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04お兄ちゃんになりました。クリエイターに任命されました。
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この街の季節は五季ある。雨季・春・夏・秋・乾季と言う具合だ。晩秋は冬とも言えなくも無いが、日本の11月から3月に移るような感じなのでまあ五季だろう。北海道の人ごめんなさい。
この年の雨季に弟が生まれた。やっぱり生まれたてはサルにしか見えなかったのが、半年も経つとなんと言う事でしょう、ウチの子のかわいい事と言ったらそれはもう天使にしか見えない。
雨季は梅雨より長雨が続く。さすがにスコールで低地が湖に変わったりとかは無かったが、うっとおしい事この上ない。しかしこの雨が無ければ野菜畑の作物の植え付けが出来ない訳で、しかし鬱陶しい訳で、魔法で家の上だけ快晴に出来ないものかと考えてしまう。
俺はと言えば毎回ではないが、ウチにいる時には弟のオムツ換えを積極的に手伝うようにしている。まあ俺のようなおっさんのオムツ換えを母たちにやらせた罪滅ぼしみたいなとこなんだけど。
俺はと言えば三歳を過ぎて探索範囲が少し広がった。自分ひとりで出かけられる場所なんて限られる訳だけど、それでも家の周囲500mくらいまでは一人行動が出来る。
車どころか馬車すらも走っていないこの町で一人で出歩いて危険なところなんて早々あるはずも無いのだ。せいぜい肥溜めに注意するくらいなもので・・・ええお察しの通り前に一度はまりましたよ(泣)
「ママ、遊んでくる~」
そう母に声をかけて出かけるのが毎日の習慣だ。さすがに黙って出かけたら心配をかけてしまうからな。
「気をつけていってらっしゃい」
そう母から返ってくる返事を聞いて出かけるのがお決まり事だ。
近所には子供が居る家も多く遊び相手には事欠かないので、童心に返って追いかけっこをしたり、小川で葉っぱ流しをしたりと、こんな事だけでも中々に楽しい。
感覚と言うものは体に引っ張られるのだろうか?
この町で舟を見たことが無いので葉っぱの舟は作るのをやめておいた。舟を知らないはずの子供が適当に作ったら舟が出来ましたはおかしいだろうし、何だこれはとなってしまうのは、説明上非常にマズイ。
時間は少しさかのぼるが、弟が生まれる少し前に遊びが少ないこの世界に出して支障の無い遊びはなんか無いかと思案した結果、俺が流行らせた遊びは棒倒しで留めておいた。本来なら砂でやるのだろうけど良い砂が無かったので、乾季で乾燥した時期ということで乾いた土で代用させて貰った。土の山に棒を刺すだけで遊べる。こんな事なら流行らせたところで問題にはならない・・・とはならなかった。思いの外遊びが少ないこの世界の子供に流行ってしまって、いつの間にやら遊びクリエイターみたいにされてしまった。もう少し自重した行動をとった方が良かったかな(笑)しないけど。
雨季に入って乾いた土が手に入らなくなると、新しい事考えろの視線が痛いほど向けられるが、傘どころかミノすら無いこの世界に措いて友達の所に遊びに行くとなると、晴れ間を狙うか濡れるの覚悟で相手の家に行くしかなく、そもそも家の中で元気いっぱいの子供たちが発散できる事も無いのだ。
きこり
この時期は男たちも家に入る。乾季までは畑を耕したり森に樵に行ったりと、外での仕事をしているが雨季の雨は冷たい。一時ならまだしも常時当たっていたら体を壊してしまうため、どこのうちにも家の隣に作業小屋が併設されており、そこでムシロを編んだり農具を作ったりしているので、在宅作業率はほぼ100パーセントになる。5歳くらいからは手伝いを言い渡されるが、それまでは兄弟姉妹がいる家はそこで兄姉に面倒を見てもらい、一人の家は親が面倒を見る。
そうして人口密度が上がった家の中で出来る事など限られている訳で、走り回ったりなどと大掛かりな事は出来ない。そんなシバリのある中で遊びを考えろと皆の目線が俺に刺さるのだ。まだ三歳だぞ俺は。もうすぐ四歳だけど。
とは言っても何も提供出来ないのでは転生者としては情けないので、う~ん、ここは一つ「いっせのせ」でも教えてみるか。あれならルールも簡単だし道具もいらないから二人居れば遊べる。賭博性も無いから安心して遊べるしな。
試しに姉とやってみようかと思ったらムシロ用の麦わらを運んでいたので、俺も体格的に少ししか持てないがお手伝いだ。
姉を遊ばしても作業に影響が出ない程度に藁を運んだら、さあ姉よ、この世界初の遊びにつきあって貰おうじゃ無いか。
「お姉ちゃん遊ぼ~」
「う~ん、まだお姉ちゃんお手伝いが残ってるからあとでね」
昔元の親にも言われたっけな、忙しいから後でって。
「リース、エドと遊んであげなさい。麦わらが足りなくなったらまた呼ぶから」
しかし今回は違う作戦どうりだ。父の前で姉を遊びに誘ったのだ。一時間分の作業が滞らない位の麦わらを運んである。始動を考えても30分くらいは遊んでも作業に余裕がある。
「は~い、じゃエド何して遊ぼっか?」
「新しいの考えたの。親指上にして握って手を合わせるの」
やり方を説明した。まあルール自体は至ってシンプルだからすぐ理解した。“いっせのせ”何と異世界向きなゲームな事か。
「お姉ちゃん良い?」
「大丈夫だと思うよ」
「じゃ、いっせーの3」
姉の指が2本俺の指が2本。まあここは一気に攻めるような事はしない。あくまで初心者相手でルールを理解しきるまでは俺は2本の指を上げ続けて、たまに勝ちに行くくらいでゲームを楽しんでもらおう。
この世界の問題点が無ければもう少しゲーム性の向上が出来るのだが、残念な事にこの世界には数学的な0の概念が無いのだ。
分数の概念だけはあるようで、1の下は1の半分とか大まかな感じで0.いくつと言った考えは無い。
0が無ければフェイントがかけられないじゃないか・・・ああ、ゼロじゃなくても無しで良いのか・・・こだわり過ぎの石頭だな俺は。まあそれでも姉には楽しんで貰えたみたいで、父に呼ばれるまで飽きること無く“いっせーのせ”をやり続けてくれた。
「エド、面白かったまた後で遊ぼー」
姉経由で年上層に、俺経由で年下層に広げていけば雨期の子供たちに大いに広がってくれるだろう。
ちなみに、元の世界では中2までクラスで大人気でやっていたさ(笑)
この年の雨季に弟が生まれた。やっぱり生まれたてはサルにしか見えなかったのが、半年も経つとなんと言う事でしょう、ウチの子のかわいい事と言ったらそれはもう天使にしか見えない。
雨季は梅雨より長雨が続く。さすがにスコールで低地が湖に変わったりとかは無かったが、うっとおしい事この上ない。しかしこの雨が無ければ野菜畑の作物の植え付けが出来ない訳で、しかし鬱陶しい訳で、魔法で家の上だけ快晴に出来ないものかと考えてしまう。
俺はと言えば毎回ではないが、ウチにいる時には弟のオムツ換えを積極的に手伝うようにしている。まあ俺のようなおっさんのオムツ換えを母たちにやらせた罪滅ぼしみたいなとこなんだけど。
俺はと言えば三歳を過ぎて探索範囲が少し広がった。自分ひとりで出かけられる場所なんて限られる訳だけど、それでも家の周囲500mくらいまでは一人行動が出来る。
車どころか馬車すらも走っていないこの町で一人で出歩いて危険なところなんて早々あるはずも無いのだ。せいぜい肥溜めに注意するくらいなもので・・・ええお察しの通り前に一度はまりましたよ(泣)
「ママ、遊んでくる~」
そう母に声をかけて出かけるのが毎日の習慣だ。さすがに黙って出かけたら心配をかけてしまうからな。
「気をつけていってらっしゃい」
そう母から返ってくる返事を聞いて出かけるのがお決まり事だ。
近所には子供が居る家も多く遊び相手には事欠かないので、童心に返って追いかけっこをしたり、小川で葉っぱ流しをしたりと、こんな事だけでも中々に楽しい。
感覚と言うものは体に引っ張られるのだろうか?
この町で舟を見たことが無いので葉っぱの舟は作るのをやめておいた。舟を知らないはずの子供が適当に作ったら舟が出来ましたはおかしいだろうし、何だこれはとなってしまうのは、説明上非常にマズイ。
時間は少しさかのぼるが、弟が生まれる少し前に遊びが少ないこの世界に出して支障の無い遊びはなんか無いかと思案した結果、俺が流行らせた遊びは棒倒しで留めておいた。本来なら砂でやるのだろうけど良い砂が無かったので、乾季で乾燥した時期ということで乾いた土で代用させて貰った。土の山に棒を刺すだけで遊べる。こんな事なら流行らせたところで問題にはならない・・・とはならなかった。思いの外遊びが少ないこの世界の子供に流行ってしまって、いつの間にやら遊びクリエイターみたいにされてしまった。もう少し自重した行動をとった方が良かったかな(笑)しないけど。
雨季に入って乾いた土が手に入らなくなると、新しい事考えろの視線が痛いほど向けられるが、傘どころかミノすら無いこの世界に措いて友達の所に遊びに行くとなると、晴れ間を狙うか濡れるの覚悟で相手の家に行くしかなく、そもそも家の中で元気いっぱいの子供たちが発散できる事も無いのだ。
きこり
この時期は男たちも家に入る。乾季までは畑を耕したり森に樵に行ったりと、外での仕事をしているが雨季の雨は冷たい。一時ならまだしも常時当たっていたら体を壊してしまうため、どこのうちにも家の隣に作業小屋が併設されており、そこでムシロを編んだり農具を作ったりしているので、在宅作業率はほぼ100パーセントになる。5歳くらいからは手伝いを言い渡されるが、それまでは兄弟姉妹がいる家はそこで兄姉に面倒を見てもらい、一人の家は親が面倒を見る。
そうして人口密度が上がった家の中で出来る事など限られている訳で、走り回ったりなどと大掛かりな事は出来ない。そんなシバリのある中で遊びを考えろと皆の目線が俺に刺さるのだ。まだ三歳だぞ俺は。もうすぐ四歳だけど。
とは言っても何も提供出来ないのでは転生者としては情けないので、う~ん、ここは一つ「いっせのせ」でも教えてみるか。あれならルールも簡単だし道具もいらないから二人居れば遊べる。賭博性も無いから安心して遊べるしな。
試しに姉とやってみようかと思ったらムシロ用の麦わらを運んでいたので、俺も体格的に少ししか持てないがお手伝いだ。
姉を遊ばしても作業に影響が出ない程度に藁を運んだら、さあ姉よ、この世界初の遊びにつきあって貰おうじゃ無いか。
「お姉ちゃん遊ぼ~」
「う~ん、まだお姉ちゃんお手伝いが残ってるからあとでね」
昔元の親にも言われたっけな、忙しいから後でって。
「リース、エドと遊んであげなさい。麦わらが足りなくなったらまた呼ぶから」
しかし今回は違う作戦どうりだ。父の前で姉を遊びに誘ったのだ。一時間分の作業が滞らない位の麦わらを運んである。始動を考えても30分くらいは遊んでも作業に余裕がある。
「は~い、じゃエド何して遊ぼっか?」
「新しいの考えたの。親指上にして握って手を合わせるの」
やり方を説明した。まあルール自体は至ってシンプルだからすぐ理解した。“いっせのせ”何と異世界向きなゲームな事か。
「お姉ちゃん良い?」
「大丈夫だと思うよ」
「じゃ、いっせーの3」
姉の指が2本俺の指が2本。まあここは一気に攻めるような事はしない。あくまで初心者相手でルールを理解しきるまでは俺は2本の指を上げ続けて、たまに勝ちに行くくらいでゲームを楽しんでもらおう。
この世界の問題点が無ければもう少しゲーム性の向上が出来るのだが、残念な事にこの世界には数学的な0の概念が無いのだ。
分数の概念だけはあるようで、1の下は1の半分とか大まかな感じで0.いくつと言った考えは無い。
0が無ければフェイントがかけられないじゃないか・・・ああ、ゼロじゃなくても無しで良いのか・・・こだわり過ぎの石頭だな俺は。まあそれでも姉には楽しんで貰えたみたいで、父に呼ばれるまで飽きること無く“いっせーのせ”をやり続けてくれた。
「エド、面白かったまた後で遊ぼー」
姉経由で年上層に、俺経由で年下層に広げていけば雨期の子供たちに大いに広がってくれるだろう。
ちなみに、元の世界では中2までクラスで大人気でやっていたさ(笑)
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