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ラグビーを見に行きます。
雅
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車の中では何も話さなかった。
家につくとあずみは
「寄りますか?」
と聞いた。
「じゃあちょっとだけ。」
雅は、今度はその涙の訳を聞こうと思った。
「何があったの?」
「その前に、この間、僕が木下さんと家にいた事をお兄様に電話しましたか?」
「うん。教授に頼まれていたんだ。
君に何かあったら全部教えてくれって。」
「つけていたんですか?」
「違う。美味しいケーキをもらったから君にあげようと思って・・・
僕は食べないから・・・
玄関前に置いて帰ったけど、気がつかなかった?」
「知りません。今日の事も電話しますか?」
「するさ。だって心配だろう。」
「じゃあいいません。」
あずみは俯いて涙をポロポロと落とした。
「雅さんは嫌い。帰ってください。」
雅はいつもあずみがお茶を入れてくれるように、お茶を入れて差し出した。
「帰らないよ。君が何があったか教えてくれるまで帰らない。」
「じゃあ、僕は何も言いません。」
そのままあずみは自分の部屋に引きこもった。
ワンピースを脱ぎ、裸でベッドにもぐりこんだ。
居間に取り残された雅はどうしたらいいのか、途方に暮れていた。
「あずみ君、晩御飯できたって。食べよう。」
「いらない。」
雅は思い切ってあずみの部屋へ入った
「入るよ。」
「入ってはダメです。」
「ごめん、もう入ったよ。」
脱ぎ捨てたワンピースを拾いハンガーにかけ、優しく問いかけてみた。
「今日は何があったの。教えて。」
ベッドの縁に座ってあずみの髪を撫でた。
「雅さん。僕を抱いてください。」
あずみは布団から飛び出して雅に抱きついた。
「え・・・」
「抱いてくれたらいいます。」
「できない。」
雅はあずみが首に回した手を外して体を離した。
「お願い。」
「ごめん、それだけはできない。」
「じゃあ言わない。則夫君も関係あるけど、僕、知らないからね。」
「どういう事。緑山も関係あるって。」
「教えない。抱いてくれないなら言わない。」
「わかった。」
雅は服を脱ぎ始めた。
「なんでだよ。何で則夫君のためならできるんだよ。」
「友達だからだよ。」
雅はあずみを抱き寄せ首筋にキスをした。
「やめろ。帰れ。」
「教えてくれたら帰るよ。」
もう一度あずみを抱き寄せ、キスしようとしたが、強く抵抗されてベッドから落ちた。
「教えないって言ってるだろ。なんだよ、友達って。
友達のためなら好きでもない奴とやれるのか。バカじゃねえの。」
「あずみ君・・・」
「帰れ。バーカ!」
雅の服を投げつけベッドに潜り込んだ。
「あずみ君・・・お願い・・・・」
もう返事すら帰っては来なかった。雅はあずみの部屋を一度は出た。
けれど、帰りはせず、あずみの部屋にそっと戻ってベッドの脇に座った
「帰ったんじゃなかったんですか?」
「イヤ。戸締りをしてきたんだよ。」
「そう。お話ししませんよ。」
雅はただ黙ってそこにいた。
あずみも布団を被ったまま無視し続けたが、ふと気がつくと雅はうたた寝をしているようだった。
「疲れているのですか?」
「ちょっとね。このところ毎晩遅かったから。」
「ベッドで眠っていいですよ。半分貸します。でもエッチはしません。」
「うん。ありがとう。」
雅は あずみの隣で服を着たまま横になり、そして、すぐ寝息が聞こえてきた。
あずみは閉め忘れたカーテンの間から月を眺めていた。
家につくとあずみは
「寄りますか?」
と聞いた。
「じゃあちょっとだけ。」
雅は、今度はその涙の訳を聞こうと思った。
「何があったの?」
「その前に、この間、僕が木下さんと家にいた事をお兄様に電話しましたか?」
「うん。教授に頼まれていたんだ。
君に何かあったら全部教えてくれって。」
「つけていたんですか?」
「違う。美味しいケーキをもらったから君にあげようと思って・・・
僕は食べないから・・・
玄関前に置いて帰ったけど、気がつかなかった?」
「知りません。今日の事も電話しますか?」
「するさ。だって心配だろう。」
「じゃあいいません。」
あずみは俯いて涙をポロポロと落とした。
「雅さんは嫌い。帰ってください。」
雅はいつもあずみがお茶を入れてくれるように、お茶を入れて差し出した。
「帰らないよ。君が何があったか教えてくれるまで帰らない。」
「じゃあ、僕は何も言いません。」
そのままあずみは自分の部屋に引きこもった。
ワンピースを脱ぎ、裸でベッドにもぐりこんだ。
居間に取り残された雅はどうしたらいいのか、途方に暮れていた。
「あずみ君、晩御飯できたって。食べよう。」
「いらない。」
雅は思い切ってあずみの部屋へ入った
「入るよ。」
「入ってはダメです。」
「ごめん、もう入ったよ。」
脱ぎ捨てたワンピースを拾いハンガーにかけ、優しく問いかけてみた。
「今日は何があったの。教えて。」
ベッドの縁に座ってあずみの髪を撫でた。
「雅さん。僕を抱いてください。」
あずみは布団から飛び出して雅に抱きついた。
「え・・・」
「抱いてくれたらいいます。」
「できない。」
雅はあずみが首に回した手を外して体を離した。
「お願い。」
「ごめん、それだけはできない。」
「じゃあ言わない。則夫君も関係あるけど、僕、知らないからね。」
「どういう事。緑山も関係あるって。」
「教えない。抱いてくれないなら言わない。」
「わかった。」
雅は服を脱ぎ始めた。
「なんでだよ。何で則夫君のためならできるんだよ。」
「友達だからだよ。」
雅はあずみを抱き寄せ首筋にキスをした。
「やめろ。帰れ。」
「教えてくれたら帰るよ。」
もう一度あずみを抱き寄せ、キスしようとしたが、強く抵抗されてベッドから落ちた。
「教えないって言ってるだろ。なんだよ、友達って。
友達のためなら好きでもない奴とやれるのか。バカじゃねえの。」
「あずみ君・・・」
「帰れ。バーカ!」
雅の服を投げつけベッドに潜り込んだ。
「あずみ君・・・お願い・・・・」
もう返事すら帰っては来なかった。雅はあずみの部屋を一度は出た。
けれど、帰りはせず、あずみの部屋にそっと戻ってベッドの脇に座った
「帰ったんじゃなかったんですか?」
「イヤ。戸締りをしてきたんだよ。」
「そう。お話ししませんよ。」
雅はただ黙ってそこにいた。
あずみも布団を被ったまま無視し続けたが、ふと気がつくと雅はうたた寝をしているようだった。
「疲れているのですか?」
「ちょっとね。このところ毎晩遅かったから。」
「ベッドで眠っていいですよ。半分貸します。でもエッチはしません。」
「うん。ありがとう。」
雅は あずみの隣で服を着たまま横になり、そして、すぐ寝息が聞こえてきた。
あずみは閉め忘れたカーテンの間から月を眺めていた。
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