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6歳の俺
孤児6歳 16
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次の日、起きて準備をしていると影からジークが出てきた。思わずふおっと変な声が出たが彼は気にすることなく話をする。
「とりあえず、精神崩壊ぐらいには追い詰めた。活動不可能状態だからもう安心だ」
「さすが悪魔。ありがとう。あ、これお礼」
何人でやったか分からないのでぱぱっと大きなケーキ型の魔力で作ったそれを渡す。すると、無表情が一瞬ふわっと綻んで、それをもって影のなかに入っていった。これでノイン君たちの安全は確保されたから、もう俺の出る幕ではないだろう。このまま家に帰って心の傷を癒しながら大きくなって、そういえばこんな子も居たなぁぐらいで思い出してくれればいい。兄弟仲も修復されつつあるし、フラグは折ったのでは?
「ルチアーノ、朝だよ起きて」
「うぅ~ん……」
ルチアーノの体を揺するとうつらうつらしながらルチアーノはのろのろと起き上がり、服を着替える。今日は抱っこはいいみたいでぎゅっと手を握ってきた。俺はその手をしっかり握りながら顔を洗うために井戸に向かい、は?っと声をあげる。
そこには、既に起きている子がうろうろと井戸を遠巻きに見ていて何事かとそちらを見ると井戸の周りでたむろをして居る男たちが数人居た。特に顔を洗いにきたとか、水を汲みにきたとかではなくそこで話をして居るのだ。
邪魔くさ。でもいるいるこういうやつ。なんかよく分からないけど邪魔なところで集まって話すだけの集団。井戸の近くなんて朝一番人が使うのに居座る人。
嫌な視線を向けられているのはわかる子達なので極力近寄らないのが一番だが、顔を洗いたくてうろうろ様子をうかがっているのだ。声をかけると怖いから。孤児だからね。
俺ははああっとため息をついて、ルチアーノの手を離しそちらに向かう。何人かには止められたが、ここで黙っていたってなにも始まらないし、第一こちらが孤児だからとなめられているからこんな結果になっているのだ。こちらはなにもやましいことはないし、ここは堂々と文句いうべき。
「すみません。こちらの井戸は私たちが使いたいので他の場所に移動してくれませんか?」
「……」
にっこりと笑顔で対応して、小さい声でもないのに無視された。はあ、こいつら本当に大人か?思わずまたため息をついて、「フェルトさーん」っと俺はどこかにいる彼の名前を呼んだ。
「フェルトさんのお仲間が邪魔で……」
「……ちっ!これだからガキは……」
「行こうぜ」
虎の威を借る狐のごとくフェルトさんを呼んだらそそくさ帰っていった。フェルトさんの顔色伺うくらいならやらなければいいのに。
離れていった男たちを見ながら、皆もイヤーな顔をして男の背中を視線で追いつつ俺にお礼を言って井戸で顔を洗い始めた。俺ははいはいっと適当にあしらいながら顔を洗うために並ぶ。そのあと、広間でご飯を食べつつ、ノイン君とノルン君と合流したが今日もみんなと一緒に外で遊ぶようで他の子達と昨日遊んだ鬼ごっこが楽しかったとか、今日はかくれんぼするとか話をする。その際に誘われたが、あの子達の体力についていけないので断った。しかし、ルチアーノが珍しく一緒に遊ぶ!っと言ってきた。他の子達はえ、でも……みたいな顔をしていたが、イリーナとマイクが外で遊んでも大丈夫な服を作って貰ったといったので喜んでいた。それでも俺は断った。
朝食を食べ終え、さて久しぶりの一人で自由時間だと言うときに今朝の井戸でたむろをしていた男たちが「おい」っと声をかけてきた。俺は普通に聞こえない振りをした。だって、面倒そうだし。フェルトさん周辺調査で今ここにいないし。
「おい、お前だよ赤毛!」
「……なにか用ですか?」
隠すことなくめんどくさいアピールをして振り返ると井戸で集まっていた男三人に、確かノイン君達と知り合いらしい男が二人そこにいた。はあっとため息をついてくいっと顎を動かす。仕方ねえ、聞いてやるからとっとと話しな。
「……ノイン様とノルン様を見つけたのは貴方だと聞きましたが本当ですか?」
「ええ、そうです」
「それで、助けたのはテレシアという男で間違いありませんか」
「はい」
ちらっと知り合いだという男がもう一人の知り合いの男を見た。彼はこくんと頷いている。それからまた俺を見た。その態度に違和感を感じた俺は彼らに鑑定をする。聞いてない方の男、看破スキル持ってる。なるほど、見つけたっていう俺が怪しいから探り入れにきたのか。まあ、第一発見者は一番怪しいっていうし嘘言わなければ大丈夫だからいいか。
「では、テレシアさんがノイン様たちを助けたということですね」
「……いえ、見てないので」
「見てない?」
「はい、テレシアさんが助けたところは見ていません」
俺が助けたから当然だ。だからテレシアが助けたところは見ていない。
ちらっと看破スキルの男を見たが彼は頷いていた。男はふむっと顎に手をあててもう一度俺に聞いてみる。
「では、誰が助けたのか見ていますか?」
「見てないですね」
俺が助けたんだから、助けたところ見れるはずがない。にこにこと笑いながらそう答えると看破スキルの男は頷いて「嘘は言ってない」っと話す。その言葉に反応したのは、井戸でたむろっていた男たちだった。
「はあ?本当かよ!じゃあもっと聞いてみた方がいいんじゃねーの?」
「つーか、もしかしたら看破無効化のアイテムでも持ってるとか」
「ありえる。こいつら金もらえれば何でもやるんだろ」
はあ?っという顔をして俺は井戸で集まってたやつらを見た。その三人を他二人が「そういう言い方やめろよ」っと諌めているが鼻で笑っている。
「だってそうだろ?」
「子供だろうが犯罪は犯罪だ。第一、偶々出会って偶々助かったって怪しすぎんだろ」
「だけど、看破に引っ掛からなかった。それでいいだろ、もうやめろよ」
「うるせえよ。また同じことが起きたらどうすんだよ。ひんむいて裸にしてから同じこと聞いた方がいいだろ」
ぐいっと俺の腕をつかんできて男が部屋に連れ込もうとする。それを二人は止めようとするが他の二人に邪魔されている。俺はどうしようかと少し悩んでいるとぞっと悪寒が走った。
「ねえ、そこで何してんの?」
彼の声に驚いて男たちは振り向いた。そこにはじっとこちらを見ているクラウスがいる。男たちは人に見られたことに驚いて、俺から手を離し見るからに慌て始める。一応、悪いことをしている自覚はあるようだ。俺は手が離れたことをいいことにささっとクラウスのところに向かう。あっと男が声をあげて懲りずに俺を捕まえようとしたが、俺はなんなくそれを避けてクラウスの後ろに隠れる。
「大丈夫、アズール」
「あぁ、まあ……」
「だろうね。とはいえ、子供にその態度はなんなの君ら。いきなり知らない人に複数で詰め寄られて怖いと思わないの?非常識だよね」
「そ、それは悪かった。こちらの配慮が足らずに申し訳ない」
「あーあー、やだやだ。ここに来てからずうっとイヤーな視線をアズールに向けててよく言うよ。これだから人間は嫌いなんだ。汚いし卑劣、とっとと帰れ、役立たず」
「はあっ!?なんだよその言い方!」
「当然でしょ。お前らが無能だから誘拐事件が発生した、そうでしょ?」
「この……っ!」
井戸でたむろをしていた三人のうち一人がクラウスに向かって殴りかかった。しかし、クラウスは目にも止まらぬ早さで顎を強打し、脳震盪を起こす。その男は後ろに倒れて伸びた。クラウスはぱっぱっと汚いものを触ったとでもいうように手を払う。それからちらっと他の男を見て、やるなら相手になるけど?っと挑発的に顎を動かす。
男たちは倒れた男を抱えてささっとどこかに行った。俺も見えないところでしっしっと手で追い払うしぐさをする。さっさと帰ればいいのにね。もう壊滅したのに。
「アズール。腕掴まれてたけど大丈夫?」
「平気。俺が第一発見者だから警戒されてるだけ」
「それにしてもやりすぎでしょ。ちょっとこっちきて、診るから」
「ええ~」
「いいから!」
今度はクラウスに部屋に連れ込まれ、しぶしぶ腕捲りをする。痛いとは思ったがそこにはくっきりと赤い手形がついていた。クラウスの目が据わって無言で部屋を出ていこうとするので必死で腰にまとわりついた。天使は天使で厄介なのだ。
天使と言えば悪魔より神聖なものでよっぽどのことがない限り人は好意的。しかし天使は特にそういう感情は抱いていない。無関心、が一番正しい。なにが一番厄介かって、相手の感情がわからないことだ。悪魔はこれをやられたら嫌だとか絶望するだろうとか色々考えるけれど、天使はあれ?こんなことになるとは思わなかったんだけど……?ということが多い。しかも天使だからなんでそんなことをするのかが分からずに人は恐怖する。あと、まあいっかで片付けるのが怖い。
だから予想だが、クラウスも殺す気はなかったけど誤って殺しちゃって、まだ足りないからとりあえず生き返らせてもう一回間違って殺して、まだ収まらないからもう一回生き返らせての繰り返しだ。そうする相手がただ淡々と「あのさあ、わかる?やっちゃいけないこととか非道徳的行動だとか……」など説教をたれる。その行為に愉悦を感じるわけでもなく、間違いで誤ってやってしまったその行動を繰り返されて恐怖を抱かないはずがない。
無自覚って怖い。その一言に限る。
確かにあの男たちには迷惑をかけられたがそこまで憎んでないので全力で止めさせてもらった。
「治癒」
「あ、ああ、ありがとうクラウス」
「うん、とりあえず自分は大事にしてよね」
ちゅっと触れるだけのキスを唇にしてクラウスは去っていった。悪いことしたな、と思いながらも俺はその後の自由時間を満喫した。
「とりあえず、精神崩壊ぐらいには追い詰めた。活動不可能状態だからもう安心だ」
「さすが悪魔。ありがとう。あ、これお礼」
何人でやったか分からないのでぱぱっと大きなケーキ型の魔力で作ったそれを渡す。すると、無表情が一瞬ふわっと綻んで、それをもって影のなかに入っていった。これでノイン君たちの安全は確保されたから、もう俺の出る幕ではないだろう。このまま家に帰って心の傷を癒しながら大きくなって、そういえばこんな子も居たなぁぐらいで思い出してくれればいい。兄弟仲も修復されつつあるし、フラグは折ったのでは?
「ルチアーノ、朝だよ起きて」
「うぅ~ん……」
ルチアーノの体を揺するとうつらうつらしながらルチアーノはのろのろと起き上がり、服を着替える。今日は抱っこはいいみたいでぎゅっと手を握ってきた。俺はその手をしっかり握りながら顔を洗うために井戸に向かい、は?っと声をあげる。
そこには、既に起きている子がうろうろと井戸を遠巻きに見ていて何事かとそちらを見ると井戸の周りでたむろをして居る男たちが数人居た。特に顔を洗いにきたとか、水を汲みにきたとかではなくそこで話をして居るのだ。
邪魔くさ。でもいるいるこういうやつ。なんかよく分からないけど邪魔なところで集まって話すだけの集団。井戸の近くなんて朝一番人が使うのに居座る人。
嫌な視線を向けられているのはわかる子達なので極力近寄らないのが一番だが、顔を洗いたくてうろうろ様子をうかがっているのだ。声をかけると怖いから。孤児だからね。
俺ははああっとため息をついて、ルチアーノの手を離しそちらに向かう。何人かには止められたが、ここで黙っていたってなにも始まらないし、第一こちらが孤児だからとなめられているからこんな結果になっているのだ。こちらはなにもやましいことはないし、ここは堂々と文句いうべき。
「すみません。こちらの井戸は私たちが使いたいので他の場所に移動してくれませんか?」
「……」
にっこりと笑顔で対応して、小さい声でもないのに無視された。はあ、こいつら本当に大人か?思わずまたため息をついて、「フェルトさーん」っと俺はどこかにいる彼の名前を呼んだ。
「フェルトさんのお仲間が邪魔で……」
「……ちっ!これだからガキは……」
「行こうぜ」
虎の威を借る狐のごとくフェルトさんを呼んだらそそくさ帰っていった。フェルトさんの顔色伺うくらいならやらなければいいのに。
離れていった男たちを見ながら、皆もイヤーな顔をして男の背中を視線で追いつつ俺にお礼を言って井戸で顔を洗い始めた。俺ははいはいっと適当にあしらいながら顔を洗うために並ぶ。そのあと、広間でご飯を食べつつ、ノイン君とノルン君と合流したが今日もみんなと一緒に外で遊ぶようで他の子達と昨日遊んだ鬼ごっこが楽しかったとか、今日はかくれんぼするとか話をする。その際に誘われたが、あの子達の体力についていけないので断った。しかし、ルチアーノが珍しく一緒に遊ぶ!っと言ってきた。他の子達はえ、でも……みたいな顔をしていたが、イリーナとマイクが外で遊んでも大丈夫な服を作って貰ったといったので喜んでいた。それでも俺は断った。
朝食を食べ終え、さて久しぶりの一人で自由時間だと言うときに今朝の井戸でたむろをしていた男たちが「おい」っと声をかけてきた。俺は普通に聞こえない振りをした。だって、面倒そうだし。フェルトさん周辺調査で今ここにいないし。
「おい、お前だよ赤毛!」
「……なにか用ですか?」
隠すことなくめんどくさいアピールをして振り返ると井戸で集まっていた男三人に、確かノイン君達と知り合いらしい男が二人そこにいた。はあっとため息をついてくいっと顎を動かす。仕方ねえ、聞いてやるからとっとと話しな。
「……ノイン様とノルン様を見つけたのは貴方だと聞きましたが本当ですか?」
「ええ、そうです」
「それで、助けたのはテレシアという男で間違いありませんか」
「はい」
ちらっと知り合いだという男がもう一人の知り合いの男を見た。彼はこくんと頷いている。それからまた俺を見た。その態度に違和感を感じた俺は彼らに鑑定をする。聞いてない方の男、看破スキル持ってる。なるほど、見つけたっていう俺が怪しいから探り入れにきたのか。まあ、第一発見者は一番怪しいっていうし嘘言わなければ大丈夫だからいいか。
「では、テレシアさんがノイン様たちを助けたということですね」
「……いえ、見てないので」
「見てない?」
「はい、テレシアさんが助けたところは見ていません」
俺が助けたから当然だ。だからテレシアが助けたところは見ていない。
ちらっと看破スキルの男を見たが彼は頷いていた。男はふむっと顎に手をあててもう一度俺に聞いてみる。
「では、誰が助けたのか見ていますか?」
「見てないですね」
俺が助けたんだから、助けたところ見れるはずがない。にこにこと笑いながらそう答えると看破スキルの男は頷いて「嘘は言ってない」っと話す。その言葉に反応したのは、井戸でたむろっていた男たちだった。
「はあ?本当かよ!じゃあもっと聞いてみた方がいいんじゃねーの?」
「つーか、もしかしたら看破無効化のアイテムでも持ってるとか」
「ありえる。こいつら金もらえれば何でもやるんだろ」
はあ?っという顔をして俺は井戸で集まってたやつらを見た。その三人を他二人が「そういう言い方やめろよ」っと諌めているが鼻で笑っている。
「だってそうだろ?」
「子供だろうが犯罪は犯罪だ。第一、偶々出会って偶々助かったって怪しすぎんだろ」
「だけど、看破に引っ掛からなかった。それでいいだろ、もうやめろよ」
「うるせえよ。また同じことが起きたらどうすんだよ。ひんむいて裸にしてから同じこと聞いた方がいいだろ」
ぐいっと俺の腕をつかんできて男が部屋に連れ込もうとする。それを二人は止めようとするが他の二人に邪魔されている。俺はどうしようかと少し悩んでいるとぞっと悪寒が走った。
「ねえ、そこで何してんの?」
彼の声に驚いて男たちは振り向いた。そこにはじっとこちらを見ているクラウスがいる。男たちは人に見られたことに驚いて、俺から手を離し見るからに慌て始める。一応、悪いことをしている自覚はあるようだ。俺は手が離れたことをいいことにささっとクラウスのところに向かう。あっと男が声をあげて懲りずに俺を捕まえようとしたが、俺はなんなくそれを避けてクラウスの後ろに隠れる。
「大丈夫、アズール」
「あぁ、まあ……」
「だろうね。とはいえ、子供にその態度はなんなの君ら。いきなり知らない人に複数で詰め寄られて怖いと思わないの?非常識だよね」
「そ、それは悪かった。こちらの配慮が足らずに申し訳ない」
「あーあー、やだやだ。ここに来てからずうっとイヤーな視線をアズールに向けててよく言うよ。これだから人間は嫌いなんだ。汚いし卑劣、とっとと帰れ、役立たず」
「はあっ!?なんだよその言い方!」
「当然でしょ。お前らが無能だから誘拐事件が発生した、そうでしょ?」
「この……っ!」
井戸でたむろをしていた三人のうち一人がクラウスに向かって殴りかかった。しかし、クラウスは目にも止まらぬ早さで顎を強打し、脳震盪を起こす。その男は後ろに倒れて伸びた。クラウスはぱっぱっと汚いものを触ったとでもいうように手を払う。それからちらっと他の男を見て、やるなら相手になるけど?っと挑発的に顎を動かす。
男たちは倒れた男を抱えてささっとどこかに行った。俺も見えないところでしっしっと手で追い払うしぐさをする。さっさと帰ればいいのにね。もう壊滅したのに。
「アズール。腕掴まれてたけど大丈夫?」
「平気。俺が第一発見者だから警戒されてるだけ」
「それにしてもやりすぎでしょ。ちょっとこっちきて、診るから」
「ええ~」
「いいから!」
今度はクラウスに部屋に連れ込まれ、しぶしぶ腕捲りをする。痛いとは思ったがそこにはくっきりと赤い手形がついていた。クラウスの目が据わって無言で部屋を出ていこうとするので必死で腰にまとわりついた。天使は天使で厄介なのだ。
天使と言えば悪魔より神聖なものでよっぽどのことがない限り人は好意的。しかし天使は特にそういう感情は抱いていない。無関心、が一番正しい。なにが一番厄介かって、相手の感情がわからないことだ。悪魔はこれをやられたら嫌だとか絶望するだろうとか色々考えるけれど、天使はあれ?こんなことになるとは思わなかったんだけど……?ということが多い。しかも天使だからなんでそんなことをするのかが分からずに人は恐怖する。あと、まあいっかで片付けるのが怖い。
だから予想だが、クラウスも殺す気はなかったけど誤って殺しちゃって、まだ足りないからとりあえず生き返らせてもう一回間違って殺して、まだ収まらないからもう一回生き返らせての繰り返しだ。そうする相手がただ淡々と「あのさあ、わかる?やっちゃいけないこととか非道徳的行動だとか……」など説教をたれる。その行為に愉悦を感じるわけでもなく、間違いで誤ってやってしまったその行動を繰り返されて恐怖を抱かないはずがない。
無自覚って怖い。その一言に限る。
確かにあの男たちには迷惑をかけられたがそこまで憎んでないので全力で止めさせてもらった。
「治癒」
「あ、ああ、ありがとうクラウス」
「うん、とりあえず自分は大事にしてよね」
ちゅっと触れるだけのキスを唇にしてクラウスは去っていった。悪いことしたな、と思いながらも俺はその後の自由時間を満喫した。
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