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謝罪
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「大変申し訳ありませんでした!!」
刀を手に入れ、久遠と久臣さんと風呂に入りそのまま久遠と寝た次の日、起きたら土下座している男の人とそれを取り囲む人達がいた。
何がどうしてこうなったのだろうか。
「このど阿呆が!察し悪く!その上恐れ多くも若君のご友人に試すような真似を行ったこと深く謝罪致します」
土下座している男の人は昨夜俺に盗賊の情報を流してくれた人だ。何を誤っているのかと一瞬驚くが成程そういう事かと俺は納得する。彼の行動は善意であるのでそこまで腹立たしくも思っていない。気にしていないといった方が正しいか。
「あ、い、いえ、俺は気にしてないので……」
「子供に気を遣わせて!本当にお前は!!」
「本当にごめんなさい!!」
ものすごい音を立てて土下座している男の後頭部を殴った男の人も同じように頭を下げられて俺はもうどうすればいいのか分からない。一先ずどうにか頭をあげて貰い、本当に大丈夫だということを理解してもらうまで時間がかかった。この男の人は相当真面目なのだろう。
「申し遅れたが、私は鉄二と申します。こっちの命知らずの馬鹿は燕です。暫く扱き使ってやってください」
「何でもします!!」
要らないですっと言いそうになってぐっと堪える。ここでそう言ったらまた面倒になりそうなので一先ず曖昧に頷いておいた。
「つまちゃ?」
「おいとかそこの馬鹿でも大丈夫ですよ若君」
「隊長酷い!!」
「犬、でも返事しますからね」
「わんっ!!」
やけくその様に燕さんがそう言った。すると久遠はきゃらきゃらと楽しそうな声をあげてわんわん!!と燕さんをそう言っている。それを燕さんが律儀にわん!と言って返事をしていた。いいのか、それで。
「ところで、しーちゃん様」
「あ、しーちゃんで大丈夫ですよ」
「いえ、我々はそう呼ばせていただきます」
「あ、はい」
雰囲気が真面目そうな男性はそう言って拒否られた。しーちゃん様。絶対に慣れない。
そう思っていたら彼の視線は俺の背にある大太刀に注がれていた。
「差し出がましい提案かもしれませんが、剣術の師がいなければご指導を致しましょうか?」
「え、いえ俺には……」
「しーちゃん!!!!」
びくっと大きな声と体が空中に浮いたことにより驚いて固まっているとぐりぐりと頬ずりをされる。
「ごめんなさい!完全に私の早とちりで!」
「え?」
「てっきり使用人はしーちゃんを危険視していたと思ったら!力の制御が出来てないくーちゃんの傍にいるしーちゃんは危ないんじゃないかっていう話で!!」
「あ、い、いえ俺も勘違いしたので……」
「でもでも私があの時あんなこと言わなかったら!!」
「い、いえそんな事はないですよ?」
「しーちゃん優しい!!九郎や兄さんはしーちゃんを見習ってほしいです!」
晴臣さんだと確認しつつされるがままになっていると燕さんに飽きたのか久遠がてしてしっと晴臣さんの膝を叩く。
「はるちゃずうい!くちゃもしーちゃぎゅうぎゅうしたい!!」
「う、もう少し……」
「やーっ!」
久遠にそう言われて晴臣さんはゆっくりと俺を床に下ろしてくれた。するとすかさず久遠がすっ飛んできてぎゅうぎゅうと文字通りに俺を抱きしめる。
俺は抱きしめ返してそれから鉄二さんを見た。
「俺には晴臣さんという師匠がいますので大丈夫です」
「そうでしたか。それでは我々はこれで失礼致します。燕を思う存分扱き使ってください」
「あはは……」
曖昧に頷いておいたが、晴臣さんが何したんだと燕さんの首根っこを掴んでいた。
どうにか助けようとするとバタバタと今度は騒がしい足音が聞こえた後に角から九郎が出てきた。
「しーちゃんが帰ってきたって本当か!?あ!心配かけさせやがってもー!!」
「くろちゃくうしい……」
「うるせえ!少し我慢しろ!」
久遠諸共抱きしめられて、九郎になでなでと頭を撫でられた。
刀を手に入れ、久遠と久臣さんと風呂に入りそのまま久遠と寝た次の日、起きたら土下座している男の人とそれを取り囲む人達がいた。
何がどうしてこうなったのだろうか。
「このど阿呆が!察し悪く!その上恐れ多くも若君のご友人に試すような真似を行ったこと深く謝罪致します」
土下座している男の人は昨夜俺に盗賊の情報を流してくれた人だ。何を誤っているのかと一瞬驚くが成程そういう事かと俺は納得する。彼の行動は善意であるのでそこまで腹立たしくも思っていない。気にしていないといった方が正しいか。
「あ、い、いえ、俺は気にしてないので……」
「子供に気を遣わせて!本当にお前は!!」
「本当にごめんなさい!!」
ものすごい音を立てて土下座している男の後頭部を殴った男の人も同じように頭を下げられて俺はもうどうすればいいのか分からない。一先ずどうにか頭をあげて貰い、本当に大丈夫だということを理解してもらうまで時間がかかった。この男の人は相当真面目なのだろう。
「申し遅れたが、私は鉄二と申します。こっちの命知らずの馬鹿は燕です。暫く扱き使ってやってください」
「何でもします!!」
要らないですっと言いそうになってぐっと堪える。ここでそう言ったらまた面倒になりそうなので一先ず曖昧に頷いておいた。
「つまちゃ?」
「おいとかそこの馬鹿でも大丈夫ですよ若君」
「隊長酷い!!」
「犬、でも返事しますからね」
「わんっ!!」
やけくその様に燕さんがそう言った。すると久遠はきゃらきゃらと楽しそうな声をあげてわんわん!!と燕さんをそう言っている。それを燕さんが律儀にわん!と言って返事をしていた。いいのか、それで。
「ところで、しーちゃん様」
「あ、しーちゃんで大丈夫ですよ」
「いえ、我々はそう呼ばせていただきます」
「あ、はい」
雰囲気が真面目そうな男性はそう言って拒否られた。しーちゃん様。絶対に慣れない。
そう思っていたら彼の視線は俺の背にある大太刀に注がれていた。
「差し出がましい提案かもしれませんが、剣術の師がいなければご指導を致しましょうか?」
「え、いえ俺には……」
「しーちゃん!!!!」
びくっと大きな声と体が空中に浮いたことにより驚いて固まっているとぐりぐりと頬ずりをされる。
「ごめんなさい!完全に私の早とちりで!」
「え?」
「てっきり使用人はしーちゃんを危険視していたと思ったら!力の制御が出来てないくーちゃんの傍にいるしーちゃんは危ないんじゃないかっていう話で!!」
「あ、い、いえ俺も勘違いしたので……」
「でもでも私があの時あんなこと言わなかったら!!」
「い、いえそんな事はないですよ?」
「しーちゃん優しい!!九郎や兄さんはしーちゃんを見習ってほしいです!」
晴臣さんだと確認しつつされるがままになっていると燕さんに飽きたのか久遠がてしてしっと晴臣さんの膝を叩く。
「はるちゃずうい!くちゃもしーちゃぎゅうぎゅうしたい!!」
「う、もう少し……」
「やーっ!」
久遠にそう言われて晴臣さんはゆっくりと俺を床に下ろしてくれた。するとすかさず久遠がすっ飛んできてぎゅうぎゅうと文字通りに俺を抱きしめる。
俺は抱きしめ返してそれから鉄二さんを見た。
「俺には晴臣さんという師匠がいますので大丈夫です」
「そうでしたか。それでは我々はこれで失礼致します。燕を思う存分扱き使ってください」
「あはは……」
曖昧に頷いておいたが、晴臣さんが何したんだと燕さんの首根っこを掴んでいた。
どうにか助けようとするとバタバタと今度は騒がしい足音が聞こえた後に角から九郎が出てきた。
「しーちゃんが帰ってきたって本当か!?あ!心配かけさせやがってもー!!」
「くろちゃくうしい……」
「うるせえ!少し我慢しろ!」
久遠諸共抱きしめられて、九郎になでなでと頭を撫でられた。
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