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幕間のお話2
156、ネクロシス、絆を深めてなるものか(もう遅い)
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「退屈な明日に、愉しみを……」
《輝きのネクロシス》の合言葉を唱えつつ、カサンドラは妙な装置を披露した。
パッと見た印象は滑り台だろうか。
木の脚で支え、角度をつけて置かれた半割の竹の中を水が流れていく。さらさらと涼しい音を立てて、呪術の水が流れていく。
「この筒に葉っぱで作った舟を流すのですよ」
《輝きのネクロシス》のメンバーはカサンドラの説明を耳に筒の両側に集まっていた。
「その心は」
「こうすると――」
手のひらサイズの緑色の葉っぱの舟が、カサンドラの手から離れて筒の中でさらさらと川下りする。
「舟の川下りが楽しめますの」
見守るメンバーへと、カサンドラは形の良い唇を三日月のようにしてにっこりと微笑んだ。
「……」
青国を活動拠点とするダーウッドとソラベルが。
「……」
空国を活動拠点とするネネイとフェリシエンが。
「…………」
紅国を活動拠点とするシェイドが。
全員、同時に首を傾げた。
「わざわざ呼びつけて、それだけ?」
「待て、きっと何か深い意味があるはずだ」
「相手はカサンドラですよ。意味なんてないでしょう……」
反応はイマイチだったが、カサンドラは全く気にすることなく話を振った。
「こういうのを『流し草船』というのだと、この石版に書いてあったのですわ。仲間との絆が深まるのですって……」
カサンドラは石版が古代遺跡で見つけたものだと語る。
「まだ青国と空国が分かれてもいない時代の遺物ですわ」
説明する声に、ソラベルとフェリシエンが近況を交換する雑談が被る。
「妻が最近、不機嫌で……」
「こちらは先日弟が帰ってきて……」
自分の話にあまり興味がない様子の二人をじろりと睨みつけてから、カサンドラは話を続けた。
「この石版には、当時の文明では知り得ないような後の時代の天災や大陸史が書かれていたりするのですよね。不思議ですね、本物の預言者ってこんな感じなのかしらん」
カサンドラはそう言って預言者たちに流し目を送る。
「そうそう、偽物の預言者さんたちは、釈明することがありますわね? 本日の大切な議題ですよ」
「ひぅ」
空国の偽預言者ネネイが首をすくめて、青国の偽預言者ダーウッドの後ろへと隠れる。
「ネネイは組織を抜けると言って逃げて、ダーウッドはネネイを始末すると言った記憶がありますね。それに、自分も悪の呪術師として表舞台から退くと言っていたのですよね? それなのに、この現状は何事でしょう?」
カサンドラの瞳は玩具を見つけた子猫のように楽しげだった。斜め後ろに座すシェイドは噛み付かんばかりに苛立ちと殺気を見せていたが。
「フッ……」
視線を一身に集めて、ダーウッドは口の端を釣り上げた。
「気まぐれですが、何か? ネネイもご覧の通り、ちょっと脅して石にしてやったら怯え切って私に服従して私の下僕のような状態なのですぞ。この小娘も思えば使い勝手の良い駒ですから、せっかくなので捨てずに持っておこうと思ったまで」
苦しい言い訳だ。
けれど、この言い訳がメンバーには通用するのだとダーウッドは確信を持っていた。
「ただ、組織に背いたのは間違いなく……許されませんので。今日連れてきたのは、そのまま放置しておくわけにいかないと思い」
「ひゃうっ!?」
魔法のリボンでネネイをしゅるしゅる縛りつけ、ダーウッドは提案した。
「皆でお仕置きをしてはいかが。……くすぐるとか」
ふざけた提案だと言い出した本人も思うのだが、ソラベルが「ではそうしよう」と手を伸ばしてくれる。
「そーれ、こしょこしょ」
「あっ、や、アハ、ヤハハははっ、やぁぁっ、あはは!」
くすぐられて身を捩って笑うネネイにカサンドラが頷いた。
「ま、気まぐれなら仕方ないですわね」
「うむ」
さすがカサンドラ。適当すぎる――ちょろい。
ダーウッドはしたり顔を隠しつつ、調子に乗るソラベルを止めた。
「きゃははは、……はー、はーっ」
「笑い声が耳障りなのでこれくらいで勘弁してあげます。お前もそんな風に笑えるのですね」
「わ、笑いたくて笑ったわけじゃ、ありましぇん……」
「おい、そんなんで済まそうってのか?」
シェイドが狼耳を伏せて不満そうに唸るが、カサンドラが納得しているのだから問題はない。
「あら、済ませることになったのだから従いなさいな」
他メンバーとの実力差は明白なのだ。カサンドラに上から見下ろすように威圧されて、シェイドはむすりとしながら唸り声を鳴らした。
「……ぐるるる」
「ふむ。きゅるるる」
そんな獣らしい声を発するシェイドに対抗してかは知らないが、フェリシエンが突如カピバラに化けて「きゅるきゅる」と鳴く。
ソラベルはそんなカピバラをツンツンつついて「この人は何がしたいのだろう。可愛いって言ってほしいのかな?」などとコメントしている。
「あうあう……しゅ、しゅみません、でした」
「ではこの話は終わり」
ネネイが涙目でぐすぐす言うのを黙らせて、ダーウッドは話を変えた。
「ところでその石版とやら、謎ですな。ちと見せてください、カサンドラ」
「ねー、謎ですよね」
カサンドラが石版を見せるので、《輝きのネクロシス》のメンバーは「どれどれ」と輪になって覗き込んだ。
「さっきお話を聞いてなかった二人には、見せてあげませ~ん」
フェリシエンとソラベルが輪の中から追い出される。
石版には、山が三つ描かれていた。
北に一つ、東に一つ、西に一つ。
西の山は海の中にあり、東の山には鳥がいて、矢印のような線が西から東へと引かれている。
遺物にはよくあることだが、意味がわからない。だが、意味不明なだけではなく、強い違和感も感じさせる。
「ここに山の名前も書いてあるでしょう? 北の山がメクシ山。東の山がレクシオ山。西の山がオシクレメ海底火山と。これが不思議ですね」
「この石版が作られた頃には、オシクレメ海底火山のあたりは島だったと伝えられている……」
「島だったという言い伝えが間違いだったという証明になるのかしら。それとも?」
カサンドラは紅色に塗った爪先で他の文字も示した。
「数年前の自然災害の記述があるわ。それに、この時代は青国がまだなかったはずなのに、青国という名前も出しているのです」
まさしく神秘。未来予知ができる預言者が過去に実在したのだろうか――
――それにしても、と、ダーウッドは眉を寄せた。
(この筆跡は、アーサー陛下の筆跡に似ている気が……)
気のせいだろうか。
紙に書くのと石版に刻むのとでは勝手が違うだろうが、何やらとても文字の雰囲気が似ている。
文字が大きめで、角張っていて。
右上がり気味で、突き出し部分が長くて。
はねは力強く、はらいが短い……。文字と文字の感覚は広くて、線を並べる時の間隔は不揃い、と、大胆なのだか繊細なのだかチグハグな印象の、独特な字なのだ。
「カサンドラ、この石版を借りてもよいですか」
ダーウッドは石版を借りつつ、自分が支える青王アーサーを思い出した。早めに帰らないと、もしかしたら自国の預言者の不在に気付いて不安がっているかもしれない。
以前は不在にしても気付きもせず槍を振っていると思っていたものだが、最近はどうも不在にしにくいのだった。
「構いませんよ、海上パーティで返してください」
カサンドラは気前よく応じてくれて、土産にスコーンを包んでくれる。
『仲間との絆が深まるのですって』
もしかしたらカサンドラがこの会合を設けた目的は、シンプルに仲間と絆を深めたいだけだったのかもしれない。
そんな思いが頭をよぎり、ダーウッドは頭を振って邪念を払いながら仲間たちに背を向けた。
ここにいるメンバーは、抹殺するのだ。預言者の秘密と青王アーサーの至高の地位を守るために。
絆があるとしても、深めてなるものか。
――しかし。
「またね、ダーウッド」
「帰るなら一緒に帰ろう」
組織のメンバーの声を聞いていると、どうも手遅れのように思えるのが困ったところであった。
《輝きのネクロシス》の合言葉を唱えつつ、カサンドラは妙な装置を披露した。
パッと見た印象は滑り台だろうか。
木の脚で支え、角度をつけて置かれた半割の竹の中を水が流れていく。さらさらと涼しい音を立てて、呪術の水が流れていく。
「この筒に葉っぱで作った舟を流すのですよ」
《輝きのネクロシス》のメンバーはカサンドラの説明を耳に筒の両側に集まっていた。
「その心は」
「こうすると――」
手のひらサイズの緑色の葉っぱの舟が、カサンドラの手から離れて筒の中でさらさらと川下りする。
「舟の川下りが楽しめますの」
見守るメンバーへと、カサンドラは形の良い唇を三日月のようにしてにっこりと微笑んだ。
「……」
青国を活動拠点とするダーウッドとソラベルが。
「……」
空国を活動拠点とするネネイとフェリシエンが。
「…………」
紅国を活動拠点とするシェイドが。
全員、同時に首を傾げた。
「わざわざ呼びつけて、それだけ?」
「待て、きっと何か深い意味があるはずだ」
「相手はカサンドラですよ。意味なんてないでしょう……」
反応はイマイチだったが、カサンドラは全く気にすることなく話を振った。
「こういうのを『流し草船』というのだと、この石版に書いてあったのですわ。仲間との絆が深まるのですって……」
カサンドラは石版が古代遺跡で見つけたものだと語る。
「まだ青国と空国が分かれてもいない時代の遺物ですわ」
説明する声に、ソラベルとフェリシエンが近況を交換する雑談が被る。
「妻が最近、不機嫌で……」
「こちらは先日弟が帰ってきて……」
自分の話にあまり興味がない様子の二人をじろりと睨みつけてから、カサンドラは話を続けた。
「この石版には、当時の文明では知り得ないような後の時代の天災や大陸史が書かれていたりするのですよね。不思議ですね、本物の預言者ってこんな感じなのかしらん」
カサンドラはそう言って預言者たちに流し目を送る。
「そうそう、偽物の預言者さんたちは、釈明することがありますわね? 本日の大切な議題ですよ」
「ひぅ」
空国の偽預言者ネネイが首をすくめて、青国の偽預言者ダーウッドの後ろへと隠れる。
「ネネイは組織を抜けると言って逃げて、ダーウッドはネネイを始末すると言った記憶がありますね。それに、自分も悪の呪術師として表舞台から退くと言っていたのですよね? それなのに、この現状は何事でしょう?」
カサンドラの瞳は玩具を見つけた子猫のように楽しげだった。斜め後ろに座すシェイドは噛み付かんばかりに苛立ちと殺気を見せていたが。
「フッ……」
視線を一身に集めて、ダーウッドは口の端を釣り上げた。
「気まぐれですが、何か? ネネイもご覧の通り、ちょっと脅して石にしてやったら怯え切って私に服従して私の下僕のような状態なのですぞ。この小娘も思えば使い勝手の良い駒ですから、せっかくなので捨てずに持っておこうと思ったまで」
苦しい言い訳だ。
けれど、この言い訳がメンバーには通用するのだとダーウッドは確信を持っていた。
「ただ、組織に背いたのは間違いなく……許されませんので。今日連れてきたのは、そのまま放置しておくわけにいかないと思い」
「ひゃうっ!?」
魔法のリボンでネネイをしゅるしゅる縛りつけ、ダーウッドは提案した。
「皆でお仕置きをしてはいかが。……くすぐるとか」
ふざけた提案だと言い出した本人も思うのだが、ソラベルが「ではそうしよう」と手を伸ばしてくれる。
「そーれ、こしょこしょ」
「あっ、や、アハ、ヤハハははっ、やぁぁっ、あはは!」
くすぐられて身を捩って笑うネネイにカサンドラが頷いた。
「ま、気まぐれなら仕方ないですわね」
「うむ」
さすがカサンドラ。適当すぎる――ちょろい。
ダーウッドはしたり顔を隠しつつ、調子に乗るソラベルを止めた。
「きゃははは、……はー、はーっ」
「笑い声が耳障りなのでこれくらいで勘弁してあげます。お前もそんな風に笑えるのですね」
「わ、笑いたくて笑ったわけじゃ、ありましぇん……」
「おい、そんなんで済まそうってのか?」
シェイドが狼耳を伏せて不満そうに唸るが、カサンドラが納得しているのだから問題はない。
「あら、済ませることになったのだから従いなさいな」
他メンバーとの実力差は明白なのだ。カサンドラに上から見下ろすように威圧されて、シェイドはむすりとしながら唸り声を鳴らした。
「……ぐるるる」
「ふむ。きゅるるる」
そんな獣らしい声を発するシェイドに対抗してかは知らないが、フェリシエンが突如カピバラに化けて「きゅるきゅる」と鳴く。
ソラベルはそんなカピバラをツンツンつついて「この人は何がしたいのだろう。可愛いって言ってほしいのかな?」などとコメントしている。
「あうあう……しゅ、しゅみません、でした」
「ではこの話は終わり」
ネネイが涙目でぐすぐす言うのを黙らせて、ダーウッドは話を変えた。
「ところでその石版とやら、謎ですな。ちと見せてください、カサンドラ」
「ねー、謎ですよね」
カサンドラが石版を見せるので、《輝きのネクロシス》のメンバーは「どれどれ」と輪になって覗き込んだ。
「さっきお話を聞いてなかった二人には、見せてあげませ~ん」
フェリシエンとソラベルが輪の中から追い出される。
石版には、山が三つ描かれていた。
北に一つ、東に一つ、西に一つ。
西の山は海の中にあり、東の山には鳥がいて、矢印のような線が西から東へと引かれている。
遺物にはよくあることだが、意味がわからない。だが、意味不明なだけではなく、強い違和感も感じさせる。
「ここに山の名前も書いてあるでしょう? 北の山がメクシ山。東の山がレクシオ山。西の山がオシクレメ海底火山と。これが不思議ですね」
「この石版が作られた頃には、オシクレメ海底火山のあたりは島だったと伝えられている……」
「島だったという言い伝えが間違いだったという証明になるのかしら。それとも?」
カサンドラは紅色に塗った爪先で他の文字も示した。
「数年前の自然災害の記述があるわ。それに、この時代は青国がまだなかったはずなのに、青国という名前も出しているのです」
まさしく神秘。未来予知ができる預言者が過去に実在したのだろうか――
――それにしても、と、ダーウッドは眉を寄せた。
(この筆跡は、アーサー陛下の筆跡に似ている気が……)
気のせいだろうか。
紙に書くのと石版に刻むのとでは勝手が違うだろうが、何やらとても文字の雰囲気が似ている。
文字が大きめで、角張っていて。
右上がり気味で、突き出し部分が長くて。
はねは力強く、はらいが短い……。文字と文字の感覚は広くて、線を並べる時の間隔は不揃い、と、大胆なのだか繊細なのだかチグハグな印象の、独特な字なのだ。
「カサンドラ、この石版を借りてもよいですか」
ダーウッドは石版を借りつつ、自分が支える青王アーサーを思い出した。早めに帰らないと、もしかしたら自国の預言者の不在に気付いて不安がっているかもしれない。
以前は不在にしても気付きもせず槍を振っていると思っていたものだが、最近はどうも不在にしにくいのだった。
「構いませんよ、海上パーティで返してください」
カサンドラは気前よく応じてくれて、土産にスコーンを包んでくれる。
『仲間との絆が深まるのですって』
もしかしたらカサンドラがこの会合を設けた目的は、シンプルに仲間と絆を深めたいだけだったのかもしれない。
そんな思いが頭をよぎり、ダーウッドは頭を振って邪念を払いながら仲間たちに背を向けた。
ここにいるメンバーは、抹殺するのだ。預言者の秘密と青王アーサーの至高の地位を守るために。
絆があるとしても、深めてなるものか。
――しかし。
「またね、ダーウッド」
「帰るなら一緒に帰ろう」
組織のメンバーの声を聞いていると、どうも手遅れのように思えるのが困ったところであった。
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