【完結済】やり直した嫌われ者は、帝様に囲われる

紫鶴

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勢いのまま立ち上がろうとしている久遠を引っ張って畳の上に転がす。久遠が動揺して俺の名前を呼んでいるが今は聞こえない振りをした。

 さて、ここまでは良いが、なんと、何をすれば良いのだろうか。

 正直に言って今までこんな関係を持った人間は一人もいない。そして、そういう類いのものに触れたこともない。とはいえ、とりあえず服を脱がすことからだろうと俺は久遠の服に手をかける。





「しーちゃん……」

「う、うん!」

「服脱がして良い?」

「え、ど、どうぞ……!!」

「ありがとう」





 久遠がそう言うとするりと手慣れたように帯を引く。するりするりと俺が苦戦しているのに久遠は簡単に俺の服を脱がしていつの間にか俺は長襦袢の姿になっていた。

 て、手なれている!

 俺は思わずそう思うと久遠の顔が近づいて唇がまた重なった。先ほどと違うところは口を開かれて舌が入ってきたことである。





「ん、ぅ……っ!」





 ガチガチに固まって、久遠の服を脱がすどころではない。彼の舌に翻弄されて夢見心地で軽くぼんやりしてくる。漸く唇が離れると久遠はなまめかしく息を吐き俺の名前を呼んだ。





「あー……」





 久遠の言葉に素直に俺は口を開ける。すかさず久遠がばくりと俺の唇を覆うように重なった。

 すべてが蕩けてしまいそうだ。ふわふわしていて、これが気持ちいいということだろうかとぼんやりと考えていると俺の中心部に何かが触れる。





「ひっ、う……っ!!!」





 先ほどの気持ちいいとは全く別物の衝撃にだらしなく声が漏れた。すると久遠が慌てたように俺のものから手を離す。





「あ、ご、ごめんなさい。しーちゃんも気持ちいいんだと思ってつい触っちゃった。もっと触って良い?」

「あ、う、ん、んんっ!!」





 久遠の言葉に必死で頷くと彼が嬉々として俺の陰茎を摩る。ゆっくりと撫でるように根元から先を移動してもどかしさに腰が揺れた。

もっと強い刺激が欲しい。



――と、ぐるりと視界が反転した。俺は畳の上に寝転がっていて、起き上がった久遠が乱暴に服を脱ぎ始める。どんどん薄着になっていく久遠に期待で胸が高鳴っていく。





「しーちゃん」

「!」

「俺のも触って?」





 そして、久遠が自分で服を脱いで俺と同じ格好となる。長襦袢の合わせ目から主張する彼の陰茎にごくりと唾を飲み込んだ。そっと身を起こして彼のものに触れようとしたら、あっと何かを思い出したかのように久遠が座って膝を叩く。





「一緒に触ろう?」

「う、うん……」





 俺は久遠に誘導され、足を開いて彼の膝の上に乗った。乗ったはいいが、やはり恥ずかしくて腰が引ける。すると次の瞬間、勢いよく腰を寄せられた。ひぃっと情けない悲鳴を上げて目の前の久遠に抱きつくとそそり立つ久遠のそれがぴったりと俺のお腹に当たる。





「――っ!!」

「もっと寄って? 落ちちゃう」





 どうにか頷きながら恐る恐る俺は久遠の陰茎に触れる。自分のものとは比べものにならないくらい大きい。軽く先を触るとピクリと動いて思わず手を引っ込めた。





「ご、ごめんなさい。痛かった……?」

「ううん。もっと触って欲しい」

「う、ん……」





 俺はそう頷いてもう一度久遠のそれに触れた。指で撫でてて摩って、そこで手が止まる。

 どうすれば良いのか分からない。もっと強く握って良いのか、動かして良いのか。自分のものでさえもやったことがない行為を今目の前にいる彼にしようとしているのだ。分からないのは当然だ。

 俺は涙目になりながらすがるように彼を見る。すると視線に気づいた久遠が俺の手に自分の手を重ねた。





「もう少しちゃんと握って大丈夫」

「ほ、ほんと……?」

「うん、しーちゃんのも一緒にくっつけて……」

「!」





 ぴとりと彼の太くて熱いものと触れ合う。俺の手の動きに合わせてゆっくりと久遠が上下に手を動かした。





「ん、ぁ……っ! い、く……っ!」





 自分でも信じられないくらい甘い声が漏れる。ゆっくりと動いていた手が徐々に激しさを増していく。俺の陰茎から粘り気のある液体が溢れてくる。それが潤滑油となって滑り良く刺激を繰り返す。





「あ――っ!」





 自分の陰茎が震えて、吐精した。同時に、久遠のものも吐き出されてお互いの服を汚す。はっはっと荒い呼吸を整える。それからくたあっと俺は脱力して久遠に身体を預けた。





「しーちゃん……」

「ぁ……」





 一度だけでは萎えることなく昂ぶったままの久遠のそれがぐりっと俺の腹に当たる。じーっとお預けを食らっている獣のような状態で俺を見つめる久遠に軽く俺は唇を落とした。ゆっくりと食むように彼の唇を舌でなぞって唇を合わせて、そっと久遠に視線を向ける。



 そうして、再び俺たちは淫欲に耽ったのだった。

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