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 硲 忘却の果て 
 
「何でだ! こんな──!」 
 リコヴの悲鳴が響き渡る。 
 ハミシュの目の前で、神の卵と神々とを繋ぐ赤い緒が、次々と絶たれていった。卵の中に宿っていた光は薄れ、殻の中で蠢くものの形も、徐々に萎んで──ついに、エヴラールの姿へと戻っていった。 
 いま、卵と繋がっている緒はリコヴから伸びている一本だけだ。 
 彼は狼狽え、怒り、嘆いていた。あたりを歩き回りながら、めったやたらに何かを蹴飛ばし、放り投げ、叫んだ。 
 だが、もはや何をしても無駄だと覚ると、その場にしゃがみこみ、深く項垂れた。 
 ハミシュは初めて、彼に同情を覚えた。 
 そっと近づいてゆくと、彼は言った。 
「もうおしまいだ」今までに聞いたことがないほど、虚ろな声だった。「神は死ぬ。全ての神は死ぬ」 
 ハミシュは、彼の前にしゃがみこんだ。 
「これが唯一の方法だった……わかってるのか、相棒?」リコヴの声は、呟きに近かった。「神なんて、もう用済みだ。こうでもしなきゃ、俺たちが存える道はなかったのに」 
「僕も悲しいよ」 
 するとリコヴは、敵意に満ちた目でハミシュを睨んだ。「嘘だ」 
「嘘じゃない」ハミシュは言った。「わかるだろ──僕らは一心同体なんだ」 
 リコヴは目を閉じ、深呼吸する素振りをした。 
「ああ──そうかもな」 
 彼はどさりと後ろに倒れ込んだ。両腕を枕にして寝転び、ゆっくりと晴れつつある暗雲の向こうを透かすように見つめた。 
「お前たちはこれからどうなっていくんだろうな? 神々おれたちがいなくなっても、ちゃんとやっていけるか?」 
「たぶん」ハミシュは言い、彼の横に寝そべった。「苦労するだろうけど、たぶん大丈夫だ」 
「その自信はどっからくるのかねえ」 
 ハミシュは笑った。 
「お前のおかげだよ、リコヴ」 
 そう言うと、彼は不思議そうにハミシュを見た。 
「お前が、僕をいろんなところに連れ回したおかげで、僕にもこの世界のことがわかった。きっと──」ちらりと、エヴラールの方を見る。「ひとつの場所に留まっていたら見えなかったものが、見えたんだ」 
「へえ、そうかい。で、なにが見えた?」 
神々きみたちは死なないってこと」ハミシュは言った。「きっと、いまとずっと同じでは居られない。何かは変わってしまうだろう。手の施しようがないくらいに変わってしまうものもある。でも、神々きみたちは死なない」 
 リコヴは、ハミシュを見た。 
「何故そう思う?」 
 ハミシュは小さく微笑んで、言った。 
「だって、僕らが語り継ぐから」 
 リコヴは、ほんの僅かに目を歪めた。「それは……信仰じゃない」 
「うん」ハミシュは言った。「だけど、同じくらい大事なものだと、僕は思う」 
「どうだか」 
 ハミシュは再び空を見上げた。雲は消え、いまは無数の世界の欠片が、星のように小さな光となって散らばっていた。 
「だって、お前は物語の神だ」ハミシュは言った。 
 リコヴは馬鹿にしたように鼻を鳴らした。「この期に及んで間違うのか? 俺は──」 
「間違ってない。だって、物語のはじまりは嘘だろ」 
 リコヴは口にしかけた冗談を引っ込めた。彼の表情は真剣だった。 
「人間は嘘が好きだって、お前は言った」ハミシュは小さく笑った。「そうなんだ。ぼくたちは嘘が好きなんだ」 
 黙ったまま、リコヴはハミシュを見つめた。 
「きっと、この世で一番初めの嘘は……誰かを救うためのものだったに違いないよ、リコヴ。その祈りがあったから、君が生まれたんだ」 
 ハミシュを見つめるリコヴの目が、うっすらと輝きを帯び始める。 
 それが涙のせいなのか──そもそも、神は涙を流すのか──については、考えないことにした。 
「現実は厳しい。辛いことばかりだ。でもひとつの嘘が、歩き続ける希望を生むこともある。そういうのは『嘘』じゃなくて……『物語』って呼びたいんだ」 
「でも、お前は言ったじゃないか。嘘はもう沢山だって。僕のための神話なんか要らないって」リコヴは拗ねたように言った。 
「うん」ハミシュは頷いた。 
「僕のための神話は要らない。それは本当だ。きっとつまらないし」そして、小さく笑う。「でも僕は……知って欲しいよ。お前のこと……皆のことをさ。だから、物語の神は必要なんだ」 
「ふうん」と彼は言った。「物語の神、か」 
 リコヴの頬に、蛇の鱗が表れた。 
 いや、鱗じゃない。皹だ。彼は……滅びようとしている。 
「物語の神。悪くないかもな」彼は、実に彼らしい表情でほくそ笑んだ。 
 ハミシュは身を起こした。「リコヴ、その肌──」 
「あのさ」ハミシュを遮り、彼は言った。「なんでお前を依り代にしようと思ったか、思い出したよ」 
 首をかしげて、リコヴを見る。 
「僕がエヴの兄だからだろ?」 
 それもあるけど、とリコヴは言った。 
「お前は嘘をついていた。弟を元気づけるために、あることないこと……それがよかった」 
 ハミシュは笑った。「僕が嘘つきだから、気に入ったの?」 
「気が合うと思ったんだよ」 
 リコヴが肩をすくめると、彼の肩がぼろりと灰になって崩れた。 
「おっと。そろそろお別れだな」 
 彼のことを、友のように思ったこともあった。心の底から憎みもした。けれどいま、最後を迎える彼の傍に居られて良かったと、ハミシュは思った。 
 目に、涙が滲む。 
「ここから生きて出られたら──お前のこと、伝えるよ。みんなに伝える」 
「ああ、頼むよ。忘れずに伝えてくれ」 リコヴは微笑んだ。「俺ほど、この世界を愛してる奴はいなかったって」 
 崩壊に侵食されるように、彼の姿が失われていく。 
 最後に残った口元は、優しい笑みをほんの一瞬留めて、消えていった。 
 
 世界が揺らぐ。 
 揺れはいつまでも、いつまでも続いた。世界が壊れるまで、永遠に揺れ続けるのかも知れない。 
 頭上からは、世界の欠片が雨のように降り注いでいた。それらは底にたどりつくと、それまでもっていた色彩を失って、黒く変わった。 
 降ってくる破片をかいくぐって、ハミシュは弟の傍へと走った。そして、落ちていた棒を卵にたたきつけた。傷ひとつつけることができなかった殻は、あっけなく割れた。ハミシュはエヴラールを守るように抱きかかえた。 
 よかった。温かい。ちゃんと息をしている。 
 瓦礫から自分と弟を庇いながら、何とか逃げだそうと辺りを見回す。 
「でも、どうやって……」 
 もしかしたら、このままここに瓦礫と一緒に埋まってしまうことになるのかも知れない──そう思いかけたとき、頭の上から声がした。 
「マタル! あそこだ!」 
「おーい!」 
 見上げると、そこに皆がいた。 
 アシュモールへの旅を一緒にしたホラス。それに、マタルと呼ばれた男が、ハミシュの真上で魔法の翼を広げていた。エイルで何度か見かけたフーヴァルという名の船長もいて、黒い翼が生えた、優しい顔の男に抱きかかえられている。 
 混乱が頭の中に渦巻く。 
「なんで……皆……僕──」 
「説明は後!」マタルはそう言うと、魔法の蔓をエヴラールに巻き付けて飛び上がった。 
 金髪の男に抱きかかえられたフーヴァルが、ハミシュを抱きかかえた。 
「飛べ、ガル!」 
「ああ!」ガルと呼ばれた男は返事をして、羽ばたいた。 
「この世界は、もうじき崩れる」ガルが言った。優しい顔をしているけれど、その横顔は張り詰めていた。 
「そんなこと見りゃわかるだろ! 飛ぶのに集中しろ!」 
 降り注ぐ瓦礫の中、六人は空を裂くように飛んだ。 
 先行して飛んでいたマタルが、あっと声を上げて指を指した。「出口はあそこだ!」 
 そこにあるのは、今にも閉じてしまいそうな小さな裂け目だった。 
「行け! 行け!!」ホラスが皆を急かす。「一列になって飛べ!」 
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「あの二人は!?」マタルが、半ば叫びながら尋ねた。 
 ガルが言った。「見つからなかった」 
「そんな──!」 
 ハミシュは尋ねた。「あの二人って?」 
「クヴァルドとヴェルギル。彼らも一緒にこの世界に入ったんだ」 
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 誰ひとり、無駄口を叩かなかった。風を切る音と鼓動だけが聞こえていた。 
「出口だ!」 
 肩が擦れそうなほど狭い隙間から、マタルとホラス、そしてエヴラールが飛び出していった。ガルと、彼にしがみつくフーヴァルとハミシュもそれに続いた。 
 クヴァルド、ヴェルギル。二人は本当に──? 
 後ろを振り向こうとしたハミシュの頭を、フーヴァルががしっと掴んだ。 
「振り向くんじゃねえ」彼は言った。「生きてここから出たいなら、振り向くな」 
 ハミシュは目を閉じた。 
 隙間をくぐり抜けると、瞼の向こう側で光が爆発した。 
「外だ」吹き付ける風の中、ハミシュは喘ぎながら言った。「外だ……!」 
 次の瞬間、全員の手足がもつれそうになるほど一塊になって着地した。痛みに呻き、眩しい光に目を焼かれながらも、ハミシュは土の匂いを嗅いだ。そよぐ風を浴びた。そして、隣に横たわるエヴラールの、温かな体温を感じた。 
 生きている。 
 息をしている。僕は戻ってきたんだ。 
 戻って来られたんだ。 
「隙間が、閉じる……!」 
 ホラスの声に顔を上げる。 
 彼の視線の先を追うと、今まさに、自分たちが飛び出してきた山の隙間が──硲の世界への入り口が、轟音と共に閉じようとしていた。 
「クヴァルド」ハミシュは囁いた。「ヴェルギル……」 
 みな呆然と、隙間を見つめていた。 
 悲しみを、まだ受け入れたくない。彼らを諦めて、手放してしまいたくはない。それでも、待ち続ける彼らが手にするのは沈黙だけだった。 
「嫌だ……」ハミシュの頬を、涙が伝う。 
 僕、弟を助けたんだよ、クヴァルド。あなたの冒険譚に勇気をもらえたから。 
 リコヴと沢山話をしたよ、ヴェルギル。少しだけ彼を──神々のことを理解できた気がするんだよ。 
 二人に話して聞かせたい。二人の話を聞きたい。 
「お願いだ……」泣き崩れそうになるハミシュを、マタルが抱きしめてくれた。「お願いだから、帰ってきてよ……」 
 その時、ふと気付いた。 
 ここが、祈る神を失った世界であることに。 
 彼らはもう、助からないかも知れない。 
「僕の……せいだ」 
 呆然と呟くハミシュにそれ以上言わせないようにするためだろうか。マタルが、ハミシュを抱く腕に力を込めた。 
 その時──全く唐突に、そして騒々しく、閉じかけた隙間にひびが入った。 
 息を呑み、声を上げる暇さえなかった。瞬く間に亀裂が拡がり、盛り上がる。それを見ていた皆の心に、期待が芽吹く時間さえなかった。 
 土煙を立て、石礫を飛び散らせながら、影が飛び出してきた。 
 白い靄の塊のように見えたものは、勢いのままに傾斜した山肌をゴロゴロと転がり、森の奥に消えた。 
 ハミシュたちは顔を見合わせた。 
 何か聞こえる。声のようなものが。 
 ハミシュたちはもう一度顔を見合わせ、駆け出した。 
 たがが外れたような笑い声が、二人分、向こうから響いている。ちゃんと聞こえる。間違いない。 
 激しく鼓動する心臓を抱えたまま、よろめきながら駆け寄ると、ハミシュたちは恐る恐る木立の向こう側を覗き込んだ。 
 皆の見ている前で、白い靄がゆっくりと溶け始める。曙光に散る朝靄のように。 
 そして中から、ずぶ濡れになったクヴァルドとヴェルギルが現れた。全身傷だらけで、気を失っていないのが不思議なほどボロボロだ。 
 だが、生きている。息をしている。二人は抱き合ったまま笑っていた。 
「まったく……ひやひやさせやがって!」フーヴァルが皆の気持ちを代弁した。 
「いや、すまない」ヴェルギルはぎこちない動きで身を起こした。「あまり長く待たせなかったならいいのだが」 
「一生分待ちましたよ」泣き笑いの顔で、マタルが言う。 
 ヴェルギルは彼に笑ってから、ハミシュを見た。 
「ずいぶん大きくなったな、ハミシュ」 
「ヴェルギル──シルリク陛下、僕……」 
 言おうと思っていた言葉があんなにたくさんあったのに、出てこない。 
 ヴェルギルはゆっくりと頷いた。まるで全てを知って、それを肯定するように。 
「無事で良かった。皆、無事で本当に良かった」 
 彼は大きなため息をついて、空を見上げた。 
 火口から吹き上がっていた黒煙は絶えていた。いま彼らの頭上には、嘘のように明るい空が広がっている。 
「良い天気だ」とヴェルギルが言った。 
 皆が空を見た。異を唱えるものはいなかった。 
 本当に、良い天気だった。 
 こんなに真っ青な空を見たのは、生まれて初めてだった。 
 
 一行は瓦礫だらけになったパルヴァを突っ切り、海へと向かった。光箭軍の兵たちの姿はない。 
「みな死んだか、あるいは逃げてしまったのだろう」ヴェルギルが言った。 
「一番割を食ったのはカルタニアの連中か」フーヴァルの声には同情がこもっていなくもなかった。 
「国に戻るまでは、まだわからない」クヴァルドが慎重に言う。「だが、皆が犠牲を払った」 
 これから長い時間をかけて、その犠牲と向き合っていくことになる。 
「それでも、帰る場所がある」ゲラードが言った。 
「ああ、そうだな」 
 ホラスが言うと、マタルは微笑んだ。 
 パルヴァの港はほぼ壊滅していた。一行は船を目指して、海岸線を進んだ。口数は少ない。おそらく皆、硲の世界で経験したことに──いま生きてここに居ることに思いを馳せていたのだろう。ハミシュもそうだった。気を失ったままの弟を背中に負ぶって、その重みと温かさを噛みしめていた。 
 皆の帰りを待ち構えていたマリシュナ号の乗組員たちは、岸壁に姿を現した一行を見るや、口々に叫び、囃し立て、しまいには──昼間にもかかわらず──何発もの花火を打ち上げた。 
 ガルに抱きかかえられ、炸裂する光の中を縫うように飛んだ事は覚えている。この光景を、エヴラールも見られたらよかったのにと思ったことも。だが、彼には後で聞かせればいい。話すことは沢山ある。そしてそれは、リコヴと交わした大事な約束を果たす第一歩なのだ。 
「これからが大変だ」 
 出航する船の上で、ヴェルギルがしみじみと呟く。 
「ああ、そうだな」クヴァルドが彼を抱きしめて、言った。「だが、俺たちは生きている」 
 その言葉にヴェルギルは目を閉じ、深く息を吸って、吐いた。再び瞼を開いたとき、彼の瞳の中に強い光があるのを、ハミシュは見た。それは『生きている』あかしそのもののような……目映い光だった。 
 帆が拡げられ、船がゆっくりと進み出す。すると、誰かが歌を口ずさみ始めた。 
 
『いざ たちて還らん 我が都へ』 
 
 クヴァルドとヴェルギルは顔を見合わせ、微笑んだ。 
 
析析せきせきと栄え みどりえたるかの地 
 西風揚揚ようようと渡り 鷲翼しゅうよく 黄金こがねに輝く 
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