【完結】断罪された神子様は、前世養父だった冷徹公子に溺愛される。

紫鶴

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第二章 やめてー!!俺の屑を連れて行かないでぇ!!!

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 俺は、盲目な信者様を手に入れてしまった。その事実にこれからの計画が全てパーになるかもしれないとびくびくしていたのだが、彼は本当にいろんな意味で盲目だった。


「私は、貴方様の指示に従います。何も疑いを持つことはありません。死ねというならその場で死にます。殺せというなら誰であれなんであれ殺します。どうぞ、ご随意にお使いください」
「怖いこと言うじゃん!?」


 過激どころかやばい思想に染められた奴じゃん!!お、俺何もしてないよな!?この子に直接的危害を加えた覚えなんて無いんだけどなぁ!?というか、この姿で会うことすら今が初めてだし!!
 コイヨンがずーっと膝ついて頭を床に伏しているのでやめてくれっと言うが、俺を見下ろすことは出来ないと頑なにそういう。どう育ったらこんなに頑固になるんだ……?
 ひとまず、お互いに自己紹介からか?と思い俺は今の名前をコイヨンに教える。コイヨンはきょとんとして首を傾げたが、はっとした顔をして自分も俺に名前を教えた。
 これでコイヨンの名前も得たので呼べる。


「コイヨン」
「はい」
「俺やることあるからどっか行くね?」
「お供します」
「え、いいよ別に。掃除も終わってないでしょ?」


 というか、一緒に来られたら困る。だって、俺はロズリーの後始末をするため、大人の姿にならなければいけないからだ。色々口止めもし無いといけないし……。折角の俺の屑なんだ。こんなところで手放したくない!!骨の髄までしゃぶり尽くしたい!!

 そんなことを思いながら、掃除終わるまで時間かかるだろうしすぐにどっか行こうとした。しかし、ぱちんっとコイヨンが指を鳴らすとふわりと柔らかな風が吹き、ものが勝手に移動しはじめた。ぎょっとしてそれを見ていると一瞬にしてものは整理され、埃やら塵も無くなり綺麗な物置になった。なんなら置いてたものが磨かれたようにピカピカになっている。


「お供、します」


 にっこりとコイヨンは笑みをたたえて俺を見た。こんな芸当が出来るなんて、コイヨンって優秀なの、かな?


「えーっと、ほら、まだ仕事が……」
「ありません」
「い、いや、そんなはず……」
「ありません」
「……」


 どうしてもこの男は俺と一緒にいたいようだ。そんな強い意志を感じる。俺はどうすれば良いんだろうかと頭を抱え、そして今日は仕方ないという結論に至った。今日は、もう諦めよう。うん。


「じゃあコイヨン、俺は君に聞きたいことがある」
「何なりと」
「お金、持ってる?」

***
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