにレギンスを履いている。肩まで届かなくても元気良く伸びた髪は活発そうだ。
小学生と話すことなんて普段はないので、とりあえずおつかいで買ったチョコレートをあげたところ大変懐かれてしまい、おまけに帰り道が途中まで同じらしく、今に至る。
「四年生かぁ……」
そう言ったものの、自分が小学校の頃のことをあまり覚えていないことに、優貴は我ながら驚いた。現在の何の感動もない生活を当時から送っていたのだろうか。全く意識したことがなかった。
「いつも暁……、お兄ちゃんと買い物に来るの?」
「うん、今日のごはんはカレーだよ!」
話題の切り替えに成功してほっとする。同時に、お兄ちゃんと呼ばれた本人からは睨まれたような気がした。
「カレー? 暁が作るの?」
「違ぇよ。親が夜間の仕事の前に、一回帰って来る」
「あ……」
言われてみれば、彼が持っている買い物袋は、自分のと比べるとなかなかに大きい。
ということは、働いている親の代わりに、暁が買い物をしているということなのだろうか。と予想はしたが、さすがに聞けなかった。
ふと前を見ると、空が薄暗くなってきた中、街灯の下で五、六人の男たちがたむろしているのが見えた。背格好からして同年代に見えるが、皆喧嘩が強そうな、穏やかではない雰囲気だ。
彼らが全員暁を睨んでいるのは気付いていた。優貴は一瞬だけ目が合ってしまったが、怖いので慌てて逸らせてしまった。あかりはぴったり暁の後ろにくっついている。
優貴は嫌な予感がして回り道を提案しようとしたが、まさか連中がわざわざ自分たちを待ち伏せていたわけではあるまいし、黙って通過すれば大丈夫だろう。第一、ここから迂回するとなると結構戻らなければならない。
「……おい、挨拶もなしか」
「うっ……」
彼らは暁に声をかけたが、優貴の肩が恐怖で跳ねた。
もしかして、そのまさかの待ち伏せされていた……?
通り過ぎようとして、数人に道を塞がれる。
「……うるせぇな。急いでんだ」
対する暁は、口調はいつも通り乱暴だが冷静に見えた。
しかし、そのせいで相手の怒りの引き金を引いてしまったようだ。
「その態度が気に入らねぇっつってんだ」
「…………」
暁が呆れたように溜息をつく。
別の道から行こうと背中を向けると、そこへ男たちが追い打ちをかけた。
「ヒヨってんな、逃げるのか!」
「負けを認めるってことでいいんだな!」
「一高の連中が負けたっつーからどんなやつかと思ったが、大したことねぇじゃねえか!」
口々に男たちが罵り始めると、暁の足がぴたっと止まった。
「ちょ、ちょっと……」
嫌な予感がして優貴が暁に声をかけたが、心なしかイライラしているように見えた。
ひょっとしたら、煽られると我慢できない性格なのかもしれない。
後ろのあかりは何かに備えて身構えていた。
「わざわざ回り道すんのか! ご苦労なこったな!」
「……っ、黙ってりゃいい気になりやがって!」
「わーーー!! だめ!!」
振り向きざまに殴りかかろうとするのを、驚きの反射神経で優貴が止めた。日頃のダグラスとの特訓の成果だ。暁が振りかぶった腕に掴みかかった。
「うるせぇな、離せ!」
「だめだって! 帰るよ!!」
「あんだけ言われて引けるか!」
「あかりちゃんだっているんだし!」
「すぐ終わらせる!」
「……っ」
暁は優貴の手を無理矢理にでも振りほどこうとする勢いだ。
負けそうになるものの、以前にも彼がこうして路上で喧嘩しているのを思い出した。あの時はまだ知り合う直前で、パトカーのサイレンが聞こえたのを覚えている。実際、それで文献調査の合流にも影響が出たのだ。
「だ、だめだよ! 絶対だめ!」
「離せっつってんだろ!」
力任せに腕を払われてよろけたが、優貴は踏ん張って持ちこたえた。
「こっ……ここで喧嘩になったら、また前みたいにおおごとになっちゃうよ! そしたらあっちはどうすんの!?」
あっちは、というのは文献調査のことだ。
暁がはっとする。
「今はこっちよりもあっちだろ!? 暁がいないとマジで困るんだよ!」
言葉なんて選んでいられない。渾身の声量で言い切った。
メガネの地味キャラの予想外の迫力に相手がぽかんとしている隙を見て、優貴は暁とその妹を連れて一目散に逃げ出したのだった。
◇
「ただいま~……」
すったもんだの末、優貴はようやく家に帰り着いた。
「おかえり、遅かったじゃない。どれ買うか迷った?」
「あ、いや……友達に会っちゃって」
そう言って、買ってきたものを渡す。お菓子買わなかったの? と聞かれたが、適当にごまかした。
「そうこれこれ。メーカー言うの忘れちゃったけど、ちゃんと買えたんだね。えらいえらい」
「……別にえらくないよ」
変に子供扱いされて優貴はむっとしたが、母親とまったりしたやりとりをしながら、頭では暁のことを考えていた。
自分の簡単なおつかいとはわけが違う。彼が持っていた夕飯の買い物袋の大きさが、それを表していた。
あかりがずっと身構えていたのは、いつも暁が喧嘩に巻き込まれると、暁の合図でさっと物陰に隠れるルールになっていて、そのタイミングを待っていたらしい。まだ小学生なのに、あの状況でとんでもない度胸だなと優貴は思った。
いや、考えるのはそこじゃない。
優貴は喧嘩から逃げて帰路で別れるまで、とにかく相手の挑発に乗らないよう一生懸命暁に言い含めた。
「暁が強いのは知ってるけど、もし怪我したら妹さんだって心配するよ?」
「…………」
「怪我してまで勝つより、負けたり逃げたりしても無事な方が、こっちは安心できるよ」
「…………」
暁はただ黙っていた。
人のことに口を出すのは良くないとわかってはいるが、今後を考えると、彼がメンバーから外れるのは真剣にまずいと思ってのことだ。自分は彼の代わりにはなれないから。
とはいえ、夕飯の買い物や妹がいたりで、彼は彼で大変そうだ。
ことみもお見舞いで忙しそうだし、自分が一番脳天気に生きているような気がした。
学校はともあれ、少なくとも家で大変なことは祖母以外は思い当たらない。
部屋に戻り、背中でドアを閉める。
学校だって、誰とも喋らなければ何とかなる。
会話が続かなくて微妙な空気にさえならなければ。
原因は自分にあるのだが。
ついた溜息は、どこへともなく消えていった。
◇
翌日は土曜日ということで、優貴たち高校生三人とローザ、それからインティスの五人で文献調査へ向かった。例の猪のような守護獣が出る部屋だ。
思い返してみると、ここに至るまでのダグラスの特訓は本当に容赦なかった。確かに彼は一個師団を従える立場なのだから、戦力の増強を依頼されれば責任を持って実行するのは当然かもしれない。中学の時は陸上部だったことみや、やたら喧嘩に強い暁でさえ息が上がるほどで、基礎体力すら怪しい文系の優貴は何度も心臓が破裂しそうになった。
だが、彼の特訓は今回も功を奏し、おかげで文字通りの猪突猛進を避けることができた。
何とか無事に猪の核を破壊し、次の部屋に眠っていた遺産を持ち帰ることができたので、調査が進むだろうことに全員がほっとした。
中身によって箱の大きさは変わるらしく、今回は前よりも細長い気がする。
高校生たちを元の世界に帰し、ダグラスへの戦勝報告は明日にするとして、インティスは先にフェレナードにこの小箱を届けることにした。
一階に下り、部屋の扉を開けると、彼は文献と遺産の整理をしていたようだ。文献は机に、遺産は備え付けの棚に置かれていた。
「守護獣を倒して来たよ。続きの本じゃないみたいだけど……次の部屋にこれが置かれてた」
「……っ」
インティスが机に小箱を置くと、静けさのせいもあってフェレナードの息を呑む音が聞こえた。今日はいつもより顔色が悪いように見える。
まるで見たくないものを見るように、それでも見なければならないので、フェレナードは棚から戻ると机に片手をつき、ゆっくりと小箱を開けた。
くるまれた分厚い布を捲ると、どこにでもあるような細身のナイフが入っていた。
鞘はなく、両刃のうちの片方に、錆のような赤黒い汚れがこびりついている。
フェレナードには、そのナイフの持ち主が見えた。王家の呪いに怯え、救いを求め、ナイフの刃を自らの首に当てる持ち主の姿が。
そして勢いよく実行される。一面血だらけの、目を覆いたくなる惨状。
「フェレ!」
見るなり倒れ込んでしまった彼を、インティスは支えるのが精一杯だった。
「あかりちゃんって言うんだ。何年生?」
「四年生!」
兄がああなので、妹と聞くと身構えてしまいそうになるが、はきはきとした小柄で明るい女の子だった。
今時のおしゃれな小学生女子、という印象で、ひらひらのスカートの下はちゃんと素肌が隠れるようにレギンスを履いている。肩まで届かなくても元気良く伸びた髪は活発そうだ。
小学生と話すことなんて普段はないので、とりあえずおつかいで買ったチョコレートをあげたところ大変懐かれてしまい、おまけに帰り道が途中まで同じらしく、今に至る。
「四年生かぁ……」
そう言ったものの、自分が小学校の頃のことをあまり覚えていないことに、優貴は我ながら驚いた。現在の何の感動もない生活を当時から送っていたのだろうか。全く意識したことがなかった。
「いつも暁……、お兄ちゃんと買い物に来るの?」
「うん、今日のごはんはカレーだよ!」
話題の切り替えに成功してほっとする。同時に、お兄ちゃんと呼ばれた本人からは睨まれたような気がした。
「カレー? 暁が作るの?」
「違ぇよ。親が夜間の仕事の前に、一回帰って来る」
「あ……」
言われてみれば、彼が持っている買い物袋は、自分のと比べるとなかなかに大きい。
ということは、働いている親の代わりに、暁が買い物をしているということなのだろうか。と予想はしたが、さすがに聞けなかった。
ふと前を見ると、空が薄暗くなってきた中、街灯の下で五、六人の男たちがたむろしているのが見えた。背格好からして同年代に見えるが、皆喧嘩が強そうな、穏やかではない雰囲気だ。
彼らが全員暁を睨んでいるのは気付いていた。優貴は一瞬だけ目が合ってしまったが、怖いので慌てて逸らせてしまった。あかりはぴったり暁の後ろにくっついている。
優貴は嫌な予感がして回り道を提案しようとしたが、まさか連中がわざわざ自分たちを待ち伏せていたわけではあるまいし、黙って通過すれば大丈夫だろう。第一、ここから迂回するとなると結構戻らなければならない。
「……おい、挨拶もなしか」
「うっ……」
彼らは暁に声をかけたが、優貴の肩が恐怖で跳ねた。
もしかして、そのまさかの待ち伏せされていた……?
通り過ぎようとして、数人に道を塞がれる。
「……うるせぇな。急いでんだ」
対する暁は、口調はいつも通り乱暴だが冷静に見えた。
しかし、そのせいで相手の怒りの引き金を引いてしまったようだ。
「その態度が気に入らねぇっつってんだ」
「…………」
暁が呆れたように溜息をつく。
別の道から行こうと背中を向けると、そこへ男たちが追い打ちをかけた。
「ヒヨってんな、逃げるのか!」
「負けを認めるってことでいいんだな!」
「一高の連中が負けたっつーからどんなやつかと思ったが、大したことねぇじゃねえか!」
口々に男たちが罵り始めると、暁の足がぴたっと止まった。
「ちょ、ちょっと……」
嫌な予感がして優貴が暁に声をかけたが、心なしかイライラしているように見えた。
ひょっとしたら、煽られると我慢できない性格なのかもしれない。
後ろのあかりは何かに備えて身構えていた。
「わざわざ回り道すんのか! ご苦労なこったな!」
「……っ、黙ってりゃいい気になりやがって!」
「わーーー!! だめ!!」
振り向きざまに殴りかかろうとするのを、驚きの反射神経で優貴が止めた。日頃のダグラスとの特訓の成果だ。暁が振りかぶった腕に掴みかかった。
「うるせぇな、離せ!」
「だめだって! 帰るよ!!」
「あんだけ言われて引けるか!」
「あかりちゃんだっているんだし!」
「すぐ終わらせる!」
「……っ」
暁は優貴の手を無理矢理にでも振りほどこうとする勢いだ。
負けそうになるものの、以前にも彼がこうして路上で喧嘩しているのを思い出した。あの時はまだ知り合う直前で、パトカーのサイレンが聞こえたのを覚えている。実際、それで文献調査の合流にも影響が出たのだ。
「だ、だめだよ! 絶対だめ!」
「離せっつってんだろ!」
力任せに腕を払われてよろけたが、優貴は踏ん張って持ちこたえた。
「こっ……ここで喧嘩になったら、また前みたいにおおごとになっちゃうよ! そしたらあっちはどうすんの!?」
あっちは、というのは文献調査のことだ。
暁がはっとする。
「今はこっちよりもあっちだろ!? 暁がいないとマジで困るんだよ!」
言葉なんて選んでいられない。渾身の声量で言い切った。
メガネの地味キャラの予想外の迫力に相手がぽかんとしている隙を見て、優貴は暁とその妹を連れて一目散に逃げ出したのだった。
◇
「ただいま~……」
すったもんだの末、優貴はようやく家に帰り着いた。
「おかえり、遅かったじゃない。どれ買うか迷った?」
「あ、いや……友達に会っちゃって」
そう言って、買ってきたものを渡す。お菓子買わなかったの? と聞かれたが、適当にごまかした。
「そうこれこれ。メーカー言うの忘れちゃったけど、ちゃんと買えたんだね。えらいえらい」
「……別にえらくないよ」
変に子供扱いされて優貴はむっとしたが、母親とまったりしたやりとりをしながら、頭では暁のことを考えていた。
自分の簡単なおつかいとはわけが違う。彼が持っていた夕飯の買い物袋の大きさが、それを表していた。
あかりがずっと身構えていたのは、いつも暁が喧嘩に巻き込まれると、暁の合図でさっと物陰に隠れるルールになっていて、そのタイミングを待っていたらしい。まだ小学生なのに、あの状況でとんでもない度胸だなと優貴は思った。
いや、考えるのはそこじゃない。
優貴は喧嘩から逃げて帰路で別れるまで、とにかく相手の挑発に乗らないよう一生懸命暁に言い含めた。
「暁が強いのは知ってるけど、もし怪我したら妹さんだって心配するよ?」
「…………」
「怪我してまで勝つより、負けたり逃げたりしても無事な方が、こっちは安心できるよ」
「…………」
暁はただ黙っていた。
人のことに口を出すのは良くないとわかってはいるが、今後を考えると、彼がメンバーから外れるのは真剣にまずいと思ってのことだ。自分は彼の代わりにはなれないから。
とはいえ、夕飯の買い物や妹がいたりで、彼は彼で大変そうだ。
ことみもお見舞いで忙しそうだし、自分が一番脳天気に生きているような気がした。
学校はともあれ、少なくとも家で大変なことは祖母以外は思い当たらない。
部屋に戻り、背中でドアを閉める。
学校だって、誰とも喋らなければ何とかなる。
会話が続かなくて微妙な空気にさえならなければ。
原因は自分にあるのだが。
ついた溜息は、どこへともなく消えていった。
◇
翌日は土曜日ということで、優貴たち高校生三人とローザ、それからインティスの五人で文献調査へ向かった。例の猪のような守護獣が出る部屋だ。
思い返してみると、ここに至るまでのダグラスの特訓は本当に容赦なかった。確かに彼は一個師団を従える立場なのだから、戦力の増強を依頼されれば責任を持って実行するのは当然かもしれない。中学の時は陸上部だったことみや、やたら喧嘩に強い暁でさえ息が上がるほどで、基礎体力すら怪しい文系の優貴は何度も心臓が破裂しそうになった。
だが、彼の特訓は今回も功を奏し、おかげで文字通りの猪突猛進を避けることができた。
何とか無事に猪の核を破壊し、次の部屋に眠っていた遺産を持ち帰ることができたので、調査が進むだろうことに全員がほっとした。
中身によって箱の大きさは変わるらしく、今回は前よりも細長い気がする。
高校生たちを元の世界に帰し、ダグラスへの戦勝報告は明日にするとして、インティスは先にフェレナードにこの小箱を届けることにした。
一階に下り、部屋の扉を開けると、彼は文献と遺産の整理をしていたようだ。文献は机に、遺産は備え付けの棚に置かれていた。
「守護獣を倒して来たよ。続きの本じゃないみたいだけど……次の部屋にこれが置かれてた」
「……っ」
インティスが机に小箱を置くと、静けさのせいもあってフェレナードの息を呑む音が聞こえた。今日はいつもより顔色が悪いように見える。
まるで見たくないものを見るように、それでも見なければならないので、フェレナードは棚から戻ると机に片手をつき、ゆっくりと小箱を開けた。
くるまれた分厚い布を捲ると、どこにでもあるような細身のナイフが入っていた。
鞘はなく、両刃のうちの片方に、錆のような赤黒い汚れがこびりついている。
フェレナードには、そのナイフの持ち主が見えた。王家の呪いに怯え、救いを求め、ナイフの刃を自らの首に当てる持ち主の姿が。
そして勢いよく実行される。一面血だらけの、目を覆いたくなる惨状。
「フェレ!」
見るなり倒れ込んでしまった彼を、インティスは支えるのが精一杯だった。
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