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1章、王太子は悪です
23、スタートしましょう、スタート、以上
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『五果の二十二枝』……5月22日。
天気は、青空が眩しすぎるくらいの晴れ。
魔法学校の狩猟大会『ダンジョン&ダンジョン』が幕を開けた。
海を臨む現地会場は、潮の香りがする。白い砂浜に寄せては返す波はいつまでも見ていたくなる独特の風情があり、遠景で深い青を湛えた海面に陽射しが煌く光景ときたら、ちっぽけな悩みも日常もなにもかも忘れて見入ってしまいそうな美しさだ。
「がんばれよー」
「売り子さん、麦酒2つ~」
観客席には大勢の観客が集まっている。
食べ物や飲み物入りのワゴンを押す売り子が忙しそうに働いているのが見えた。お仕事お疲れ様です。
「うちの子、どこにいるんだろう」
「おっ、あそこにいたぞ」
観客は、魔法学校に通う生徒の父兄もいれば、単なるお祭り騒ぎ好きの国民もいる。
「どの班が優勝するか賭けようぜ」
「そりゃ、やっぱ、イージス殿下の班だろうよ」
「ダメ王子もいるのか」
「でもあの王子、最近は『ダメじゃない』って噂だぜ」
カラクリ技術士と魔法使いたちがこの日のために用意したのが、観客席を守る結界や、巨大スクリーンだ。
会場に設置された巨大スクリーンには各攻略班の姿がリアルタイムで映し出されている。
時折、注目班が大画面で映ったりもするので、目立つのが苦手な生徒には、ちょっと辛いかもしれない。
守護大樹の浄化で多忙な中、魔女帽子をかぶった魔女家当主キルケも来てくれた。
「ボクの娘がいる班は当然、一位になるだろうね。ふふん、これは預言だよ。ところで、メンバーは誰だい」
「お嬢様ぁ~~! アンナはここにいますぅ! 瞬きひとつせず、勇姿を見守りますからね~~!」
赤毛のメイド、アンナも号泣しながらハンカチを振っている。使い魔は出場禁止されてしまったので、アンナの腕にはルビィが抱っこされていた。
まだ始まってもいないけど、アンナはなぜ泣いているのだろう……。
「魔女家の当主がこういうイベントに顔を出すのは珍しいな。まして、最近は忙しいだろうに」
ざわざわと噂される中、キルケは杖を蒼穹に掲げて魔法の花火を打ち上げた。
「娘の晴れ舞台を応援しない親がいるかい」
そんなキルケに無遠慮なコメントをするのは、賢者家当主カリストだ。パンダのぬいぐるみ姿のカリストを抱っこしたミディー先生は、司会役の腕章をつけていた。
「キルケはしばらく見ない間に、親バカっぽくなっておるな。以上」
「カリスト様。無礼ですよ。以上」
「親バカは褒め言葉じゃ。やーい、キルケの親バカ。以上」
「カリスト様。その言い方ですと煽っているようにしか聞こえません……ええい、もうスタートしましょう、スタート! 以上っ!」
魔法で拡声したアナウンスが大会のスタートを告げて、生徒たちは一斉にダンジョン攻略をスタートした。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
「それでは、スタート! 以上っ! 仲よくね……ミディー先生、本音を言うと競ったりするのが苦手なんだよね。みんな一人一人が一番だよ。先生、そう思うんだ……以上……」
司会のアナウンスが自分の価値観を語る声を聞きながら、私はスタートを切った。
イージス殿下の班は、箒で飛翔する。
メンバーは、イージス殿下、イアンディール、アルティナ、マリンベリーだ。
パーニス殿下の班は、飛翔せず走るようだった。
メンバーは、パーニス殿下、エリナ、セバスチャン、クロヴィス。
――狩猟大会『ダンジョン&ダンジョン』は、2つのダンジョン攻略で順位を競うイベントだ。
ダンジョンの内部には、宮廷魔法使いたちが創り出した疑似魔物がひしめいている。
1つ目のダンジョンは『イリュージョンスカイ・ダンジョン』。
塔の形状をしたダンジョンで、攻略者たちは上に登っていく。
塔の頂上からは2つ目のダンジョン攻略だ。
今度は『アクアリウム・シーダンジョン』。
攻略者たちは下へと降りていく。
順位は「1つ目のダンジョンの攻略タイム」と「2つ目のダンジョンの攻略タイム」、さらに「攻略中に討伐した疑似魔物の数」によって算出されるポイントの高さで競われる。
ちなみに、原作では魔王が本物の魔物を紛れさせていたが、イージス殿下が本当に「魔王の人格に打ち勝ち、肉体の主導権を握っている」なら、ダンジョンで出てくる魔物は教員が用意したニセモノの魔物たちだ。
可愛らしい見た目をしていて、怪我をしないはず。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
飛翔する速度をグングン上げて、仲間と一緒に飛んでいく。
周囲の壁模様は不安定で、前世の景色が映し出されたりするけど、極力見ないようにしている。
『イリュージョンスカイ・ダンジョン』は、自分にしか見えない心象風景を見せる幻影の壁に囲まれたダンジョンだ。
トラウマを見ながら魔物と戦うという、ゲームだったら「萌え!」となるイベントなのだが、自分がリアルでやる側となると「勘弁して」と言いたくなるギミックなのである。
まとまって飛翔するイージス班の最後尾を守るイアンディールが、声を送ってくる。
「予定通り、このダンジョンでは戦わない。気を紛らわすため、惚気でも恋の悩みでも愚痴でも、なんでもいい。楽しかったり気が紛れることを言いながら速度重視で飛ぶんだ」
それは、私たちが事前に決めた作戦だった。
「お父様に愛人がいるのですわ。わたくし見ちゃいましたの。不潔ですわ! 許しませんわ!」
アルティナが父親の愚痴を言っている。うわあ……。
「父親かあ。うちはどちらかというと忙しくて家にほとんどいないからな。放置されているんだよね、僕」
イアンディールが父親の話題に乗っている。
これ、私も乗るべき?
「私の父は……」
前世の父と今世の父が同時に思い浮かんで、言葉に詰まった。
「上に続く階段がありましたよ。階段の上を飛んで上の階に行きましょう」
イージス殿下がコースを誘導する声に続いて、背後から轟音が聞こえた。ドォーン、ドカーンという派手な破壊音だ。
なんだろう……。
後ろの方で何が起きてるんだろう……。
「イアンディール?」
「後続の班が派手に暴れているらしい。気にせずいこう」
イアンディールは「大したことない」という気配だった。
それなら大丈夫なのかな?
天気は、青空が眩しすぎるくらいの晴れ。
魔法学校の狩猟大会『ダンジョン&ダンジョン』が幕を開けた。
海を臨む現地会場は、潮の香りがする。白い砂浜に寄せては返す波はいつまでも見ていたくなる独特の風情があり、遠景で深い青を湛えた海面に陽射しが煌く光景ときたら、ちっぽけな悩みも日常もなにもかも忘れて見入ってしまいそうな美しさだ。
「がんばれよー」
「売り子さん、麦酒2つ~」
観客席には大勢の観客が集まっている。
食べ物や飲み物入りのワゴンを押す売り子が忙しそうに働いているのが見えた。お仕事お疲れ様です。
「うちの子、どこにいるんだろう」
「おっ、あそこにいたぞ」
観客は、魔法学校に通う生徒の父兄もいれば、単なるお祭り騒ぎ好きの国民もいる。
「どの班が優勝するか賭けようぜ」
「そりゃ、やっぱ、イージス殿下の班だろうよ」
「ダメ王子もいるのか」
「でもあの王子、最近は『ダメじゃない』って噂だぜ」
カラクリ技術士と魔法使いたちがこの日のために用意したのが、観客席を守る結界や、巨大スクリーンだ。
会場に設置された巨大スクリーンには各攻略班の姿がリアルタイムで映し出されている。
時折、注目班が大画面で映ったりもするので、目立つのが苦手な生徒には、ちょっと辛いかもしれない。
守護大樹の浄化で多忙な中、魔女帽子をかぶった魔女家当主キルケも来てくれた。
「ボクの娘がいる班は当然、一位になるだろうね。ふふん、これは預言だよ。ところで、メンバーは誰だい」
「お嬢様ぁ~~! アンナはここにいますぅ! 瞬きひとつせず、勇姿を見守りますからね~~!」
赤毛のメイド、アンナも号泣しながらハンカチを振っている。使い魔は出場禁止されてしまったので、アンナの腕にはルビィが抱っこされていた。
まだ始まってもいないけど、アンナはなぜ泣いているのだろう……。
「魔女家の当主がこういうイベントに顔を出すのは珍しいな。まして、最近は忙しいだろうに」
ざわざわと噂される中、キルケは杖を蒼穹に掲げて魔法の花火を打ち上げた。
「娘の晴れ舞台を応援しない親がいるかい」
そんなキルケに無遠慮なコメントをするのは、賢者家当主カリストだ。パンダのぬいぐるみ姿のカリストを抱っこしたミディー先生は、司会役の腕章をつけていた。
「キルケはしばらく見ない間に、親バカっぽくなっておるな。以上」
「カリスト様。無礼ですよ。以上」
「親バカは褒め言葉じゃ。やーい、キルケの親バカ。以上」
「カリスト様。その言い方ですと煽っているようにしか聞こえません……ええい、もうスタートしましょう、スタート! 以上っ!」
魔法で拡声したアナウンスが大会のスタートを告げて、生徒たちは一斉にダンジョン攻略をスタートした。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
「それでは、スタート! 以上っ! 仲よくね……ミディー先生、本音を言うと競ったりするのが苦手なんだよね。みんな一人一人が一番だよ。先生、そう思うんだ……以上……」
司会のアナウンスが自分の価値観を語る声を聞きながら、私はスタートを切った。
イージス殿下の班は、箒で飛翔する。
メンバーは、イージス殿下、イアンディール、アルティナ、マリンベリーだ。
パーニス殿下の班は、飛翔せず走るようだった。
メンバーは、パーニス殿下、エリナ、セバスチャン、クロヴィス。
――狩猟大会『ダンジョン&ダンジョン』は、2つのダンジョン攻略で順位を競うイベントだ。
ダンジョンの内部には、宮廷魔法使いたちが創り出した疑似魔物がひしめいている。
1つ目のダンジョンは『イリュージョンスカイ・ダンジョン』。
塔の形状をしたダンジョンで、攻略者たちは上に登っていく。
塔の頂上からは2つ目のダンジョン攻略だ。
今度は『アクアリウム・シーダンジョン』。
攻略者たちは下へと降りていく。
順位は「1つ目のダンジョンの攻略タイム」と「2つ目のダンジョンの攻略タイム」、さらに「攻略中に討伐した疑似魔物の数」によって算出されるポイントの高さで競われる。
ちなみに、原作では魔王が本物の魔物を紛れさせていたが、イージス殿下が本当に「魔王の人格に打ち勝ち、肉体の主導権を握っている」なら、ダンジョンで出てくる魔物は教員が用意したニセモノの魔物たちだ。
可愛らしい見た目をしていて、怪我をしないはず。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
飛翔する速度をグングン上げて、仲間と一緒に飛んでいく。
周囲の壁模様は不安定で、前世の景色が映し出されたりするけど、極力見ないようにしている。
『イリュージョンスカイ・ダンジョン』は、自分にしか見えない心象風景を見せる幻影の壁に囲まれたダンジョンだ。
トラウマを見ながら魔物と戦うという、ゲームだったら「萌え!」となるイベントなのだが、自分がリアルでやる側となると「勘弁して」と言いたくなるギミックなのである。
まとまって飛翔するイージス班の最後尾を守るイアンディールが、声を送ってくる。
「予定通り、このダンジョンでは戦わない。気を紛らわすため、惚気でも恋の悩みでも愚痴でも、なんでもいい。楽しかったり気が紛れることを言いながら速度重視で飛ぶんだ」
それは、私たちが事前に決めた作戦だった。
「お父様に愛人がいるのですわ。わたくし見ちゃいましたの。不潔ですわ! 許しませんわ!」
アルティナが父親の愚痴を言っている。うわあ……。
「父親かあ。うちはどちらかというと忙しくて家にほとんどいないからな。放置されているんだよね、僕」
イアンディールが父親の話題に乗っている。
これ、私も乗るべき?
「私の父は……」
前世の父と今世の父が同時に思い浮かんで、言葉に詰まった。
「上に続く階段がありましたよ。階段の上を飛んで上の階に行きましょう」
イージス殿下がコースを誘導する声に続いて、背後から轟音が聞こえた。ドォーン、ドカーンという派手な破壊音だ。
なんだろう……。
後ろの方で何が起きてるんだろう……。
「イアンディール?」
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