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2章、第二王子は魔王ではありません
33、魔王のぬいぐるみが無くなりました
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「魔王のぬいぐるみが無くなった?」
雨が降りそそぐ昼下がりの出来事である。
魔法学校2年生、『魔女家』の令嬢マリンベリーこと私は、その時、占星術の授業に出席していた。
ピンク色の耳長猫ルビィがご主人様からの付箋メモをくわえてきて、魔王のぬいぐるみが無くなったことを知ったのだ。
「私語は厳禁」
占星術師の先生は、毛先を紫に染めた白髪のアルメリク先生。年齢が近くて家柄のいいミディー先生をライバル視している平民出身の先生だ。
授業で使う占い道具は大きな水晶玉。
「手をかざして魔力をそそいで見えたものについての考察をレポートにまとめなさい」
先生の指示で、生徒たちがそれぞれの机に置いた水晶玉を覗いている。
私の水晶玉には――あ、パーニス殿下が映ったかも?
「ちっ」
興味津々で水晶玉を覗いていると、舌打ち混じりに肩を叩かれた。
顔を上げると、すごく不機嫌そうに眉間にしわを寄せたアルメリク先生が私を見下ろしている。
「我らが貴き校長先生が早速、特権を振りかざされた。行きたまえ」
「えっ。わかりました」
校長先生からの呼び出し? 一体、なんだろう?
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
校長室には、私の養い親であり魔女家当主でもあるキルケ様がいた。
真っ黒の魔女帽子に黒髪、紺色の瞳をした、あいかわらず可愛らしいショタっぷりである。
「やあ、ボクの可愛い娘マリンベリー。占星術の授業中だったんだって? 何か視えたかい」
「殺人事件みたいな光景が見えたかもしれません」
「ふうむ、物騒だね。実は悪い知らせがあって、賢者家が封印していた魔王のぬいぐるみが無くなったんだ。今日は早退しておうちにいるように。マリンベリーは魔王に恨まれてる恐れもあるからね」
キルケ様は私のミントブルーの髪を愛でるように撫でながら、養い親権限を振りかざした。
家に帰ったら自室に軟禁されるかもしれない。
「でもキルケ様。占いのレポートが……」
「おうちでおやり。それと、この魔法学校は今日からボクが校長になる。今日は早退させるが、明日までにこれまでの百倍安全な魔法要塞をつくってやろう」
「校長先生に? それはおめでとうございます」
ところで、早退とは。
「キルケ様の仰り方ですと、本日は危ないので帰宅させるということですよね。では、もちろん私だけが特別扱いではなくて生徒は全員早退して安全を期する、ということで合ってますよね?」
「他の生徒の心配をするなんて、ボクのマリンベリーはなんて優しいのだろう。では、そうしよう」
魔女家に帰ると、案の定、自室に軽い軟禁状態となった。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
「出して―……あ、出られる」
魔法は使われていなくて、出ようと思えば部屋の外に出ることはできる。いいことだ。
でも、部屋の外に出ようとすると、赤毛のメイド、アンナが脚にすがりついてくる。
「できるだけお部屋にいさせるようにと上司から言われているんですう。アッ、お嬢様のおみ足にしがみつくなんて、アンナは悪いメイドです。アンナは悪いメイドです。ハァハァ」
「わかったわアンナ。私はお部屋で過ごすから」
「ハーブティーとスコーンをお持ちしますね、お嬢様!」
アンナはパチンと指を鳴らし、いそいそと部屋を出て行った。
宿題を先に終わらせてから、私はチューリップ柄のレターセットを取り出した。羽つきペンで書く手紙の送り先は、お休み中のイアンディール先輩だ。
『イアンディール先輩へ
学校をお休みなさっていますが、お元気ですか。次は、いつごろ登校できそうでしょうか。ランチ会のみんなも心配していました。
今日は、お母様にお部屋にいるように言われてしまって、学校を早退して宿題をたくさんしました。
ただ、私はずっとお部屋で大人しくしているのは苦手な方でして……。
先輩も暇を持て余していたりしないかと思いまして。
自分だったら、事件のその後とか、世の中の出来事が知りたいかなと思って、お手紙を書いてみることにしました。
守護大樹は、あと数日あれば浄化が完了できる見込みだそうです。私も浄化完了の確認式とお祝いパーティに出る予定です。
五果の二十三枝に起きた魔王関連の事件については、国王陛下や大臣たちが連日会議を躍らせています。
イージス殿下は「魔王の人格が行ったことでも、自分の身体で罪を犯したことに違いない。無罪にはしないでほしい」と主張なさっています。
国王陛下も「王として決して息子だからという私情で情状酌量をするわけではなく、息子だからこそ厳しくしないといけない」と頭を悩ませているご様子。
現状、一番有力な落としどころは「イージス殿下が病気に罹ったため、王太子の位をパーニス殿下に譲り、療養生活を送る」という案となっています。
私は良い案ではないかと思うのですが、先輩はいかが思われますか?
そうそう、それと、魔王のぬいぐるみが無くなったらしいのです。
それもあって私はお部屋で安全第一な過ごし方をしているのですが、王都民に被害が出たりしなければいいなと思っています。
あっ、魔法学校は、安全になりそうですよ。
キルケ様が校長先生になって張り切っていらっしゃいました。
「平和が一番」っていう言葉、前は「刺激が足りない」と感じていたときもあったのですけど、こういう世界にいると「わかるな~」って思っちゃいますね。
先輩は、いかが思われますか?』
宿泊施設の個室にいたとき、イアンディールが寂しそうだったのと、バッドエンドルートのスチルみたいな「車いす姿でイージス殿下といる」光景を再現されてしまったのが、やっぱり気になったので。
……気になると言えば、水晶占い。
「パーニス殿下が血まみれのエリナを抱きしめているのが視えた気がするんだけど」
私の水晶には、とっても気になる光景が見えてしまっていたのである。
血まみれのエリナが、ステンドグラスが綺麗な教会のような場所でパーニス殿下の腕の中、目を閉じる。
あれって、エリナが死んじゃうってこと?
頭をかしげていると、「俺がなんだって」と声がかけられる。
振り返ると部屋の扉が開いていて、パーニス殿下がいた。
「……パーニス殿下!」
雨が降りそそぐ昼下がりの出来事である。
魔法学校2年生、『魔女家』の令嬢マリンベリーこと私は、その時、占星術の授業に出席していた。
ピンク色の耳長猫ルビィがご主人様からの付箋メモをくわえてきて、魔王のぬいぐるみが無くなったことを知ったのだ。
「私語は厳禁」
占星術師の先生は、毛先を紫に染めた白髪のアルメリク先生。年齢が近くて家柄のいいミディー先生をライバル視している平民出身の先生だ。
授業で使う占い道具は大きな水晶玉。
「手をかざして魔力をそそいで見えたものについての考察をレポートにまとめなさい」
先生の指示で、生徒たちがそれぞれの机に置いた水晶玉を覗いている。
私の水晶玉には――あ、パーニス殿下が映ったかも?
「ちっ」
興味津々で水晶玉を覗いていると、舌打ち混じりに肩を叩かれた。
顔を上げると、すごく不機嫌そうに眉間にしわを寄せたアルメリク先生が私を見下ろしている。
「我らが貴き校長先生が早速、特権を振りかざされた。行きたまえ」
「えっ。わかりました」
校長先生からの呼び出し? 一体、なんだろう?
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校長室には、私の養い親であり魔女家当主でもあるキルケ様がいた。
真っ黒の魔女帽子に黒髪、紺色の瞳をした、あいかわらず可愛らしいショタっぷりである。
「やあ、ボクの可愛い娘マリンベリー。占星術の授業中だったんだって? 何か視えたかい」
「殺人事件みたいな光景が見えたかもしれません」
「ふうむ、物騒だね。実は悪い知らせがあって、賢者家が封印していた魔王のぬいぐるみが無くなったんだ。今日は早退しておうちにいるように。マリンベリーは魔王に恨まれてる恐れもあるからね」
キルケ様は私のミントブルーの髪を愛でるように撫でながら、養い親権限を振りかざした。
家に帰ったら自室に軟禁されるかもしれない。
「でもキルケ様。占いのレポートが……」
「おうちでおやり。それと、この魔法学校は今日からボクが校長になる。今日は早退させるが、明日までにこれまでの百倍安全な魔法要塞をつくってやろう」
「校長先生に? それはおめでとうございます」
ところで、早退とは。
「キルケ様の仰り方ですと、本日は危ないので帰宅させるということですよね。では、もちろん私だけが特別扱いではなくて生徒は全員早退して安全を期する、ということで合ってますよね?」
「他の生徒の心配をするなんて、ボクのマリンベリーはなんて優しいのだろう。では、そうしよう」
魔女家に帰ると、案の定、自室に軽い軟禁状態となった。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
「出して―……あ、出られる」
魔法は使われていなくて、出ようと思えば部屋の外に出ることはできる。いいことだ。
でも、部屋の外に出ようとすると、赤毛のメイド、アンナが脚にすがりついてくる。
「できるだけお部屋にいさせるようにと上司から言われているんですう。アッ、お嬢様のおみ足にしがみつくなんて、アンナは悪いメイドです。アンナは悪いメイドです。ハァハァ」
「わかったわアンナ。私はお部屋で過ごすから」
「ハーブティーとスコーンをお持ちしますね、お嬢様!」
アンナはパチンと指を鳴らし、いそいそと部屋を出て行った。
宿題を先に終わらせてから、私はチューリップ柄のレターセットを取り出した。羽つきペンで書く手紙の送り先は、お休み中のイアンディール先輩だ。
『イアンディール先輩へ
学校をお休みなさっていますが、お元気ですか。次は、いつごろ登校できそうでしょうか。ランチ会のみんなも心配していました。
今日は、お母様にお部屋にいるように言われてしまって、学校を早退して宿題をたくさんしました。
ただ、私はずっとお部屋で大人しくしているのは苦手な方でして……。
先輩も暇を持て余していたりしないかと思いまして。
自分だったら、事件のその後とか、世の中の出来事が知りたいかなと思って、お手紙を書いてみることにしました。
守護大樹は、あと数日あれば浄化が完了できる見込みだそうです。私も浄化完了の確認式とお祝いパーティに出る予定です。
五果の二十三枝に起きた魔王関連の事件については、国王陛下や大臣たちが連日会議を躍らせています。
イージス殿下は「魔王の人格が行ったことでも、自分の身体で罪を犯したことに違いない。無罪にはしないでほしい」と主張なさっています。
国王陛下も「王として決して息子だからという私情で情状酌量をするわけではなく、息子だからこそ厳しくしないといけない」と頭を悩ませているご様子。
現状、一番有力な落としどころは「イージス殿下が病気に罹ったため、王太子の位をパーニス殿下に譲り、療養生活を送る」という案となっています。
私は良い案ではないかと思うのですが、先輩はいかが思われますか?
そうそう、それと、魔王のぬいぐるみが無くなったらしいのです。
それもあって私はお部屋で安全第一な過ごし方をしているのですが、王都民に被害が出たりしなければいいなと思っています。
あっ、魔法学校は、安全になりそうですよ。
キルケ様が校長先生になって張り切っていらっしゃいました。
「平和が一番」っていう言葉、前は「刺激が足りない」と感じていたときもあったのですけど、こういう世界にいると「わかるな~」って思っちゃいますね。
先輩は、いかが思われますか?』
宿泊施設の個室にいたとき、イアンディールが寂しそうだったのと、バッドエンドルートのスチルみたいな「車いす姿でイージス殿下といる」光景を再現されてしまったのが、やっぱり気になったので。
……気になると言えば、水晶占い。
「パーニス殿下が血まみれのエリナを抱きしめているのが視えた気がするんだけど」
私の水晶には、とっても気になる光景が見えてしまっていたのである。
血まみれのエリナが、ステンドグラスが綺麗な教会のような場所でパーニス殿下の腕の中、目を閉じる。
あれって、エリナが死んじゃうってこと?
頭をかしげていると、「俺がなんだって」と声がかけられる。
振り返ると部屋の扉が開いていて、パーニス殿下がいた。
「……パーニス殿下!」
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