2 / 10
2話、ボクはいつでもご主人様の話し相手になるよ
しおりを挟む
アンカーサイン侯爵家には、馬車に乗っていく。
馬車の準備が整ったというので、ローズメイは門に向かった。
そこへ、声がかけられる。
「お前が嫁に行ってくれて助かるよ。落ちこぼれと結婚しろと言われて困ってたんだ」
絡んできたのは、従兄弟のグランツだ。幼馴染でもあり、今回の縁談が決まる前はローズメイの婚約者候補でもあった。
「結婚せずに済んでよかったわね、グランツ?」
「ああ、まったくだ!」
ローズメイが幼馴染の温度感で言えば、グランツは不機嫌に眉を寄せてついてくる。
「聞いてるぞ、お前。嫁に行くのが嫌で家出したのに、捕まって連れ戻されて、仕方なく嫁ぐんだろ」
「ちょっと遠出して買い物しただけよ。闇オークションで魔法スクロールを買ったの」
「はあ? 馬鹿みたいに高かったんじゃないのか」
破ると魔法が使える魔法スクロールは、昔の偉大なる魔法使いが遺した消耗品だ。
現代の魔法使いたちの技術では新たに創り出すことが難しいアイテムで、とても貴重で高価。普通の人間なら、生涯で一度も使う機会がないくらい。
「金はどうしたんだ」
「いろいろ売っちゃった」
「うわぁ……落ちこぼれに加えて散財か、困った嫁だな!」
グランツはローズメイを批難する材料を見つけると活き活きする。いつも。
「結婚相手が魔法嫌いな上に呪われてる侯爵家ってのも傑作だよな、お前の結婚相手は今にも死にそうな病弱男だって?」
「お噂は聞いているわ。でも、これからお元気になるの。お相手を悪くいうのはやめて」
「ふん――しょ、しょ、初夜の前に、未亡人になるかもな! こ、子供作れって言われてるんだろ。オ、オレが相手してやってもいいぜ」
「縁起の悪いことを言わないで。それに、気持ち悪い。何かいやらしい想像をしたのね、そんな顔してるわよ」
「う、うるさいな。馬鹿! いいか、オレが預言してやろう。お前は泣いて帰ってくる! イオネスは嫌いーって言ってオレの胸に飛び込んでくるぜ。向こうだって、お前みたいな魔女はお断りと言うに決まってるし」
「そうならないよう、気をつけます~~っ」
周囲の使用人たちが顔を見合わせている。微妙な表情だ。
「破談になってから俺に貰ってくれと言えば、仕方ないからオレが結婚してやらないこともないんだ。お前は察しが悪いから仕方なく教えてやるが、オレは前から……こほん。お前のことをそれほど嫌いじゃな……」
言いかけた言葉が最後まで口にされるより早く、女性の声が被さった。
「ローズメイ。馬車が来るわよ。早くいらっしゃい」
一歳年上の姉、ジュリアだ。白猫を抱っこしている。
ジュリアは、華やかな美貌の令嬢だ。落ちこぼれといわれるローズメイと違って、魔法の腕もいい。「わたくしは天才でしてよ!」という自信に満ちている。
濃い目のアイメイクに彩られた瞳は、ケダモノを見下すようにグランツを睨んだ。
「グランツ。妹は嫁ぐのよ、諦めてちょうだい。変なちょっかいを出さないで引っ込んでいて」
「へ、変なちょっかいってなんだよ!? オレはただ」
「お黙り、駄犬。憎まれ口しか叩けない男を妹が好きになるわけないじゃない。ぜんぜんダメ。駄犬は一生後悔していなさいな」
「お前だってオレに憎まれ口ばかりじゃないか」
「えっ、わ、わたくしがあなたのこと好きなわけないじゃないっ。勘違いしないでくださる?」
「……はあ?」
ローズメイとしては「意外とこの二人、仲が良いのでは? 二人でくっつけばよいのでは?」と思ったりする日常だ。
「ローズメイ。あの手のキャンキャン吠える駄犬を相手にするのは時間の無駄よ。さあ、いきましょう」
ジュリアは耳を赤くしながらローズメイの手を引き、馬車へと連れて行く。途中から地面におろされた白猫は、軽やかな足取りでついてきた。
父は、見送りに来なかった。
ローズメイたちの父であるスカーロッド伯爵は、心を病んで療養中だ。
母が亡くなったのが大きな原因として考えられる。父と母は政略結婚だったが、仲が良かったのだ。母を失ってからしばらくの間は、父は強がって笑い、無理をして一生懸命に執務に励んでいた。でもある日、限界が訪れた。
「父さん、もう何もやる気が出ないんだ」
と言って、それきり部屋に引き篭もってしまったのだ。
ゆっくり休んで、いつか元気になってほしい――姉妹はそう思っている。
姉は父の分も愛情をこめるようにして、ぎゅっと妹を抱きしめた。
「心配だわ。ローズメイったら、魔法の腕もいまいちだし」
「一族では落ちこぼれでも、お外では私でも『魔法が使えてすごい』って言われるみたいですよ、お姉様」
「あなたが使える魔法なんてせいぜいコップにお水をいれるくらいじゃない。すごいと言われて調子に乗っちゃだめよ」
姉はちょっと鼻声だ。
つられて泣いてしまいそうになる。
「お姉様、私、お手紙を書いてもいいですか?」
「好きになさいっ。返事は期待しないことね。わたくし、忙しいんだから。でも、困ったことがあったら頼ってもよろしくてよ」
「ありがとうございます、お姉様」
「いいこと? わたくし、次の当主の座をモノにするつもりなの。嫁ぎ先が気に入らなかったら帰ってきてもいいわ。誰にも文句は言わせません」
王室からの命令なのだから、『誰にも文句は言わせません』は難しいのではないか。
そう冷静に考えつつ、ローズメイは姉に頷いた。
馬車に乗り込むとき、姉は足元にいた白猫を拾い上げてローズメイに渡した。
「あなたに使い魔のプレゼントよ。名前をつけて可愛がりなさいな!」
「わあ……」
にゃあお、と鳴く白猫は、目がローズメイと同じ青色で、愛らしい。毛並みはふわふわだ。猫特有の、安心するようないい匂いがする。
「お姉様。私、この子にコットンと名前をつけます。よろしく、コットン。私はローズメイよ」
名前をつけた瞬間に、白猫の全身がほんのりと光を帯びる。使い魔としてローズメイを主人だと認めてくれたのだ。
「よろしく、ご主人様。ボクは新鮮なお魚が好物だよ。覚えておいてね」
白猫が愛嬌たっぷりに喋り出す声は、幼い男の子のよう。ちょっと生意気な感じもする可愛らしさだ。
「話し相手ができてよかった。ちょっと寂しかったの」
「ボクはいつでもご主人様の話し相手になるよ」
言いながら眠そうに目を閉じる猫の頬をむにっとつまむと、「うにっ」と鳴く。あごの下を撫でてみると、ゴロゴロと喉を鳴らす。可愛い。
「寝ているとき以外は、でしょ」
「そうそう。ボクは眠るのが好きなんだ。ご主人様も到着するまで眠ったら?」
馬車がゆっくりと動き出して、景色が後ろに過ぎていく。
クッションに背をあずけて、ローズメイはコットンを撫でた。
(眠れるかしら)
ローズメイは首をかしげたけれど、膝の上で丸まる白猫の気配は穏やかな眠りへと誘ってくれるようで、数分後には心地よい眠りに落ちていった。
馬車の準備が整ったというので、ローズメイは門に向かった。
そこへ、声がかけられる。
「お前が嫁に行ってくれて助かるよ。落ちこぼれと結婚しろと言われて困ってたんだ」
絡んできたのは、従兄弟のグランツだ。幼馴染でもあり、今回の縁談が決まる前はローズメイの婚約者候補でもあった。
「結婚せずに済んでよかったわね、グランツ?」
「ああ、まったくだ!」
ローズメイが幼馴染の温度感で言えば、グランツは不機嫌に眉を寄せてついてくる。
「聞いてるぞ、お前。嫁に行くのが嫌で家出したのに、捕まって連れ戻されて、仕方なく嫁ぐんだろ」
「ちょっと遠出して買い物しただけよ。闇オークションで魔法スクロールを買ったの」
「はあ? 馬鹿みたいに高かったんじゃないのか」
破ると魔法が使える魔法スクロールは、昔の偉大なる魔法使いが遺した消耗品だ。
現代の魔法使いたちの技術では新たに創り出すことが難しいアイテムで、とても貴重で高価。普通の人間なら、生涯で一度も使う機会がないくらい。
「金はどうしたんだ」
「いろいろ売っちゃった」
「うわぁ……落ちこぼれに加えて散財か、困った嫁だな!」
グランツはローズメイを批難する材料を見つけると活き活きする。いつも。
「結婚相手が魔法嫌いな上に呪われてる侯爵家ってのも傑作だよな、お前の結婚相手は今にも死にそうな病弱男だって?」
「お噂は聞いているわ。でも、これからお元気になるの。お相手を悪くいうのはやめて」
「ふん――しょ、しょ、初夜の前に、未亡人になるかもな! こ、子供作れって言われてるんだろ。オ、オレが相手してやってもいいぜ」
「縁起の悪いことを言わないで。それに、気持ち悪い。何かいやらしい想像をしたのね、そんな顔してるわよ」
「う、うるさいな。馬鹿! いいか、オレが預言してやろう。お前は泣いて帰ってくる! イオネスは嫌いーって言ってオレの胸に飛び込んでくるぜ。向こうだって、お前みたいな魔女はお断りと言うに決まってるし」
「そうならないよう、気をつけます~~っ」
周囲の使用人たちが顔を見合わせている。微妙な表情だ。
「破談になってから俺に貰ってくれと言えば、仕方ないからオレが結婚してやらないこともないんだ。お前は察しが悪いから仕方なく教えてやるが、オレは前から……こほん。お前のことをそれほど嫌いじゃな……」
言いかけた言葉が最後まで口にされるより早く、女性の声が被さった。
「ローズメイ。馬車が来るわよ。早くいらっしゃい」
一歳年上の姉、ジュリアだ。白猫を抱っこしている。
ジュリアは、華やかな美貌の令嬢だ。落ちこぼれといわれるローズメイと違って、魔法の腕もいい。「わたくしは天才でしてよ!」という自信に満ちている。
濃い目のアイメイクに彩られた瞳は、ケダモノを見下すようにグランツを睨んだ。
「グランツ。妹は嫁ぐのよ、諦めてちょうだい。変なちょっかいを出さないで引っ込んでいて」
「へ、変なちょっかいってなんだよ!? オレはただ」
「お黙り、駄犬。憎まれ口しか叩けない男を妹が好きになるわけないじゃない。ぜんぜんダメ。駄犬は一生後悔していなさいな」
「お前だってオレに憎まれ口ばかりじゃないか」
「えっ、わ、わたくしがあなたのこと好きなわけないじゃないっ。勘違いしないでくださる?」
「……はあ?」
ローズメイとしては「意外とこの二人、仲が良いのでは? 二人でくっつけばよいのでは?」と思ったりする日常だ。
「ローズメイ。あの手のキャンキャン吠える駄犬を相手にするのは時間の無駄よ。さあ、いきましょう」
ジュリアは耳を赤くしながらローズメイの手を引き、馬車へと連れて行く。途中から地面におろされた白猫は、軽やかな足取りでついてきた。
父は、見送りに来なかった。
ローズメイたちの父であるスカーロッド伯爵は、心を病んで療養中だ。
母が亡くなったのが大きな原因として考えられる。父と母は政略結婚だったが、仲が良かったのだ。母を失ってからしばらくの間は、父は強がって笑い、無理をして一生懸命に執務に励んでいた。でもある日、限界が訪れた。
「父さん、もう何もやる気が出ないんだ」
と言って、それきり部屋に引き篭もってしまったのだ。
ゆっくり休んで、いつか元気になってほしい――姉妹はそう思っている。
姉は父の分も愛情をこめるようにして、ぎゅっと妹を抱きしめた。
「心配だわ。ローズメイったら、魔法の腕もいまいちだし」
「一族では落ちこぼれでも、お外では私でも『魔法が使えてすごい』って言われるみたいですよ、お姉様」
「あなたが使える魔法なんてせいぜいコップにお水をいれるくらいじゃない。すごいと言われて調子に乗っちゃだめよ」
姉はちょっと鼻声だ。
つられて泣いてしまいそうになる。
「お姉様、私、お手紙を書いてもいいですか?」
「好きになさいっ。返事は期待しないことね。わたくし、忙しいんだから。でも、困ったことがあったら頼ってもよろしくてよ」
「ありがとうございます、お姉様」
「いいこと? わたくし、次の当主の座をモノにするつもりなの。嫁ぎ先が気に入らなかったら帰ってきてもいいわ。誰にも文句は言わせません」
王室からの命令なのだから、『誰にも文句は言わせません』は難しいのではないか。
そう冷静に考えつつ、ローズメイは姉に頷いた。
馬車に乗り込むとき、姉は足元にいた白猫を拾い上げてローズメイに渡した。
「あなたに使い魔のプレゼントよ。名前をつけて可愛がりなさいな!」
「わあ……」
にゃあお、と鳴く白猫は、目がローズメイと同じ青色で、愛らしい。毛並みはふわふわだ。猫特有の、安心するようないい匂いがする。
「お姉様。私、この子にコットンと名前をつけます。よろしく、コットン。私はローズメイよ」
名前をつけた瞬間に、白猫の全身がほんのりと光を帯びる。使い魔としてローズメイを主人だと認めてくれたのだ。
「よろしく、ご主人様。ボクは新鮮なお魚が好物だよ。覚えておいてね」
白猫が愛嬌たっぷりに喋り出す声は、幼い男の子のよう。ちょっと生意気な感じもする可愛らしさだ。
「話し相手ができてよかった。ちょっと寂しかったの」
「ボクはいつでもご主人様の話し相手になるよ」
言いながら眠そうに目を閉じる猫の頬をむにっとつまむと、「うにっ」と鳴く。あごの下を撫でてみると、ゴロゴロと喉を鳴らす。可愛い。
「寝ているとき以外は、でしょ」
「そうそう。ボクは眠るのが好きなんだ。ご主人様も到着するまで眠ったら?」
馬車がゆっくりと動き出して、景色が後ろに過ぎていく。
クッションに背をあずけて、ローズメイはコットンを撫でた。
(眠れるかしら)
ローズメイは首をかしげたけれど、膝の上で丸まる白猫の気配は穏やかな眠りへと誘ってくれるようで、数分後には心地よい眠りに落ちていった。
11
お気に入りに追加
278
あなたにおすすめの小説
【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》
【完結】え?王太子妃になりたい?どうぞどうぞ。
櫻野くるみ
恋愛
10名の令嬢で3年もの間、争われてーーいや、押し付け合ってきた王太子妃の座。
ここバラン王国では、とある理由によって王太子妃のなり手がいなかった。
いよいよ決定しなければならないタイムリミットが訪れ、公爵令嬢のアイリーンは父親の爵位が一番高い自分が犠牲になるべきだと覚悟を決めた。
しかし、仲間意識が芽生え、アイリーンに押し付けるのが心苦しくなった令嬢たちが「だったら自分が王太子妃に」と主張し始め、今度は取り合う事態に。
そんな中、急に現れたピンク髪の男爵令嬢ユリア。
ユリアが「じゃあ私がなります」と言い出して……?
全6話で終わる短編です。
最後が長くなりました……。
ストレスフリーに、さらっと読んでいただければ嬉しいです。
ダ◯ョウ倶楽部さんの伝統芸から思い付いた話です。
玉砕するつもりで、憧れの公爵令息さまに告白したところ、承諾どころかそのまま求婚されてしまいました。
石河 翠
恋愛
人一倍真面目でありながら、片付け下手で悩んでいるノーマ。彼女は思い出のあるものを捨てることができない性格だ。
ある時彼女は、寮の部屋の抜き打ち検査に訪れた公爵令息に、散らかり放題の自室を見られてしまう。恥ずかしさのあまり焦った彼女は、ながれで告白することに。
ところが公爵令息はノーマからの告白を受け入れたばかりか、求婚してくる始末。実は物への執着が乏しい彼には、物を捨てられない彼女こそ人間らしく思えていて……。
生真面目なくせになぜかダメ人間一歩手前なヒロインと、そんなヒロインを溺愛するようになる変わり者ヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID3944887)をお借りしております。
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
【完結】バッドエンドの落ちこぼれ令嬢、巻き戻りの人生は好きにさせて貰います!
白雨 音
恋愛
伯爵令嬢エレノアは、容姿端麗で優秀な兄姉とは違い、容姿は平凡、
ピアノや刺繍も苦手で、得意な事といえば庭仕事だけ。
家族や周囲からは「出来損ない」と言われてきた。
十九歳を迎えたエレノアは、侯爵家の跡取り子息ネイサンと婚約した。
次期侯爵夫人という事で、厳しい教育を受ける事になったが、
両親の為、ネイサンの為にと、エレノアは自分を殺し耐えてきた。
だが、結婚式の日、ネイサンの浮気を目撃してしまう。
愚行を侯爵に知られたくないネイサンにより、エレノアは階段から突き落とされた___
『死んだ』と思ったエレノアだったが、目を覚ますと、十九歳の誕生日に戻っていた。
与えられたチャンス、次こそは自分らしく生きる!と誓うエレノアに、曾祖母の遺言が届く。
遺言に従い、オースグリーン館を相続したエレノアを、隣人は神・精霊と思っているらしく…??
異世界恋愛☆ ※元さやではありません。《完結しました》
少し先の未来が見える侯爵令嬢〜婚約破棄されたはずなのに、いつの間にか王太子様に溺愛されてしまいました。
ウマノホネ
恋愛
侯爵令嬢ユリア・ローレンツは、まさに婚約破棄されようとしていた。しかし、彼女はすでにわかっていた。自分がこれから婚約破棄を宣告されることを。
なぜなら、彼女は少し先の未来をみることができるから。
妹が仕掛けた冤罪により皆から嫌われ、婚約破棄されてしまったユリア。
しかし、全てを諦めて無気力になっていた彼女は、王国一の美青年レオンハルト王太子の命を助けることによって、運命が激変してしまう。
この話は、災難続きでちょっと人生を諦めていた彼女が、一つの出来事をきっかけで、クールだったはずの王太子にいつの間にか溺愛されてしまうというお話です。
*小説家になろう様からの転載です。
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
その愛は本当にわたしに向けられているのですか?
柚木ゆず
恋愛
「貴女から目を離せなくなってしまいました。この先の人生を、僕と一緒に歩んで欲しいと思っています」
わたしアニエスは、そんな突然の申し出によって……。大好きだった人との婚約を解消することになり、アリズランド伯爵令息クリストフ様と婚約をすることとなりました。
お父様の命令には逆らえない……。貴族に生まれたからには、そんなこともある……。
溢れてくる悲しみを堪えわたしはクリストフ様の元で暮らすようになり、クリストフ様はとても良くしてくださいました。
ですが、ある日……。わたしはそんなクリストフ様の言動に、大きな違和感を覚えるようになるのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる