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 その男はどちらかと言えば、人間よりはできの悪い飾りカボチャゴードに似ていた。膨らんだ腹に猫背が覆い被さっていて、おまけに顔色は黄色と緑のまばらだ。頭はかろうじて首の上におさまっているが、ぐらついて今にも顔面からテーブルに突っ伏してしまいそうだ。
「こいつにどれくらい飲ませたんだ?」
「飲ませてねえすよ! 最初からこれだったんだ」オーウィンが言った。
 バウワーはフーヴァルを、さっきまでの自分がまさに探していた通りの、とびきり薄汚れていて、とびきり荒んだ店に案内した。何組前の客が残していったのかもわからない空の杯と、何か赤っぽいものを食べ散らかしたあとの皿がテーブルの端に無造作に積み重なっている。
 フーヴァルはため息をついて、捕囚となった目撃者の向かいに腰を下ろした。
「で?」
 男がまだ朦朧としているので、オーウィンがそいつの肩を小突いた。「おい!」
 すると男は何度か瞬きをして、ようやくフーヴァルを認識した。
「やあ」
 フーヴァルは口だけで笑ってみせた。「お前、〈嵐の民ドイン・ステョルム〉を見たのか?」
 男はたっぷり半刻ほどかけて、今の言葉を耳から脳へ運搬した。それから間の抜けた声で「おお~」と言い、がっくりと頷いた。
 フーヴァルはバウワーをにらみつけた。
「だから、最初からこうだったんですって!」
 
 結局、フーヴァルたちはその男を路地裏に連れ出した。
 何発か腹を殴って胃の中身をそっくり吐かせたあと、頭から水をかぶせて、ようやくまともな会話ができるようになった。
「ああ……確かに見たよ。立派な身なりをした男の幽霊が……波間に浮かんでた」
 少し話すごとに嘔吐えずくので気が気ではないが、意識ははっきりしたらしい。
「その幽霊を見たあとで、角笛の音が聞こえた……それで、気付いたら……あのひどい臭いが……」顔の色が、腐った牛乳のような色になる。彼が薄汚れた路地の地面に身をかがめる前に、フーヴァルたちは男から飛び退いた。
 吐き終わったあとの男にバウワーが水の入った柄杓を手渡し、先を促す。
「そして……昔の船──竜頭船ロング・シップと言うんだったかな? それがもう、海原を埋め尽くしていた。二百艘はあったんじゃないだろうか……みな異なる服を着ていた。別の国、別の時代の人間を、無理矢理一カ所に集めたみたいだったよ……」
「他には、何か見たか?」
「さあ……」男は考え込むように目を閉じた。
 少し待っていると寝息を立てはじめたので、頬を叩いて起こした。
「他には、何か見なかったのか?」
 食いしばった歯の間から脅すような声を絞り出すと、男は慌てて答えた。
「わからないよ! 俺が見たのは、幽霊と、幽霊の船と、化け物だけで……」
「化け物?」
 〈嵐の民ドイン・ステョルム〉と同時に化け物が出るという話は初めて聞いた。
「どんな化け物だ?」
 男は目を見開き、頬を震わせながら言った。
烏賊いかだよ。馬鹿でかい烏賊! そいつを引き連れてる船みたいのが一番奥にいて……そういえば、あれは普通のガリオン船だったな」
 ようやく欲しい情報にたどり着いた。「その船の特徴は?」
 すると、男は怯えたような目を左右に動かしはじめた。酔いが醒めると共に理性が戻ってきて、逃げ道を探しているのだろう。
「その船の特徴を教えたら、行かせてやる」フーヴァルは言った。「だから、さっさと教えろ。さもなきゃ舌を切り落とすぞ」
「わかった。わかったよ!」男は激しく瞬きをした。「船の特徴は、よくわからない。俺は目が良くないんだ。黒っぽい船だった気がする」
「それで?」
「それで……ええっと……」男は文字通り、頭を抱えた。湿った頭皮に張り付いた薄い頭髪を掻きむしりながら唸っている。「そうだ! 歌が聞こえた。男の声だった」
「どんな歌だ?」オーウィンが男の後ろから尋ねた。
「よく聞くやつだよ、あの……引けよウェイ、ヘイ、お前らボーイズ何とかかんとか~ってやつだ」
「ひでえ音痴だな」オーウィンが言った。「でも、わかりやす。『哀れなジョニー』だ」
「でも、俺が聞いたことがある歌とはちょっと違ってた。歌詞の部分が」
「どう違う?」バウワーが水の柄杓を握りしめた。
 すると、男は酒焼けした声で歌い出した。
 
  引けよウェイ ヘイ お前ら
    帆を上げろウェイ・ハー・アップ
  哀れなジョニーが聞いたとさ
  人魚の妙なる歌声を
   
  引けよウェイ ヘイ お前ら
    帆を上げろウェイ・ハー・アップ
  ひとたび人魚の虜になれば
  たちまち骸が海の底
 
「聞いちゃいられねえ」とオーウィンがぼやく。
 だが続く歌詞を聴いて、フーヴァルの腹の底がすっと冷えた。
 
  可愛い可愛いわたしの坊やマイ・ボニー・ボニー・ラッド
  アール・ライリー オー
  答えて わたしのこの声に
  至上の宝はお前のものよ
   
  引けよウェイ ヘイ お前ら
    帆を上げろウェイ・ハー・アップ
  どこにいるんだ 可愛い坊やボニー・ボニー・ラッド
  見つけて殴ってふん縛りゃ
  至上の宝は俺らのもの
 
「〈嵐の民ドイン・ステョルム〉がこんな歌を?」
「奴らじゃない。大烏賊の船の奴だよ、歌ってたのは」男は言った。それから、また裏路地の出口に視線を走らせた。
「なあ、もういいかい? 知ってることは全部話したよ」
「どうしやす?」と、オーウィンが言う。
「放してやれ」
 オーウィンが手を放すと、男は何度も後ろをふり返りながら、表通りに消えていった。
「アール・ライリー?」バウワーが言った。「そんな船乗りの話、聞いたこともない」
「俺もだ。船長はどうです?」オーウィンがフーヴァルを見た。
「さあな」フーヴァルは唸るように言った。
「あいつ、あの話をダシにして酒代を稼いでるんですよ」バウワーが言った。「今ごろ、島中に知れ渡ってますね」
 ああ、とフーヴァルは言った。
「そのアールとか言う馬鹿野郎がどこの誰であれ、さっさと行方をくらませた方が身のためだな」
 アール・ライリーだと? クソッタレ。
 この噂がイグナシオ・パドロン──島の元締めにまで伝わっていたら、面倒なことになる。
「バウワー、オーウィン。出航を早める。船に走っていって、合図をぶちあげろ。俺を待たずに、準備ができたらさっさと出航するんだ」
 ふたりは目を見交わした。
「理由はあとで説明する」
「必ず追いついてくれますよね?」バウワーが言った。
「急げ!」
 オーウィンとバウワーは、二度は躊躇わなかった。ふたりは人混みの中を駆け出し、あっという間に見えなくなった。
 ゲラード。
 ゲラードを見つけて、今すぐにここから脱出しなければ。
 裏路地を出た瞬間、後ろから首根っこを掴まれた。太い腕が首に回される。そこには手とランタンの刺青があった。振りほどこうと藻掻く間もなく、別の男が、フーヴァルの顔面に何かを吹き付けた。
「ぐっ!」
 吹き付けられた赤い霧の向こうに、四人組の男。いずれも人間。だが、その手には銀の短剣が握られていた。
 親玉が誰なのかはすぐにわかった。さっき港で見かけた、禿げ頭の男だ。その顔が、目眩と共に……歪んでゆく。
 禿げ頭は、フーヴァルを見て満足そうに微笑んだ。
「よぉ、可愛い坊やボニー・ラッド




      21
 
『デカい方の寝台』の寝心地は最悪だった。
 やたらと柔らかくて、腰が落ち着かない。仰向けになっても、横になっても妙な具合に身体が沈む。苛立ち紛れに再び寝台を抜け出したところで、ふと思い出した。これは、王城で自分が使っていた寝台とそう変わらないのだと。
 つまり、自分の身体は、もうすっかり硬い寝台や寝棚になれてしまったということだ。喜ぶべきなのかどうか。
 今夜はどうしたって眠ることはできないのだと諦めて、窓辺に置かれた長椅子に腰掛ける。酒を飲んで眠くなるという話も聞くが、ゲラードはそういう性質ではなかった。どんなに少しの酒でも、目が冴えてしまうのだ。
 フーヴァルとの口論に勝てたことはない。にもかかわらず彼に勝負を挑んでしまうのは、なぜなのだろう。
 彼を変えたいと思っているからではない。そうではなく……きっと、あれ以上に素直に、自分の胸のうちを明かす方法が他にないからだ。
 それでも──。
 尊敬だと? 捨てた相手とヤりたいときには、『気晴らし』じゃなくてそういう言葉を使うってわけか?
 それでも、あの言葉は、堪えた。
 彼を想い続けるのは容易なことではない。いっそ、遠く離れている時の方が容易かった。だが、それは彼の偶像を愛でていただけに過ぎないのだろう。
 海のように底知れず、潮のように変化しやすい。そこに浮かぶ船になれたらと思っていた。だが、それでは足りないのだ。彼と向き合うには、そんな小さな自分では駄目だ。
 その時、何かに見られているような気がして、ゲラードは顔を上げた。
 そして、窓枠にとまっている黒い梟を見て、危うく悲鳴をあげかけた。
「お久しゅうございます、殿下」梟は言った。
「き、君は……」
「ご無事で脱出なされたこと、心よりお慶び申し上げます」梟は、人間のように優雅なお辞儀をした。
 ゲラードは呆然としたまま言った。「あの夜のことは、夢かとおもっていた……」
「現実でございます。恐れながら」梟は目をしばたいた。「そして恐れながら本日も、あの夜と同じように警告に参りました」
 心臓が、胸の中で捻れる。
「まさか、また刺客が──!?」
「いいえ、そうではございません。ですが、同じくらい重要なのでございます。どうかエレノア様の元にお戻りください」
「エレノア──」その名前に、今度は胃が鉛のように重くなった。「なぜだ? 僕を処刑させるためか?」
 途端に、この梟への不信感が湧き上がってくる。
「そもそも、君は何者なんだ? 王宮には、君のような魔女はいなかった。誰に協力している?」質問を浴びせかけながら、ゲラードはすでに見当をつけていた。「オールモンドのために働いているんだな?」
「わたしが、宰相に? いいえ!」梟はホホホと笑った。「わたしが何者にも仕えていないことをご説明申し上げても、おそらくご納得頂けないでしょう。しかし、そうなのです」
「ならば、何のために?」
「我々の国のため、でございます。殿下」梟は言った。「エイルで己の人生を掴もうとするものもいますが、わたしにとっての故郷とは、ダイラ以外にはありません。そのダイラがいま、乱れているのです」
 梟の声には、真摯な真実の響きがあった。
「王宮の発言権はかつてないほど弱まっています。陽神教会の口出しも大きく、より強硬になり、とても無視できません。〈燈火の手〉の一派が国中で無体を働いているのに、ろくに罰することもできない。北方の者たちも不穏な動きを見せ、それに対抗するように、〈ハンズ〉の規模も育ちつつある。議会を制するのは根回しに長けた者。世事に疎い王女では太刀打ちできません。このままではエレノア様は追いやられ、機会を窺う者に食われてしまうでしょう。国は煮えたぎる鍋のように、いまにも吹きこぼれそうな怒りで満ちている。それに蓋ができるのは、あなた方王族の他にはいらっしゃらない」
 ゲラードは目を細めた。
「蓋をするか……あるいは、火そのものを消すか?」
 目をしばたいた梟が、わずかに嘴を開けたまま固まった。
「僕が処刑され、エレノアが誰かに嫁ぎ、ハロルドの血統を一人残らず片づけてしまえば、また別の者が王座につく。そうすれば、目新しいものへの期待から、国民の怒りはおさまるだろう──当面の間は」
 梟の目が、面白がるように細まった。
「あの暗殺を、そのような理由からだったとお考えなのですね。そして、わたしもそれに関わっていると」
 ゲラードは頷いた。
「あなたは誠に得がたき王子!」梟は言った。「ですが、わたしは真実、あなた様の味方です。あなたの処刑は、必ずや阻止いたしましょうとも」
 ゲラードは立ち上がり、余裕のない笑みを溢した。
「正体を明かさぬ者をどう信用しろと? それに──」短くなった髪を掴んだまま、部屋の中を歩き回る。「僕が今さら、国に戻って何の役に立てると言うんだ。僕が王殺しだという噂はここにまで届いている。処刑など! そんな手続きを踏んでもらえたらまだ幸運だ! 船が港に入った瞬間、大砲で狙い撃ちされておしまいだろう」
「疑惑は晴らせば良い──それだけのこと」梟は、揺るがぬ声で言った。「あなたは、次の王なのですから」
 その言葉は、冗談に聞こえて当然なのに、そうは聞こえなかった。
「だが……僕は庶子だ」
「エメライン様はバーナード三世の血を引くお方。そしてあなたのお父上は──」
「何の力もない小領主だ」
「あなたの中には高貴なる血が確かに流れているのです」梟は羽を広げた。「あなたが王冠を戴けば、世は静まる。王とはそういうものです」
 ゲラードは力なく笑った。
「混乱を鎮めるためだけに、お飾りの王になれと言っているのか?」
「飾りで終わるか、偉大な王になるかは殿下次第」
 その時、港の方から何かが聞こえた。
 大砲のような音──だが、もっと軽い。
「何事でしょう?」
 梟はゲラードを見たまま身体だけを反転させ、それから港へと顔を向けた。
 広縁に出て身を乗り出すと、今まさに、輝く火の玉が港の上空で炸裂したところだった。
「あれは……」
 船を下りるときに教えてもらっていた。あれが集合の合図だ。
「何かあったんだ」
 だが、何が?
 いつの間にか、梟はゲラードの隣にいた。手摺りにとまって、眼下で広がりはじめた騒ぎを──いくぶん興味深そうに──眺めている。彼女はゲラードを見て言った。
「あなた様の本当の居場所はここではない。それを、努々ゆめゆめお忘れなきよう」
 梟が羽ばたくと、黒煙が立ち上った。吹き寄せる風がその煙を払う頃には、魔女の気配は跡形もなく消えていた。
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