142 / 384
2、協奏のキャストライト
139、太陽神の法廷3~ネネイの証言。知識神トールの奇跡…は、必要ありません
しおりを挟む
ろうそくの先の小さな炎みたいに、弱々しい声で。
指先を震わせながら、空国の預言者ネネイが注目を集めている。
(ええと、どういうおつもりかしら? 味方? それとも?)
フィロシュネーはその意図をはかりかねて、ドキドキした。
「……アンネ……やはり、殺しておくべきだった……」
ダーウッドが小さく呟く声が、フィロシュネーの耳に届いた。その瞬間、記憶がよみがえる。
『アンネ・ブラックタロン』
『半分排除済み』
ダーウッドの手で紙に書かれた文字と、二人で交わした会話。
『半分ってなあに?』
『生きているけど無力化済み、という意味ですかな』
(あーーーーー!! あ、あなた、やらかしたわね!!)
アンネというのは、ネネイなのではないか。無力化済みとは、石にした状態を指すのではないか。
フィロシュネーの脳に稲妻のようにそんな考えが閃いた。
『じゅ、呪術師に、石にされました……石でいた間、ずっと意識がありました……!』
ネネイの言葉を思い出して、フィロシュネーは蒼褪めた。
(う、恨まれているんじゃないのぉ……!?)
はらはらとする耳に、ネネイの懸命な声がきこえる。
「わ、私は、石にされた後、偶然……預言者ダーウッドに拾われて、……その日々を見守っていました。本物のダーウッドは、青王陛下と一緒でした。ずっと、ずっとです。……ですから、そこにいるのは、本物の預言者ダーウッドです」
「!?」
ダーウッドが驚いている。
(あら、庇ってくれているのでは?)
ネネイは嘘をついてくれている。フィロシュネーは目を丸くした。
「あの、あの。ダーウッドは、よ、よい人、です。わ、わるいこと……し……しません」
一生懸命、嘘をついている。フィロシュネーの隣で、ダーウッドがそっと俯いた。ゆったりとしたローブの袖の先にのぞく白い指先が震えている。フィロシュネーはこっそりとそれに気付いて、気付かないふりをした。
カーリズ公爵は、顎に手をあてて考える仕草をみせている。
「むむ。空国の預言者どのは、石になっていた間のご記憶がおありなのですね」
「は、はっきりと、あります」
「興味深いですね。さて、ただいまの大変興味深いお話をしてくださった預言者どのを含めた証人の皆さん。ここで一度こちらへお集りください」
カーリズ公爵はそう言って、証人たちを集めた。そして、聖職者を呼んだ。
「こちらは私の家臣。知識神トールの神官です。彼はとても優秀で、使い手の少ない『知識の共振』という魔法を会得しておりまして、その魔法の行使も教義の関係で厳しい使用条件があり、みだりにはできないものなのですが……他者の知識を周囲と共有できるのです」
(な、なんですって)
フィロシュネーは動揺した。それはまるで、自分が以前行使していた神鳥の奇跡のようではないか。
「このたびは、その使用条件をクリアしてまいりましたので、ここでパァーッと証人たちの知識を全員で確認してみましょう」
(な、なんですってーーー!!)
それはもしかして、嘘がバレてしまうのではっ!?
フィロシュネーが恐ろしい未来を予想した、まさにその時。
かつ、かつと会場に複数の足音が近づいて、扉が開かれた。
扉が開いた隙間から光と影がサアッと伸びて、その存在感が会場中の意識を一気に攫う。
「た、ただいま裁判の最中――」
止めようとしてできなかったと思しき警備の声にかぶさるようにして、凛とした声が響く。
「お待ちください、カーリズ公爵。奇跡は必要ありません」
――サイラスだ。
後ろには、部下の騎士たちがいる。
サイラスの精悍な顔は厳しい表情を浮かべていて、不思議と会場の誰も逆らえないような神聖な雰囲気があった。
「ノーブルクレスト騎士団第二師団は、放火魔犯である呪術師を捕らえましてございます」
「えっ?」
フィロシュネーは思わずダーウッドの袖をつかんで、その存在を確かめた。
サイラスが突き出してみせるのは、しっかりと拘束された『預言者ダーウッド』――ダーウッドにそっくりな外見をした存在だった。
「ニ、ニセモノ?」
「ニセモノだ!」
同じ人物が二人いる。そんな現実を目の当たりにして、会場がざわざわとする。
そんな会場へと、サイラスは堂々と告げた。
「こちらの者です。ご覧のとおり、そこにおられる密……預言者どのに化けています。おい、術を使って他の姿になってみせろ。言う通りにすれば減刑されるかもしれないぞ」
(あなた今『密偵さん』って呼びかけたわね)
フィロシュネーと目が合うと、サイラスは一瞬優しい瞳をみせた。
「減刑などは望みませんが、よいでしょう。みせてあげましょう、移ろいの術を!」
拘束された『預言者ダーウッド』はそう言って、術を使ってみせる。
その姿はウィンタースロット男爵令嬢になり、スーン男爵令嬢になり、ドワーフのゴルムになり、……アルメイダ侯爵夫人カサンドラの姿になってアルメイダ侯爵にぱちりとウインクすると、アルメイダ侯爵は貧血を起こしたように蒼白の顔色になった。
「ま、まさか……カサンドラ……? お前……っ?」
「落ち着いてください、アルメイダ侯爵。夫人ではありませんよ。移ろいの術です」
サイラスはアルメイダ侯爵の想像を否定した。
「さあ、犯人はこのノイエスタル率いる第二師団が捕まえましたので、皆さんはご安心ください。とうとき皆様の貴重なお時間を奪う裁判はこれにて終わり、でいかがでしょうか? 叶うなら、私は婚約者候補である麗しのフィロシュネー姫が紅都でお過ごしになる限られた時間を裁判ではなく、もっと楽しくて有意義な思い出で彩りたいのです」
「まあ、素敵なことを……」
フィロシュネーは扇で口元を隠した。真剣な状況で油断していたところに思いがけず心地よい言及があったので、ときめいてしまったのだ。
「あいつめ、意外とよく口がまわる」
兄アーサーは面白くなさそうに眉を寄せている。
「では、ギネス。呪術師は連れて行くように」
「はっ」
どよどよと会場中が騒ぐのを、フィンスミス裁判官が静まらせる。
「皆さん、どうも驚いたことに我々を悩ませていた犯人は捕まったようです。本日は閉廷としましょうか」
フィロシュネーはそれを聞いて安心しつつ、「やっぱり、参考に意見を聞くというよりは犯人だとはっきりさせて捕まえようとしてたのよね?」と思った。
「あの捕まった犯人は移ろいの術を使うようですが、誰なのでしょうかな。フェリシエン? カサンドラ……? んん……おかしいですな」
ダーウッドが不思議そうにしている。
「ひとまず、お、お、おわったわね。よ、よかったわ……」
胸をなでおろすフィロシュネーの視界で、ギネスに連れて行かれる呪術師がパチンとウィンクするのが見えた。
「あら……?」
……今、犯人がわたくしにウィンクを。
フィロシュネーが困惑する中、裁判は終わった。
青王アーサーが同伴している青国の預言者ダーウッドは本物であり、悪しき呪術師による事件に巻き込まれた被害者であった。悪しき呪術師は捕まった。
――この日、人々はそう認識したのだった。
指先を震わせながら、空国の預言者ネネイが注目を集めている。
(ええと、どういうおつもりかしら? 味方? それとも?)
フィロシュネーはその意図をはかりかねて、ドキドキした。
「……アンネ……やはり、殺しておくべきだった……」
ダーウッドが小さく呟く声が、フィロシュネーの耳に届いた。その瞬間、記憶がよみがえる。
『アンネ・ブラックタロン』
『半分排除済み』
ダーウッドの手で紙に書かれた文字と、二人で交わした会話。
『半分ってなあに?』
『生きているけど無力化済み、という意味ですかな』
(あーーーーー!! あ、あなた、やらかしたわね!!)
アンネというのは、ネネイなのではないか。無力化済みとは、石にした状態を指すのではないか。
フィロシュネーの脳に稲妻のようにそんな考えが閃いた。
『じゅ、呪術師に、石にされました……石でいた間、ずっと意識がありました……!』
ネネイの言葉を思い出して、フィロシュネーは蒼褪めた。
(う、恨まれているんじゃないのぉ……!?)
はらはらとする耳に、ネネイの懸命な声がきこえる。
「わ、私は、石にされた後、偶然……預言者ダーウッドに拾われて、……その日々を見守っていました。本物のダーウッドは、青王陛下と一緒でした。ずっと、ずっとです。……ですから、そこにいるのは、本物の預言者ダーウッドです」
「!?」
ダーウッドが驚いている。
(あら、庇ってくれているのでは?)
ネネイは嘘をついてくれている。フィロシュネーは目を丸くした。
「あの、あの。ダーウッドは、よ、よい人、です。わ、わるいこと……し……しません」
一生懸命、嘘をついている。フィロシュネーの隣で、ダーウッドがそっと俯いた。ゆったりとしたローブの袖の先にのぞく白い指先が震えている。フィロシュネーはこっそりとそれに気付いて、気付かないふりをした。
カーリズ公爵は、顎に手をあてて考える仕草をみせている。
「むむ。空国の預言者どのは、石になっていた間のご記憶がおありなのですね」
「は、はっきりと、あります」
「興味深いですね。さて、ただいまの大変興味深いお話をしてくださった預言者どのを含めた証人の皆さん。ここで一度こちらへお集りください」
カーリズ公爵はそう言って、証人たちを集めた。そして、聖職者を呼んだ。
「こちらは私の家臣。知識神トールの神官です。彼はとても優秀で、使い手の少ない『知識の共振』という魔法を会得しておりまして、その魔法の行使も教義の関係で厳しい使用条件があり、みだりにはできないものなのですが……他者の知識を周囲と共有できるのです」
(な、なんですって)
フィロシュネーは動揺した。それはまるで、自分が以前行使していた神鳥の奇跡のようではないか。
「このたびは、その使用条件をクリアしてまいりましたので、ここでパァーッと証人たちの知識を全員で確認してみましょう」
(な、なんですってーーー!!)
それはもしかして、嘘がバレてしまうのではっ!?
フィロシュネーが恐ろしい未来を予想した、まさにその時。
かつ、かつと会場に複数の足音が近づいて、扉が開かれた。
扉が開いた隙間から光と影がサアッと伸びて、その存在感が会場中の意識を一気に攫う。
「た、ただいま裁判の最中――」
止めようとしてできなかったと思しき警備の声にかぶさるようにして、凛とした声が響く。
「お待ちください、カーリズ公爵。奇跡は必要ありません」
――サイラスだ。
後ろには、部下の騎士たちがいる。
サイラスの精悍な顔は厳しい表情を浮かべていて、不思議と会場の誰も逆らえないような神聖な雰囲気があった。
「ノーブルクレスト騎士団第二師団は、放火魔犯である呪術師を捕らえましてございます」
「えっ?」
フィロシュネーは思わずダーウッドの袖をつかんで、その存在を確かめた。
サイラスが突き出してみせるのは、しっかりと拘束された『預言者ダーウッド』――ダーウッドにそっくりな外見をした存在だった。
「ニ、ニセモノ?」
「ニセモノだ!」
同じ人物が二人いる。そんな現実を目の当たりにして、会場がざわざわとする。
そんな会場へと、サイラスは堂々と告げた。
「こちらの者です。ご覧のとおり、そこにおられる密……預言者どのに化けています。おい、術を使って他の姿になってみせろ。言う通りにすれば減刑されるかもしれないぞ」
(あなた今『密偵さん』って呼びかけたわね)
フィロシュネーと目が合うと、サイラスは一瞬優しい瞳をみせた。
「減刑などは望みませんが、よいでしょう。みせてあげましょう、移ろいの術を!」
拘束された『預言者ダーウッド』はそう言って、術を使ってみせる。
その姿はウィンタースロット男爵令嬢になり、スーン男爵令嬢になり、ドワーフのゴルムになり、……アルメイダ侯爵夫人カサンドラの姿になってアルメイダ侯爵にぱちりとウインクすると、アルメイダ侯爵は貧血を起こしたように蒼白の顔色になった。
「ま、まさか……カサンドラ……? お前……っ?」
「落ち着いてください、アルメイダ侯爵。夫人ではありませんよ。移ろいの術です」
サイラスはアルメイダ侯爵の想像を否定した。
「さあ、犯人はこのノイエスタル率いる第二師団が捕まえましたので、皆さんはご安心ください。とうとき皆様の貴重なお時間を奪う裁判はこれにて終わり、でいかがでしょうか? 叶うなら、私は婚約者候補である麗しのフィロシュネー姫が紅都でお過ごしになる限られた時間を裁判ではなく、もっと楽しくて有意義な思い出で彩りたいのです」
「まあ、素敵なことを……」
フィロシュネーは扇で口元を隠した。真剣な状況で油断していたところに思いがけず心地よい言及があったので、ときめいてしまったのだ。
「あいつめ、意外とよく口がまわる」
兄アーサーは面白くなさそうに眉を寄せている。
「では、ギネス。呪術師は連れて行くように」
「はっ」
どよどよと会場中が騒ぐのを、フィンスミス裁判官が静まらせる。
「皆さん、どうも驚いたことに我々を悩ませていた犯人は捕まったようです。本日は閉廷としましょうか」
フィロシュネーはそれを聞いて安心しつつ、「やっぱり、参考に意見を聞くというよりは犯人だとはっきりさせて捕まえようとしてたのよね?」と思った。
「あの捕まった犯人は移ろいの術を使うようですが、誰なのでしょうかな。フェリシエン? カサンドラ……? んん……おかしいですな」
ダーウッドが不思議そうにしている。
「ひとまず、お、お、おわったわね。よ、よかったわ……」
胸をなでおろすフィロシュネーの視界で、ギネスに連れて行かれる呪術師がパチンとウィンクするのが見えた。
「あら……?」
……今、犯人がわたくしにウィンクを。
フィロシュネーが困惑する中、裁判は終わった。
青王アーサーが同伴している青国の預言者ダーウッドは本物であり、悪しき呪術師による事件に巻き込まれた被害者であった。悪しき呪術師は捕まった。
――この日、人々はそう認識したのだった。
0
お気に入りに追加
278
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる