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心配
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宣言通り、叢雲さんのかっこいいところを見た。
こそこそ後ろをついてきているのですぐに妖魔を殺している。それに用心棒ということで一定の距離を保ちつつも俺たちに何かあったらすぐに駆け付けられる体勢だ。
勉強になる。俺はがむしゃらに妖魔を倒すだけだから。
「それにしてもどんどん奥に進んでいくけど、何か目的があるのかな?」
「さあ?どちらにしてもそろそろ梓と合流するか」
「そうだね。ここからは毛色の違う妖魔が出るから」
彼らの言った通り、門からかなり離れたところに来たので梓さんだけは危険だ。ある程度先行しているあの集団が片付けているとはいえ、もしも彼らの手に負えない妖魔が現れたら駆君を助けるために飛び出すかもしれない。
そうなればどちらも危ない。
紫さんも俺をおろしていつでも抜けるように柄に手をかけており、俺も同じように警戒しながらいつでも応戦できる体勢を取る。
それをちらりと確認しつつ、ひゅっと叢雲さんが小石を梓さんに投げた。梓さんはばっと刀でそれを叩き落とし、素早く身を翻してこちらを見ると驚きの表情を見せる。
そんな彼の後ろ。
集団の上空に何かが投げられた。
小さい箱だ。
そう思った時箱が膨張した。
ぱんっと軽い破裂音が鳴り響くとそこを中心に竜巻のような突風が起こる。
徐々に、破裂した箱が何かに変形していく。
「駆!」
「梓!おい馬鹿!!」
梓さんが一目散にそこに向かって駆けていった。二人も刀を構えて追いかけるが、それよりも先に箱が二本足で立つ一つ目の妖魔に変化した。
ぎょろりとその目が何かを捕らえると高速でその大きな腕を振るう。周りにいる者のほとんどはそのひと振りをまともに食らい倒れていた。身長の低かった駆君はそれに巻き込まれることはなかったが、突然のことに呆然としている。
そんな彼に一番近くて早くに飛び出した梓さんが庇うように前に出た。
「駆下がれ!」
「! あず……っ!」
瞬間、二人に向かって妖魔の拳が振り下ろされた。
それを視認した俺は鯉口を切る。振るった刃が、走っている彼らの合間を縫って曲がり、振り下ろした妖魔の腕を切り落とす。
「……?」
ぼとりと自分の腕が落ちた妖魔が不思議そうに首を傾げた。
……おかしいな。
あれぐらいの妖魔になると大概は人相手でないにしろ戦闘慣れしているはずなのであんなふうに動きが鈍くなることはない。命の奪い合いであんなぼーっとしていたらすぐに死ぬからだ。
何かの予兆だろうか?
しかし、そのお陰で間に合った。
ふっと、高く跳んだ叢雲さんが妖魔の首に刀を滑らせて刎ねる。すかさず紫さんが右足、左足と傷を与えるとぐらりとその巨体は体勢を崩した。
素早く二人は妖魔と梓さんたちの間に入る。
「下がって!」
「兄さん!!」
後ろにいる二人に意識を逸らした叢雲さんの前に紫さんが立ち、まだ殺しきれていない妖魔の攻撃を弾く。
刹那、紫さんの死角から恐ろしい速さで腕が伸びた。
ひゅっと刀をもう一度振るい、その飛び出してきた腕を切り落とす。どうやら妖魔の形態が変化して腕が四本に増えていた。
よくある種類だ。
そこら辺は対応しているという事だろうか、と俺はそう思いながら妖魔の後ろから刀を体に突き刺す。
「ぎ、ぎゃああああ!」
妖魔が声をあげるが気にせずに真下に向かって刀を引くと、弱点が動いた。真後ろだというのにおかしな関節の動きをして妖魔の拳が真横に振りかぶる。ちらりとそれを目で追うが、一発ぐらいだったら大丈夫だろう。
防御より攻撃。これ以上この妖魔に変化を与えてはならない。
ぐっと柄を握り締めて移動している弱点に集中するとぱっと横から血しぶきが舞った。
そしてずぶり、と弱点の場所に刀が刺さり妖魔が消える。
こそこそ後ろをついてきているのですぐに妖魔を殺している。それに用心棒ということで一定の距離を保ちつつも俺たちに何かあったらすぐに駆け付けられる体勢だ。
勉強になる。俺はがむしゃらに妖魔を倒すだけだから。
「それにしてもどんどん奥に進んでいくけど、何か目的があるのかな?」
「さあ?どちらにしてもそろそろ梓と合流するか」
「そうだね。ここからは毛色の違う妖魔が出るから」
彼らの言った通り、門からかなり離れたところに来たので梓さんだけは危険だ。ある程度先行しているあの集団が片付けているとはいえ、もしも彼らの手に負えない妖魔が現れたら駆君を助けるために飛び出すかもしれない。
そうなればどちらも危ない。
紫さんも俺をおろしていつでも抜けるように柄に手をかけており、俺も同じように警戒しながらいつでも応戦できる体勢を取る。
それをちらりと確認しつつ、ひゅっと叢雲さんが小石を梓さんに投げた。梓さんはばっと刀でそれを叩き落とし、素早く身を翻してこちらを見ると驚きの表情を見せる。
そんな彼の後ろ。
集団の上空に何かが投げられた。
小さい箱だ。
そう思った時箱が膨張した。
ぱんっと軽い破裂音が鳴り響くとそこを中心に竜巻のような突風が起こる。
徐々に、破裂した箱が何かに変形していく。
「駆!」
「梓!おい馬鹿!!」
梓さんが一目散にそこに向かって駆けていった。二人も刀を構えて追いかけるが、それよりも先に箱が二本足で立つ一つ目の妖魔に変化した。
ぎょろりとその目が何かを捕らえると高速でその大きな腕を振るう。周りにいる者のほとんどはそのひと振りをまともに食らい倒れていた。身長の低かった駆君はそれに巻き込まれることはなかったが、突然のことに呆然としている。
そんな彼に一番近くて早くに飛び出した梓さんが庇うように前に出た。
「駆下がれ!」
「! あず……っ!」
瞬間、二人に向かって妖魔の拳が振り下ろされた。
それを視認した俺は鯉口を切る。振るった刃が、走っている彼らの合間を縫って曲がり、振り下ろした妖魔の腕を切り落とす。
「……?」
ぼとりと自分の腕が落ちた妖魔が不思議そうに首を傾げた。
……おかしいな。
あれぐらいの妖魔になると大概は人相手でないにしろ戦闘慣れしているはずなのであんなふうに動きが鈍くなることはない。命の奪い合いであんなぼーっとしていたらすぐに死ぬからだ。
何かの予兆だろうか?
しかし、そのお陰で間に合った。
ふっと、高く跳んだ叢雲さんが妖魔の首に刀を滑らせて刎ねる。すかさず紫さんが右足、左足と傷を与えるとぐらりとその巨体は体勢を崩した。
素早く二人は妖魔と梓さんたちの間に入る。
「下がって!」
「兄さん!!」
後ろにいる二人に意識を逸らした叢雲さんの前に紫さんが立ち、まだ殺しきれていない妖魔の攻撃を弾く。
刹那、紫さんの死角から恐ろしい速さで腕が伸びた。
ひゅっと刀をもう一度振るい、その飛び出してきた腕を切り落とす。どうやら妖魔の形態が変化して腕が四本に増えていた。
よくある種類だ。
そこら辺は対応しているという事だろうか、と俺はそう思いながら妖魔の後ろから刀を体に突き刺す。
「ぎ、ぎゃああああ!」
妖魔が声をあげるが気にせずに真下に向かって刀を引くと、弱点が動いた。真後ろだというのにおかしな関節の動きをして妖魔の拳が真横に振りかぶる。ちらりとそれを目で追うが、一発ぐらいだったら大丈夫だろう。
防御より攻撃。これ以上この妖魔に変化を与えてはならない。
ぐっと柄を握り締めて移動している弱点に集中するとぱっと横から血しぶきが舞った。
そしてずぶり、と弱点の場所に刀が刺さり妖魔が消える。
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