35 / 63
1章
34、しゃかしゃか、しゃかしゃか
しおりを挟む
翌日。
紺紺の熱は、すっかり引いた。
よかった、よかった!
今日からお仕事をまた頑張るぞ!
まず、妖狐の可能性濃厚な胡月妃の身辺を探りたい。
悪いことを企んでいるなら、阻止しなきゃ。妃になりすましているなら、本物の妃はどうなったんだろう。そちらも調べたい……!
意気込んでいると、知らせが届いた。
「今宵は皇帝陛下が咸白宮にお渡りになります」
今夜は彰鈴妃と過ごしますよ、という意味だ。妃として夜の相手に選ばれたのは、おめでたいことである。
「門も庭も徹底して綺麗にして! 埃ひとつ見逃しちゃだめよ」
「料理を追加するから手が空いてる子は手伝ってちょうだい」
紺紺は食欲を刺激する匂いでいっぱいの厨房に入った。
「あなたはコレ!」
「はいっ! 全力でがんばります!」
渡されたのは、卵だ。
激辛の麺料理に使われるらしい。コンコン、と器の縁にぶつけて、パカッと割る。
綺麗に割れると、ちょっと嬉しい。
しゃかしゃかと無心で卵を混ぜていると、明るいオレンジ色の卵が泡立ってきて、楽しくなってくる。
「しゃかしゃか、しゃかしゃか……♪」
卵係は楽しいお仕事だ。紺紺は夢中になった。
「あの子、楽しそうね」
「病み上がりなんだから座らせてあげなさいな」
やがて、卵は鍋へと嫁いでいった。
ジュワァーッと焼かれて、食欲を刺激するいい匂いがする。おいしそう。
* * *
夕暮れ時になると、全員で整列して皇帝をお迎えした。
皇帝は冕冠の上に白猫を乗せ、羊のめえこを連れてやってきた。
夕食を共にして、その後は泊まりだ。
しかし、皇帝は彰鈴妃の食事に紺紺を同席させた。
給仕役や毒見ではなく「食事を共にせよ」というのだから驚きである。
「私が同席していいのですか?」
「彰鈴妃がそなたに癒しを見出していると聞いてな。その癒しを朕も所望する」
「癒しとおっしゃられても……」
皇帝と妃の食卓に侍女が座っているのはどう考えても変だろう、と首をかしげて、礼をする。
席に座るようにと言われて、ちょこんと座る。
そして、「あっ、彰鈴妃が首に巻いてる白布、私が刺繍したやつだ!」と嬉しくなった。
「えへへ……」
喜びに緩む口元を袖で隠しているうちに、ふと紺紺は異常に気づいた。
彰鈴妃は黙々と箸を進めていて、魂が抜けた操り人形みたい。
それに、壁際に控えている侍女たちも虚ろな表情だ。みんな、ぼんやりしている。
「玄武の珠を使っておるので、気にすることはない。というのも、朕の九術師に任務の話をしたいのだ」
「お仕事でしたか」
皇帝は頷き、激辛麺を「うまい」と褒めた。
その麺を彩る卵は、私が溶いたんですよ!
口にはしないが、嬉しい。
「傾城ちゃんも食べるがよい」
「はっ、いただきます」
「うむ、うむ。苦しゅうない」
紺紺はお言葉に甘えて、鴨肉の麻婆緑菜包みを口に運んだ。
外側が緑野菜の葉で包まれているお包をはむっと齧ると、中からジュワッと温かい麻婆が溢れてくる。
これは西領料理だ。
白家の領地である西領は、盆地で湿度が高いので、「発汗を促す香辛料を使い、健康でいようね!」という目的で、辛味料理が好まれる土地柄なのである。
「はふ、はふ。主上、美味しいです」
「よし、よし。美味い料理を食べると元気が出る。笑顔になる。健康になる。とてもよろしい」
ところで、ずっと冕冠の上に居座って寛いでいる白猫が気になる。
よく落ちないものだ。
たまに皇帝が「ほいっ」と料理を上に放り投げて、冕冠の上の白猫に分けている。器用だ。
「あのう。玄武の珠で誤魔化せるのなら、先見の公子様も人間姿になられては」
「椅子が足りないので」
「持ってきますよ!」
紺紺は椅子を運び、お皿と箸を置いた。
「すでに満腹です」
「準備する前に言ってください」
白猫はふいっと顔を背けて、冠の上で丸くなった。皇帝の頭の動きに合わせて冠がぐらぐら揺れるのに、よく落ちないものだ。
皇帝は酸辣湯をすすり、「まあまあ」と言葉を挟む。
「朕が『その翡翠の首飾りは朕が傾城にあげたものだな。傾城から没収したのか? まさか欲しかったのか? 朕にくびったけという意味か?』と揶揄ったら猫の姿から元に戻ってくれなくなったのだ。はっはっは、話を変えよう」
皇帝は言った後で「また失言してしまったな!」と言い、話を変えた。
「もうすぐ清明節がある。朕が剣舞を奉納する予定の一大行事だ。その宴に、北方の騎馬国家の王と克斯国の王が我が国に訪問する。騎馬国家は気紛れな連中でいまいち信用できぬし、克斯国の王は侵略の邪魔をしたのを根に持っていると思われる」
「外交的に、ちょっと心配のある国々、ということですね」
「その通り。わかってくれて朕は嬉しいぞ。さて、二国は宴の際に何か仕掛けてくるかもしれぬ……彼らの野心が、朕は心配である」
「克斯国は成り立ち自体が将軍の下克上でしたからね……どうして野心を抱いたりするのでしょう」
ついつい、不満が滲みかける。不審に思われないかと心配したが、皇帝は気にする様子もなく、腕を組んだ。
「王様をしていると『この王様、すげえことをしたぞ』と歴史に名を残したい欲が出るのだな、うむうむ。気持ちはわかるぞ」
皇帝は話を進めた。
「そこで、九術師を宴会場の警備につかせる、その術も見せて『どうだ、我が国は異才だらけなんだぞ。攻め込もうと思うなよ。仲良くしようではないか?』とわからせてやろうと思うのだ」
宴の当日は、会場の警備をしたり、術を披露したりするらしい。
紺紺は予定を頭に入れて「かしこまりました」と返事した。
「なお、本来は宴に四夫人が出席するはずだったが、黒貴妃と紅淑妃は欠席だ。朕の花園で趣味の悪い遊びに興じたことに対するお仕置きの一環である」
「そういえば、お仕置きをしてくださったのですね」
「ふっ。いろいろしている」
「いろいろ?」
皇帝はそう言って箸を置き、両手をわきわきさせた。
「朕がお仕置きした話をしてやろう。ぜひ聞いてくれ」
皇帝はそう言って、「朕が妃にお仕置きした話」をうっとりと語った。
紺紺の熱は、すっかり引いた。
よかった、よかった!
今日からお仕事をまた頑張るぞ!
まず、妖狐の可能性濃厚な胡月妃の身辺を探りたい。
悪いことを企んでいるなら、阻止しなきゃ。妃になりすましているなら、本物の妃はどうなったんだろう。そちらも調べたい……!
意気込んでいると、知らせが届いた。
「今宵は皇帝陛下が咸白宮にお渡りになります」
今夜は彰鈴妃と過ごしますよ、という意味だ。妃として夜の相手に選ばれたのは、おめでたいことである。
「門も庭も徹底して綺麗にして! 埃ひとつ見逃しちゃだめよ」
「料理を追加するから手が空いてる子は手伝ってちょうだい」
紺紺は食欲を刺激する匂いでいっぱいの厨房に入った。
「あなたはコレ!」
「はいっ! 全力でがんばります!」
渡されたのは、卵だ。
激辛の麺料理に使われるらしい。コンコン、と器の縁にぶつけて、パカッと割る。
綺麗に割れると、ちょっと嬉しい。
しゃかしゃかと無心で卵を混ぜていると、明るいオレンジ色の卵が泡立ってきて、楽しくなってくる。
「しゃかしゃか、しゃかしゃか……♪」
卵係は楽しいお仕事だ。紺紺は夢中になった。
「あの子、楽しそうね」
「病み上がりなんだから座らせてあげなさいな」
やがて、卵は鍋へと嫁いでいった。
ジュワァーッと焼かれて、食欲を刺激するいい匂いがする。おいしそう。
* * *
夕暮れ時になると、全員で整列して皇帝をお迎えした。
皇帝は冕冠の上に白猫を乗せ、羊のめえこを連れてやってきた。
夕食を共にして、その後は泊まりだ。
しかし、皇帝は彰鈴妃の食事に紺紺を同席させた。
給仕役や毒見ではなく「食事を共にせよ」というのだから驚きである。
「私が同席していいのですか?」
「彰鈴妃がそなたに癒しを見出していると聞いてな。その癒しを朕も所望する」
「癒しとおっしゃられても……」
皇帝と妃の食卓に侍女が座っているのはどう考えても変だろう、と首をかしげて、礼をする。
席に座るようにと言われて、ちょこんと座る。
そして、「あっ、彰鈴妃が首に巻いてる白布、私が刺繍したやつだ!」と嬉しくなった。
「えへへ……」
喜びに緩む口元を袖で隠しているうちに、ふと紺紺は異常に気づいた。
彰鈴妃は黙々と箸を進めていて、魂が抜けた操り人形みたい。
それに、壁際に控えている侍女たちも虚ろな表情だ。みんな、ぼんやりしている。
「玄武の珠を使っておるので、気にすることはない。というのも、朕の九術師に任務の話をしたいのだ」
「お仕事でしたか」
皇帝は頷き、激辛麺を「うまい」と褒めた。
その麺を彩る卵は、私が溶いたんですよ!
口にはしないが、嬉しい。
「傾城ちゃんも食べるがよい」
「はっ、いただきます」
「うむ、うむ。苦しゅうない」
紺紺はお言葉に甘えて、鴨肉の麻婆緑菜包みを口に運んだ。
外側が緑野菜の葉で包まれているお包をはむっと齧ると、中からジュワッと温かい麻婆が溢れてくる。
これは西領料理だ。
白家の領地である西領は、盆地で湿度が高いので、「発汗を促す香辛料を使い、健康でいようね!」という目的で、辛味料理が好まれる土地柄なのである。
「はふ、はふ。主上、美味しいです」
「よし、よし。美味い料理を食べると元気が出る。笑顔になる。健康になる。とてもよろしい」
ところで、ずっと冕冠の上に居座って寛いでいる白猫が気になる。
よく落ちないものだ。
たまに皇帝が「ほいっ」と料理を上に放り投げて、冕冠の上の白猫に分けている。器用だ。
「あのう。玄武の珠で誤魔化せるのなら、先見の公子様も人間姿になられては」
「椅子が足りないので」
「持ってきますよ!」
紺紺は椅子を運び、お皿と箸を置いた。
「すでに満腹です」
「準備する前に言ってください」
白猫はふいっと顔を背けて、冠の上で丸くなった。皇帝の頭の動きに合わせて冠がぐらぐら揺れるのに、よく落ちないものだ。
皇帝は酸辣湯をすすり、「まあまあ」と言葉を挟む。
「朕が『その翡翠の首飾りは朕が傾城にあげたものだな。傾城から没収したのか? まさか欲しかったのか? 朕にくびったけという意味か?』と揶揄ったら猫の姿から元に戻ってくれなくなったのだ。はっはっは、話を変えよう」
皇帝は言った後で「また失言してしまったな!」と言い、話を変えた。
「もうすぐ清明節がある。朕が剣舞を奉納する予定の一大行事だ。その宴に、北方の騎馬国家の王と克斯国の王が我が国に訪問する。騎馬国家は気紛れな連中でいまいち信用できぬし、克斯国の王は侵略の邪魔をしたのを根に持っていると思われる」
「外交的に、ちょっと心配のある国々、ということですね」
「その通り。わかってくれて朕は嬉しいぞ。さて、二国は宴の際に何か仕掛けてくるかもしれぬ……彼らの野心が、朕は心配である」
「克斯国は成り立ち自体が将軍の下克上でしたからね……どうして野心を抱いたりするのでしょう」
ついつい、不満が滲みかける。不審に思われないかと心配したが、皇帝は気にする様子もなく、腕を組んだ。
「王様をしていると『この王様、すげえことをしたぞ』と歴史に名を残したい欲が出るのだな、うむうむ。気持ちはわかるぞ」
皇帝は話を進めた。
「そこで、九術師を宴会場の警備につかせる、その術も見せて『どうだ、我が国は異才だらけなんだぞ。攻め込もうと思うなよ。仲良くしようではないか?』とわからせてやろうと思うのだ」
宴の当日は、会場の警備をしたり、術を披露したりするらしい。
紺紺は予定を頭に入れて「かしこまりました」と返事した。
「なお、本来は宴に四夫人が出席するはずだったが、黒貴妃と紅淑妃は欠席だ。朕の花園で趣味の悪い遊びに興じたことに対するお仕置きの一環である」
「そういえば、お仕置きをしてくださったのですね」
「ふっ。いろいろしている」
「いろいろ?」
皇帝はそう言って箸を置き、両手をわきわきさせた。
「朕がお仕置きした話をしてやろう。ぜひ聞いてくれ」
皇帝はそう言って、「朕が妃にお仕置きした話」をうっとりと語った。
4
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
黒龍の神嫁は溺愛から逃げられない
めがねあざらし
BL
「神嫁は……お前です」
村の神嫁選びで神託が告げたのは、美しい娘ではなく青年・長(なが)だった。
戸惑いながらも黒龍の神・橡(つるばみ)に嫁ぐことになった長は、神域で不思議な日々を過ごしていく。
穏やかな橡との生活に次第に心を許し始める長だったが、ある日を境に彼の姿が消えてしまう――。
夢の中で響く声と、失われた記憶が導く、神と人の恋の物語。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
皇帝の寵妃は謎解きよりも料理がしたい〜小料理屋を営んでいたら妃に命じられて溺愛されています〜
空岡
キャラ文芸
後宮×契約結婚×溺愛×料理×ミステリー
町の外れには、絶品のカリーを出す小料理屋がある。
小料理屋を営む月花は、世界各国を回って料理を学び、さらに絶対味覚がある。しかも、月花の味覚は無味無臭の毒すらわかるという特別なものだった。
月花はひょんなことから皇帝に出会い、それを理由に美人の位をさずけられる。
後宮にあがった月花だが、
「なに、そう構えるな。形だけの皇后だ。ソナタが毒の謎を解いた暁には、廃妃にして、そっと逃がす」
皇帝はどうやら、皇帝の生誕の宴で起きた、毒の事件を月花に解き明かして欲しいらしく――
飾りの妃からやがて皇后へ。しかし、飾りのはずが、どうも皇帝は月花を溺愛しているようで――?
これは、月花と皇帝の、食をめぐる謎解きの物語だ。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる