恋人の愛は少し……いや、かなり重いです。

アオハル

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日常

気になる-3-C-

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 ぺちゃぺちゃと水音が響く。
 すっかり勃ち上がった性器の先から零れる先走りを舐めとるように舌を絡められ、洋佑の下腹がひくついた。
「んっ──、……」
 薄く開いた先端から溢れるものを舐めとられて息が詰まる。足を支える指が汗で滑るのを抱え直した後、口を離そうとしない佑を見下ろす。
 目を伏せて自分の性器へ舌を這わせては吸い付いてくる。だけでなく、指で嚢を刺激したり、後孔へと続く肌を柔らかく押したりと丁寧すぎる程の奉仕に腹の奥が疼く。

 ──欲しい。

 自然と脳裏に浮かぶ欲に喉を鳴らして息を飲む。そっと指が触れるのに腰が跳ねた。
「……ん。洋佑さん」
「……な、に?」
 ふにふにと指先だけを浅く。物足りなさにひくつく縁が吸い付くように指先へと絡むのを楽しそうに弄りながら佑が顔を上げる。
「どっちでもいい、っていったけど……毛が無い方がいい。……洋佑さんが欲しいって言ってるの、見えるから」
 ぐちゅりと指先が埋められた。羞恥に睨もうとした眼が閉じられ、声が高くなる。
「あ!…っ、ふ、……あっ、ア……」
 指は奥へは入らない。浅い個所に感触を残すだけ残して引き抜かれて行く。物足りなさを感じると同時に、再び咥えられた性器への感触に泣き出しそうに顔が歪む。
「たすく、も、いい……離れて」
 このままだと口の中に出してしまう。膝裏から指を離すと、離れさせようと軽く押してみる。
「いいよ……出して」
 一度口を離した後、とんでもないことを言ってからまた顔を伏せようとする。慌てて押す手に力を込めると、不服そうに顔を上げた。
「ば、か……」
 堪えるのも辛い。涙混じりの震える言葉に佑はあきらめたように目を伏せると、そのまま指で絶頂を促してくる。呆気ないほどに容易く熱を吐き出してしまう。
 一瞬硬直した身体が弛緩し、足が片方滑り落ちる。だらしない恰好で蕩けた表情を晒した洋佑を見上げながら、佑は緩い笑みを浮かべた。
「シャワーの前に外に置いてくるね」
 シェーバーやらハサミやら。細々としたものを手に取った後、洋佑のTシャツを脱がしていく。くたりと脱力したままの洋佑へと口づけようとして、一瞬動きを止めた後、頬を触れ合わせてから外へと出て行った。
 その様子をぼんやりと見送った後、もう一度びくりと体が跳ねる。性器の中に残っていたものが溢れ、肌を汚していく。
「…………ごめんね。冷えてない?」
 戻ってきた佑は服を着ていない。洋佑の身体を流すついでに自分もシャワーを浴びるのつもりなのだろう。大丈夫、と頷いて返した後、顎を捉えられる。
「たす──」
 く、と続く言葉が飲み込まれた。先程とは違い、唇を重ねてきた。軽く吸い上げては離し、を繰り返した後、ゆっくりと離れていく。
「……」
 離れがたいのか、また口付けられる。何度か繰り返した後、漸く離れて行こうとした佑の首へと洋佑は腕を伸ばして引き留めた。
「え……?」
 驚いた顔。間近で覗き込むようにしながら、洋佑は顔を傾けた。
「もっと」
 触れ合わせて吸い上げる。固まっていた佑が目を閉じるのに合わせて、洋佑も瞼を下ろした。
 ほんのりと感じる消毒薬の匂い。先程、色々片付ける、と言って出て行った時に口をゆすいできてくれたのだろう。出る直前に口づけるのを躊躇ったのも、多分──
「……」
 一頻り甘えた後、ようやく腕を緩める。が、何とも離れがたく、頬を寄せたり、首筋に鼻を摺り寄せたりしてぐずぐずとしてしまう。
 佑は無理に振り払ったりはしない。ただ、宥めるように背中を撫でながら、穏やかに囁いてくる。
「風邪ひいちゃうから。シャワー浴びよ?」
 促されて漸く離れた。湯温を調整する横顔を見ながら、洋佑は小さく息を吐き出す。

 ただ、口をゆすいできてくれたこと。それだけでこんなにも嬉しくなるなんて。

 佑の事を好きだとは認識していた。けれど。ふとした優しさや気遣いを感じる度に、何とも言えない感情で泣き出しそうになってしまう。
「……洋佑さん?」
 ぼんやりとしてしまっていた。名前を呼ばれて、何でもない、と笑みを向けてからシャワーを浴びた。
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