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第一章 春告草
-参-
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呉服店に立ち寄り、所要を済ませた後、一郎は母親の元へと向かっていた。
山の中腹にある一際大きな紅梅の木。それが一郎の母親──梅の精である。
彼女が住む屋敷は通常ではたどり着けないよう結界が張られている。まれに人が迷い込んでくることもあったが、ここ百年程の間はそういったこともなく、静かな時間が流れている。
「お帰りなさい、一郎さん」
玄関につくなり、指をついた母親に出迎えられる。ここに来るまでに梅林を抜けてくるから、「彼女」達から既に連絡が入っていたのだろう。
出迎えた母親は小袖姿。重ねた小袖の襟の色に合わせた打ち掛けを羽織っている。
「ただいま戻りました、母上」
顔を上げた母親が微笑む。一見少女のようにも見えるが、角度を変えると老婆のようにも見える。
樹齢を重ねるごとに太く強くなる幹と裏腹に、咲かせる花は何時までも可憐で小さい花。
そんな梅の木が人型をとった彼女の髪は一郎よりも紅の強い黒髪に淡い赤の瞳。香りも一郎よりも強いが、存在感を主張するような強さではなく、どこか心が落ち着くような優しい香りを漂わせている。
もうすぐ祭りの日だということもあって、一段と華やかに香るそれ。自分の香りも強くなっているのだろうか、なんて他人ごとのように考えながら、一郎は頭を下げた。
「団子を買ってきましたので。後で皆で食べてください」
「ありがとう」
部屋には上がらず式台へと腰を下ろしてから、団子の包を渡した。
受け取った彼女もその場から動かない。
「一郎さん。今年は久し振りに下に降りようと思っているの。供をお願い出来るかしら?」
母親の言葉に一郎は僅かに眉を上げた。
祭りの日に母親を始めとした「梅の精」達が山から里へ下りることは初めてではない。
が、ここ数十年の間、山で静かに祭りを楽しむことが常になっていた。
「勿論お供させて頂きますが……何かあったのですか?」
どこかうきうきと、落ち着かない様子の母親の姿に問いかけると、嬉しそうに笑う。
「二郎さんが当世風の狭衣を贈って下さったから。祭りの日にはお戻りになられるでしょう?」
だから彼に見せたい。
今は外の世界を勉強したいと山を出て、違う土地を渡り歩いている弟。兄弟のうちで心根の一番優しい彼からの贈り物だと言われると、合点がいった、と一郎は頷いて返した。
「二郎も喜ぶと思います。事前に伝えては驚きも半減するでしょうから……当日まで内密に」
唇に指をあてると、母親も真似てくる。無邪気な少女のような仕草と表情。文字通りに花が綻んだ笑み。
「歩く練習もしたいの。履物も慣れていないから」
「では練習にもお供しますよ。転んだりしては大変ですから」
静かに一郎が差し出した手。満開の笑みを浮かべながら、彼女は自分の手をそっと乗せた。
◇◇◇◇◇◇◇
艶やかな梅林とは離れた場所。囁き声のように花が香ることもなく、枝が揺れることもない。
どこか張り詰めたようにも感じる空気の中、一人の青年が人探し顔で周囲を見回していた。
年のころは25、6。焦げ茶の髪と眼を持つ穏やかな雰囲気の青年。狩衣姿の彼もまた、神に仕える眷属の一人である。
「三郎様ー。三郎様、いらっしゃいますかー」
主の名を呼びながら歩いていると、きぃん、と澄んだ音が響いた。
「──与一か。どうした?」
与一と呼ばれた狩衣姿の青年は、ほっと表情を緩める。
視線の先。片肌を脱ぎ、手に刀を下げた青年。長い黒髪を高い位置でまとめ、ポニーテールのようにしている。
着流し姿ではあるが、帯の上からベルトを締めて刀の鞘を下げている。その装飾品だけが洋風で、後は晒しに素足に草履、と和の装い。
脱いだ肌や顎に伝う汗が、名を呼ばれるまで一人剣を振っていた事を示していた。
「稽古中にすまないね」
声の主は与一ではない。
与一の後ろで手を振っている一郎──兄の姿を見て、三郎は刀を鞘へとしまった。
「声をかけてくれたら、俺から行きましたのに」
刀を振るか本を読むか。ほぼその二択で日々を過ごしている自分と違い、優秀過ぎるが故に「こいつがいれば大丈夫だろう」とあちこち飛び回っている父親の代わり以上に山をおさめ、皆をまとめている一郎の忙しさは比ぶべくもない。
与一は二人から数歩下がった場所で膝をつき、控える姿勢。
「私だって気分転換がしたいんだよ。それはさておき。三郎に今年の祭りの見回りを頼みたくてね」
懐から取り出した手拭いで汗を拭う手が止まる。
「兄上は?」
「私は母上のお供をするから」
珍しい、と呟きながら顔を拭う。一通り汗を拭った後、手拭いをしまってから着物を上げた。
「分かりました。与一に案内を頼めば、まぁなんとかなるでしょう」
三郎は山を下りることはめったにない。前に降りた時と周囲が変わり過ぎていて戸惑うこともよくある話。
時折店の手伝いに街へ降りている与一の方が今の状況に詳しいだろう。
ちら、と控えている与一を見ると、下げた頭を一層低くする。
「は。身命に変えましても、若様の先達を務めさせて頂きます」
「お前がいなくなっては俺が困る。命は捨てるな」
「そうだね。三郎の世話役として、与一以上の適任者は見当たらないから……無茶はしちゃいけないよ」
二人の言葉にいっそう身を小さくしてしまう。生真面目過ぎるのは、眷属の長である伯に似たのだろうか。
兄弟二人、思う事は同じだったようで視線が重なり、どちらからともなく笑ってしまう。
ふ、と緩んだ雰囲気の中、ゆっくりと歩き出した。
「ところで三郎。いつも一人で剣を振っているけれど……たまには私と手合わせしてくれてもいいんじゃないか?」
「遠慮しておきます。兄上の相手は、父上しか務まりませんよ」
優男然とした見た目からは想像つきにくいが、一郎の剣は一撃が重い。どこにあんな膂力を秘めているのかと我が兄ながら不思議に思う。
「振られてしまったか。それじゃ、私は母上のところに戻るよ」
弟の思案を知ってか知らずか。別の道を歩き出す背を見送ってから、後ろに付き従っていた与一の方を見る。
「……とりあえず屋敷に戻るか」
飯にしよう。
三郎の言葉に与一が頷く。祭りの日まであと少し。
山の中腹にある一際大きな紅梅の木。それが一郎の母親──梅の精である。
彼女が住む屋敷は通常ではたどり着けないよう結界が張られている。まれに人が迷い込んでくることもあったが、ここ百年程の間はそういったこともなく、静かな時間が流れている。
「お帰りなさい、一郎さん」
玄関につくなり、指をついた母親に出迎えられる。ここに来るまでに梅林を抜けてくるから、「彼女」達から既に連絡が入っていたのだろう。
出迎えた母親は小袖姿。重ねた小袖の襟の色に合わせた打ち掛けを羽織っている。
「ただいま戻りました、母上」
顔を上げた母親が微笑む。一見少女のようにも見えるが、角度を変えると老婆のようにも見える。
樹齢を重ねるごとに太く強くなる幹と裏腹に、咲かせる花は何時までも可憐で小さい花。
そんな梅の木が人型をとった彼女の髪は一郎よりも紅の強い黒髪に淡い赤の瞳。香りも一郎よりも強いが、存在感を主張するような強さではなく、どこか心が落ち着くような優しい香りを漂わせている。
もうすぐ祭りの日だということもあって、一段と華やかに香るそれ。自分の香りも強くなっているのだろうか、なんて他人ごとのように考えながら、一郎は頭を下げた。
「団子を買ってきましたので。後で皆で食べてください」
「ありがとう」
部屋には上がらず式台へと腰を下ろしてから、団子の包を渡した。
受け取った彼女もその場から動かない。
「一郎さん。今年は久し振りに下に降りようと思っているの。供をお願い出来るかしら?」
母親の言葉に一郎は僅かに眉を上げた。
祭りの日に母親を始めとした「梅の精」達が山から里へ下りることは初めてではない。
が、ここ数十年の間、山で静かに祭りを楽しむことが常になっていた。
「勿論お供させて頂きますが……何かあったのですか?」
どこかうきうきと、落ち着かない様子の母親の姿に問いかけると、嬉しそうに笑う。
「二郎さんが当世風の狭衣を贈って下さったから。祭りの日にはお戻りになられるでしょう?」
だから彼に見せたい。
今は外の世界を勉強したいと山を出て、違う土地を渡り歩いている弟。兄弟のうちで心根の一番優しい彼からの贈り物だと言われると、合点がいった、と一郎は頷いて返した。
「二郎も喜ぶと思います。事前に伝えては驚きも半減するでしょうから……当日まで内密に」
唇に指をあてると、母親も真似てくる。無邪気な少女のような仕草と表情。文字通りに花が綻んだ笑み。
「歩く練習もしたいの。履物も慣れていないから」
「では練習にもお供しますよ。転んだりしては大変ですから」
静かに一郎が差し出した手。満開の笑みを浮かべながら、彼女は自分の手をそっと乗せた。
◇◇◇◇◇◇◇
艶やかな梅林とは離れた場所。囁き声のように花が香ることもなく、枝が揺れることもない。
どこか張り詰めたようにも感じる空気の中、一人の青年が人探し顔で周囲を見回していた。
年のころは25、6。焦げ茶の髪と眼を持つ穏やかな雰囲気の青年。狩衣姿の彼もまた、神に仕える眷属の一人である。
「三郎様ー。三郎様、いらっしゃいますかー」
主の名を呼びながら歩いていると、きぃん、と澄んだ音が響いた。
「──与一か。どうした?」
与一と呼ばれた狩衣姿の青年は、ほっと表情を緩める。
視線の先。片肌を脱ぎ、手に刀を下げた青年。長い黒髪を高い位置でまとめ、ポニーテールのようにしている。
着流し姿ではあるが、帯の上からベルトを締めて刀の鞘を下げている。その装飾品だけが洋風で、後は晒しに素足に草履、と和の装い。
脱いだ肌や顎に伝う汗が、名を呼ばれるまで一人剣を振っていた事を示していた。
「稽古中にすまないね」
声の主は与一ではない。
与一の後ろで手を振っている一郎──兄の姿を見て、三郎は刀を鞘へとしまった。
「声をかけてくれたら、俺から行きましたのに」
刀を振るか本を読むか。ほぼその二択で日々を過ごしている自分と違い、優秀過ぎるが故に「こいつがいれば大丈夫だろう」とあちこち飛び回っている父親の代わり以上に山をおさめ、皆をまとめている一郎の忙しさは比ぶべくもない。
与一は二人から数歩下がった場所で膝をつき、控える姿勢。
「私だって気分転換がしたいんだよ。それはさておき。三郎に今年の祭りの見回りを頼みたくてね」
懐から取り出した手拭いで汗を拭う手が止まる。
「兄上は?」
「私は母上のお供をするから」
珍しい、と呟きながら顔を拭う。一通り汗を拭った後、手拭いをしまってから着物を上げた。
「分かりました。与一に案内を頼めば、まぁなんとかなるでしょう」
三郎は山を下りることはめったにない。前に降りた時と周囲が変わり過ぎていて戸惑うこともよくある話。
時折店の手伝いに街へ降りている与一の方が今の状況に詳しいだろう。
ちら、と控えている与一を見ると、下げた頭を一層低くする。
「は。身命に変えましても、若様の先達を務めさせて頂きます」
「お前がいなくなっては俺が困る。命は捨てるな」
「そうだね。三郎の世話役として、与一以上の適任者は見当たらないから……無茶はしちゃいけないよ」
二人の言葉にいっそう身を小さくしてしまう。生真面目過ぎるのは、眷属の長である伯に似たのだろうか。
兄弟二人、思う事は同じだったようで視線が重なり、どちらからともなく笑ってしまう。
ふ、と緩んだ雰囲気の中、ゆっくりと歩き出した。
「ところで三郎。いつも一人で剣を振っているけれど……たまには私と手合わせしてくれてもいいんじゃないか?」
「遠慮しておきます。兄上の相手は、父上しか務まりませんよ」
優男然とした見た目からは想像つきにくいが、一郎の剣は一撃が重い。どこにあんな膂力を秘めているのかと我が兄ながら不思議に思う。
「振られてしまったか。それじゃ、私は母上のところに戻るよ」
弟の思案を知ってか知らずか。別の道を歩き出す背を見送ってから、後ろに付き従っていた与一の方を見る。
「……とりあえず屋敷に戻るか」
飯にしよう。
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