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◆在るべきところへ◇17話◇終わりにしよう ①
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◆在るべきところへ◇17話◇終わりにしよう ①
爆発に伴う爆風の威力は凄まじく、レイは自らが契約した精霊でやりすごすと、すぐに体を起こして状況を確認した。
フェレナードとアテネはライネが守ったようで、生贄さながら眠ったまま集められた人間たちはカーリアンが自分の精霊に守らせていた。何人かは起きてざわついていたが、比較的近いところにいたライネが一喝して黙らせた。
「ジャドニックをここから出して! 出してよ!」
当たり散らすように怒りをぶつける度、頭上から炎の塊が降ってくる。あれだけ大きな爆発を起こしても、まだ彼女の炎の力は弱まっていないように見えた。
そして、大木の内部に何か変化があったのか、それまでインティスの全身を覆っていた木の根の隙間から、かろうじて彼の腕だけが覗いていた。
「ミゼの気を逸らすわ。フェレを呼ぶ」
「頼む」
レイが頷くと、カーリアンは立ち上がって向こうのフェレナードに声をかけた。そしてすぐに精霊の力で自らの体を浮かせると、カーリアンはミゼリットの方へ近付いて行った。
フェレナードがライネに誘導されてレイの元へ着く頃には、インティスを隠していた木の根はレイによってあらかた焼き払われていた。
「こっちへ」
レイに言われた通り、フェレナードが絡みついた残りの根から、レイの指す方へインティスを引きずり出した。レイはその間飛んでくる炎の塊を見張り、こちらにぶつかりそうなものは精霊を使って避けさせる。
ようやく救出に成功したものの、インティスの瞳の焦点が定まり切らない。
「しっかりしろ、あの子を助けて君が助からなかった意味がないだろ!」
フェレナードがそう言って強めに腕を引くと、焦点を取り戻すと同時に、インティスの新緑の若葉のような瞳が濡れていることに気付いた。
そういえば前にもこんなことがあった。その時は、誰かが悲しんでいる夢を見ていたと言っていたが。
「ミゼ、落ち着いて。この木には人を蘇らせる力はないのよ。ジャドニックの命はトワラに認められてないでしょう」
「関係ない! あたしは生き返るって言われたの! だからっ……」
カーリアンが説得する中、ミゼリットは言葉の途中で大木の根本の状況に気が付いた。友人たちが根を焼き、せっかく与えた炎の力の源を引き剥がしている。
「させない! あんただけは逃がさないわ!」
「ミゼ! やめなさい!」
爆発に伴う爆風の威力は凄まじく、レイは自らが契約した精霊でやりすごすと、すぐに体を起こして状況を確認した。
フェレナードとアテネはライネが守ったようで、生贄さながら眠ったまま集められた人間たちはカーリアンが自分の精霊に守らせていた。何人かは起きてざわついていたが、比較的近いところにいたライネが一喝して黙らせた。
「ジャドニックをここから出して! 出してよ!」
当たり散らすように怒りをぶつける度、頭上から炎の塊が降ってくる。あれだけ大きな爆発を起こしても、まだ彼女の炎の力は弱まっていないように見えた。
そして、大木の内部に何か変化があったのか、それまでインティスの全身を覆っていた木の根の隙間から、かろうじて彼の腕だけが覗いていた。
「ミゼの気を逸らすわ。フェレを呼ぶ」
「頼む」
レイが頷くと、カーリアンは立ち上がって向こうのフェレナードに声をかけた。そしてすぐに精霊の力で自らの体を浮かせると、カーリアンはミゼリットの方へ近付いて行った。
フェレナードがライネに誘導されてレイの元へ着く頃には、インティスを隠していた木の根はレイによってあらかた焼き払われていた。
「こっちへ」
レイに言われた通り、フェレナードが絡みついた残りの根から、レイの指す方へインティスを引きずり出した。レイはその間飛んでくる炎の塊を見張り、こちらにぶつかりそうなものは精霊を使って避けさせる。
ようやく救出に成功したものの、インティスの瞳の焦点が定まり切らない。
「しっかりしろ、あの子を助けて君が助からなかった意味がないだろ!」
フェレナードがそう言って強めに腕を引くと、焦点を取り戻すと同時に、インティスの新緑の若葉のような瞳が濡れていることに気付いた。
そういえば前にもこんなことがあった。その時は、誰かが悲しんでいる夢を見ていたと言っていたが。
「ミゼ、落ち着いて。この木には人を蘇らせる力はないのよ。ジャドニックの命はトワラに認められてないでしょう」
「関係ない! あたしは生き返るって言われたの! だからっ……」
カーリアンが説得する中、ミゼリットは言葉の途中で大木の根本の状況に気が付いた。友人たちが根を焼き、せっかく与えた炎の力の源を引き剥がしている。
「させない! あんただけは逃がさないわ!」
「ミゼ! やめなさい!」
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