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働いた夜と言うのは良く眠れるものでぐっすり眠れた。今回はオネショする事も無く心地の良い目覚めを感じる事ができた事に、ホッと一息を付ける。
例のオネショ事件はいまだに心に刺さったトゲなのだ・・・
大立ち回るりの翌日から数日間は非常に忙しかった。伐採や焼き物作りで手入れが出来ない畑に影響が出ないように、畑の手入れはいつも以上に細やかに行い。その合間を見てはご近所さんを誘っての川原での土採取、はたまたその土を使って陶土作りを行い。
本当は出来た土は月単位で寝かせる工程を挟まなければ成らないはずだが、今回は数日で勘弁を願おう。それが終わるとまたまた畑作業、畑が片付いたら作って置いた粘土からの素地作りまでをこなした。
さらには回復薬たる精製獣脂軟膏を、領軍へ定期的に納品する契約をも果たさなければならないのだから、目を回さなかった俺の体を褒めてあげたいものだ。
初回の納品時に使い捨てになる事でいろいろと言われないように、配置薬システムでの販売にすると提案をした。
そもそもが三日しか持たない薬なのだから、使わなかった分に関して詐欺るのも、今後の商いに妨げとなるだろうと、この提案をしたところ担当した副官さんに、「隊長が気に入るのも解かりますね。まさか3日で使い物にならなくなるなんって落とし穴があったとは」と言われて大苦笑いをされてしまった。
システム内容としては、残りに水を入れて計量枡に移し変えて使用分×代金での支払いと言う事にした。流石に1ピリン単位は勘弁なので、50ピリン単位にした事は詐欺では無いだろう?多分
こうして全ての準備作業を完了させて漸くスタート地点に戻ってくる事が出来た。
これが元のスタート地点でしかないのが悲しい話だが、そもそも帰って来れない可能性すらあったのだから、戻れただけでも良しとしよう。
ここまでの作業を終えて、伐採まで一日の猶予を取れたのだ。俺の指揮能力って凄くない?・・・などと1人悦に浸ってみたりするのだ。
それでも1日の余裕を取れたのはそれなりに大きい事だと思う。武器の手入れやら道具の手入れを念入りに行えるし、体力温存にも効果が大きいだろう。忘れ物チェックにもね。
俺に限って言えば、そろそろ尽きかけてきた収魔石への魔素補給も兼ねて魔風穴に行く事も出来た。
騒動前はそこまで薄くなる前に補給していたので感じる事も無かったのだが、ここの所は間隔が開いたせいか感じる魔素もかなり薄れていたので、儀式の時間を取りたいなと思っていたのだ。
魔風穴では体いっぱい石いっぱいに魔素を取り入れる事が出来、俗に言うお肌ぷるんぷるんなエフェクトで伐採に望む事ができる。
明日からの伐採頑張るぞ~。
翌日。
やっとココまで辿り着いた。長くは無かったけど大変だった。そう今日は待ちに待った伐採の日なのだ。
準備は万全、護衛も知っている限り最強、もはや焼き物を焼く煙の香りまでして来そうだ・・・何て言っていると失敗フラグにしか聞こえないのは、前世の思考が残っているせいだろう。
今日の伐採には祖父に父、マリオネル隊長が率いる護衛兵団が付くのだから、父いわく「北区の森にでも入れそうな戦力はある」との事だ。
さらには父と同じように、半農半兵の一領具足みたいな同じ東区内に住むおっちゃん達も、奥方様に文字通り尻を叩かれて参加している。
前回のような貧弱兵団モドキとは戦力が桁ではなく段で違う。さらには俺も奥の手を用意してある。
今回伐採に入る場所は東の草原と南区画の森が始まるその境目になる。距離の問題と採取量を考えての場所選びだったようで、前回のように南区画の森を使うとなると住民にも影響を出してしまう事から選ばれたのが今回の場所だ。
普段なら防護柵が設置されている場所を一部取り壊して、臨時の門を開設していているが、この門も伐採が終われば取り壊されて元の防護柵の戻されるらしい。
新たな門を維持し続けるほどの兵もお金も無いからとの実も蓋も無い理由なのだが、般ピーが魔物相手に無双出来る訳も無いし、領主側としてもゴーレムが働いている訳ではないのだから、新たな門を維持し続けるための兵の給料を考えるとなると、その予算をつける事で頭を抱えるほどの金額になる事だろう。
他の区画は知らないが、マリオネル隊長が率いている南門に配されているのが、総勢180人それが半日交代で警備に当たっているのが南門なのだ。
日本人の全年齢平均給与で換算したら、7億5千万円オーバーと言えば門くらいもう一つ増やせば良いじゃないか、などと軽々しく言えない事がお解かり頂けるだろう。
その門に向けて大人たちが大八車を押して歩いていく。顔ぶれは前回と同じかなと言った所だ。例に洩れずと言うか当然の事ながら俺は参加している。
ウェインと似た年の兄ちゃん達からすると、またガキが来ていると言いたげなところがあるのだろうが、俺の顔を見ると逃げ出した前回を思い出すんだろうな。
「ボウズ。気持ちのワリい笑い方すんじゃねぇー。気い抜いてると死んじまうんだぞ」
プププな心が顔に出ていたようだ、気を引き締めねば。
「ごめんなさ~い」
前回と違って身体強化が使えれば伐採に混じる事もできるのだ。主な目的は救護班員になるのだが、本来人数に数えられないため無茶以外なら自由に行動できるのも良い。俺からみたら恵まれた立ち位置な訳だ。
さあ今日から伐採、頑張るぞい
例のオネショ事件はいまだに心に刺さったトゲなのだ・・・
大立ち回るりの翌日から数日間は非常に忙しかった。伐採や焼き物作りで手入れが出来ない畑に影響が出ないように、畑の手入れはいつも以上に細やかに行い。その合間を見てはご近所さんを誘っての川原での土採取、はたまたその土を使って陶土作りを行い。
本当は出来た土は月単位で寝かせる工程を挟まなければ成らないはずだが、今回は数日で勘弁を願おう。それが終わるとまたまた畑作業、畑が片付いたら作って置いた粘土からの素地作りまでをこなした。
さらには回復薬たる精製獣脂軟膏を、領軍へ定期的に納品する契約をも果たさなければならないのだから、目を回さなかった俺の体を褒めてあげたいものだ。
初回の納品時に使い捨てになる事でいろいろと言われないように、配置薬システムでの販売にすると提案をした。
そもそもが三日しか持たない薬なのだから、使わなかった分に関して詐欺るのも、今後の商いに妨げとなるだろうと、この提案をしたところ担当した副官さんに、「隊長が気に入るのも解かりますね。まさか3日で使い物にならなくなるなんって落とし穴があったとは」と言われて大苦笑いをされてしまった。
システム内容としては、残りに水を入れて計量枡に移し変えて使用分×代金での支払いと言う事にした。流石に1ピリン単位は勘弁なので、50ピリン単位にした事は詐欺では無いだろう?多分
こうして全ての準備作業を完了させて漸くスタート地点に戻ってくる事が出来た。
これが元のスタート地点でしかないのが悲しい話だが、そもそも帰って来れない可能性すらあったのだから、戻れただけでも良しとしよう。
ここまでの作業を終えて、伐採まで一日の猶予を取れたのだ。俺の指揮能力って凄くない?・・・などと1人悦に浸ってみたりするのだ。
それでも1日の余裕を取れたのはそれなりに大きい事だと思う。武器の手入れやら道具の手入れを念入りに行えるし、体力温存にも効果が大きいだろう。忘れ物チェックにもね。
俺に限って言えば、そろそろ尽きかけてきた収魔石への魔素補給も兼ねて魔風穴に行く事も出来た。
騒動前はそこまで薄くなる前に補給していたので感じる事も無かったのだが、ここの所は間隔が開いたせいか感じる魔素もかなり薄れていたので、儀式の時間を取りたいなと思っていたのだ。
魔風穴では体いっぱい石いっぱいに魔素を取り入れる事が出来、俗に言うお肌ぷるんぷるんなエフェクトで伐採に望む事ができる。
明日からの伐採頑張るぞ~。
翌日。
やっとココまで辿り着いた。長くは無かったけど大変だった。そう今日は待ちに待った伐採の日なのだ。
準備は万全、護衛も知っている限り最強、もはや焼き物を焼く煙の香りまでして来そうだ・・・何て言っていると失敗フラグにしか聞こえないのは、前世の思考が残っているせいだろう。
今日の伐採には祖父に父、マリオネル隊長が率いる護衛兵団が付くのだから、父いわく「北区の森にでも入れそうな戦力はある」との事だ。
さらには父と同じように、半農半兵の一領具足みたいな同じ東区内に住むおっちゃん達も、奥方様に文字通り尻を叩かれて参加している。
前回のような貧弱兵団モドキとは戦力が桁ではなく段で違う。さらには俺も奥の手を用意してある。
今回伐採に入る場所は東の草原と南区画の森が始まるその境目になる。距離の問題と採取量を考えての場所選びだったようで、前回のように南区画の森を使うとなると住民にも影響を出してしまう事から選ばれたのが今回の場所だ。
普段なら防護柵が設置されている場所を一部取り壊して、臨時の門を開設していているが、この門も伐採が終われば取り壊されて元の防護柵の戻されるらしい。
新たな門を維持し続けるほどの兵もお金も無いからとの実も蓋も無い理由なのだが、般ピーが魔物相手に無双出来る訳も無いし、領主側としてもゴーレムが働いている訳ではないのだから、新たな門を維持し続けるための兵の給料を考えるとなると、その予算をつける事で頭を抱えるほどの金額になる事だろう。
他の区画は知らないが、マリオネル隊長が率いている南門に配されているのが、総勢180人それが半日交代で警備に当たっているのが南門なのだ。
日本人の全年齢平均給与で換算したら、7億5千万円オーバーと言えば門くらいもう一つ増やせば良いじゃないか、などと軽々しく言えない事がお解かり頂けるだろう。
その門に向けて大人たちが大八車を押して歩いていく。顔ぶれは前回と同じかなと言った所だ。例に洩れずと言うか当然の事ながら俺は参加している。
ウェインと似た年の兄ちゃん達からすると、またガキが来ていると言いたげなところがあるのだろうが、俺の顔を見ると逃げ出した前回を思い出すんだろうな。
「ボウズ。気持ちのワリい笑い方すんじゃねぇー。気い抜いてると死んじまうんだぞ」
プププな心が顔に出ていたようだ、気を引き締めねば。
「ごめんなさ~い」
前回と違って身体強化が使えれば伐採に混じる事もできるのだ。主な目的は救護班員になるのだが、本来人数に数えられないため無茶以外なら自由に行動できるのも良い。俺からみたら恵まれた立ち位置な訳だ。
さあ今日から伐採、頑張るぞい
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