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1章、王太子は悪です
2、返り血だ。気にするな
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「……パーニス殿下! そのお姿は?」
「返り血だ。気にするな。それより、いくら病人でも、魔法で扉を封じて出れなくするのはよくないのではないか。当主に俺の意見を伝えるように」
使用人がパーニス殿下の言葉を伝えに行くのが見える。
やったぁ。軟禁解除してもらえそう。
「ありがとうございます、殿下!」
パーニス殿下は、そもそもにしてマリンベリーの恩人で、幼馴染だ。
6歳の時、私は孤児院にいた。
魔化病という不治の流行病で平民の両親が魔物になって殺され、引き取られたのだ。
そこに、8歳だったパーニス殿下が魔女家当主と一緒に訪れた。
初対面のパーニス殿下は「こいつ、魔法の才能があると思う」と才能に気付いてくれた。
彼が魔女家当主に「引き取っては?」と推薦してくれたので、私は養子になれたのだ。
魔女家での家族関係は、前世と比べるとよそよそしい。
でも、衣食住の心配なく贅沢できて、教育を受けさせてもらえている。
だから、私はパーニス殿下に恩を感じている。
パーニス殿下は魔女家に頻繁に立ち寄るので、顔を合わせる機会も多かった。
幼馴染、親しい間柄……と言っていいと思う。
乙女ゲームのバッドエンドでは、魔王じゃないのに魔王認定されて処刑されてしまう……。
さて、そんなパーニス殿下が今、目の前にいる。
「約束を破って悪かったな。しかし、ショックで倒れるとは思わなかったぞ」
「そのショックで倒れたわけではないのですが」
血痕をつけて、どこで何をしてきたんだろう?
原作通りなら、人助けとか魔物退治とかしていたのかも。
パーニス殿下は昼間、人前で寝てたり学業や公式行事をさぼりがちで「ダメ王子」と呼ばれている。
でも、実は秘密組織【フクロウ】という王都を守る組織の総長さま。
「無能で怠惰だと思ってたら、実は影で人々の平和を守るために戦ってた」という萌え&燃えな設定のキャラなのだ。
でも、今みたいに「実はこんな事情があって約束を守れなかった」と自己弁護をしないから、パーニス殿下は「不誠実」「ダメ王子」という印象ばかり深めてしまう人なんだ。
「パーニス殿下。頑張っていらしたのでしょう。お仕事お疲れ様です」
「は?」
「私、知ってます。パーニス殿下は魔王じゃありません。安心してください」
「は……?」
困惑顔を浮かべるパーニス殿下の手を握って上下に揺らすと、彼の目が手と顔を何度も見比べている。
「どうしたお前、変だぞ」
「私、変わったんです」
「別人みたいになってないか? 倒れた時に白眼をむいたとか吐血したとか下着が丸出しでメイドと濃厚に絡み合ってもう嫁にいけないとか聞いたぞ。なんで起きてるんだ、寝てろ。医師には診てもらったか?」
「その話、大袈裟に盛られてると思います。嘘です。医師は不要です」
サッと身体が抱き上げられて、ベッドに寝かされる。
部屋の入り口で見守っていたメイドのアンナが「お嬢様と絡み合ったのは私です、私が犯人です! 死んでお詫びします!」と悲鳴をあげた。
「死なないでアンナ」
「医師を呼ぶ。マリンベリーは寝てろ」
パーニス殿下は私とアンナを見比べてから、部屋から出ていこうとした。
「パーニス殿下、お待ちください! 大事なお話があるんです!」
「な……っ、なんだ。そんな風にしがみついて」
殿下の背中にすがりついて止めると、メイドのアンナが「お嬢様、ベッドの傍で家族以外の異性に抱き着くなんて、はしたないです!」と泣きながら止めに入ってくる。泣かないで。
「大事な話なら俺からもあるが、先に話を聞こうじゃないか。レディファーストだ」
「王子殿下、ヒロイン役をしませんか? 聖女になりませんか? 放置していると不幸になる美男子たちを助けて、好感度をあげていくんです。モテモテです」
必死に言えば、アンナが「お嬢様が王子殿下に変なことを!」と悲鳴をあげて卒倒した。ごめんね。
パーニス殿下は運ばれていくアンナを見送りつつ、首をかしげている。
「学校で演劇でもあるのか? 俺は男だが?」
「聖男……聖者? まあ、呼び方より、中身が大事だと思うんですよね。男性でも大丈夫です」
乙女ゲームとか前世とか、説明が難しいよね。
どう説明したらいいかわからない。順を追って少しずつ説明するとして、今は大事なことだけ伝えよう。
「パーニス殿下は、聖女になるための条件を満たしています。私が原作知識……未来予知みたいな能力でサポートしますから、指示通りに行動してください。困っている人たちや、この国の未来のためなんです! どうか聖女になってください!」
彼は自己犠牲精神がある善人だ。
善行を伏せて、ダメ王子の悪評を受け入れて、自己弁護をしない。
悪く思われても構わない、と言って、困っている人たちや、この国の未来のために尽くしている人だ。
だから、「困っている人たちや、この国の未来のため」と言えば協力してくれるに違いない。
そんな彼を、私は必ず立派なハーレムルートヒロインにしてみせる!
私が決意を固めていると、パーニス殿下は頷いてくれた。いい人だ。
「正直よくわからないが、約束を破った贖罪もしないといけないしな。演劇にせよ現実にせよ、俺にできることはしてやろう。お前は他の誰でもなく、俺を頼るといい」
そして、真剣な顔で私の手を取った。
んっ?
「それと、俺はお前に婚約を申し込む」
「えっ?」
パーニス殿下は私の指に白銀に煌めく指輪を填めた。
あれ? 急展開だ。
マリンベリーは婚約者候補ではあるけど、乙女ゲームでは振られるだけのキャラで、婚約する展開なんてないはずだよ?
「なぜ?」
目を点にして首をかしげると、パーニス殿下は驚いた顔をした。
「お前は俺か兄上のどちらかと婚約したいと周り中にアピールしていたではないか。喜ぶと思っていたが?」
「あっ。そんな記憶がありますね……」
「記憶障害か? 医師に報告しておこう」
心配そうにしている。うーん、いい人オーラがすごい。
「正式な申し込みは後日になるが、先に指輪を贈る。明日以降、どんなに好条件で俺以外からの婚約申し込みが入っても受けないでほしい。実は、兄上もお前との婚約を急に前向きに検討し始めたようなのだが……兄上より俺を選んでほしい」
「えっ? は、はい?」
第一王子と第二王子が悪役令嬢との婚約をしたがってる?
そんなの、乙女ゲームにはない展開だ。ヒロインじゃあるまいし。
「戸惑わせてしまったようだな。まあ、俺もお前の演劇に付き合うので、その代わりと言ってはなんだが、よろしく頼む」
パーニス殿下は、大きな手で私の頭をぽんと撫でた。
よろしく頼まれちゃった。
「それと、パン屋の娘を殺したのは人間だと思われ、犯人は捕まっていない。凶器は鋭利な刃物と思われる。念のため、護衛を増やすように。俺の使い魔ルビィを置いていくから、連れて歩いてくれ」
「わあ、かわいい!」
使い魔ルビィは、猫くらいの大きさだ。
耳はウサギみたいに長く、尻尾は狐みたいにモフモフ。
ストロベリーピンク色の体毛で、額にルビーが煌めいている。目はぱっちりしたエメラルドグリーンだ。
「ルビィ、よろしくね!」
ぎゅっと抱きしめると、ルビィは可愛らしい声を発した。
「きゅう!」
ふわっふわ。抱き心地抜群だ。かわいーい! 尻尾振ってる~~!
モフモフを堪能していると、医師がやってきた。
「俺は当主と話がある。じゃあな」
パーニス殿下は医師と入れ違うように部屋を出ていった。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
「重篤な病ではないようですね。鼻血は……興奮しすぎたのでしょうか。記憶障害ねえ……」
医師は微妙な顔だ。
私は前世を思い出して人格が変わっただけよ。興奮しすぎてすみません。
「よく睡眠と栄養を摂っていただき、太陽の光を浴びて適度に運動して、経過観察しましょう」
結果、気持ちの安らぐハーブティーと睡眠薬を処方された。扉も、魔法で封じられたりしていない。軟禁されずに済んだ。
「パーニス殿下がいい人でよかった」
私は今まで「THE・悪役令嬢」な態度だったけど、そんな私にも優しくしてくれる。絶対、バッドエンドになってほしくない。幸せになってほしい。
……これが推しって感情なのかもしれない。
「私はパーニス殿下をヒロイン役にして、破滅を回避する。パーニス殿下をハッピーエンドにする」
推しが幸せになったら、自分も幸せ。そうじゃない?
「……婚約指輪だって」
指輪をもらったのなんて、初めて。
自分の指に輝く特別なアクセサリーは、なんだかくすぐったい感じがした。
「返り血だ。気にするな。それより、いくら病人でも、魔法で扉を封じて出れなくするのはよくないのではないか。当主に俺の意見を伝えるように」
使用人がパーニス殿下の言葉を伝えに行くのが見える。
やったぁ。軟禁解除してもらえそう。
「ありがとうございます、殿下!」
パーニス殿下は、そもそもにしてマリンベリーの恩人で、幼馴染だ。
6歳の時、私は孤児院にいた。
魔化病という不治の流行病で平民の両親が魔物になって殺され、引き取られたのだ。
そこに、8歳だったパーニス殿下が魔女家当主と一緒に訪れた。
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彼が魔女家当主に「引き取っては?」と推薦してくれたので、私は養子になれたのだ。
魔女家での家族関係は、前世と比べるとよそよそしい。
でも、衣食住の心配なく贅沢できて、教育を受けさせてもらえている。
だから、私はパーニス殿下に恩を感じている。
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幼馴染、親しい間柄……と言っていいと思う。
乙女ゲームのバッドエンドでは、魔王じゃないのに魔王認定されて処刑されてしまう……。
さて、そんなパーニス殿下が今、目の前にいる。
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「そのショックで倒れたわけではないのですが」
血痕をつけて、どこで何をしてきたんだろう?
原作通りなら、人助けとか魔物退治とかしていたのかも。
パーニス殿下は昼間、人前で寝てたり学業や公式行事をさぼりがちで「ダメ王子」と呼ばれている。
でも、実は秘密組織【フクロウ】という王都を守る組織の総長さま。
「無能で怠惰だと思ってたら、実は影で人々の平和を守るために戦ってた」という萌え&燃えな設定のキャラなのだ。
でも、今みたいに「実はこんな事情があって約束を守れなかった」と自己弁護をしないから、パーニス殿下は「不誠実」「ダメ王子」という印象ばかり深めてしまう人なんだ。
「パーニス殿下。頑張っていらしたのでしょう。お仕事お疲れ様です」
「は?」
「私、知ってます。パーニス殿下は魔王じゃありません。安心してください」
「は……?」
困惑顔を浮かべるパーニス殿下の手を握って上下に揺らすと、彼の目が手と顔を何度も見比べている。
「どうしたお前、変だぞ」
「私、変わったんです」
「別人みたいになってないか? 倒れた時に白眼をむいたとか吐血したとか下着が丸出しでメイドと濃厚に絡み合ってもう嫁にいけないとか聞いたぞ。なんで起きてるんだ、寝てろ。医師には診てもらったか?」
「その話、大袈裟に盛られてると思います。嘘です。医師は不要です」
サッと身体が抱き上げられて、ベッドに寝かされる。
部屋の入り口で見守っていたメイドのアンナが「お嬢様と絡み合ったのは私です、私が犯人です! 死んでお詫びします!」と悲鳴をあげた。
「死なないでアンナ」
「医師を呼ぶ。マリンベリーは寝てろ」
パーニス殿下は私とアンナを見比べてから、部屋から出ていこうとした。
「パーニス殿下、お待ちください! 大事なお話があるんです!」
「な……っ、なんだ。そんな風にしがみついて」
殿下の背中にすがりついて止めると、メイドのアンナが「お嬢様、ベッドの傍で家族以外の異性に抱き着くなんて、はしたないです!」と泣きながら止めに入ってくる。泣かないで。
「大事な話なら俺からもあるが、先に話を聞こうじゃないか。レディファーストだ」
「王子殿下、ヒロイン役をしませんか? 聖女になりませんか? 放置していると不幸になる美男子たちを助けて、好感度をあげていくんです。モテモテです」
必死に言えば、アンナが「お嬢様が王子殿下に変なことを!」と悲鳴をあげて卒倒した。ごめんね。
パーニス殿下は運ばれていくアンナを見送りつつ、首をかしげている。
「学校で演劇でもあるのか? 俺は男だが?」
「聖男……聖者? まあ、呼び方より、中身が大事だと思うんですよね。男性でも大丈夫です」
乙女ゲームとか前世とか、説明が難しいよね。
どう説明したらいいかわからない。順を追って少しずつ説明するとして、今は大事なことだけ伝えよう。
「パーニス殿下は、聖女になるための条件を満たしています。私が原作知識……未来予知みたいな能力でサポートしますから、指示通りに行動してください。困っている人たちや、この国の未来のためなんです! どうか聖女になってください!」
彼は自己犠牲精神がある善人だ。
善行を伏せて、ダメ王子の悪評を受け入れて、自己弁護をしない。
悪く思われても構わない、と言って、困っている人たちや、この国の未来のために尽くしている人だ。
だから、「困っている人たちや、この国の未来のため」と言えば協力してくれるに違いない。
そんな彼を、私は必ず立派なハーレムルートヒロインにしてみせる!
私が決意を固めていると、パーニス殿下は頷いてくれた。いい人だ。
「正直よくわからないが、約束を破った贖罪もしないといけないしな。演劇にせよ現実にせよ、俺にできることはしてやろう。お前は他の誰でもなく、俺を頼るといい」
そして、真剣な顔で私の手を取った。
んっ?
「それと、俺はお前に婚約を申し込む」
「えっ?」
パーニス殿下は私の指に白銀に煌めく指輪を填めた。
あれ? 急展開だ。
マリンベリーは婚約者候補ではあるけど、乙女ゲームでは振られるだけのキャラで、婚約する展開なんてないはずだよ?
「なぜ?」
目を点にして首をかしげると、パーニス殿下は驚いた顔をした。
「お前は俺か兄上のどちらかと婚約したいと周り中にアピールしていたではないか。喜ぶと思っていたが?」
「あっ。そんな記憶がありますね……」
「記憶障害か? 医師に報告しておこう」
心配そうにしている。うーん、いい人オーラがすごい。
「正式な申し込みは後日になるが、先に指輪を贈る。明日以降、どんなに好条件で俺以外からの婚約申し込みが入っても受けないでほしい。実は、兄上もお前との婚約を急に前向きに検討し始めたようなのだが……兄上より俺を選んでほしい」
「えっ? は、はい?」
第一王子と第二王子が悪役令嬢との婚約をしたがってる?
そんなの、乙女ゲームにはない展開だ。ヒロインじゃあるまいし。
「戸惑わせてしまったようだな。まあ、俺もお前の演劇に付き合うので、その代わりと言ってはなんだが、よろしく頼む」
パーニス殿下は、大きな手で私の頭をぽんと撫でた。
よろしく頼まれちゃった。
「それと、パン屋の娘を殺したのは人間だと思われ、犯人は捕まっていない。凶器は鋭利な刃物と思われる。念のため、護衛を増やすように。俺の使い魔ルビィを置いていくから、連れて歩いてくれ」
「わあ、かわいい!」
使い魔ルビィは、猫くらいの大きさだ。
耳はウサギみたいに長く、尻尾は狐みたいにモフモフ。
ストロベリーピンク色の体毛で、額にルビーが煌めいている。目はぱっちりしたエメラルドグリーンだ。
「ルビィ、よろしくね!」
ぎゅっと抱きしめると、ルビィは可愛らしい声を発した。
「きゅう!」
ふわっふわ。抱き心地抜群だ。かわいーい! 尻尾振ってる~~!
モフモフを堪能していると、医師がやってきた。
「俺は当主と話がある。じゃあな」
パーニス殿下は医師と入れ違うように部屋を出ていった。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
「重篤な病ではないようですね。鼻血は……興奮しすぎたのでしょうか。記憶障害ねえ……」
医師は微妙な顔だ。
私は前世を思い出して人格が変わっただけよ。興奮しすぎてすみません。
「よく睡眠と栄養を摂っていただき、太陽の光を浴びて適度に運動して、経過観察しましょう」
結果、気持ちの安らぐハーブティーと睡眠薬を処方された。扉も、魔法で封じられたりしていない。軟禁されずに済んだ。
「パーニス殿下がいい人でよかった」
私は今まで「THE・悪役令嬢」な態度だったけど、そんな私にも優しくしてくれる。絶対、バッドエンドになってほしくない。幸せになってほしい。
……これが推しって感情なのかもしれない。
「私はパーニス殿下をヒロイン役にして、破滅を回避する。パーニス殿下をハッピーエンドにする」
推しが幸せになったら、自分も幸せ。そうじゃない?
「……婚約指輪だって」
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