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木下さんと・・・
初めての夜
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「もう食べられない・・・おなかいっぱいだよ。」
「僕もです。こんな楽しくご飯を食べたのは久しぶり・・・ううん、はじめです。今お茶いれますね。」
あずみは立ち上がり木下のためにお茶を入れた。
その姿を遠目に見ていた木下だったが、お茶を目の前に差し出しすと不意にその手に触れた。
驚いて逃げようとした手を握り、指を強引に絡めてもう片方の手で頬に触れた。
「綺麗な肌だね。」
「あ・・・ありがとうございます・・・」
しばらく沈黙のまま瞳をそらすことができなくなった。
「恥ずかしいです。ドキドキします。」
「僕もドキドキしてる。」
この時の木下には、気になっていた人とあずみが一瞬重なって見えただけだった。
けど、あずみは木下の中で自分は一番なんだと信じていた。
少しずつ木下の顔があずみの顔に近ずいてきた。
「僕はどうしたらいいですか?」
「じっとしていてくれたらいいよ。
・・・でも、目は閉じて欲しいかな・・・」
木下の暖かい唇があずみの唇に重なって、背中に手が回ると強く抱きしめられた。
「僕ね、こういうのじゃなくて、お友達がいい、普通の。」
「こういうのもお友達でしょ?
あずみ君のお部屋はどこ?」
「2階ですが・・・」
「部屋に行こうか・・・」
「はい・・・でも・・・」
「大丈夫だから。」
「僕、木下さんとお友達でいられますか?」
「うん。友達なんだもんいいでしょう。」
「・・・いいの・・・ですか・・・」
「いいの、です。」
手を引かれて部屋へ行くと、ベッドの脇のスタンドの明かりだけをつけて、あずみのシャツのボタンをひとつずつ外すとゆっくりと脱がしたあと、今度は手をとり木下のシャツの胸に当てて
「僕も脱がしてくれる。」
そう言ったが、手が震えてうまくボタンが外せなかった。
「あずみ君はかわいいね。」
あずみの細い指を木下の指で包みこむと一緒にボタンを外していった。
「僕怖いです。」
「だったら、目をつぶっていればいいよ。」
あずみはそのまま固く目を閉じて木下にすべてを委ねた。全身を這う手や指の感触を覚えるたび我慢できず、小さな喘ぎ声を漏らした。
何度も何度も続きあずみは泣き出してしまった。
「あずみ。ただいま。」
「あ、お兄様。」
「お邪魔して・・・ます・・・・」
如月はいつの間にか帰宅しあずみのベッドの脇で二人の成り行きを見学していた。
「私に構わず続けて。」
如月はベッドの脇の椅子に足を組んで腰かけ膝の上に頬杖をついて薄笑いで言った。
「・・・」
「続けられる訳ないでしょ。
どうしてこんなタイミング悪く帰ってきたのですか。」
「あずみが男を家に連れ込んだと雅から連絡をもらって、ワクワクして帰ってきてしまったよ。
さ、続けて・・・」
「俺、もう無理です・・・すいません・・・」
木下はベッドの上に正座をして如月に頭を下げた。
「何も謝ることはない。そうだ、ベッドで間際に泣きだすガキ相手じゃつまらないだろう?私がお相手しよう。」
「お兄様!こ・・・これは・・・ぷ・・・プレイです・・・」
「こざかしい。ガキが。そもそも、あずみはお洋服を着たお付き合いでいいんだろう。だったら私が・・・」
「お兄様はあっちへ行って!!」
「もう無理です俺、帰ります。」
「何言っているんだ。お酒を飲んだんだろう。ダメだよ。泊まっていきなさい。私の部屋に来るかい?」
「お兄様、やめて。僕の木下さんです。」
あずみは木下の前に両手を広げ、ほっぺを膨らませて怒った。
目の前で兄弟喧嘩の勝敗がどちらかなんて木下はもうどっちでもよかった。
「木下君。私の方が上手だよ。」
「何がですか。何が上手なんですか!」
「あずみの知らない事だよ。」
「お兄様のバカ。」
木下には何も言える言葉はない。今逆らえない状況だったが、すっかり萎えて、今さらもう一回なんてできるような気持ちには到底なれない。
ただ恥ずかしくて早くここから居なくなりたいとしか考えてなかった。
「じゃあ三人で寝よう。
手首を結んで眠ったらいいだろう。」
「お兄様、僕達を二人にして下さい。」
「何もしないよ。ね、そうしよう。
それがいい。この部屋は狭いから私の部屋に行こう。」
「イヤ、アソコはだけは・・・」
「じゃあ、隣の大きなベッドのある部屋へ行こう。」
如月は二人の手を引いて隣の部屋のベッドに押し倒し、自分も服を脱いだ。
「ちょ・・・ちょっとお兄様。」
「そうだったね。ごめん。じゃあ、手首を縛って・・・」
あずみを真ん中に三人は並んで静かに・・・眠った。
木下はとても眠れる状態ではなかった。
三人の中で素直に眠ったのはあずみだけだったかもしれない。
「僕もです。こんな楽しくご飯を食べたのは久しぶり・・・ううん、はじめです。今お茶いれますね。」
あずみは立ち上がり木下のためにお茶を入れた。
その姿を遠目に見ていた木下だったが、お茶を目の前に差し出しすと不意にその手に触れた。
驚いて逃げようとした手を握り、指を強引に絡めてもう片方の手で頬に触れた。
「綺麗な肌だね。」
「あ・・・ありがとうございます・・・」
しばらく沈黙のまま瞳をそらすことができなくなった。
「恥ずかしいです。ドキドキします。」
「僕もドキドキしてる。」
この時の木下には、気になっていた人とあずみが一瞬重なって見えただけだった。
けど、あずみは木下の中で自分は一番なんだと信じていた。
少しずつ木下の顔があずみの顔に近ずいてきた。
「僕はどうしたらいいですか?」
「じっとしていてくれたらいいよ。
・・・でも、目は閉じて欲しいかな・・・」
木下の暖かい唇があずみの唇に重なって、背中に手が回ると強く抱きしめられた。
「僕ね、こういうのじゃなくて、お友達がいい、普通の。」
「こういうのもお友達でしょ?
あずみ君のお部屋はどこ?」
「2階ですが・・・」
「部屋に行こうか・・・」
「はい・・・でも・・・」
「大丈夫だから。」
「僕、木下さんとお友達でいられますか?」
「うん。友達なんだもんいいでしょう。」
「・・・いいの・・・ですか・・・」
「いいの、です。」
手を引かれて部屋へ行くと、ベッドの脇のスタンドの明かりだけをつけて、あずみのシャツのボタンをひとつずつ外すとゆっくりと脱がしたあと、今度は手をとり木下のシャツの胸に当てて
「僕も脱がしてくれる。」
そう言ったが、手が震えてうまくボタンが外せなかった。
「あずみ君はかわいいね。」
あずみの細い指を木下の指で包みこむと一緒にボタンを外していった。
「僕怖いです。」
「だったら、目をつぶっていればいいよ。」
あずみはそのまま固く目を閉じて木下にすべてを委ねた。全身を這う手や指の感触を覚えるたび我慢できず、小さな喘ぎ声を漏らした。
何度も何度も続きあずみは泣き出してしまった。
「あずみ。ただいま。」
「あ、お兄様。」
「お邪魔して・・・ます・・・・」
如月はいつの間にか帰宅しあずみのベッドの脇で二人の成り行きを見学していた。
「私に構わず続けて。」
如月はベッドの脇の椅子に足を組んで腰かけ膝の上に頬杖をついて薄笑いで言った。
「・・・」
「続けられる訳ないでしょ。
どうしてこんなタイミング悪く帰ってきたのですか。」
「あずみが男を家に連れ込んだと雅から連絡をもらって、ワクワクして帰ってきてしまったよ。
さ、続けて・・・」
「俺、もう無理です・・・すいません・・・」
木下はベッドの上に正座をして如月に頭を下げた。
「何も謝ることはない。そうだ、ベッドで間際に泣きだすガキ相手じゃつまらないだろう?私がお相手しよう。」
「お兄様!こ・・・これは・・・ぷ・・・プレイです・・・」
「こざかしい。ガキが。そもそも、あずみはお洋服を着たお付き合いでいいんだろう。だったら私が・・・」
「お兄様はあっちへ行って!!」
「もう無理です俺、帰ります。」
「何言っているんだ。お酒を飲んだんだろう。ダメだよ。泊まっていきなさい。私の部屋に来るかい?」
「お兄様、やめて。僕の木下さんです。」
あずみは木下の前に両手を広げ、ほっぺを膨らませて怒った。
目の前で兄弟喧嘩の勝敗がどちらかなんて木下はもうどっちでもよかった。
「木下君。私の方が上手だよ。」
「何がですか。何が上手なんですか!」
「あずみの知らない事だよ。」
「お兄様のバカ。」
木下には何も言える言葉はない。今逆らえない状況だったが、すっかり萎えて、今さらもう一回なんてできるような気持ちには到底なれない。
ただ恥ずかしくて早くここから居なくなりたいとしか考えてなかった。
「じゃあ三人で寝よう。
手首を結んで眠ったらいいだろう。」
「お兄様、僕達を二人にして下さい。」
「何もしないよ。ね、そうしよう。
それがいい。この部屋は狭いから私の部屋に行こう。」
「イヤ、アソコはだけは・・・」
「じゃあ、隣の大きなベッドのある部屋へ行こう。」
如月は二人の手を引いて隣の部屋のベッドに押し倒し、自分も服を脱いだ。
「ちょ・・・ちょっとお兄様。」
「そうだったね。ごめん。じゃあ、手首を縛って・・・」
あずみを真ん中に三人は並んで静かに・・・眠った。
木下はとても眠れる状態ではなかった。
三人の中で素直に眠ったのはあずみだけだったかもしれない。
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