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1章 葉月と樹
樹・・・涙する。
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「杉原四っ角を左折でいいんですか?」
タクシーの運転手は黙って頷いた俺を、バックミラーで見て、困ったように笑うと
「左折したら、停車していいんですね。」
「…はい」
ようやく声を出した俺に、運転手はほっとしたように車を止めた。
杉原四っ角から6軒目。
通りに面した倉敷格子が目を引く町家風に建てられた家、そこは俺が17歳までいた家だった。
その家の前に俺は立ち、10年振りに訪れた家をぼんやりと見上げた。
帰国後、ここに訪れなくてはいけないと思っていた。あんなに世話になり、迷惑をかけたのだ、帰国の挨拶はしなくてはと思っていたが、どんな顔で、どんな話をしていいのかわからなくて…なかなか足を向ける事が出来なかった。
だが久住本家に行くと決めた今、葉月ちゃんを守るためには、虫のいい話だが、養父の助けが欲しい。今は本社を離れているが、久住本家の中で、養父しか婆様に対抗できる人物はいない。
そう考えたら、葉月ちゃんをアパートまで送ると、俺は通りかかったタクシーに乗って、この家を目指した。帰国してから約2週間目、ようやくここに訪れた。
外観は当時のままだ。庭もそうだろうか…あの頃子供だった俺にはわからなかったが、今思えば見事な【書院式庭園】だった。あぁそうだ、その庭園で養父は俺の為にバーベキューをすると言って、使用人たちを右往左往させたことがあった。それが可笑しくて、そしてすごく楽しかった。
あの婆様がいる久住本家は伏魔殿だったが、ここは…違った。唯一息が出来る場所だった。
なのに俺は…10年前…
「樹…。お前も、秋継も私の大事な息子なんだ。俺が必ず、あの人を説得する、だからしばらく待ってくれ。」と言った養父に…
「樹…」と言って泣いた養母に…
俺は、頭を下げ
「すみません。どうかここから…久住家から逃げることを見逃してください。」と言ったんだった。
…最低だなぁ。
養子の俺が、弟の許婚と、駆け落ちをする事を許してください。って言ったんだからなぁ。
そんな裏切るようなことをした俺なのに、あの日、由梨奈が来なかった駅に、俺を迎えに来てくれたのは養父だった。
『…父さん…』
養父は頷くと、俺の肩を抱き…
『桐谷家と縁を結びたいのなら秋継より、お互い惹かれあっている、樹と由梨奈さんとの婚約を考えてやるべきなのに…。あの人は本家の血に拘って、何にも見ていない。』
そう言って、顔を歪ませ
『だが…私もあの人と変わらないのかもしれんなぁ。お前にしばらく待てと言ったが、待ったところで、あの人が簡単に納得するはずはないとどこかで思っていた。お前もそう思っていたから、私の言葉に頷いてはくれなかったんだろう。だが今度は必ず、お前の声に耳を澄ます。だから心が迷ったら、私を呼んでくれ。頼む…樹。』
そう言っていた養父は数年後、あの婆様と対立し本社を離れたが、主要な子会社を、それも十数社の取締役に就いたのはやはり養父の力だろう、だがあの婆様が反旗を翻したことを簡単に許すはずはなく、どういう理由を作ってかはわからないが、秋継に自分を選ばせた。
確かに、あの婆様の権力への執着が誰もを不幸にしている。
だが、俺が由梨奈を好きならなければ…養父と婆様との間で亀裂が入ることもなく、秋継が権力に取り憑かれている婆様の下へと、自ら行く事もなかったんだ。
俺が由梨奈を好きになった事が…
同じ籠の鳥の彼女と一緒に、空を見たいと思ったその事が…
由梨奈をより頑丈な籠へとやり、新たに籠の鳥…秋継を作ってしまうことになった。
なのに張本人の俺は…籠の鍵を外された。
だが、あんなに由梨奈と自由に飛びたいと願っていたのに…
籠を開けられた瞬間、自分には飛べる翼がないことに気が付いた。
子供だったからだけじゃない、現実を知らない坊ちゃんだったということだ。生きてゆくために必要な術は何ひとつ知らなかった。
俺は開いた扉を閉めた。
久住に残るというのは惨めで恥ずかしかった。だが見苦しくても、27歳の今まで久住と言う名を捨てなかったのは、外で生きてゆく為には、ちゃんと飛べる羽を作らなくては…ちゃんと餌をとることを覚えなくては…生きてゆけない事を知ったからだ。
今思えば、10年前まだ未成年だったのが、ある意味幸いしたのかもしれない。
まさか、犬猫のように捨てるわけにはいかなかっただろうから…。
籠は形を変え、そして場所を変えて俺をアメリカへとやった。
悲壮な思いでやってきたアメリカだったが、この10年で俺は様々なことを知り、そしてそれを力にして、何件もの大きな契約を取り、アメリカの経済界とのパイプを作っていった。
俺は…もう飛べると思った。俺の翼はもう飛べると…
だから、勝負に出た。
俺がアメリカで整えた翼は、婆様に不満を持つ本社の重役数人を魅了し、俺を本社へと戻ることに、力を貸してくれたが、それが引き金になったのだろうか、秋継と由梨奈の結婚は、本来なら秋継が大学院を卒業してからの予定だったが、婆様は半年ほど結婚を早め、時期総裁は、秋継だと公表した。
婚約しているのだから、結婚はいずれあるとわかっていたはずだったのに、はっきりとした日付を聞いた時、俺の心は大きく揺らぎ、17歳の頃の俺と、27歳の俺が心の中で激しくいがみ合った。
17歳の俺の心は…
あれ以来、どんなに魅力的な女性と付き合っても、唇にキスが出来ないのは…どうしてだかわかっているんだろう。あの触れた唇の柔らかさを、そしてあの熱い思いを忘れられないから…いや忘れたくないから…他の唇で上書きなんてしたくないと思っている。そうじゃないか?
愛しているんだよ。それは今も愛していると言うことなんだよ。
そう言って…由梨奈の唇を思い出させた。
だが、27歳の俺の心は…
もう…苦しくて…辛い。叶わなかった恋なんだ、もう終わりたい。終わらせたい。
そう言って…泣いていた。
そんな気持ちを抱えたまま、日本の地を踏んだ俺は…荒れた。
唇以外は、誘われるまま他の女に触れさせ…
なにも考えたくなくて、快楽を求めた。
そんな日々を送っていたのは、まだ数日前のことだ。
由梨奈に会うのは正直恐い。俺は…どうなってしまうか恐い。
10年前とは違う。空を飛べる翼があるんだ。
あれほど求めた女を目にしたら…俺は…どうするか…自信がない。
他の人の手で終わらせられた恋だったから、まだ、小さな種火を持ったままなんだろうか。
だから、終わったと17歳の俺の心がまだ認めていないんだろうか。
だが振り向いてくれなかった由梨奈を、未だにどんなに思っても、誰も幸せにはならない。不幸になるばかりなんだ。
終わらせる。終わらせなくては…いけないんだ。
秋継や由梨奈に会えるのは、これから先、おそらくそう何度もないだろう。本家のパーティという、魑魅魍魎の集まりだが、ふたりに会えるこの機会を見逃したら、このまま、整理が付かない心で、結婚式を見ることになる。
せっかく葉月ちゃんが作ってくれたチャンス。
だが、剣も盾も持たずに、あの魑魅魍魎の集まりには連れてはゆけない。
どこかに忘れて来た笑顔を思いださせてくれるあの場所が…大事だから
葉月ちゃんがいる場所が大事だから…
俺は前に進む。
俺の為に…
俺に手を差し伸べ、笑顔を思い出させてくれた人を守る為に…
その為に養父に会い、そして頭を下げ、助けを請うんだ。
インタホーンに手を伸ばした。
《はい。》
「…樹です。」
・
・
・
《……家に帰ってくるのに、何年かかってるんだ、このバカ息子。》
「…すみません。どんな顔で会ったらいいのかわからなくて……時間が掛かってしまいました。」
《樹…10年前あの駅の構内で、また迷ったら、私を呼びなさいと言っただろう。》
「…父さん…」
《樹。待っていたよ。お帰り。》
その声があんまり優しくて…目頭が熱くなった。だが…27の男が、親に涙を見せるのはカッコ悪くて、インタホーンから顔を背けながらだったが、でも…言いたかった。
「ただいま…」
小さな俺の声に…養父はまた
《お帰り、樹。》と…
あぁ、ここにも…
笑顔を思いださせてくれる場所が…ここにもあった。
タクシーの運転手は黙って頷いた俺を、バックミラーで見て、困ったように笑うと
「左折したら、停車していいんですね。」
「…はい」
ようやく声を出した俺に、運転手はほっとしたように車を止めた。
杉原四っ角から6軒目。
通りに面した倉敷格子が目を引く町家風に建てられた家、そこは俺が17歳までいた家だった。
その家の前に俺は立ち、10年振りに訪れた家をぼんやりと見上げた。
帰国後、ここに訪れなくてはいけないと思っていた。あんなに世話になり、迷惑をかけたのだ、帰国の挨拶はしなくてはと思っていたが、どんな顔で、どんな話をしていいのかわからなくて…なかなか足を向ける事が出来なかった。
だが久住本家に行くと決めた今、葉月ちゃんを守るためには、虫のいい話だが、養父の助けが欲しい。今は本社を離れているが、久住本家の中で、養父しか婆様に対抗できる人物はいない。
そう考えたら、葉月ちゃんをアパートまで送ると、俺は通りかかったタクシーに乗って、この家を目指した。帰国してから約2週間目、ようやくここに訪れた。
外観は当時のままだ。庭もそうだろうか…あの頃子供だった俺にはわからなかったが、今思えば見事な【書院式庭園】だった。あぁそうだ、その庭園で養父は俺の為にバーベキューをすると言って、使用人たちを右往左往させたことがあった。それが可笑しくて、そしてすごく楽しかった。
あの婆様がいる久住本家は伏魔殿だったが、ここは…違った。唯一息が出来る場所だった。
なのに俺は…10年前…
「樹…。お前も、秋継も私の大事な息子なんだ。俺が必ず、あの人を説得する、だからしばらく待ってくれ。」と言った養父に…
「樹…」と言って泣いた養母に…
俺は、頭を下げ
「すみません。どうかここから…久住家から逃げることを見逃してください。」と言ったんだった。
…最低だなぁ。
養子の俺が、弟の許婚と、駆け落ちをする事を許してください。って言ったんだからなぁ。
そんな裏切るようなことをした俺なのに、あの日、由梨奈が来なかった駅に、俺を迎えに来てくれたのは養父だった。
『…父さん…』
養父は頷くと、俺の肩を抱き…
『桐谷家と縁を結びたいのなら秋継より、お互い惹かれあっている、樹と由梨奈さんとの婚約を考えてやるべきなのに…。あの人は本家の血に拘って、何にも見ていない。』
そう言って、顔を歪ませ
『だが…私もあの人と変わらないのかもしれんなぁ。お前にしばらく待てと言ったが、待ったところで、あの人が簡単に納得するはずはないとどこかで思っていた。お前もそう思っていたから、私の言葉に頷いてはくれなかったんだろう。だが今度は必ず、お前の声に耳を澄ます。だから心が迷ったら、私を呼んでくれ。頼む…樹。』
そう言っていた養父は数年後、あの婆様と対立し本社を離れたが、主要な子会社を、それも十数社の取締役に就いたのはやはり養父の力だろう、だがあの婆様が反旗を翻したことを簡単に許すはずはなく、どういう理由を作ってかはわからないが、秋継に自分を選ばせた。
確かに、あの婆様の権力への執着が誰もを不幸にしている。
だが、俺が由梨奈を好きならなければ…養父と婆様との間で亀裂が入ることもなく、秋継が権力に取り憑かれている婆様の下へと、自ら行く事もなかったんだ。
俺が由梨奈を好きになった事が…
同じ籠の鳥の彼女と一緒に、空を見たいと思ったその事が…
由梨奈をより頑丈な籠へとやり、新たに籠の鳥…秋継を作ってしまうことになった。
なのに張本人の俺は…籠の鍵を外された。
だが、あんなに由梨奈と自由に飛びたいと願っていたのに…
籠を開けられた瞬間、自分には飛べる翼がないことに気が付いた。
子供だったからだけじゃない、現実を知らない坊ちゃんだったということだ。生きてゆくために必要な術は何ひとつ知らなかった。
俺は開いた扉を閉めた。
久住に残るというのは惨めで恥ずかしかった。だが見苦しくても、27歳の今まで久住と言う名を捨てなかったのは、外で生きてゆく為には、ちゃんと飛べる羽を作らなくては…ちゃんと餌をとることを覚えなくては…生きてゆけない事を知ったからだ。
今思えば、10年前まだ未成年だったのが、ある意味幸いしたのかもしれない。
まさか、犬猫のように捨てるわけにはいかなかっただろうから…。
籠は形を変え、そして場所を変えて俺をアメリカへとやった。
悲壮な思いでやってきたアメリカだったが、この10年で俺は様々なことを知り、そしてそれを力にして、何件もの大きな契約を取り、アメリカの経済界とのパイプを作っていった。
俺は…もう飛べると思った。俺の翼はもう飛べると…
だから、勝負に出た。
俺がアメリカで整えた翼は、婆様に不満を持つ本社の重役数人を魅了し、俺を本社へと戻ることに、力を貸してくれたが、それが引き金になったのだろうか、秋継と由梨奈の結婚は、本来なら秋継が大学院を卒業してからの予定だったが、婆様は半年ほど結婚を早め、時期総裁は、秋継だと公表した。
婚約しているのだから、結婚はいずれあるとわかっていたはずだったのに、はっきりとした日付を聞いた時、俺の心は大きく揺らぎ、17歳の頃の俺と、27歳の俺が心の中で激しくいがみ合った。
17歳の俺の心は…
あれ以来、どんなに魅力的な女性と付き合っても、唇にキスが出来ないのは…どうしてだかわかっているんだろう。あの触れた唇の柔らかさを、そしてあの熱い思いを忘れられないから…いや忘れたくないから…他の唇で上書きなんてしたくないと思っている。そうじゃないか?
愛しているんだよ。それは今も愛していると言うことなんだよ。
そう言って…由梨奈の唇を思い出させた。
だが、27歳の俺の心は…
もう…苦しくて…辛い。叶わなかった恋なんだ、もう終わりたい。終わらせたい。
そう言って…泣いていた。
そんな気持ちを抱えたまま、日本の地を踏んだ俺は…荒れた。
唇以外は、誘われるまま他の女に触れさせ…
なにも考えたくなくて、快楽を求めた。
そんな日々を送っていたのは、まだ数日前のことだ。
由梨奈に会うのは正直恐い。俺は…どうなってしまうか恐い。
10年前とは違う。空を飛べる翼があるんだ。
あれほど求めた女を目にしたら…俺は…どうするか…自信がない。
他の人の手で終わらせられた恋だったから、まだ、小さな種火を持ったままなんだろうか。
だから、終わったと17歳の俺の心がまだ認めていないんだろうか。
だが振り向いてくれなかった由梨奈を、未だにどんなに思っても、誰も幸せにはならない。不幸になるばかりなんだ。
終わらせる。終わらせなくては…いけないんだ。
秋継や由梨奈に会えるのは、これから先、おそらくそう何度もないだろう。本家のパーティという、魑魅魍魎の集まりだが、ふたりに会えるこの機会を見逃したら、このまま、整理が付かない心で、結婚式を見ることになる。
せっかく葉月ちゃんが作ってくれたチャンス。
だが、剣も盾も持たずに、あの魑魅魍魎の集まりには連れてはゆけない。
どこかに忘れて来た笑顔を思いださせてくれるあの場所が…大事だから
葉月ちゃんがいる場所が大事だから…
俺は前に進む。
俺の為に…
俺に手を差し伸べ、笑顔を思い出させてくれた人を守る為に…
その為に養父に会い、そして頭を下げ、助けを請うんだ。
インタホーンに手を伸ばした。
《はい。》
「…樹です。」
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《……家に帰ってくるのに、何年かかってるんだ、このバカ息子。》
「…すみません。どんな顔で会ったらいいのかわからなくて……時間が掛かってしまいました。」
《樹…10年前あの駅の構内で、また迷ったら、私を呼びなさいと言っただろう。》
「…父さん…」
《樹。待っていたよ。お帰り。》
その声があんまり優しくて…目頭が熱くなった。だが…27の男が、親に涙を見せるのはカッコ悪くて、インタホーンから顔を背けながらだったが、でも…言いたかった。
「ただいま…」
小さな俺の声に…養父はまた
《お帰り、樹。》と…
あぁ、ここにも…
笑顔を思いださせてくれる場所が…ここにもあった。
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