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真実、それぞれの愛の終わり方
運命の
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月曜日からも同じような日々が続き、相変わらず生徒からの嫌がらせは続いていたが、それよりも先の事、緑山の事、如月のことのすべてを考えて、いちばんいい答えが出せるように悩み続けた。
福井に行けば3年ほどで戻れて勉強も続けられる。
だが・・・山波はまだ少し痛む、包帯の巻かれた左手を見た。
自分がいなくなったら如月を誰が支えるのだろう。
しかも、福井に行けばまた山内を刺激するのでないかと、それもとても不安だった。
緑山も環境のいいところで学ぶのが一番いいと考えていた。
環境のいいところといえば、如月の元で学ぶことが、何より一番である。
そう考えていたら、おのずと出す答えはひとつだった。
そしてその答えを学長に伝えると精悍に授業に戻って行った。
--------------------
「あまりにも驚いてね。君の意見がすぐにでも聞きたくて。」
その日のうちに学長は如月のところに来た。
如月は、その時間は読書の時間と決めていたから、学長がそばで話をしていても気に止めず、ただ本を読み進めていた。
「山波君の事だがね、福井には行かないそうだよ。緑山にも今まで通り、君のそばで学べるようにしろと言ってきた。」
如月は山波の話しと分かって、本を閉じた。
「緑山には最高の環境で学んでほしいと熱弁していたよ。君のことも言っていた。
君のそばには自分が必要だと。どちらかは選べない、どちらも死守すると言うのだがね。
彼は誤解されやすい人間だから、生徒を説得できるとは思えないのだが・・・
僕はとても心配だ。君はどう思う?」
「山波らしい答えを出したと思います。」
「関心している場合じゃない。
自体が悪化すれば、山波君には辞めてもらうことになるが、僕はできればそうなってほしくはない。君から話しをしてもらえないか?なんとか考え直すようにと。」
「わかりました。」
そう返事はしたものの、説得などできる気がしなかった。
彼のひたむきな想いこそが、彼の支柱だということを知っていた。
だから今はただ、山波とじっくり話をしようと思った。
「汐田君、大学に一番近い病院に転院できるようにお願いしてもらえるかな。
あずみも一緒に。今度は私が守る番だよ。」
今度は山波の力にならなければ、二人は大人なのだからと関心も示していなかったが、今思うと、どれほど山波が悩んでいるかかわいそうなことをしたと反省した。
自分にはいつも山波が寄り添って、様々な問題を解決してくれていた。
自分が休みたいと言えば何も言わずいつまででも代わりを務め、必要なもの、ほしいものは気がつくとすべて準備してある。
あたり前のように自分に尽くしてくれる山波に感謝の言葉も気持ちも薄れていた。
ついこの間もそうだ、危険を顧みず身を挺して救ってくれてまだ、なんの言葉もかけていなかった。
「教授、今週末に退院できそうです。月曜日からは新しい病院に移れそうです。」
「だったら、土曜日の夕食は屋敷でみんなで食べようと、山波と谷中に伝えてくれないか。」
「則夫さんはどうしたらいいでしょう。」
「山波に誘うように伝えてくれ。必ず一緒に来いと。」
「わかりました。」
あの時のようにみんなで何事もなかったように食事ができれば、そんなに素晴らしいことはない。
如月は少しだけ楽しみにカレンダーに丸をつけた。
カレンダーに丸をつけたのは如月のほかにもいた。
鶴屋はうれしすぎてカレンダーのその日をぐるぐると塗り潰した。まだ本当の助手にもしてもらえていないのに、如月の家に呼んでもらえるなんて初めてのことで、小躍りして喜んだ。
雅はただ単に汐田からの電話が嬉しかった。
緑山も同じく喜んでいたが、そんな中で一人、現状を打開できず悩んでいる男がいた。
山波だ。
もう夏休みも間近だというのに課題を提出して来たのは鶴屋一人だった。
嫌がらせもあからさまになり、最近では教室の黒板にも中傷文や緑山との写真が貼ってあった。
だが、戦うと決めた以上はどんなことにも耐え抜く覚悟はしていたが、実は心はズタズタに折れていた。
「各自課題を週末までに提出すること。私は研究室にいる。質問のある者は来ること。」
授業の終わりに毎回のように言っているが誰も聞いてはいない。
ただ帰っていく生徒の背中に向かって言うだけだった。
研究室に帰ってからも誰も尋ねて来るものはいなかった。
土曜日は、朝から教室でぼんやりしていた。
誰もいない教室の椅子に座って、自分がいつも立っている教壇を見ていた。
「ここにいたんだ。」
「あ、ごめん。こんな時間か。」
緑山が迎えに来たが、まさかこんなところにいるなんて思いもしなかった。
教壇に立ち、席に座る山波と向かい合わせで見つめ合った。
「寮にも研究室にもいなかったから、ちょっと探した。」
「研究室に行ったのか。」
「うん。
門のところで待ってるって、電話で言っていたから、おかしいなとは思ったけど。
研究室の入口が賑やかなことになってた。」
「ここへ来て座ってくれないか。」
緑山は山波のとなりに座って、研究室の入口に貼ってあった中傷文の書かれた紙を見せた。
「つらい?」
山波はその紙を受け取ると半分に割いて言った。
「いや、こんな嫌がらせは何も辛くはないよ。いつかは終わる。
それに、俺は何も悪いことをしたわけではない。
俺はただ・・・恋をした。それだけだ。
だけどそれが、こんなに苦しいことだと、はじめて知ったよ。」
「僕も。・・・はじめは誰でもよかった。僕が退屈でなければ、誰とだって。
でも、気がつくと先生のことしか考えられなくなっていて、先生といることがうれしくて・・・でも痛くて・・・」
山波は緑山の手を握り、緑山も握り返した。
ほんとうはもっと大切なことを話さなければいけなかったのに、会うとどうしても言えなかった。
そして、その大切なことはまた二人の胸の奥の方に片付けられた。
如月の家では、久しぶりに賑やかな夕食の支度が始まっていた。
雅も緑山もあずみも汐田も如月はそんな賑やかな笑い声を心地よいと感じていた。
山波は一人、庭から離れを見ていた。
「行ってみるかい?離れに。」
「ええ。」
如月と山波は連れ立って離れに向かって歩いた。
空が赤く輝いて、離れの屋根も赤く夕日に染まった。
山波にはそれがスポットライトに当たっているかのように感じた。
部屋の中にも赤い日が差し込み、追憶の時の中に迷い込んだように感じた。
「君が高校生だった。」
「はい。もう12年です。」
離れの小さな古びた食卓テーブルに向かい合わせに座った。昔のように。
「あっという間だったね。私が知る限り、君はいつも勉強していた。この机で。」
「あなたのようになりたかった。
それに、勉強のほかに何もやることがなかった。」
「そうだったね。この部屋はテレビも電話も何もない。」
「でも感謝しています。住むところだけでなく、学校にも行かせてもらえて。」
「私こそ、今まで支えてもらってありがとう。もう、傷は大丈夫か?」
「ええ、少し痛みますけど。」
「すまなかったね。私のせいで君にまで、怪我を負わせてしまって。
君が来てくれていなかったら、いまごろ私はどうなっていただろう。」
「もう無茶はやめてください。」
「ああ、私にはムリだということがよくわかった。柄にもないことをしたと反省しているよ。ところで、福井は断ったようだね。」
「はい。いろいろ考えました。そして、運命に逆らってみたくなったんです。」
「運命かい?」
「ええ、あなたと同じような年齢に、同じようなことで、同じところへ出向して、また山内のような奴に関わって、そんな運命のサイクルを変えてみたくなったんです。」
「面白いね。けど、だいぶ苦戦しているようだね。大丈夫かい。」
「大丈夫です。」
山波は如月から目を反らした。嘘が顔にでることをわかっていたからだ。
「もしも、とても辛くていやになったら、私の事は構わずに生きたいように生きなさい。」
「そんなことは・・・」
「頑張らなくていい。たまには休め。
始めたくなったらまたそこからやり直せばいい。」
山波は如月の顔をジッと見つめた。
困ったことに頭の中が空っぽで、なにかを言いたいのだが言葉が全く見つからない。
そんな山波を察して、如月は軽く頷くと、山波からゆっくり視線を外した。
「食事の用意ができたようだ。」
窓から、緑山が手を振って歩いて来るのが見えた。
「もう一度ここへ戻ってくるか?あの日みたいに。」
「もう大人になりました。自分の力でなんとかします。」
昔を思い出していた。
この部屋で一人、毎日勉強だけをして、ただ夢だけを見ていた。窓から見えたのは、幼い頃の緑山が、今みたいに手を振っている姿。
山波に振っていたわけではないだろうが、目が合ったような気がしていつもその姿に照れていた。
「手を振り返してあげなさい。私は先に帰っているからね。」
如月は部屋を出た。
一人残った山波はまだ夢のつづきを見ていた。
窓から憧れ続けていた緑山は、今は自分の隣に座っていた。
福井に行けば3年ほどで戻れて勉強も続けられる。
だが・・・山波はまだ少し痛む、包帯の巻かれた左手を見た。
自分がいなくなったら如月を誰が支えるのだろう。
しかも、福井に行けばまた山内を刺激するのでないかと、それもとても不安だった。
緑山も環境のいいところで学ぶのが一番いいと考えていた。
環境のいいところといえば、如月の元で学ぶことが、何より一番である。
そう考えていたら、おのずと出す答えはひとつだった。
そしてその答えを学長に伝えると精悍に授業に戻って行った。
--------------------
「あまりにも驚いてね。君の意見がすぐにでも聞きたくて。」
その日のうちに学長は如月のところに来た。
如月は、その時間は読書の時間と決めていたから、学長がそばで話をしていても気に止めず、ただ本を読み進めていた。
「山波君の事だがね、福井には行かないそうだよ。緑山にも今まで通り、君のそばで学べるようにしろと言ってきた。」
如月は山波の話しと分かって、本を閉じた。
「緑山には最高の環境で学んでほしいと熱弁していたよ。君のことも言っていた。
君のそばには自分が必要だと。どちらかは選べない、どちらも死守すると言うのだがね。
彼は誤解されやすい人間だから、生徒を説得できるとは思えないのだが・・・
僕はとても心配だ。君はどう思う?」
「山波らしい答えを出したと思います。」
「関心している場合じゃない。
自体が悪化すれば、山波君には辞めてもらうことになるが、僕はできればそうなってほしくはない。君から話しをしてもらえないか?なんとか考え直すようにと。」
「わかりました。」
そう返事はしたものの、説得などできる気がしなかった。
彼のひたむきな想いこそが、彼の支柱だということを知っていた。
だから今はただ、山波とじっくり話をしようと思った。
「汐田君、大学に一番近い病院に転院できるようにお願いしてもらえるかな。
あずみも一緒に。今度は私が守る番だよ。」
今度は山波の力にならなければ、二人は大人なのだからと関心も示していなかったが、今思うと、どれほど山波が悩んでいるかかわいそうなことをしたと反省した。
自分にはいつも山波が寄り添って、様々な問題を解決してくれていた。
自分が休みたいと言えば何も言わずいつまででも代わりを務め、必要なもの、ほしいものは気がつくとすべて準備してある。
あたり前のように自分に尽くしてくれる山波に感謝の言葉も気持ちも薄れていた。
ついこの間もそうだ、危険を顧みず身を挺して救ってくれてまだ、なんの言葉もかけていなかった。
「教授、今週末に退院できそうです。月曜日からは新しい病院に移れそうです。」
「だったら、土曜日の夕食は屋敷でみんなで食べようと、山波と谷中に伝えてくれないか。」
「則夫さんはどうしたらいいでしょう。」
「山波に誘うように伝えてくれ。必ず一緒に来いと。」
「わかりました。」
あの時のようにみんなで何事もなかったように食事ができれば、そんなに素晴らしいことはない。
如月は少しだけ楽しみにカレンダーに丸をつけた。
カレンダーに丸をつけたのは如月のほかにもいた。
鶴屋はうれしすぎてカレンダーのその日をぐるぐると塗り潰した。まだ本当の助手にもしてもらえていないのに、如月の家に呼んでもらえるなんて初めてのことで、小躍りして喜んだ。
雅はただ単に汐田からの電話が嬉しかった。
緑山も同じく喜んでいたが、そんな中で一人、現状を打開できず悩んでいる男がいた。
山波だ。
もう夏休みも間近だというのに課題を提出して来たのは鶴屋一人だった。
嫌がらせもあからさまになり、最近では教室の黒板にも中傷文や緑山との写真が貼ってあった。
だが、戦うと決めた以上はどんなことにも耐え抜く覚悟はしていたが、実は心はズタズタに折れていた。
「各自課題を週末までに提出すること。私は研究室にいる。質問のある者は来ること。」
授業の終わりに毎回のように言っているが誰も聞いてはいない。
ただ帰っていく生徒の背中に向かって言うだけだった。
研究室に帰ってからも誰も尋ねて来るものはいなかった。
土曜日は、朝から教室でぼんやりしていた。
誰もいない教室の椅子に座って、自分がいつも立っている教壇を見ていた。
「ここにいたんだ。」
「あ、ごめん。こんな時間か。」
緑山が迎えに来たが、まさかこんなところにいるなんて思いもしなかった。
教壇に立ち、席に座る山波と向かい合わせで見つめ合った。
「寮にも研究室にもいなかったから、ちょっと探した。」
「研究室に行ったのか。」
「うん。
門のところで待ってるって、電話で言っていたから、おかしいなとは思ったけど。
研究室の入口が賑やかなことになってた。」
「ここへ来て座ってくれないか。」
緑山は山波のとなりに座って、研究室の入口に貼ってあった中傷文の書かれた紙を見せた。
「つらい?」
山波はその紙を受け取ると半分に割いて言った。
「いや、こんな嫌がらせは何も辛くはないよ。いつかは終わる。
それに、俺は何も悪いことをしたわけではない。
俺はただ・・・恋をした。それだけだ。
だけどそれが、こんなに苦しいことだと、はじめて知ったよ。」
「僕も。・・・はじめは誰でもよかった。僕が退屈でなければ、誰とだって。
でも、気がつくと先生のことしか考えられなくなっていて、先生といることがうれしくて・・・でも痛くて・・・」
山波は緑山の手を握り、緑山も握り返した。
ほんとうはもっと大切なことを話さなければいけなかったのに、会うとどうしても言えなかった。
そして、その大切なことはまた二人の胸の奥の方に片付けられた。
如月の家では、久しぶりに賑やかな夕食の支度が始まっていた。
雅も緑山もあずみも汐田も如月はそんな賑やかな笑い声を心地よいと感じていた。
山波は一人、庭から離れを見ていた。
「行ってみるかい?離れに。」
「ええ。」
如月と山波は連れ立って離れに向かって歩いた。
空が赤く輝いて、離れの屋根も赤く夕日に染まった。
山波にはそれがスポットライトに当たっているかのように感じた。
部屋の中にも赤い日が差し込み、追憶の時の中に迷い込んだように感じた。
「君が高校生だった。」
「はい。もう12年です。」
離れの小さな古びた食卓テーブルに向かい合わせに座った。昔のように。
「あっという間だったね。私が知る限り、君はいつも勉強していた。この机で。」
「あなたのようになりたかった。
それに、勉強のほかに何もやることがなかった。」
「そうだったね。この部屋はテレビも電話も何もない。」
「でも感謝しています。住むところだけでなく、学校にも行かせてもらえて。」
「私こそ、今まで支えてもらってありがとう。もう、傷は大丈夫か?」
「ええ、少し痛みますけど。」
「すまなかったね。私のせいで君にまで、怪我を負わせてしまって。
君が来てくれていなかったら、いまごろ私はどうなっていただろう。」
「もう無茶はやめてください。」
「ああ、私にはムリだということがよくわかった。柄にもないことをしたと反省しているよ。ところで、福井は断ったようだね。」
「はい。いろいろ考えました。そして、運命に逆らってみたくなったんです。」
「運命かい?」
「ええ、あなたと同じような年齢に、同じようなことで、同じところへ出向して、また山内のような奴に関わって、そんな運命のサイクルを変えてみたくなったんです。」
「面白いね。けど、だいぶ苦戦しているようだね。大丈夫かい。」
「大丈夫です。」
山波は如月から目を反らした。嘘が顔にでることをわかっていたからだ。
「もしも、とても辛くていやになったら、私の事は構わずに生きたいように生きなさい。」
「そんなことは・・・」
「頑張らなくていい。たまには休め。
始めたくなったらまたそこからやり直せばいい。」
山波は如月の顔をジッと見つめた。
困ったことに頭の中が空っぽで、なにかを言いたいのだが言葉が全く見つからない。
そんな山波を察して、如月は軽く頷くと、山波からゆっくり視線を外した。
「食事の用意ができたようだ。」
窓から、緑山が手を振って歩いて来るのが見えた。
「もう一度ここへ戻ってくるか?あの日みたいに。」
「もう大人になりました。自分の力でなんとかします。」
昔を思い出していた。
この部屋で一人、毎日勉強だけをして、ただ夢だけを見ていた。窓から見えたのは、幼い頃の緑山が、今みたいに手を振っている姿。
山波に振っていたわけではないだろうが、目が合ったような気がしていつもその姿に照れていた。
「手を振り返してあげなさい。私は先に帰っているからね。」
如月は部屋を出た。
一人残った山波はまだ夢のつづきを見ていた。
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