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4、奪還のベリル
284、聖女さまが神鳥様にお歌を捧げて、新たな加護を授かったぞ!
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ジーナが用意してくれた湯上がりドリンクは、底に黄緑色の糖蜜が沈んでいて、上にカットされた果実が浮かべられている。
味は、すっきりとした爽やかな甘い味だ。
ドリンクを味わいながら、フィロシュネーはルートが目を開けるのを見た。黒い瞳は、ちょっと寂しそうな気配がある。満たされない何かがあるような、そんな雰囲気だ。
「フェニックスは、長くお湯に浸かっていて具合が悪くなったりはしないのでしょうか。炎が湯の中にあるのが気になるのですが?」
ルートが大人しいフェニックスだと認識したらしきダーウッドは、おそろいのドリンクを飲みながらじろじろと視線を向けている。
「ほんとうに自然に生息している魔法生物のフェニックスなのでしょうか。フェニックスが人間の言葉を話すとは、聞いたことがありませんぞ」
疑わしそうなダーウッドの視線に、ルートはぱしゃりと翼を揺らした。
「なにせ鳥頭で長い年月を過ごしているものだから、実はわしも自分がどういう存在であったかよくわからなくなっています」
「ええ……?」
「友人とはぐれてしまって、探していたような気もするのですが。どんな友人で、覚えているのがルートという名前だけだったので、とりあえず忘れないように自分の名前にして名乗っています」
「えっと……それでは、あなた自身のお名前は?」
「忘れました」
「ええ……?」
フィロシュネーたちは困惑して視線を交わした。
そんな「レディたち」を見つめて、ルートは「わしは千年以上はこうしているのですが、だんだんと鳥頭になっていくようで、いろいろな記憶があいまいになったり、思い出せなくなったりするのです」と語る。
ダーウッドはそんなルートに共感をおぼえたようで、声をやわらかくしている。
「ふむ。私は二百八十四歳になりますが、たしかに昔のことを忘れてしまいそうで日記に書き留めるようになりました」
ルートは、三つのことを教えてくれた。
ひとつめは、巣でのんびりと眠って昔の夢を見ていたこと。
ふたつめは、青国と空国の登山隊が騒がしくて目が覚めたこと。
みっつめは、目が覚めたあと、夢の内容を忘れてしまって、ちょっとしょんぼりしていること。
「お、お詫びをしましょう」
フィロシュネーは侍女ジーナに頼み、ルートのための特製果実ドリンクをつくらせた。
身体自体が炎でできていそうなフェニックスは、果たして飲み物を飲むのか? と思ってみていると、ルートは普通の鳥のように嘴を使い、ドリンクを飲んでみせた。
「登山隊が眠りを邪魔してしまってごめんなさい」
「いえいえ。よくあることです。わしはオガミなので、可愛らしいレディに起こされるのは嬉しいことですよ」
「オガミ?」
「オスということです」
古い言葉なのかもしれない。フィロシュネーはあとで調べてみようと思った。
「石像を壊されたのは、悲しかったです。あの石像はきっと友人の姿を模して、昔のわしが造ったように思うので」
「えっ。そ、そ、それはすみませんっ」
「昔のわしは、今よりも力が強かったように思います。以前は山全体に『魔法や呪術の使用を禁止する』結界を張っていたと思うのですが……思えばそれも、かつての登山者に壊されてしまったのでしたかねえ」
ルートは記憶を思い出すように目を細めて、ずずっとドリンクをすすった。
「あ、昔のことをなにか思い出せましたの?」
「レディとお話すると、この鳥頭も元気が出るようです。若返るといいますか、活性化するといいますか。よければ、わしのために可愛いお歌をうたってくださいませんか? わしは、レディのお歌を好むのです」
まるで、神鳥に歌を捧げる儀式のよう。
フィロシュネーがそう思ったとき、衝立の向こうからオカリナの音が聞こえてきた。
――♪
……ハルシオンのオカリナだ。
誘うようにメロディを奏でている。温泉でフェニックスと話していることが報告されて、衝立の向こう側でなにかあれば介入しようと様子を見ていたのだろう。
(まるで、都市グランパークスで卵に向かって歌ったときのよう)
懐かしく思いながら、フィロシュネーは歌をうたった。
「♪ようこそお庭へ 神鳥さま」
澄んだ歌声が響き渡ると、ルートはリズムにあわせて羽を動かし、湯面にゆらゆらとした波をたたせた。
「ああ、これこれ。この歌だ。山を訪ねてくるレディは、よくこれを歌っていた。偽ものの卵にね。……レディの影には、オルーサという魔法使いがいるんだ。あの子を自然のまま放置していていいのか、わしはずっと悩んでいた……」
呟く声は、ぼんやりとしていた。
「♪あいさつしましょう はじめまして……」
「わしは、ルートが自然主義を破るところを見た気がする。いや、あれも自然主義なのか。新・自然主義というべきか。そうだ。わしはルートを見たのだ、一度。少年を助けようとしていた。わしの結界が邪魔をしたから、怒って破壊した……あれは、いつのことだっただろう。少年は、おそらく死んだのだろうな」
歌が進むにつれ、ルートはいろいろな記憶をよみがえらせるようだった。
そして、フィロシュネーが歌い終わったとき、ルートは温泉からざばりと上がって全身から炎をあげ、湯滴を蒸発させた。
「きゃっ……?」
熱い蒸気がモワモワと辺りに立ち込める。
「シュネーさん!」
衝立の向こうからハルシオンと騎士たちが出てきて、異変に対応しようと身構える。そんな現場に、爽やかな風が吹き抜けた。
翼で風を起こしたらしきフェニックスは、「熱かったですか、わしときたら、興奮してしまって。すみません」と礼儀正しく無害そうな声で謝ってくれた。
そして、翼を羽ばたかせ、宙へと浮いた。
「レディ、楽しい時間をありがとう。わしは、ナチュラという名前なのでした。おかげで若返ったように思います」
言われてみれば、その話す調子は最初のころよりも若返ったようで、溌剌としていた。
「わしもルートの新・自然主義に興味が出てきたので、知らせましょう。わしはこの温泉に来る直前、レディの信奉者たちが二手に分かれ、片方が遺跡の入り口を目指して出発したのを見ましたよ。悪だくみをしているようでした……」
ナチュラはそう言い、巣へと飛び去った。
一連のやり取りをみていた登山隊の中から、「神鳥様だ」という声があがる。
「聖女さまが神鳥様にお歌を捧げて、新たな加護を授かったぞ!」
そんな声を聞きながら、フィロシュネーは別のことを考えていた。
(ルートにナチュラって、紅国の神様の名前じゃない?)
ルートは商業神。
ナチュラは自然神だ。
片方だけなら同じ名前の偶然とも思えるが、二つ出てくると。
「え、なんですの? あの方やあの方のご友人は、紅国の神様と関係がありますの?」
と、とっても気になってしまうのだった。
味は、すっきりとした爽やかな甘い味だ。
ドリンクを味わいながら、フィロシュネーはルートが目を開けるのを見た。黒い瞳は、ちょっと寂しそうな気配がある。満たされない何かがあるような、そんな雰囲気だ。
「フェニックスは、長くお湯に浸かっていて具合が悪くなったりはしないのでしょうか。炎が湯の中にあるのが気になるのですが?」
ルートが大人しいフェニックスだと認識したらしきダーウッドは、おそろいのドリンクを飲みながらじろじろと視線を向けている。
「ほんとうに自然に生息している魔法生物のフェニックスなのでしょうか。フェニックスが人間の言葉を話すとは、聞いたことがありませんぞ」
疑わしそうなダーウッドの視線に、ルートはぱしゃりと翼を揺らした。
「なにせ鳥頭で長い年月を過ごしているものだから、実はわしも自分がどういう存在であったかよくわからなくなっています」
「ええ……?」
「友人とはぐれてしまって、探していたような気もするのですが。どんな友人で、覚えているのがルートという名前だけだったので、とりあえず忘れないように自分の名前にして名乗っています」
「えっと……それでは、あなた自身のお名前は?」
「忘れました」
「ええ……?」
フィロシュネーたちは困惑して視線を交わした。
そんな「レディたち」を見つめて、ルートは「わしは千年以上はこうしているのですが、だんだんと鳥頭になっていくようで、いろいろな記憶があいまいになったり、思い出せなくなったりするのです」と語る。
ダーウッドはそんなルートに共感をおぼえたようで、声をやわらかくしている。
「ふむ。私は二百八十四歳になりますが、たしかに昔のことを忘れてしまいそうで日記に書き留めるようになりました」
ルートは、三つのことを教えてくれた。
ひとつめは、巣でのんびりと眠って昔の夢を見ていたこと。
ふたつめは、青国と空国の登山隊が騒がしくて目が覚めたこと。
みっつめは、目が覚めたあと、夢の内容を忘れてしまって、ちょっとしょんぼりしていること。
「お、お詫びをしましょう」
フィロシュネーは侍女ジーナに頼み、ルートのための特製果実ドリンクをつくらせた。
身体自体が炎でできていそうなフェニックスは、果たして飲み物を飲むのか? と思ってみていると、ルートは普通の鳥のように嘴を使い、ドリンクを飲んでみせた。
「登山隊が眠りを邪魔してしまってごめんなさい」
「いえいえ。よくあることです。わしはオガミなので、可愛らしいレディに起こされるのは嬉しいことですよ」
「オガミ?」
「オスということです」
古い言葉なのかもしれない。フィロシュネーはあとで調べてみようと思った。
「石像を壊されたのは、悲しかったです。あの石像はきっと友人の姿を模して、昔のわしが造ったように思うので」
「えっ。そ、そ、それはすみませんっ」
「昔のわしは、今よりも力が強かったように思います。以前は山全体に『魔法や呪術の使用を禁止する』結界を張っていたと思うのですが……思えばそれも、かつての登山者に壊されてしまったのでしたかねえ」
ルートは記憶を思い出すように目を細めて、ずずっとドリンクをすすった。
「あ、昔のことをなにか思い出せましたの?」
「レディとお話すると、この鳥頭も元気が出るようです。若返るといいますか、活性化するといいますか。よければ、わしのために可愛いお歌をうたってくださいませんか? わしは、レディのお歌を好むのです」
まるで、神鳥に歌を捧げる儀式のよう。
フィロシュネーがそう思ったとき、衝立の向こうからオカリナの音が聞こえてきた。
――♪
……ハルシオンのオカリナだ。
誘うようにメロディを奏でている。温泉でフェニックスと話していることが報告されて、衝立の向こう側でなにかあれば介入しようと様子を見ていたのだろう。
(まるで、都市グランパークスで卵に向かって歌ったときのよう)
懐かしく思いながら、フィロシュネーは歌をうたった。
「♪ようこそお庭へ 神鳥さま」
澄んだ歌声が響き渡ると、ルートはリズムにあわせて羽を動かし、湯面にゆらゆらとした波をたたせた。
「ああ、これこれ。この歌だ。山を訪ねてくるレディは、よくこれを歌っていた。偽ものの卵にね。……レディの影には、オルーサという魔法使いがいるんだ。あの子を自然のまま放置していていいのか、わしはずっと悩んでいた……」
呟く声は、ぼんやりとしていた。
「♪あいさつしましょう はじめまして……」
「わしは、ルートが自然主義を破るところを見た気がする。いや、あれも自然主義なのか。新・自然主義というべきか。そうだ。わしはルートを見たのだ、一度。少年を助けようとしていた。わしの結界が邪魔をしたから、怒って破壊した……あれは、いつのことだっただろう。少年は、おそらく死んだのだろうな」
歌が進むにつれ、ルートはいろいろな記憶をよみがえらせるようだった。
そして、フィロシュネーが歌い終わったとき、ルートは温泉からざばりと上がって全身から炎をあげ、湯滴を蒸発させた。
「きゃっ……?」
熱い蒸気がモワモワと辺りに立ち込める。
「シュネーさん!」
衝立の向こうからハルシオンと騎士たちが出てきて、異変に対応しようと身構える。そんな現場に、爽やかな風が吹き抜けた。
翼で風を起こしたらしきフェニックスは、「熱かったですか、わしときたら、興奮してしまって。すみません」と礼儀正しく無害そうな声で謝ってくれた。
そして、翼を羽ばたかせ、宙へと浮いた。
「レディ、楽しい時間をありがとう。わしは、ナチュラという名前なのでした。おかげで若返ったように思います」
言われてみれば、その話す調子は最初のころよりも若返ったようで、溌剌としていた。
「わしもルートの新・自然主義に興味が出てきたので、知らせましょう。わしはこの温泉に来る直前、レディの信奉者たちが二手に分かれ、片方が遺跡の入り口を目指して出発したのを見ましたよ。悪だくみをしているようでした……」
ナチュラはそう言い、巣へと飛び去った。
一連のやり取りをみていた登山隊の中から、「神鳥様だ」という声があがる。
「聖女さまが神鳥様にお歌を捧げて、新たな加護を授かったぞ!」
そんな声を聞きながら、フィロシュネーは別のことを考えていた。
(ルートにナチュラって、紅国の神様の名前じゃない?)
ルートは商業神。
ナチュラは自然神だ。
片方だけなら同じ名前の偶然とも思えるが、二つ出てくると。
「え、なんですの? あの方やあの方のご友人は、紅国の神様と関係がありますの?」
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