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バイトを雇う
面接
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「こんにちは・・・」
店の扉を開けた。
蒼は店を見渡したが、客は一人もいなかった。
こじんまりとした店内は、金はかかっていないけどセンスのいい、手のかかった店だと思った。
「こんにちは!」
さっきよりちょっと大きな声でを出すと、店の奥から「聞こえているよ。」と聞こえた。
蒼はその声に向かって狭い店を進み、カウンターに頬杖をついて本を読む男の人の前に立った。
「あ、あの・・・」
迎えた男は顔をあげた。この男はもちろん葉一だ。
びっくりするほど美しく輝く瞳に金髪のカールした髪、肌が透ける薄紫のシャツに首輪のようなチョーカーをつけて、短パンにブーツ。ブティックだから、こういう奇抜なスタイルが当たり前なのだろうか?あまり人のことが気にならない蒼もさすがにこの人の事がとても気になり、もっと知りたいとも思った。
「なに?」
少し微笑み、かわいい声で言うので、
「バイトの面接に来ました。」
と答えたけれど、
「バイト?求人だしたんだ。」
と、少しこばかにしたように答えが帰ってきた。
「ハイ。今日、タキが・・・
うちの手伝いのものが求人雑誌をスーパーでもらって来て、そこにここが・・・」
「ほかにもいっぱい載っていただろうに、よりによってここを選ぶなんて、なんて運の悪い子なんだろう。
気に入っちゃったな。君、幾つ?」
「十八歳です。」
「へー。大学生?」
「いえ、ニートです。」
「そうなんだ。けっこう筋肉ついているね、何かスポーツやっているの?」
「うん・・・いえ、ハイ。フットサルを・・・」
「そう・・・」
葉一は蒼の腕背中、お尻、太ももを触っていろいろ聞いてきたが面接経験のない蒼はこれがここの面接のやり方なんだと黙ってされるがままでいた。
最後はひざの上にすわらされて、まだまだ触られ
「胸の筋肉もすごいね。フットサルって、下半身だけかと思ったけど、けっこう全身運動なんだね・・・・」
などと言われ、最後には、
「ねえ、嫌じゃないの?」
と蒼の顔を覗き込み、ごくごく近くに唇が迫り、その時初めて、断っていいんだという言葉が頭の中にでっかく浮かび上がった。
「嫌です。」
「そう、嫌なんだ。」
「僕、面接を・・・」
「そうだったね。」
葉一は以外にあっさり蒼を膝から下ろし・・・若干突き落とし、レジのカウンターの隣にある扉を開けた。
「カツコー!」
大きな声で数回読んだけど、なんの応答もなく、蒼の手を引いて階段を登った。
「おいカツコ、聞こえないのか。」
蒼は引きずられるように二階の部屋へと連れ込まれた。
その部屋は人影もなくて、ただなんだか趣味の悪いピンクと赤の壁紙に気持ちの悪いブルーのカーテンがだらしなく開いた窓にたなびいていた。
「カツ子!」
葉一はなおも叫び、机の上にあった雑誌を投げ、化粧品をひっくり返し、さらにはテーブルを蹴り飛ばしソファーの上に乗りビヨンビヨン飛んだあと一番近くの壁を飛び蹴りした。
「なに?」
その部屋とは違うどこかから、女の声がした。カツ子の声だ!
葉一は、蒼の手を引いたまま廊下に出てすぐの扉を開けた。
そこは浴室で、そこでは女の人がパンツ一枚でヘッドホンをつけてその上から手ぬぐいを被り浴室のペンキを塗っていた。
蒼は初めて見るその光景に驚かないはずがない。
しかも、泣きながら塗っていたのか、黒い涙が滝のように頬を流れ胸まで黒い涙のシミが落ちていて、気味の悪いゾンビの映画を見た時と同じような悪寒が全身に走った。
「何よ。」
「何よ、じゃねえよ、まずそのお前の醜い乳を隠せ。俺に汚ねえもの見せんじゃねえよ。
何回言ったらわかるんだ。」
そのペンキを塗っていた女に廊下に落ちていたTシャツをぶつけた。
「サンキュー、葉ちゃん。今日もいい男ね。好きよ!」
「客だ。」
「男?」
「ああ。」
その女はペンキのはけを捨てて、慌ててTシャツを着て居間へとやって来た。
店の扉を開けた。
蒼は店を見渡したが、客は一人もいなかった。
こじんまりとした店内は、金はかかっていないけどセンスのいい、手のかかった店だと思った。
「こんにちは!」
さっきよりちょっと大きな声でを出すと、店の奥から「聞こえているよ。」と聞こえた。
蒼はその声に向かって狭い店を進み、カウンターに頬杖をついて本を読む男の人の前に立った。
「あ、あの・・・」
迎えた男は顔をあげた。この男はもちろん葉一だ。
びっくりするほど美しく輝く瞳に金髪のカールした髪、肌が透ける薄紫のシャツに首輪のようなチョーカーをつけて、短パンにブーツ。ブティックだから、こういう奇抜なスタイルが当たり前なのだろうか?あまり人のことが気にならない蒼もさすがにこの人の事がとても気になり、もっと知りたいとも思った。
「なに?」
少し微笑み、かわいい声で言うので、
「バイトの面接に来ました。」
と答えたけれど、
「バイト?求人だしたんだ。」
と、少しこばかにしたように答えが帰ってきた。
「ハイ。今日、タキが・・・
うちの手伝いのものが求人雑誌をスーパーでもらって来て、そこにここが・・・」
「ほかにもいっぱい載っていただろうに、よりによってここを選ぶなんて、なんて運の悪い子なんだろう。
気に入っちゃったな。君、幾つ?」
「十八歳です。」
「へー。大学生?」
「いえ、ニートです。」
「そうなんだ。けっこう筋肉ついているね、何かスポーツやっているの?」
「うん・・・いえ、ハイ。フットサルを・・・」
「そう・・・」
葉一は蒼の腕背中、お尻、太ももを触っていろいろ聞いてきたが面接経験のない蒼はこれがここの面接のやり方なんだと黙ってされるがままでいた。
最後はひざの上にすわらされて、まだまだ触られ
「胸の筋肉もすごいね。フットサルって、下半身だけかと思ったけど、けっこう全身運動なんだね・・・・」
などと言われ、最後には、
「ねえ、嫌じゃないの?」
と蒼の顔を覗き込み、ごくごく近くに唇が迫り、その時初めて、断っていいんだという言葉が頭の中にでっかく浮かび上がった。
「嫌です。」
「そう、嫌なんだ。」
「僕、面接を・・・」
「そうだったね。」
葉一は以外にあっさり蒼を膝から下ろし・・・若干突き落とし、レジのカウンターの隣にある扉を開けた。
「カツコー!」
大きな声で数回読んだけど、なんの応答もなく、蒼の手を引いて階段を登った。
「おいカツコ、聞こえないのか。」
蒼は引きずられるように二階の部屋へと連れ込まれた。
その部屋は人影もなくて、ただなんだか趣味の悪いピンクと赤の壁紙に気持ちの悪いブルーのカーテンがだらしなく開いた窓にたなびいていた。
「カツ子!」
葉一はなおも叫び、机の上にあった雑誌を投げ、化粧品をひっくり返し、さらにはテーブルを蹴り飛ばしソファーの上に乗りビヨンビヨン飛んだあと一番近くの壁を飛び蹴りした。
「なに?」
その部屋とは違うどこかから、女の声がした。カツ子の声だ!
葉一は、蒼の手を引いたまま廊下に出てすぐの扉を開けた。
そこは浴室で、そこでは女の人がパンツ一枚でヘッドホンをつけてその上から手ぬぐいを被り浴室のペンキを塗っていた。
蒼は初めて見るその光景に驚かないはずがない。
しかも、泣きながら塗っていたのか、黒い涙が滝のように頬を流れ胸まで黒い涙のシミが落ちていて、気味の悪いゾンビの映画を見た時と同じような悪寒が全身に走った。
「何よ。」
「何よ、じゃねえよ、まずそのお前の醜い乳を隠せ。俺に汚ねえもの見せんじゃねえよ。
何回言ったらわかるんだ。」
そのペンキを塗っていた女に廊下に落ちていたTシャツをぶつけた。
「サンキュー、葉ちゃん。今日もいい男ね。好きよ!」
「客だ。」
「男?」
「ああ。」
その女はペンキのはけを捨てて、慌ててTシャツを着て居間へとやって来た。
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